79章
夢小説設定
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詰所を出てすぐ、私とエイトは目の前の光景に気付いて足を止めた。
他人のフリをしても許されるだろうか。
できれば知り合いだと思われたくないぞ。
「だれか忍び足が得意な人」
「少なくとも僕は無理かな」
「私も無理。奇遇だね」
駄目だこりゃ。
諦めて私たちは真正面から無視をすることにした。
目の前にいる赤い騎士は、壁に手をついて踊り子さんを口説いている真っ最中だ。
その横にはバニーガールもいる。
どこで引っ掛けてきたんだ、その女どもは。
私たちの足音に気付いた赤い騎士もといククール、別名バカリスマがこちらを見やる。
「よお、エイト、レイラ。あれ以来だな。連絡をもらったから、さっそく参上したぜ。姫様の護衛をするんだってな」
「……ククール」
「ヤンガスとはさっきここですれ違ったけど、相変わらずだったなぁ」
「ククールがそれ言う?」
誰よりも変わってないのはお前だぞ、バカリスマ。
ゼシカに何されても知らないんだからな。
助け舟は出さないぞ。
まったく、少しはマシになったかと思ったけど、こいつのナンパ癖と女癖の悪さは一生かかっても治らなさそうだな……。
「お前らの仕事の付き添いってのは面倒くさいけど、こんな時でもなきゃ、みんなの顔が見られないものな」
「確かにそうかも。ククールが根無し草だから余計にね」
「俺はひとところに留まるのが好きじゃないんだよ。ところでお前ら、この結婚に納得してんのかね。もし嫌だったら辞めちまえばいいのによ。聖堂騎士団を抜けて自由になった俺みたいにさ」
「はは……。今のところ、僕もレイラも、仕事を辞める予定はないかな」
まぁね、納得してるかって言ったら全然してないけど。
じゃあだからって仕事を辞めても、どうやって生活するよ? って話だし。
ぶっちゃけ私たち、トロデーン城での暮らししかしたことないから、それ以外の生き方が微妙に分かんないところはあるんだよね。
「ねぇククールゥ。この人でしょ? エイトさんて。紹介してぇ、紹介してぇ」
「は?」
「あとでな。エイトはほら、まだまだ仕事があんだよ」
「あとでって何?」
「レイラ、頼むから城内で殺傷沙汰はやめてね……」
「紹介ってなに? 紹介してどうすんの? え? なに? エイトのこと狙ってんの? 私のエイトだぞ!?」
「だーもう分かったよ! お前、エイトに対して心が狭すぎるぞ」
「狭くもならぁな!! どっかの誰かさんが勝手に、人の恋人を知らん女に紹介しようとしてたらな!!」
「あーあーもうお前らはお似合いのバカップルだよ。末永くお幸せに。んじゃ、エイト。俺は中庭で暇を潰してる。用が済んだら来てくれ」
エイトに投げキッスをして、踊り子とバニーガールがククールと一緒に去っていく。
手を振ってそれを見送っていたエイトの手をペチンと叩き落として、ムカムカした気持ちでその手をぎゅうううっと握り締めた。
「レイラ、痛いよ、どうしたの」
「……あんなチャラチャラした女にデレデレしちゃってさ! なんだあの女ども! 人の男に色目使いやがって! どうせ色気も素っ気もない女ですよーだ! ふん!」
「え、ええ……?」
「……エイトもやっぱり、ああいう綺麗で色気のある女の人がいいの?」
「ううん、全然」
私には色気なんてないし、これまでの訓練や、旅の途中で色んな敵と戦ってきたおかげで、身体もそんなに綺麗じゃない。
ククールが侍らせてるような女の人はやっぱりエイトから見ても好みなのかな……。
……などと落ち込む前に即答で否定が入った。
「レイラ以外の女の人には興味ないから、何とも思わなかったかな。そもそも僕を紹介するって言っても、ククールの旅の仲間だったんだってことくらいしか、話すことはなさそうだと思うけど……」
「……ウン、ソウダネ」
超がつく鈍感野郎のエイトに、紹介の意味なんて分かるはずなかったんだ……。
でも気付いてないなら、それでいっか……。
無駄に火種を作ることないもんね。
これもククールの命を守るためだ、うん、そういうことにしておこう。
一人でウンウンと頷いて、その先の階段で別れた。
エイトは姫様を呼びに行くために階段を上がって二階へ。
私は中庭でみんなと合流するために外へと出た。
中庭に出たものの、ゼシカの姿は見当たらない。
まだ到着していないのか、それとも別のところにいるのか。
それは分からないけど、ヤンガスとかククールとかと近況報告なんかをしつつ、お喋りに花を咲かせていると。
「あっ! レイラ!」
「ゼシカ〜!!」
城からゼシカが現れたので、思いっきり手を振った。
ゼシカも相変わらず元気そうだ。
こちらへ駆け寄ってくるゼシカの腰には鞭が提げられている。
護衛だから、流石に武器が杖だと攻撃できないか。
いや魔法を使えばいいんだろうけど。
「久しぶり! 元気だった?」
「もちろん元気にしてたわよ。あなたは……聞くまでもなく元気そうね。エイトもレイラも忙しいのは知ってるけど、この数ヶ月間、誰とも連絡を取ってなかったなんて言わないでしょうね?」
「うっ……!! な、なぜそれを……」
「そんなことだろうと思ったわよ。トロデーン城から一番近いところにいる私ですら、あの日以来、一度も会ってないんだもの」
ゼシカのおっしゃる通り、私とエイトはこの数ヶ月間、三人の誰とも顔を合わせていない。
十日間しか休みをもらわなかった私はいざ知らず、一ヶ月も休みをもらっておいて、エイトでさえ誰とも会わなかったなんてな。
もちろん仕事に復帰してからは当たり前のように忙しかったので、遊びに行く暇なんてなかったわけだけど。
他人のフリをしても許されるだろうか。
できれば知り合いだと思われたくないぞ。
「だれか忍び足が得意な人」
「少なくとも僕は無理かな」
「私も無理。奇遇だね」
駄目だこりゃ。
諦めて私たちは真正面から無視をすることにした。
目の前にいる赤い騎士は、壁に手をついて踊り子さんを口説いている真っ最中だ。
その横にはバニーガールもいる。
どこで引っ掛けてきたんだ、その女どもは。
私たちの足音に気付いた赤い騎士もといククール、別名バカリスマがこちらを見やる。
「よお、エイト、レイラ。あれ以来だな。連絡をもらったから、さっそく参上したぜ。姫様の護衛をするんだってな」
「……ククール」
「ヤンガスとはさっきここですれ違ったけど、相変わらずだったなぁ」
「ククールがそれ言う?」
誰よりも変わってないのはお前だぞ、バカリスマ。
ゼシカに何されても知らないんだからな。
助け舟は出さないぞ。
まったく、少しはマシになったかと思ったけど、こいつのナンパ癖と女癖の悪さは一生かかっても治らなさそうだな……。
「お前らの仕事の付き添いってのは面倒くさいけど、こんな時でもなきゃ、みんなの顔が見られないものな」
「確かにそうかも。ククールが根無し草だから余計にね」
「俺はひとところに留まるのが好きじゃないんだよ。ところでお前ら、この結婚に納得してんのかね。もし嫌だったら辞めちまえばいいのによ。聖堂騎士団を抜けて自由になった俺みたいにさ」
「はは……。今のところ、僕もレイラも、仕事を辞める予定はないかな」
まぁね、納得してるかって言ったら全然してないけど。
じゃあだからって仕事を辞めても、どうやって生活するよ? って話だし。
ぶっちゃけ私たち、トロデーン城での暮らししかしたことないから、それ以外の生き方が微妙に分かんないところはあるんだよね。
「ねぇククールゥ。この人でしょ? エイトさんて。紹介してぇ、紹介してぇ」
「は?」
「あとでな。エイトはほら、まだまだ仕事があんだよ」
「あとでって何?」
「レイラ、頼むから城内で殺傷沙汰はやめてね……」
「紹介ってなに? 紹介してどうすんの? え? なに? エイトのこと狙ってんの? 私のエイトだぞ!?」
「だーもう分かったよ! お前、エイトに対して心が狭すぎるぞ」
「狭くもならぁな!! どっかの誰かさんが勝手に、人の恋人を知らん女に紹介しようとしてたらな!!」
「あーあーもうお前らはお似合いのバカップルだよ。末永くお幸せに。んじゃ、エイト。俺は中庭で暇を潰してる。用が済んだら来てくれ」
エイトに投げキッスをして、踊り子とバニーガールがククールと一緒に去っていく。
手を振ってそれを見送っていたエイトの手をペチンと叩き落として、ムカムカした気持ちでその手をぎゅうううっと握り締めた。
「レイラ、痛いよ、どうしたの」
「……あんなチャラチャラした女にデレデレしちゃってさ! なんだあの女ども! 人の男に色目使いやがって! どうせ色気も素っ気もない女ですよーだ! ふん!」
「え、ええ……?」
「……エイトもやっぱり、ああいう綺麗で色気のある女の人がいいの?」
「ううん、全然」
私には色気なんてないし、これまでの訓練や、旅の途中で色んな敵と戦ってきたおかげで、身体もそんなに綺麗じゃない。
ククールが侍らせてるような女の人はやっぱりエイトから見ても好みなのかな……。
……などと落ち込む前に即答で否定が入った。
「レイラ以外の女の人には興味ないから、何とも思わなかったかな。そもそも僕を紹介するって言っても、ククールの旅の仲間だったんだってことくらいしか、話すことはなさそうだと思うけど……」
「……ウン、ソウダネ」
超がつく鈍感野郎のエイトに、紹介の意味なんて分かるはずなかったんだ……。
でも気付いてないなら、それでいっか……。
無駄に火種を作ることないもんね。
これもククールの命を守るためだ、うん、そういうことにしておこう。
一人でウンウンと頷いて、その先の階段で別れた。
エイトは姫様を呼びに行くために階段を上がって二階へ。
私は中庭でみんなと合流するために外へと出た。
中庭に出たものの、ゼシカの姿は見当たらない。
まだ到着していないのか、それとも別のところにいるのか。
それは分からないけど、ヤンガスとかククールとかと近況報告なんかをしつつ、お喋りに花を咲かせていると。
「あっ! レイラ!」
「ゼシカ〜!!」
城からゼシカが現れたので、思いっきり手を振った。
ゼシカも相変わらず元気そうだ。
こちらへ駆け寄ってくるゼシカの腰には鞭が提げられている。
護衛だから、流石に武器が杖だと攻撃できないか。
いや魔法を使えばいいんだろうけど。
「久しぶり! 元気だった?」
「もちろん元気にしてたわよ。あなたは……聞くまでもなく元気そうね。エイトもレイラも忙しいのは知ってるけど、この数ヶ月間、誰とも連絡を取ってなかったなんて言わないでしょうね?」
「うっ……!! な、なぜそれを……」
「そんなことだろうと思ったわよ。トロデーン城から一番近いところにいる私ですら、あの日以来、一度も会ってないんだもの」
ゼシカのおっしゃる通り、私とエイトはこの数ヶ月間、三人の誰とも顔を合わせていない。
十日間しか休みをもらわなかった私はいざ知らず、一ヶ月も休みをもらっておいて、エイトでさえ誰とも会わなかったなんてな。
もちろん仕事に復帰してからは当たり前のように忙しかったので、遊びに行く暇なんてなかったわけだけど。
