69章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とはいえ、だ。
散々私たちを振り回してくれた杖だもん、最後くらい大いに利用させてもらおう。
ここですら役に立たなかったら、いよいよ本気で、厄災を振り撒いただけの呪いの杖だもんね。
『さあ、私の話は以上です。暗黒神の元ですべきことは、余さず理解できましたね?』
レティスの確認に全員が頷いた。
やること自体はシンプルでいいけど、かなり熾烈な戦いになるだろうことも簡単に予想がついて嫌になる。
不貞腐れたところで、やるしかないわけだけど!
『ならば暗黒神ラプソーンの元へ急ぎましょう。すぐに行けますね?』
「いつでも行けます!」
レティスが翼を広げると、私たちの体力が全回復した。
思いっきり空を飛んできたから、朝起きてからルーラだって使ってないのに申し訳ないな……。
でもそれを言うのは野暮かなと思ったので、みんな黙っていた。
『では行きましょう。さあ、この杖を、その手に……』
レティスの力が杖に注がれて、神鳥の杖が五つに分かれる。
私たちはそれぞれが小さな杖を手にした。
触れると、なんだか懐かしい気配を感じる。
……この杖に、暗黒神の魂が眠っていた。
ドルマゲスがそうと知らずに杖の封印を解いてしまったことによって、ラプソーンの魂は目覚め、同時にヨシュアが自身の末裔に危機を知らせるべく、眠りから覚めた。
──そして今、私たちは賢者たちでさえも成し遂げられなかったことをしようとしている。
仮に私が、ヨシュアと同じ道を辿ることになったとしても、この人達なら必ずやり遂げてくれる。
神鳥の杖を携え、袋の中を覗き込む。
袋には入れられるだけの世界樹の雫と、エルフの飲み薬を入れている。
これを飲み干すまでに、ラプソーンが倒れるか、私たちが倒れるか──結末は二つに一つ。
決戦の時は来た。
レティスの背に乗って空へと飛び立ち、上空に浮かぶラプソーンの元へと向かう。
……大丈夫、怖くない、怖がる必要なんてない。
エイトと繋いだ手は、震えていなかった。
頑張れる、私たちの望む明日のために、私は奴に全てをぶつける。
(ヨシュア、お願い。どうか見守っていて)
服の上からネックレスを握り締めて祈る。
私は霊導者ヨシュアの血を引く者、レイラ・ロアナス。
魔を祓う役目の私が、暗黒神に負けていいはずがない!
「見えたわよ!」
耳元で風が唸る中、ゼシカが叫ぶ。
結界の中から暗黒神が憎々しげにこちらを見やった。
レティス相手では勝ち目がないと悟っているのか、周囲に蔓延るラプソーンの下僕たちがこちらを攻撃してくる様子はない。
……禍々しい気、私と相反する力。
光と闇、聖なる力と穢れた力。
──今こそ私の手で、断ち切ってみせる。
『──お願いがあるの』
飛び立つ直前、ゼシカに言われた言葉を思い出した。
『私に遠慮しないで、使える呪文は全部使って。補助でも攻撃でも何でもいいわ。絶対に勝ちたいの。兄さんのためにも……あなたのためにも』
……ゼシカ。
その思い、絶対に無駄にはしない。
私たちを見下ろすラプソーンが薄気味悪く笑みを浮かべた。
「絶対……絶対に倒すんだから!!」
私の手には、はぐれメタルの剣。
この人類最強の剣で、暗黒神を討つ!!
ゼシカがピオリムで素早さをアシストして、私がフバーハを唱える。
ククールがスクルトを唱えて守備力を固めて、私が追加でマジックバリアを張った。
唱えられる呪文がないエイトとヤンガスは防御中だ。
まぁそうなるよな!
イオナズンの爆風をやり過ごして、全員が神鳥の杖に祈りを捧げた。
どうか私たちに力を!
私たちの祈りに反応して、神鳥の杖が輝き出す。
そうして杖から解き放たれた無敵の男ギャリングの魂とイエローオーブの光が重なり合った。
「これをあと七回か……。まったく、手間かけさせやがって」
ククールがぼやく。
いやもう本当にそれは私も思った。
ラプソーンが杖の先にある玉に念じて、飛ばしてくる。
翼の上で避けようのない私たちは、甘んじて受け止めるしかない。
「ぶべっ!」
「レイラ!? なんかすごい声出てたけど大丈夫!?」
「鼻が痛い……! やってくれたなこのメタボ魔神コラァァ!」
「キレちまったでがす」
「キレちまったな」
「完全にキレてるわね」
「久々に見るキレっぷりだよ」
「あれ、呑気に話してる場合なのかな」
ベホマズンで全員を回復したあと、気を取り直してもう一度祈る。
また一つ、オーブが魂と呼応して人影を創った。
今度はグリーンオーブ、大呪術師クーパスだ。
あと六回!
その時、ククールの頭上に巨大な火の玉が出現した。
ククールの姿が炎の柱に包まれる。
けれどそれが消えた後、ククールは涼しい顔で立っていた。
装備品のおかげで、呪文はある程度ならダメージを防げる。
怖いのは物理攻撃のほうだ。
特にあの杖の先の玉、あれが二回連続で当たっただけでも、相当なダメージになる。
言ったそばからまた玉が飛んできて、それは二回ともゼシカに。
流石に膝をつきかけたゼシカへ即座にベホマを唱えて、私たちは三度目の祈りを捧げた。
ブルーオーブが光って、賢者の魂──魔法剣士シャマルの魂と重なり合う。
あと五回だ、と剣を握り締めた時、ラプソーンから凍てつく波動が繰り出された。
そしてラプソーンが杖を掲げる。
瞬間、天から神々の怒りが降り注いだ。
こっちの特殊効果を消してからそれは酷くない!?
敵だからしょうがない?
それはそう。
「ったく……!」
「ククールはスクルトをもう一度かけて! 私がみんなを回復する! ベホマズン!!」
みんなの体力を全回復させる。
間髪入れずに、スクルトがかかった。
ゼシカもフバーハを唱えてくれる。
ならば私もピオリムを──と呪文を唱えようとした時。
ラプソーンが再び凍てつく波動を浴びせてきて、すべてがパァになった。
「……ンの野郎」
ククールがブチギレそうだったのを抑え込んでいる。
ラプソーンはラプソーンで、こっちを見下ろして下卑た笑みを浮かべているのだから、ククールの怒りが尚更増幅してる気がするな。
……だけど、オーブを三つ解放するだけでも、相当な時間がかかっているのは確かだ。
これは、予想以上の長期戦になるな……。
散々私たちを振り回してくれた杖だもん、最後くらい大いに利用させてもらおう。
ここですら役に立たなかったら、いよいよ本気で、厄災を振り撒いただけの呪いの杖だもんね。
『さあ、私の話は以上です。暗黒神の元ですべきことは、余さず理解できましたね?』
レティスの確認に全員が頷いた。
やること自体はシンプルでいいけど、かなり熾烈な戦いになるだろうことも簡単に予想がついて嫌になる。
不貞腐れたところで、やるしかないわけだけど!
『ならば暗黒神ラプソーンの元へ急ぎましょう。すぐに行けますね?』
「いつでも行けます!」
レティスが翼を広げると、私たちの体力が全回復した。
思いっきり空を飛んできたから、朝起きてからルーラだって使ってないのに申し訳ないな……。
でもそれを言うのは野暮かなと思ったので、みんな黙っていた。
『では行きましょう。さあ、この杖を、その手に……』
レティスの力が杖に注がれて、神鳥の杖が五つに分かれる。
私たちはそれぞれが小さな杖を手にした。
触れると、なんだか懐かしい気配を感じる。
……この杖に、暗黒神の魂が眠っていた。
ドルマゲスがそうと知らずに杖の封印を解いてしまったことによって、ラプソーンの魂は目覚め、同時にヨシュアが自身の末裔に危機を知らせるべく、眠りから覚めた。
──そして今、私たちは賢者たちでさえも成し遂げられなかったことをしようとしている。
仮に私が、ヨシュアと同じ道を辿ることになったとしても、この人達なら必ずやり遂げてくれる。
神鳥の杖を携え、袋の中を覗き込む。
袋には入れられるだけの世界樹の雫と、エルフの飲み薬を入れている。
これを飲み干すまでに、ラプソーンが倒れるか、私たちが倒れるか──結末は二つに一つ。
決戦の時は来た。
レティスの背に乗って空へと飛び立ち、上空に浮かぶラプソーンの元へと向かう。
……大丈夫、怖くない、怖がる必要なんてない。
エイトと繋いだ手は、震えていなかった。
頑張れる、私たちの望む明日のために、私は奴に全てをぶつける。
(ヨシュア、お願い。どうか見守っていて)
服の上からネックレスを握り締めて祈る。
私は霊導者ヨシュアの血を引く者、レイラ・ロアナス。
魔を祓う役目の私が、暗黒神に負けていいはずがない!
「見えたわよ!」
耳元で風が唸る中、ゼシカが叫ぶ。
結界の中から暗黒神が憎々しげにこちらを見やった。
レティス相手では勝ち目がないと悟っているのか、周囲に蔓延るラプソーンの下僕たちがこちらを攻撃してくる様子はない。
……禍々しい気、私と相反する力。
光と闇、聖なる力と穢れた力。
──今こそ私の手で、断ち切ってみせる。
『──お願いがあるの』
飛び立つ直前、ゼシカに言われた言葉を思い出した。
『私に遠慮しないで、使える呪文は全部使って。補助でも攻撃でも何でもいいわ。絶対に勝ちたいの。兄さんのためにも……あなたのためにも』
……ゼシカ。
その思い、絶対に無駄にはしない。
私たちを見下ろすラプソーンが薄気味悪く笑みを浮かべた。
「絶対……絶対に倒すんだから!!」
私の手には、はぐれメタルの剣。
この人類最強の剣で、暗黒神を討つ!!
ゼシカがピオリムで素早さをアシストして、私がフバーハを唱える。
ククールがスクルトを唱えて守備力を固めて、私が追加でマジックバリアを張った。
唱えられる呪文がないエイトとヤンガスは防御中だ。
まぁそうなるよな!
イオナズンの爆風をやり過ごして、全員が神鳥の杖に祈りを捧げた。
どうか私たちに力を!
私たちの祈りに反応して、神鳥の杖が輝き出す。
そうして杖から解き放たれた無敵の男ギャリングの魂とイエローオーブの光が重なり合った。
「これをあと七回か……。まったく、手間かけさせやがって」
ククールがぼやく。
いやもう本当にそれは私も思った。
ラプソーンが杖の先にある玉に念じて、飛ばしてくる。
翼の上で避けようのない私たちは、甘んじて受け止めるしかない。
「ぶべっ!」
「レイラ!? なんかすごい声出てたけど大丈夫!?」
「鼻が痛い……! やってくれたなこのメタボ魔神コラァァ!」
「キレちまったでがす」
「キレちまったな」
「完全にキレてるわね」
「久々に見るキレっぷりだよ」
「あれ、呑気に話してる場合なのかな」
ベホマズンで全員を回復したあと、気を取り直してもう一度祈る。
また一つ、オーブが魂と呼応して人影を創った。
今度はグリーンオーブ、大呪術師クーパスだ。
あと六回!
その時、ククールの頭上に巨大な火の玉が出現した。
ククールの姿が炎の柱に包まれる。
けれどそれが消えた後、ククールは涼しい顔で立っていた。
装備品のおかげで、呪文はある程度ならダメージを防げる。
怖いのは物理攻撃のほうだ。
特にあの杖の先の玉、あれが二回連続で当たっただけでも、相当なダメージになる。
言ったそばからまた玉が飛んできて、それは二回ともゼシカに。
流石に膝をつきかけたゼシカへ即座にベホマを唱えて、私たちは三度目の祈りを捧げた。
ブルーオーブが光って、賢者の魂──魔法剣士シャマルの魂と重なり合う。
あと五回だ、と剣を握り締めた時、ラプソーンから凍てつく波動が繰り出された。
そしてラプソーンが杖を掲げる。
瞬間、天から神々の怒りが降り注いだ。
こっちの特殊効果を消してからそれは酷くない!?
敵だからしょうがない?
それはそう。
「ったく……!」
「ククールはスクルトをもう一度かけて! 私がみんなを回復する! ベホマズン!!」
みんなの体力を全回復させる。
間髪入れずに、スクルトがかかった。
ゼシカもフバーハを唱えてくれる。
ならば私もピオリムを──と呪文を唱えようとした時。
ラプソーンが再び凍てつく波動を浴びせてきて、すべてがパァになった。
「……ンの野郎」
ククールがブチギレそうだったのを抑え込んでいる。
ラプソーンはラプソーンで、こっちを見下ろして下卑た笑みを浮かべているのだから、ククールの怒りが尚更増幅してる気がするな。
……だけど、オーブを三つ解放するだけでも、相当な時間がかかっているのは確かだ。
これは、予想以上の長期戦になるな……。
