終章
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気になることはありつつも、まずは長老たちにご挨拶をすることになった。
里の一番奥にある大きな建物に入ると、円卓に座っているご老人数名がこちらを振り向く。
そうしてエイトを見て「おおエイト」と孫を見るような目で声を掛けたかと思うと、その隣にいる私を見て、長老たちが目を丸くした。
「その者が?」
「うむ。霊導者の末裔じゃ」
老婆の長老に尋ねられて、グルーノさんが頷く。
知らない間に私もすっかり有名人ってことか?
あんまり良くない方向で有名になってるような気がするのは気のせいだろうか。
「なるほど。魂呼びの儀式は無事に成功したか」
「竜神王様が自ら手をお貸しになられたのじゃ。失敗などするはずなかろう」
「……魂呼びの儀式? 一パーセントの奇跡をみんなが掴んだんじゃなかったの?」
ちいさな声でエイトにどういうことか尋ねると、エイトは決まりの悪そうな顔をしながら答えた。
「実は、竜神王に魂呼びの宝珠っていう物を貰ったんだ。それを使って魂呼びの儀式をやると、失敗しないからって」
「え、そうなの!? そんなのあるなんて知らなかった!」
「知るはずもないじゃろうな。なにせ魂呼びの宝珠を作り出す御業は、竜神王様しか会得しておらぬゆえ」
「うむ。あの神鳥レティスでさえも、宝珠を生み出すことは出来ぬはずじゃ。エイトたちはこの里のみならず、霊導者の末裔をも救ったのじゃな」
「救ったなんてそんな。僕らはただ、困っている人たちを無視できなかっただけです。それに、竜神王ほどの強さを持つ人に勝てば、僕らも暗黒神に勝てるんじゃないかと思って……」
半分くらいは打算だった、ということかな。
ともあれおかげで里は元気になって、エイトたちも強くなれて、私を生き返らせることもできた。
とんでもないところまで旅をしたもんだな、みんな。
会議場を後にして、次に向かったのはグルーノさんのご自宅。
玄関の幕を開けてお邪魔すると、玄関口に立っていた使用人の男性が私たちを見て、「お帰りなさいませ」と頭を下げた。
グルーノさんはこの家の主だからそれでいいし、エイトもグルーノさんの孫なんだからそれでいいけど、私はどう答えたらいいだろう。
迷った末に「お邪魔します」と答えることにした。
「初めてお見かけする方ですね。エイト様のお仲間ですか?」
「はい、少し前まで僕の幼馴染み兼同僚で、一緒に旅をしていました。今は僕の妻です。実は新婚旅行の最中で」
「新婚旅行!? 新婚旅行で、ここに!?」
「空の上に行きたいって彼女が言ったので。それに、僕の生まれ故郷をこの子にも見せたかったから」
「初めまして。レイラです。エイトがいつもお世話になっております」
「噂の、霊導者の末裔じゃよ」
「レイラ様、ご丁寧にありがとうございま……霊導者の末裔!?」
使用人の反応が期待通りすぎる。
面白いくらい目をひん剥いた使用人に、私がビビりつつも頭を下げる後ろで、エイトが顔を背けて爆笑している。
おいコラ、笑ってないで助けろよぉ!!
「そういうわけじゃ。数日はこの里に滞在するゆえ、しっかりともてなすようにな」
「かしこまりした」
うむ、と頷いたグルーノさんが、エイトを伴って二階へと階段を上がっていく。
私も使用人に頭を下げて、二階へお邪魔することにした。
二階は広い部屋が一つあるだけ。
壁際にはタンスが二つと、花瓶の置かれた机が一つ。
大きなベッドが一つ真ん中にあって、その横には丸い一人掛けのソファがあった。
「ここは? おじいさんのお部屋?」
「僕の母さんの部屋。でも僕が泊まる時はこの部屋を使うから、半分は僕の部屋かな」
「エイトのお母さんの……」
ここに、エイトのお母さんが暮らしていた。
そして数年間だけ、ここでエイトも過ごしたのだという。
エイトは幼い頃の記憶がないままだけど、もし記憶を思い出せたら、この里で過ごしていた頃のことも思い出すのかな?
「さて、ではわしがお前さんの疑問に答える番じゃな。なぜわしがネズミのトーポとして、エイトのそばにおったのか。それを話すには、まずエイトの両親の出会いから話さねばならん」
おじいさんがそう言って、部屋の隅に置いてあった宝箱を開けた。
隣でエイトが「あっ」と悟ったような顔をしたのは何なんだろう。
おじいさんが取り出したのは、ひとつの紙芝居。
「長い話になる。まずはソファかベッドに座るとよい」
「じゃあベッドに……」
エイトと隣り合ってベッドに座ると、おじいさんがソファに座って、うおっほんと咳払いをした。
そうして始まったのは、エイトの両親のお話。
好奇心旺盛な竜神族の娘と、サザンビーク王国の王子が出会ったことから始まった悲しい恋と、大人たちの思惑に翻弄されて居場所も記憶も失った男の子の物語だった──。
里の一番奥にある大きな建物に入ると、円卓に座っているご老人数名がこちらを振り向く。
そうしてエイトを見て「おおエイト」と孫を見るような目で声を掛けたかと思うと、その隣にいる私を見て、長老たちが目を丸くした。
「その者が?」
「うむ。霊導者の末裔じゃ」
老婆の長老に尋ねられて、グルーノさんが頷く。
知らない間に私もすっかり有名人ってことか?
あんまり良くない方向で有名になってるような気がするのは気のせいだろうか。
「なるほど。魂呼びの儀式は無事に成功したか」
「竜神王様が自ら手をお貸しになられたのじゃ。失敗などするはずなかろう」
「……魂呼びの儀式? 一パーセントの奇跡をみんなが掴んだんじゃなかったの?」
ちいさな声でエイトにどういうことか尋ねると、エイトは決まりの悪そうな顔をしながら答えた。
「実は、竜神王に魂呼びの宝珠っていう物を貰ったんだ。それを使って魂呼びの儀式をやると、失敗しないからって」
「え、そうなの!? そんなのあるなんて知らなかった!」
「知るはずもないじゃろうな。なにせ魂呼びの宝珠を作り出す御業は、竜神王様しか会得しておらぬゆえ」
「うむ。あの神鳥レティスでさえも、宝珠を生み出すことは出来ぬはずじゃ。エイトたちはこの里のみならず、霊導者の末裔をも救ったのじゃな」
「救ったなんてそんな。僕らはただ、困っている人たちを無視できなかっただけです。それに、竜神王ほどの強さを持つ人に勝てば、僕らも暗黒神に勝てるんじゃないかと思って……」
半分くらいは打算だった、ということかな。
ともあれおかげで里は元気になって、エイトたちも強くなれて、私を生き返らせることもできた。
とんでもないところまで旅をしたもんだな、みんな。
会議場を後にして、次に向かったのはグルーノさんのご自宅。
玄関の幕を開けてお邪魔すると、玄関口に立っていた使用人の男性が私たちを見て、「お帰りなさいませ」と頭を下げた。
グルーノさんはこの家の主だからそれでいいし、エイトもグルーノさんの孫なんだからそれでいいけど、私はどう答えたらいいだろう。
迷った末に「お邪魔します」と答えることにした。
「初めてお見かけする方ですね。エイト様のお仲間ですか?」
「はい、少し前まで僕の幼馴染み兼同僚で、一緒に旅をしていました。今は僕の妻です。実は新婚旅行の最中で」
「新婚旅行!? 新婚旅行で、ここに!?」
「空の上に行きたいって彼女が言ったので。それに、僕の生まれ故郷をこの子にも見せたかったから」
「初めまして。レイラです。エイトがいつもお世話になっております」
「噂の、霊導者の末裔じゃよ」
「レイラ様、ご丁寧にありがとうございま……霊導者の末裔!?」
使用人の反応が期待通りすぎる。
面白いくらい目をひん剥いた使用人に、私がビビりつつも頭を下げる後ろで、エイトが顔を背けて爆笑している。
おいコラ、笑ってないで助けろよぉ!!
「そういうわけじゃ。数日はこの里に滞在するゆえ、しっかりともてなすようにな」
「かしこまりした」
うむ、と頷いたグルーノさんが、エイトを伴って二階へと階段を上がっていく。
私も使用人に頭を下げて、二階へお邪魔することにした。
二階は広い部屋が一つあるだけ。
壁際にはタンスが二つと、花瓶の置かれた机が一つ。
大きなベッドが一つ真ん中にあって、その横には丸い一人掛けのソファがあった。
「ここは? おじいさんのお部屋?」
「僕の母さんの部屋。でも僕が泊まる時はこの部屋を使うから、半分は僕の部屋かな」
「エイトのお母さんの……」
ここに、エイトのお母さんが暮らしていた。
そして数年間だけ、ここでエイトも過ごしたのだという。
エイトは幼い頃の記憶がないままだけど、もし記憶を思い出せたら、この里で過ごしていた頃のことも思い出すのかな?
「さて、ではわしがお前さんの疑問に答える番じゃな。なぜわしがネズミのトーポとして、エイトのそばにおったのか。それを話すには、まずエイトの両親の出会いから話さねばならん」
おじいさんがそう言って、部屋の隅に置いてあった宝箱を開けた。
隣でエイトが「あっ」と悟ったような顔をしたのは何なんだろう。
おじいさんが取り出したのは、ひとつの紙芝居。
「長い話になる。まずはソファかベッドに座るとよい」
「じゃあベッドに……」
エイトと隣り合ってベッドに座ると、おじいさんがソファに座って、うおっほんと咳払いをした。
そうして始まったのは、エイトの両親のお話。
好奇心旺盛な竜神族の娘と、サザンビーク王国の王子が出会ったことから始まった悲しい恋と、大人たちの思惑に翻弄されて居場所も記憶も失った男の子の物語だった──。
