70章
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この洞窟を歩いていると、度々目にするのが壁画だ。
人のようで人ではない存在に対して跪く人間の絵や、火を噴く竜とそれから逃げ惑う人々。
似たような絵でも細部が異なる描かれ方をしているものの、凡そのストーリーは推測できる。
「元々、人間はこの謎の種族に従っていたということかしら」
「そうみたいだな。どうやら奴隷のような扱いを受けていたらしい。だがこんな種族、見たこともないぞ」
「ひょっとしてアッシらが向かっているのは、この変な種族のアジトってことでげすかい?」
「どうだろう。昔はこの種族の支配を受けていたかもしれないけど、今はそうじゃない。となると、彼らは人間の支配をやめたってことになるし……。そもそもここへの行き方だって、空を飛んであの祭壇に行かないといけないわけだろ? 人間との関わりを絶っていると考えたほうがいい気がする」
壁画から離れて、先へと進む。
滝が落ちる空間に続く道を進んで、毒の沼地が蔓延する場所が現れた。
壁の近くに宝箱が一つ見えているけど、ああいうのに限ってミミックだったりするんだ。
「ややっ! あんな所に宝箱があるでげすよ!」
「いやそれ罠だろ」
ククールの冷静な声に負けず、ヤンガスが毒の沼地を突っ切って宝箱を開ける。
瞬間、宝箱がガバッと口を開けて襲ってきた。
「だーから、罠だっつったろーが!!」
「レイラがいないと、ヤンガスが罠に引っかかっていくわけね……」
「あの子もだいぶ不名誉なイメージがついてるなぁ……」
パンドラボックスを相手にして、何とか倒した。
毒の沼地の空間を抜けた先へ進むと、どうやら洞窟から外に出るらしい。
「わ……!」
洞窟の外は、雲の上。
いったいぜんたい、ここはどこにあるんだ。
入口からここまで、地下に降りてきたはずなのに。
何ともおかしな状況だけど、進むしかないのがなおのこと恐ろしい。
左右に枝のように伸びた道の先には、エルフの飲み薬と、なんとはぐれメタルの槍が落ちている。
なんで伝説級の武器が、こんな所に落ちているんだ……。
ひとまずそれも馬車に積んでおいた。
僕は槍よりも剣の方が使いやすいから、これを使うことはなさそうだし。
再び洞窟の中に入って、不思議な紋章の入った床に乗る。
するとまたもや目の前が眩しく光って──違う洞窟の中に飛ばされた。
雰囲気で分かる。
もうすぐどこかに着く。
そのせいか、見えている魔物も、今までより更に強力だ。
「気を引き締めろよ」
ククールが呟く。
ダークデーブルもデスストーカーも強かったけれど、恐らくこの──ダークナイトが厄介な相手だ。
攻撃力自体はそこまでない。
ただ素早さと──空から神の怒りが降ってくるのが、ラプソーンのように厄介で頭にくる。
どうにか切り抜けて、道を進むと、また外に出た。
そこは相変わらず雲の上で……ただ道の橋に、ひっそりとお墓があった。
「こんなところにお墓?」
ゼシカも首をひねっている。
僕たちも「なぜこんな危ない場所に」と疑問だらけだ。
墓石には「我が最愛の人エルトリオここに眠る。願わくばその眠りの安らかならんことを」と刻まれている。
「エルトリオ……?」
「この墓に葬られた人の名前かもな」
「でも、こんな辺鄙な場所にお墓なんて変じゃない? この先に誰か住んでるってことかしら」
「そうでがしょうなぁ」
「そうじゃなかったら、お墓なんか立つわけないしなぁ……」
でも、なんとなく……エルトリオという名前に、不思議な身近さを感じた。
どこかで聞いたことがあるような気もするけど……どこだっただろう。
こういうとき、レイラなら意外と覚えていたりするんだけど。
「……行こう」
お墓に手を合わせて、先へ急ぐ。
ここでのんびりしていたら、またダークナイトが襲ってくる。
洞窟の中を通り抜けて、また雲の上へ。
けれど、それからしばらくしないうちに、行き止まりにぶち当たった。
不自然に道を塞ぐ岩には、扉がついている。
その扉からは、この先には入ってくるな──という意志を感じた。
扉の取っ手を握って開けようとしても、ビクともしない。
ならばと力づくで押して開けようとしても、壁を押しているみたいだった。
ぜぇはぁと肩で息をして、全員で扉を見上げる。
「こいつぁ実に何とも頑丈そうな門でがすなぁ。いったいこの先に何があるってんだか……」
「だが困ったな。この門ときたら、押しても引いても開かないじゃないか」
「せっかくここまで来たってのに、引き返すなんて……。何とかならないもんかしら?」
「うーん……」
解決策が浮かぶはずもなく、風に吹かれたまま門の前で足踏みをするしかないかと思われた、その時。
ポケットからトーポが降りて、その門に触れた。
門にかかっていた何かの結界が解かれて、ギギギ……と音を立てて門が開いていく。
「え、えぇ……!?」
「いったい今のは……? トーポくんが門を開いたように見えたけど、どういうことなの?」
「前々からただのネズミじゃないと思ってたんだが、いよいよあいつも化け物じみてきたでがすな」
「……いや、火とか吐く時点で、充分化け物じみてると思うんだが……」
もう誰もトーポのことをただのネズミとは思ってなかったのか……。
さすがに今ので、ただのネズミじゃなかったんだなって僕も思ったけど。
レイラも前々からただのネズミじゃないって言ってたしな……。
とにかく門は開いたわけだから、中へ入ってみることにした。
岩が一つ道の真ん中に落ちている辺りで、いきなり煙がモクモクと立つと、そこから老人が現れる。
全員が「うわ!」だの「うお!?」だのと悲鳴を上げたのは目をつぶってほしい。
「よく来なさったな。ここは人と竜……二つの姿を持つ種族、竜神族の住む里じゃ」
「竜神族……?」
「人と竜の姿を持つって、どういうことだ?」
ここに来て初めてだらけのワードが出てくるんだから、世界は本当に広すぎる。
老人は僕らの疑問に答えることもなく、淡々と自己紹介を述べた。
「わしは竜神族の長老がひとり、グルーノと申す者。この里でのお前さんたちの案内役じゃ。なにせ、この里を人間が訪れるのは、何百年ぶりのことじゃてのう……。我らの中にも人間を見て驚く者がいるじゃろうから、わしが付き添おうというわけじゃ。窮屈なこととは思うが、まあ、我慢してくだされよ」
「……はい。宜しくお願いします」
グルーノさんとは、初対面のはず。
そのはずなのに……どうして僕を見る瞳が優しいんだろう。
まるで長いこと僕を見守ってきたかのような──そんなはずない、僕は生まれた時から孤児で、身寄りなんてなかった。
僕のそばにいたのは、トーポだけ。
……じゃあどうして僕は、このおじいさんに親近感を覚えているんだろう。
人のようで人ではない存在に対して跪く人間の絵や、火を噴く竜とそれから逃げ惑う人々。
似たような絵でも細部が異なる描かれ方をしているものの、凡そのストーリーは推測できる。
「元々、人間はこの謎の種族に従っていたということかしら」
「そうみたいだな。どうやら奴隷のような扱いを受けていたらしい。だがこんな種族、見たこともないぞ」
「ひょっとしてアッシらが向かっているのは、この変な種族のアジトってことでげすかい?」
「どうだろう。昔はこの種族の支配を受けていたかもしれないけど、今はそうじゃない。となると、彼らは人間の支配をやめたってことになるし……。そもそもここへの行き方だって、空を飛んであの祭壇に行かないといけないわけだろ? 人間との関わりを絶っていると考えたほうがいい気がする」
壁画から離れて、先へと進む。
滝が落ちる空間に続く道を進んで、毒の沼地が蔓延する場所が現れた。
壁の近くに宝箱が一つ見えているけど、ああいうのに限ってミミックだったりするんだ。
「ややっ! あんな所に宝箱があるでげすよ!」
「いやそれ罠だろ」
ククールの冷静な声に負けず、ヤンガスが毒の沼地を突っ切って宝箱を開ける。
瞬間、宝箱がガバッと口を開けて襲ってきた。
「だーから、罠だっつったろーが!!」
「レイラがいないと、ヤンガスが罠に引っかかっていくわけね……」
「あの子もだいぶ不名誉なイメージがついてるなぁ……」
パンドラボックスを相手にして、何とか倒した。
毒の沼地の空間を抜けた先へ進むと、どうやら洞窟から外に出るらしい。
「わ……!」
洞窟の外は、雲の上。
いったいぜんたい、ここはどこにあるんだ。
入口からここまで、地下に降りてきたはずなのに。
何ともおかしな状況だけど、進むしかないのがなおのこと恐ろしい。
左右に枝のように伸びた道の先には、エルフの飲み薬と、なんとはぐれメタルの槍が落ちている。
なんで伝説級の武器が、こんな所に落ちているんだ……。
ひとまずそれも馬車に積んでおいた。
僕は槍よりも剣の方が使いやすいから、これを使うことはなさそうだし。
再び洞窟の中に入って、不思議な紋章の入った床に乗る。
するとまたもや目の前が眩しく光って──違う洞窟の中に飛ばされた。
雰囲気で分かる。
もうすぐどこかに着く。
そのせいか、見えている魔物も、今までより更に強力だ。
「気を引き締めろよ」
ククールが呟く。
ダークデーブルもデスストーカーも強かったけれど、恐らくこの──ダークナイトが厄介な相手だ。
攻撃力自体はそこまでない。
ただ素早さと──空から神の怒りが降ってくるのが、ラプソーンのように厄介で頭にくる。
どうにか切り抜けて、道を進むと、また外に出た。
そこは相変わらず雲の上で……ただ道の橋に、ひっそりとお墓があった。
「こんなところにお墓?」
ゼシカも首をひねっている。
僕たちも「なぜこんな危ない場所に」と疑問だらけだ。
墓石には「我が最愛の人エルトリオここに眠る。願わくばその眠りの安らかならんことを」と刻まれている。
「エルトリオ……?」
「この墓に葬られた人の名前かもな」
「でも、こんな辺鄙な場所にお墓なんて変じゃない? この先に誰か住んでるってことかしら」
「そうでがしょうなぁ」
「そうじゃなかったら、お墓なんか立つわけないしなぁ……」
でも、なんとなく……エルトリオという名前に、不思議な身近さを感じた。
どこかで聞いたことがあるような気もするけど……どこだっただろう。
こういうとき、レイラなら意外と覚えていたりするんだけど。
「……行こう」
お墓に手を合わせて、先へ急ぐ。
ここでのんびりしていたら、またダークナイトが襲ってくる。
洞窟の中を通り抜けて、また雲の上へ。
けれど、それからしばらくしないうちに、行き止まりにぶち当たった。
不自然に道を塞ぐ岩には、扉がついている。
その扉からは、この先には入ってくるな──という意志を感じた。
扉の取っ手を握って開けようとしても、ビクともしない。
ならばと力づくで押して開けようとしても、壁を押しているみたいだった。
ぜぇはぁと肩で息をして、全員で扉を見上げる。
「こいつぁ実に何とも頑丈そうな門でがすなぁ。いったいこの先に何があるってんだか……」
「だが困ったな。この門ときたら、押しても引いても開かないじゃないか」
「せっかくここまで来たってのに、引き返すなんて……。何とかならないもんかしら?」
「うーん……」
解決策が浮かぶはずもなく、風に吹かれたまま門の前で足踏みをするしかないかと思われた、その時。
ポケットからトーポが降りて、その門に触れた。
門にかかっていた何かの結界が解かれて、ギギギ……と音を立てて門が開いていく。
「え、えぇ……!?」
「いったい今のは……? トーポくんが門を開いたように見えたけど、どういうことなの?」
「前々からただのネズミじゃないと思ってたんだが、いよいよあいつも化け物じみてきたでがすな」
「……いや、火とか吐く時点で、充分化け物じみてると思うんだが……」
もう誰もトーポのことをただのネズミとは思ってなかったのか……。
さすがに今ので、ただのネズミじゃなかったんだなって僕も思ったけど。
レイラも前々からただのネズミじゃないって言ってたしな……。
とにかく門は開いたわけだから、中へ入ってみることにした。
岩が一つ道の真ん中に落ちている辺りで、いきなり煙がモクモクと立つと、そこから老人が現れる。
全員が「うわ!」だの「うお!?」だのと悲鳴を上げたのは目をつぶってほしい。
「よく来なさったな。ここは人と竜……二つの姿を持つ種族、竜神族の住む里じゃ」
「竜神族……?」
「人と竜の姿を持つって、どういうことだ?」
ここに来て初めてだらけのワードが出てくるんだから、世界は本当に広すぎる。
老人は僕らの疑問に答えることもなく、淡々と自己紹介を述べた。
「わしは竜神族の長老がひとり、グルーノと申す者。この里でのお前さんたちの案内役じゃ。なにせ、この里を人間が訪れるのは、何百年ぶりのことじゃてのう……。我らの中にも人間を見て驚く者がいるじゃろうから、わしが付き添おうというわけじゃ。窮屈なこととは思うが、まあ、我慢してくだされよ」
「……はい。宜しくお願いします」
グルーノさんとは、初対面のはず。
そのはずなのに……どうして僕を見る瞳が優しいんだろう。
まるで長いこと僕を見守ってきたかのような──そんなはずない、僕は生まれた時から孤児で、身寄りなんてなかった。
僕のそばにいたのは、トーポだけ。
……じゃあどうして僕は、このおじいさんに親近感を覚えているんだろう。
