終章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
見た感じは、里にいた竜神族と同じような姿なんだけど……。
体から放たれる力は片鱗だけでも強大で、さすが竜神族の王なだけある。
みんなよくこんな規格外に強い奴に六回も勝ったな!?
試練だから竜神王も死ぬ気でかかってはなかっただろうけど、それにしたってだよ!?
そりゃあラプソーンにも四人で勝つわけだ……。
「あなたが竜神王様ですか?」
「いかにも。私が竜神族の長、竜神王だ」
「その節はエイトと仲間たちがお世話になりました」
「え、ちょっと? 何その世間話でもしそうな流れ」
「いや、私も久しぶりに楽しませてもらった。人間の中にも強い者たちがいるのだな。あの試練を乗り越える人間がいたとは、驚いた」
「何度も死にかけましたけどね……」
ぼそっとエイトが呟く。
心做しか恨み言のように聞こえたのは気のせいだろうか。
六回勝つまでに何回全滅したか、途中から数えるのをやめたって言ってたもんな……。
想像を絶するほど困難な試練だったに違いない。
ただ残念ながら、その恨み節、竜神王様には聞こえていたみたいだ。
「死なずに生きているから大丈夫だろう」
「死んだらどうするつもりだったんですか」
「安心しろ、死にはせん。気を失うだけだったろう」
まあ、言うても試練だからね……。
エイト達が死んだら世界が滅ぶって、竜神王様も分かってたはずだし。
だけど世界を救ってもらわなきゃいけないから、生半可な修行を課すわけにもいかない──というところで竜の試練は行われてきたのだろう。
「それはさておき、エイト達には本当に感謝している。人間界の存亡を懸けた戦いに挑み、見事勝利してくれた。礼を言おう」
「い、いえそんな……」
「特に霊導者の子孫・レイラ。お前の我が身を犠牲にしてでも世界を守り抜く姿に、私は感銘を受けた」
「……ご存じだったんですか!?」
「人間界の流れは、私も知ることができる。とはいえお前がそれを選んだ時、私は儀式に失敗し、理性を失っていた。故にお前の選択と人間界の状況は、エイトやグルーノからの又聞きで把握したのだが……。ともあれお前は、神鳥の杖に感謝せねばならん。だが、一番お前が感謝せねばならぬのは、もちろんエイトに他ならない」
竜神王に視線を向けられ、エイトは少し恥ずかしそうに微笑んだ。
それはもう、エイトには感謝しきれないくらい感謝している。
エイトが私を甦らせることを諦めなかったから、私はこうして生きていられるわけだし。
「神鳥の杖がお前の魂を現世に留めておこうとしたのは、エイトの気持ちが強かったが故。お前を救いたいという思いの強さが、お前の魂を神鳥の杖に繋ぎ止めた。だから私は聞いただろう、エイト。霊導者の末裔をどう思っているのか、と」
「はい、確かにそう聞かれました」
「あの時の返答次第で、私は魂呼びの宝珠を授けるかを決めようとしたのだ。お前の気持ちが強ければ、消滅しかけたレイラの魂を、杖に繋ぎ止めておけるのではと。そう思ったからだった」
「そして僕は、ちゃんとレイラの魂を繋ぎ留めました。死んでも手放すわけにはいかない……本当に、大切な人だったから」
エイトの手が私の手をぎゅっと握る。
まあ、後を追うとまで言われたくらいだし……。
私もあの時の選択を後悔したわけじゃないけど、それでも罪悪感は消えるわけじゃない。
「……そうか。ところで、呪われていた姫はどうしている?」
「そんなことまでご存じだったんですか!?」
「人間界の大体のことは知っているつもりだ」
「姫はトロデーンで元気にしてますよ。姫の身代わりでトロデーン側がレイラになって、王子にとって代わってサザンビーク側が僕になったので、姫がどうなるかは心配でしたけど。先祖の約束事は僕とレイラで果たしただろうってことらしいです」
「チャゴス王子の絶望顔は傑作だったってゼシカたちが言ってました」
私とエイトはあの馬車に乗った後、そのままトロデーンへ一足先に帰った。
だから、その後のことはゼシカたちの話を聞いただけ。
それだけでも十分面白かったけど、ちょっと見てみたかったなとは思う。
姫様を救えた上に、自分たちの恋も永遠の愛に変えられたので、万々歳といった終わり方だったから、チャゴス王子の絶望顔は想像の中だけで留めておいてやろう。
「ではせっかくのついでだ。二人で私に挑んでみるか?」
「……え? 二人で!?」
「霊導者の本気を見てみたいだろう?」
「ち、ちょっとは思いますけど……」
エイトの顔がとんでもなく青ざめている。
下手すりゃトラウマが発動してるぞ、どんだけ熾烈な戦いだったんだ。
「とんでもなく強いの?」
「最後のほうは四人でもやっとだし、何度も全滅したよ。あ、死んではないけど」
「えっ」
そんな人と、二人で挑めと……?
いやいやいやいや、無茶を言うなこの人!?
普通に考えて私が死ぬんじゃない!?
四人でも精一杯だった相手に、二人で!?
「安心しろ、竜の姿にはなるつもりはない」
「なられたらさすがに二人では無理です。そもそも、その姿の竜神王にすら勝てるかどうか……」
「そこはお前たちの息を合わせればよかろう」
「でもレイラの武器と防具、トロデーン城に国宝として飾られてますし……」
「それならば心配ない」
竜神王様が錫杖で地面をシャンと叩くと、目の前に私の武器と防具の一式が現れた。
いつの間にと思いつつ、慌てて装備を整える。
隣でエイトが「国宝……」と呟いた。
私も城に戻ったらハチャメチャに怒られるんだろうなって気はしてる。
まあそんときゃそん時だ!!
「む、無理しなくていいんだよ?」
「やってみようエイト!」
「えっ?」
「一手、お願いします!」
「ええ!?」
「その意気や良し。お前も異論はないな?」
「ちょっ……ああもう! ありません!」
「今回は二人での挑戦。お前に竜神の封印を施すのはやめておこう。では、ゆくぞ」
竜神王が体力と魔力を全回復してくれた。
メタルキングの槍を構えて、エイトが竜神王の剣を鞘から引き抜く。
それが合図だった。
「スクルト! ピオリム! あとおまけ!」
自分たちに補助呪文をかけたついでに、竜神王にメラゾーマを唱える。
竜神王が巨大な火の玉に包まれるのは壮観だ。
「おまけでメラゾーマって……」とエイトがドン引きしたように呟いていたので、笑って誤魔化した。
イオナズンのほうがよかったのかな。
そういうことじゃないか。
「なら、僕も続かないとね!」
そう言って飛び出したエイトが、竜神王にはやぶさ斬りを叩き込む。
涼しい顔でそれをいなした竜神王は力を溜めると、そのままエイトの腹に正拳突きを喰らわせた。
さすがエイト、避けるのが下手なのは消える前と変わらなくて安心した!
ベホマを唱えてあげて、タンバリンを叩く。
本当にこれでどうして私たちの力が溜まるのかは不思議だけど、だからこいつの名前は不思議なタンバリンなんだろうなと無理やり納得することにした。
体から放たれる力は片鱗だけでも強大で、さすが竜神族の王なだけある。
みんなよくこんな規格外に強い奴に六回も勝ったな!?
試練だから竜神王も死ぬ気でかかってはなかっただろうけど、それにしたってだよ!?
そりゃあラプソーンにも四人で勝つわけだ……。
「あなたが竜神王様ですか?」
「いかにも。私が竜神族の長、竜神王だ」
「その節はエイトと仲間たちがお世話になりました」
「え、ちょっと? 何その世間話でもしそうな流れ」
「いや、私も久しぶりに楽しませてもらった。人間の中にも強い者たちがいるのだな。あの試練を乗り越える人間がいたとは、驚いた」
「何度も死にかけましたけどね……」
ぼそっとエイトが呟く。
心做しか恨み言のように聞こえたのは気のせいだろうか。
六回勝つまでに何回全滅したか、途中から数えるのをやめたって言ってたもんな……。
想像を絶するほど困難な試練だったに違いない。
ただ残念ながら、その恨み節、竜神王様には聞こえていたみたいだ。
「死なずに生きているから大丈夫だろう」
「死んだらどうするつもりだったんですか」
「安心しろ、死にはせん。気を失うだけだったろう」
まあ、言うても試練だからね……。
エイト達が死んだら世界が滅ぶって、竜神王様も分かってたはずだし。
だけど世界を救ってもらわなきゃいけないから、生半可な修行を課すわけにもいかない──というところで竜の試練は行われてきたのだろう。
「それはさておき、エイト達には本当に感謝している。人間界の存亡を懸けた戦いに挑み、見事勝利してくれた。礼を言おう」
「い、いえそんな……」
「特に霊導者の子孫・レイラ。お前の我が身を犠牲にしてでも世界を守り抜く姿に、私は感銘を受けた」
「……ご存じだったんですか!?」
「人間界の流れは、私も知ることができる。とはいえお前がそれを選んだ時、私は儀式に失敗し、理性を失っていた。故にお前の選択と人間界の状況は、エイトやグルーノからの又聞きで把握したのだが……。ともあれお前は、神鳥の杖に感謝せねばならん。だが、一番お前が感謝せねばならぬのは、もちろんエイトに他ならない」
竜神王に視線を向けられ、エイトは少し恥ずかしそうに微笑んだ。
それはもう、エイトには感謝しきれないくらい感謝している。
エイトが私を甦らせることを諦めなかったから、私はこうして生きていられるわけだし。
「神鳥の杖がお前の魂を現世に留めておこうとしたのは、エイトの気持ちが強かったが故。お前を救いたいという思いの強さが、お前の魂を神鳥の杖に繋ぎ止めた。だから私は聞いただろう、エイト。霊導者の末裔をどう思っているのか、と」
「はい、確かにそう聞かれました」
「あの時の返答次第で、私は魂呼びの宝珠を授けるかを決めようとしたのだ。お前の気持ちが強ければ、消滅しかけたレイラの魂を、杖に繋ぎ止めておけるのではと。そう思ったからだった」
「そして僕は、ちゃんとレイラの魂を繋ぎ留めました。死んでも手放すわけにはいかない……本当に、大切な人だったから」
エイトの手が私の手をぎゅっと握る。
まあ、後を追うとまで言われたくらいだし……。
私もあの時の選択を後悔したわけじゃないけど、それでも罪悪感は消えるわけじゃない。
「……そうか。ところで、呪われていた姫はどうしている?」
「そんなことまでご存じだったんですか!?」
「人間界の大体のことは知っているつもりだ」
「姫はトロデーンで元気にしてますよ。姫の身代わりでトロデーン側がレイラになって、王子にとって代わってサザンビーク側が僕になったので、姫がどうなるかは心配でしたけど。先祖の約束事は僕とレイラで果たしただろうってことらしいです」
「チャゴス王子の絶望顔は傑作だったってゼシカたちが言ってました」
私とエイトはあの馬車に乗った後、そのままトロデーンへ一足先に帰った。
だから、その後のことはゼシカたちの話を聞いただけ。
それだけでも十分面白かったけど、ちょっと見てみたかったなとは思う。
姫様を救えた上に、自分たちの恋も永遠の愛に変えられたので、万々歳といった終わり方だったから、チャゴス王子の絶望顔は想像の中だけで留めておいてやろう。
「ではせっかくのついでだ。二人で私に挑んでみるか?」
「……え? 二人で!?」
「霊導者の本気を見てみたいだろう?」
「ち、ちょっとは思いますけど……」
エイトの顔がとんでもなく青ざめている。
下手すりゃトラウマが発動してるぞ、どんだけ熾烈な戦いだったんだ。
「とんでもなく強いの?」
「最後のほうは四人でもやっとだし、何度も全滅したよ。あ、死んではないけど」
「えっ」
そんな人と、二人で挑めと……?
いやいやいやいや、無茶を言うなこの人!?
普通に考えて私が死ぬんじゃない!?
四人でも精一杯だった相手に、二人で!?
「安心しろ、竜の姿にはなるつもりはない」
「なられたらさすがに二人では無理です。そもそも、その姿の竜神王にすら勝てるかどうか……」
「そこはお前たちの息を合わせればよかろう」
「でもレイラの武器と防具、トロデーン城に国宝として飾られてますし……」
「それならば心配ない」
竜神王様が錫杖で地面をシャンと叩くと、目の前に私の武器と防具の一式が現れた。
いつの間にと思いつつ、慌てて装備を整える。
隣でエイトが「国宝……」と呟いた。
私も城に戻ったらハチャメチャに怒られるんだろうなって気はしてる。
まあそんときゃそん時だ!!
「む、無理しなくていいんだよ?」
「やってみようエイト!」
「えっ?」
「一手、お願いします!」
「ええ!?」
「その意気や良し。お前も異論はないな?」
「ちょっ……ああもう! ありません!」
「今回は二人での挑戦。お前に竜神の封印を施すのはやめておこう。では、ゆくぞ」
竜神王が体力と魔力を全回復してくれた。
メタルキングの槍を構えて、エイトが竜神王の剣を鞘から引き抜く。
それが合図だった。
「スクルト! ピオリム! あとおまけ!」
自分たちに補助呪文をかけたついでに、竜神王にメラゾーマを唱える。
竜神王が巨大な火の玉に包まれるのは壮観だ。
「おまけでメラゾーマって……」とエイトがドン引きしたように呟いていたので、笑って誤魔化した。
イオナズンのほうがよかったのかな。
そういうことじゃないか。
「なら、僕も続かないとね!」
そう言って飛び出したエイトが、竜神王にはやぶさ斬りを叩き込む。
涼しい顔でそれをいなした竜神王は力を溜めると、そのままエイトの腹に正拳突きを喰らわせた。
さすがエイト、避けるのが下手なのは消える前と変わらなくて安心した!
ベホマを唱えてあげて、タンバリンを叩く。
本当にこれでどうして私たちの力が溜まるのかは不思議だけど、だからこいつの名前は不思議なタンバリンなんだろうなと無理やり納得することにした。
