終章
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そんなこんなで、翌日。
「……で、どうする?」
「えっ、うーん……」
陛下に新婚旅行でもしてこいと言われたのはいいものの、ぶっちゃけ、新婚旅行の計画なんてものがなかった私達。
見事に行き先が決まらない。
「エイトはどこか行きたいところある?」
「特にないなぁ。っていう会話を昨日もしたよね」
「うん、したね!」
エイトと同時にため息をつく。
旅をしたことがなかったならば、例えば「ベルガラックに行きたい!」とかあっただろうに。
旅の中で立ち寄ってしまって、なんならカジノも堪能したせいで、行きたいかと言われると微妙……。
「……どうしようかな」
思わず空を仰ぎ見る。
ぽつぽつと浮かぶ白雲、小鳥が飛ぶ穏やかな空。
あの空の向こうには何があるんだろう、なんて考えたこともあったような、なかったような。
「空の上にでも行けたらねー」
「空の上?」
何かを思いついたように、エイトがポン、と手を打った。
「行こう! 空の上!」
「……え?」
返事をしないうちに、ルーラが唱えられる。
ふわりと私の足元が浮いて、ビュン! とどこかへと飛んでいった。
空の上にまで行ったのかみんな、いつだ、いつ行ったんだ!
間違いなく私が消えた時じゃん!!
なんでそんな面白い話を黙ってたんだ!!
一瞬の光の後、目を開けると──。
目の前には大きな門がドドンと立ち塞がっていた。
なんというか……入ってくるなみたいなオーラがビシビシ感じられるんだけど……。
「……ここは?」
「竜神族の里だよ。僕の生まれ故郷」
「竜神、族?」
「そう。僕は厳密な意味で人間じゃない。人間と竜神族のハーフなんだ」
「そうなんだ……。竜神族って、なんかかっこいい響きだね……。あ! ヨシュアが言ってた、エイトに人間じゃない血が混じってるってこのことか!」
「ヨシュアがそんなこと言ってたんだ?」
「あっ……」
しまった、つい勢いで言っちゃったけど……。
もしかして気にしてたのかな。
普通は気にするよね!?
人間と竜神族のハーフとか、世界中どこを探してもエイトだけだもん!!
気にしないほうが無理だよ!!
あわわわ、と慌てる私に笑って、エイトは首を振った。
「そんな顔しなくていいよ。単純に驚いただけ。僕も知らなかったことを、ヨシュアが知ってたから」
「そ、そうなの? もし気にしてたらどうしようかと思って……」
「みんなも特に気にしてないし、僕自身もそこまで気にしてないから。変に気を遣わないで、今まで通りに僕に接して」
「うん、分かった」
ヨシュアにも言われたことだったな。
エイトはエイトだって。
本当にその通りだ。
人間か竜神族かなんてのはどうでも良くて、大事なのはエイトがエイトであること。
だから何も気にしなくていいんだ。
「あと……その服、すごく可愛い。似合ってるよ」
「えっ……あ、ありがとう……。その、もう魔物も出ないから、戦う必要もないかなって思って。もし戦うことになっても、魔法で戦えばいいかなって……。だから、その……ちょっと頑張って、気合い入れてみたっていうか……」
わあああ!! 恥ずかしい!!
いやこの服を買うにあたって姫様に意見はもらったし、姫様も太鼓判を押してくれたから大丈夫だとは思ってたけど!!
でもなんかこう、朝から晩まで近衛兵として鍛錬したり見張り番したりで、色気も素っ気もない奴がさぁ!?
急にこんなヒラヒラしたワンピースなんか着て、変に思われたりしないかなって不安もあったというか……!
「僕のために着てくれたの?」
「……う、いやまぁ、気持ち的にちょっとだけ自分のためではあるけど……。こ、この服、姫様からも絶対似合うって言ってもらえて……。でもこ、こんな可愛い服、私に似合うのかなってずっと不安ではあって……」
「そんなことない。すっごく似合ってる。可愛いよ」
「え、えへへ……そんなふうに言ってくれるの、エイトだけだよ」
ストレートに真正面から可愛いって言ってもらえて、照れくさくなりながら笑ってみせると、なぜかエイトが手で顔を覆っていた。
ほ、褒められた……よね!?
ひょっとして何かしらの皮肉だったとか!?
わ……私、そんなところまで鈍感だった……!?
「あ、あの、エイト、やっぱり本当はちょっと変とか思っ……てた?」
「は!? なんで!?」
「だってなんか、機嫌悪そうっていうか……」
「機嫌!? 全然悪くないし、むしろちょっと浮かれてるくらいだけど……?」
浮かれてんのか、と冷静に返してしまった。
全然気付かなかったよ、それで浮かれてたんだ。
あまりにも普段通りすぎるのに。
ではなぜ手で顔を覆って?
「レイラが可愛すぎてつらいのに自覚ないんだなぁって思うと、僕が守らなきゃなと思って……」
「は、ええ……? 私、自分で自分の身は守れるよ?」
「そうだけど……そういうことじゃないんだ……」
よく分からない答えだった。
エイトに手を取られて、門をくぐる。
門を通ると、大きな岩をぐるっと避けるように道があって。
その向こうに小さな集落が見えた。
「わあ……!」
そこには、見たことのない種族が住んでいた。
耳が尖っているのがエルフに似てるけど、気配はエルフなんかじゃない。
威厳に満ちた、戦闘民族。
例えるならそんな感じ。
「新婚旅行がこことは、しけた提案じゃのう、エイトや」
そんな声と共に、ドロンと煙が立つ。
そうして現れたのはモヒカンのような頭のおじいさんだった。
いい歳してハジケた髪型してるな。
「ウワッ!? どこから出てきたの、このおじいさん!」
「トーポだよ。というか、出てきて一番にその言葉ってどうなんですか、おじいさん」
「え、トーポ? トーポって変身できたの? すごーい! もうネズミじゃないよね、トーポって」
「ワシは元から竜神族じゃ! でもってエイトの祖父じゃ!」
「トーポって喋れるんだ……え? エイトのおじいちゃん? つまりエイトってネズミから生まれたの……?」
「恐ろしい結論に着地しないでくれる!?」
あれ、ちがうの?
でもおじいさんはネズミだし……。
わけが分からなくなってきたな。
「……で、どうする?」
「えっ、うーん……」
陛下に新婚旅行でもしてこいと言われたのはいいものの、ぶっちゃけ、新婚旅行の計画なんてものがなかった私達。
見事に行き先が決まらない。
「エイトはどこか行きたいところある?」
「特にないなぁ。っていう会話を昨日もしたよね」
「うん、したね!」
エイトと同時にため息をつく。
旅をしたことがなかったならば、例えば「ベルガラックに行きたい!」とかあっただろうに。
旅の中で立ち寄ってしまって、なんならカジノも堪能したせいで、行きたいかと言われると微妙……。
「……どうしようかな」
思わず空を仰ぎ見る。
ぽつぽつと浮かぶ白雲、小鳥が飛ぶ穏やかな空。
あの空の向こうには何があるんだろう、なんて考えたこともあったような、なかったような。
「空の上にでも行けたらねー」
「空の上?」
何かを思いついたように、エイトがポン、と手を打った。
「行こう! 空の上!」
「……え?」
返事をしないうちに、ルーラが唱えられる。
ふわりと私の足元が浮いて、ビュン! とどこかへと飛んでいった。
空の上にまで行ったのかみんな、いつだ、いつ行ったんだ!
間違いなく私が消えた時じゃん!!
なんでそんな面白い話を黙ってたんだ!!
一瞬の光の後、目を開けると──。
目の前には大きな門がドドンと立ち塞がっていた。
なんというか……入ってくるなみたいなオーラがビシビシ感じられるんだけど……。
「……ここは?」
「竜神族の里だよ。僕の生まれ故郷」
「竜神、族?」
「そう。僕は厳密な意味で人間じゃない。人間と竜神族のハーフなんだ」
「そうなんだ……。竜神族って、なんかかっこいい響きだね……。あ! ヨシュアが言ってた、エイトに人間じゃない血が混じってるってこのことか!」
「ヨシュアがそんなこと言ってたんだ?」
「あっ……」
しまった、つい勢いで言っちゃったけど……。
もしかして気にしてたのかな。
普通は気にするよね!?
人間と竜神族のハーフとか、世界中どこを探してもエイトだけだもん!!
気にしないほうが無理だよ!!
あわわわ、と慌てる私に笑って、エイトは首を振った。
「そんな顔しなくていいよ。単純に驚いただけ。僕も知らなかったことを、ヨシュアが知ってたから」
「そ、そうなの? もし気にしてたらどうしようかと思って……」
「みんなも特に気にしてないし、僕自身もそこまで気にしてないから。変に気を遣わないで、今まで通りに僕に接して」
「うん、分かった」
ヨシュアにも言われたことだったな。
エイトはエイトだって。
本当にその通りだ。
人間か竜神族かなんてのはどうでも良くて、大事なのはエイトがエイトであること。
だから何も気にしなくていいんだ。
「あと……その服、すごく可愛い。似合ってるよ」
「えっ……あ、ありがとう……。その、もう魔物も出ないから、戦う必要もないかなって思って。もし戦うことになっても、魔法で戦えばいいかなって……。だから、その……ちょっと頑張って、気合い入れてみたっていうか……」
わあああ!! 恥ずかしい!!
いやこの服を買うにあたって姫様に意見はもらったし、姫様も太鼓判を押してくれたから大丈夫だとは思ってたけど!!
でもなんかこう、朝から晩まで近衛兵として鍛錬したり見張り番したりで、色気も素っ気もない奴がさぁ!?
急にこんなヒラヒラしたワンピースなんか着て、変に思われたりしないかなって不安もあったというか……!
「僕のために着てくれたの?」
「……う、いやまぁ、気持ち的にちょっとだけ自分のためではあるけど……。こ、この服、姫様からも絶対似合うって言ってもらえて……。でもこ、こんな可愛い服、私に似合うのかなってずっと不安ではあって……」
「そんなことない。すっごく似合ってる。可愛いよ」
「え、えへへ……そんなふうに言ってくれるの、エイトだけだよ」
ストレートに真正面から可愛いって言ってもらえて、照れくさくなりながら笑ってみせると、なぜかエイトが手で顔を覆っていた。
ほ、褒められた……よね!?
ひょっとして何かしらの皮肉だったとか!?
わ……私、そんなところまで鈍感だった……!?
「あ、あの、エイト、やっぱり本当はちょっと変とか思っ……てた?」
「は!? なんで!?」
「だってなんか、機嫌悪そうっていうか……」
「機嫌!? 全然悪くないし、むしろちょっと浮かれてるくらいだけど……?」
浮かれてんのか、と冷静に返してしまった。
全然気付かなかったよ、それで浮かれてたんだ。
あまりにも普段通りすぎるのに。
ではなぜ手で顔を覆って?
「レイラが可愛すぎてつらいのに自覚ないんだなぁって思うと、僕が守らなきゃなと思って……」
「は、ええ……? 私、自分で自分の身は守れるよ?」
「そうだけど……そういうことじゃないんだ……」
よく分からない答えだった。
エイトに手を取られて、門をくぐる。
門を通ると、大きな岩をぐるっと避けるように道があって。
その向こうに小さな集落が見えた。
「わあ……!」
そこには、見たことのない種族が住んでいた。
耳が尖っているのがエルフに似てるけど、気配はエルフなんかじゃない。
威厳に満ちた、戦闘民族。
例えるならそんな感じ。
「新婚旅行がこことは、しけた提案じゃのう、エイトや」
そんな声と共に、ドロンと煙が立つ。
そうして現れたのはモヒカンのような頭のおじいさんだった。
いい歳してハジケた髪型してるな。
「ウワッ!? どこから出てきたの、このおじいさん!」
「トーポだよ。というか、出てきて一番にその言葉ってどうなんですか、おじいさん」
「え、トーポ? トーポって変身できたの? すごーい! もうネズミじゃないよね、トーポって」
「ワシは元から竜神族じゃ! でもってエイトの祖父じゃ!」
「トーポって喋れるんだ……え? エイトのおじいちゃん? つまりエイトってネズミから生まれたの……?」
「恐ろしい結論に着地しないでくれる!?」
あれ、ちがうの?
でもおじいさんはネズミだし……。
わけが分からなくなってきたな。
