61章
夢小説設定
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まっすぐに大聖堂へ向かっているわけではないらしく、レオパルドの動きを示す暗黒大樹の葉は、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。
それを追いかけながら進む私たちも、あっちに行ったりこっちに行ったりだ。
「それにしても……」
暗黒大樹の葉が示す方角へと向かいながら、私はふと口を開いた。
三角谷でも結局分からなかった事がひとつだけある。
「ヨシュアが暗黒神の身体の封印の核って、どういうことなんだろうね?」
「それ、私も気になってたの」
「確か一度目は、ヨシュア自身の魂で暗黒神の肉体を封印したんだよね」
エジェウスが残した石碑による伝承だと、そうだったはず。
肉体と魂を別々に封印したというのは分かってるんだけど、核という言い方がどうにも引っかかる。
「ええ、そうよ」
「で、私が狙われないまま、こうやって七賢人の末裔がどんどん狙われてるってことは、魂の封印に残りの七賢人が関わってるわけで」
「そうなるな」
「……もしかして、暗黒神の封印の一番大事な部分がヨシュアの封印ってこと? でもラプソーンはそのことには気づいてないみたいだし……」
「気づかない程、微弱になっているとしたら?」
前を見据えたまま、エイトが呟く。
「どういうこと?」
「暗黒神を封印したのは、何百年も前の話だ。その間に封印が薄れていてもおかしくない。現にこうやって、暗黒神は目覚めようとしてるから。以前は封印の中核として、暗黒神の目覚めを抑え込むことも出来ていたかもしれない。でも今、残る七賢人の末裔は法皇ただ一人。封印もかなり弱まってるはずだよ。ヨシュアが現れなくなったのも、これに関係してるかもしれない」
「本格的にヤバいってことでがすか?」
「たぶん。……仮にもし、法皇が殺されたとき、どうなるかは分からない……。でもレイラが無事なのに、暗黒神が復活してしまったら……」
「ヨシュアの魂は、肉体封印の核としての機能が破綻していたってことだな」
「そしてもう一つの場合。仮に法皇が殺されても、復活できないと知った暗黒神が次にする行動は分かりきってる──」
ゾクリと背筋が凍る。
もし法皇様を殺しても、復活できないときは。
そのときは、肉体を封印している核であるヨシュアの血筋を、消しにくるはず。
つまり──。
「レイラを殺しにかかるんだ」
「……っ」
自分から命を使うことには、さして恐怖なんて感じなかったのに。
他人から命を狙われると、多少なりとも怖いと感じてしまうものなんだな。
本当に不思議、死ぬことに変わりはないのに。
その時──黒い何かが、猛スピードで飛んで行くのが見えた。
近づいていくにつれて、それが翼を持った大きな犬の形をしているのが見えてくる。
間違いなく、私たちが追いかけ続けた存在だ。
「レオパルドよ!」
「ちっ! 法皇を襲いに行く途中だな!」
更にスピードを上げ、レオパルドの後方につける。
レオパルドはそのまま、法皇の館がある島の上空を旋回し始めた。
「あんのやろ……!」
ククールが珍しく怒りをあらわにして、 歯軋りをする。
止めなきゃ、何としても!
法皇様を殺されるわけにはいかない!
「行くよ!」
先に地面に降り立って、法皇の館へと駆け込もうと門へ急ぐ。
その瞬間、とんでもない強風が吹き付けて、空には暗雲がとぐろを巻き始めた。
闇の力を凝縮したようなそれは、黒い稲光が幾筋も流れていく。
その中から黒い靄に包まれて、レオパルドが現れた。
「……レオパルド!!」
レオパルドは私たちに目もくれず、大きな翼で一気に法皇の館へと突っ込んでいった。
私たちも門扉を蹴破る勢いで開けて、館の敷地内へ。
館の扉を開けて中に飛び込むと、そこには聖地ゴルドで一度だけ見かけた、禿頭に十字架の刺青を施した小太りのオッサンがいた。
オッサンが私たちを見つけて、こちらへ駆け寄ってくる。
誰だっけこいつ!!
なんか偉い人だった気はするんだけど!!
「大変だ! 法皇様が……怪しい者が法皇様のお部屋に侵入したらしいのだ! お前たち、頼む! 法皇様をお助けしてくれ!」
「頼まれました! 報酬は弾んでくださいね!」
「勿論だ! そして……くれぐれも忘れるな! 法皇様に伝えるのだ!!」
もしかしてこの人、見かけによらず暗黒神復活の危険に気付いているのかも?
思わず前のめりになって次の言葉を待つと。
「最初に救援の兵を寄越したのは、このニノ大司教。わしの手柄なのじゃと!」
「なんじゃそりゃあ!!」
「出世のチャンスに余念のない奴だよ本当に!!」
ずっこけた私を飛び越えて、全員が階段を駆け上がっていく。
起き上がったところをエイトに引っ張られ、私も階段を一段飛ばしで駆け上がった。
なんっで教会のお偉方は、どいつもこいつも自分のことばっかなんだ!!
それを追いかけながら進む私たちも、あっちに行ったりこっちに行ったりだ。
「それにしても……」
暗黒大樹の葉が示す方角へと向かいながら、私はふと口を開いた。
三角谷でも結局分からなかった事がひとつだけある。
「ヨシュアが暗黒神の身体の封印の核って、どういうことなんだろうね?」
「それ、私も気になってたの」
「確か一度目は、ヨシュア自身の魂で暗黒神の肉体を封印したんだよね」
エジェウスが残した石碑による伝承だと、そうだったはず。
肉体と魂を別々に封印したというのは分かってるんだけど、核という言い方がどうにも引っかかる。
「ええ、そうよ」
「で、私が狙われないまま、こうやって七賢人の末裔がどんどん狙われてるってことは、魂の封印に残りの七賢人が関わってるわけで」
「そうなるな」
「……もしかして、暗黒神の封印の一番大事な部分がヨシュアの封印ってこと? でもラプソーンはそのことには気づいてないみたいだし……」
「気づかない程、微弱になっているとしたら?」
前を見据えたまま、エイトが呟く。
「どういうこと?」
「暗黒神を封印したのは、何百年も前の話だ。その間に封印が薄れていてもおかしくない。現にこうやって、暗黒神は目覚めようとしてるから。以前は封印の中核として、暗黒神の目覚めを抑え込むことも出来ていたかもしれない。でも今、残る七賢人の末裔は法皇ただ一人。封印もかなり弱まってるはずだよ。ヨシュアが現れなくなったのも、これに関係してるかもしれない」
「本格的にヤバいってことでがすか?」
「たぶん。……仮にもし、法皇が殺されたとき、どうなるかは分からない……。でもレイラが無事なのに、暗黒神が復活してしまったら……」
「ヨシュアの魂は、肉体封印の核としての機能が破綻していたってことだな」
「そしてもう一つの場合。仮に法皇が殺されても、復活できないと知った暗黒神が次にする行動は分かりきってる──」
ゾクリと背筋が凍る。
もし法皇様を殺しても、復活できないときは。
そのときは、肉体を封印している核であるヨシュアの血筋を、消しにくるはず。
つまり──。
「レイラを殺しにかかるんだ」
「……っ」
自分から命を使うことには、さして恐怖なんて感じなかったのに。
他人から命を狙われると、多少なりとも怖いと感じてしまうものなんだな。
本当に不思議、死ぬことに変わりはないのに。
その時──黒い何かが、猛スピードで飛んで行くのが見えた。
近づいていくにつれて、それが翼を持った大きな犬の形をしているのが見えてくる。
間違いなく、私たちが追いかけ続けた存在だ。
「レオパルドよ!」
「ちっ! 法皇を襲いに行く途中だな!」
更にスピードを上げ、レオパルドの後方につける。
レオパルドはそのまま、法皇の館がある島の上空を旋回し始めた。
「あんのやろ……!」
ククールが珍しく怒りをあらわにして、 歯軋りをする。
止めなきゃ、何としても!
法皇様を殺されるわけにはいかない!
「行くよ!」
先に地面に降り立って、法皇の館へと駆け込もうと門へ急ぐ。
その瞬間、とんでもない強風が吹き付けて、空には暗雲がとぐろを巻き始めた。
闇の力を凝縮したようなそれは、黒い稲光が幾筋も流れていく。
その中から黒い靄に包まれて、レオパルドが現れた。
「……レオパルド!!」
レオパルドは私たちに目もくれず、大きな翼で一気に法皇の館へと突っ込んでいった。
私たちも門扉を蹴破る勢いで開けて、館の敷地内へ。
館の扉を開けて中に飛び込むと、そこには聖地ゴルドで一度だけ見かけた、禿頭に十字架の刺青を施した小太りのオッサンがいた。
オッサンが私たちを見つけて、こちらへ駆け寄ってくる。
誰だっけこいつ!!
なんか偉い人だった気はするんだけど!!
「大変だ! 法皇様が……怪しい者が法皇様のお部屋に侵入したらしいのだ! お前たち、頼む! 法皇様をお助けしてくれ!」
「頼まれました! 報酬は弾んでくださいね!」
「勿論だ! そして……くれぐれも忘れるな! 法皇様に伝えるのだ!!」
もしかしてこの人、見かけによらず暗黒神復活の危険に気付いているのかも?
思わず前のめりになって次の言葉を待つと。
「最初に救援の兵を寄越したのは、このニノ大司教。わしの手柄なのじゃと!」
「なんじゃそりゃあ!!」
「出世のチャンスに余念のない奴だよ本当に!!」
ずっこけた私を飛び越えて、全員が階段を駆け上がっていく。
起き上がったところをエイトに引っ張られ、私も階段を一段飛ばしで駆け上がった。
なんっで教会のお偉方は、どいつもこいつも自分のことばっかなんだ!!
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