56章
夢小説設定
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翌朝、お世話になった礼を長老さんに伝えて、私たちは闇のレティシアを出発した。
神父様は敬虔な信徒が去ってしまうことにショックを受けて泣いていたが、布教活動をこれからも頑張ってほしい。
止まり木には既にレティスがいた。
彼女は心配そうに岩山の方向を見上げていたけれど、私たちの気配に気付いて顔をこちらへ向けた。
『準備は整ったようですね。では行くことにしましょうか?』
「はい。行きましょう」
エイトの表情は既に厳しい。
根っからの善性を持つエイトだから、ゲモンの卑劣さを許せないんだろう。
そんな人がなぜ未だに私を好きなのかが謎だな……。
善人と言うには汚れすぎたのに、私は。
『それでは参りましょう。あなた方は全員、掴まるかしてください』
「あ、はい」
ゼシカは馬車の荷台に、男性陣と私は馬車の車輪や御者台の椅子に掴まった。
ここからどうやって連れて行くんだ?
まさか馬車ごと掴んで連れていくなんて、そんなことはないだろうな?
『しっかり掴まっていてください。では行きますよ』
言うや否や、レティスが止まり木から舞い降りる。
そうして馬車と姫様を器用に足で掴んで飛び立ったのだ。
びっくりしすぎて、姫様も悲鳴を上げている。
そりゃそうだよね!
まさか空を飛ぶとは思わなかった!!
「ちょっ……高い……っ!」
「高所恐怖症じゃなくても普通に怖ぇよ……」
私とククールは顔を青ざめさせ、下を見ないように頑張った。
なんでエイトとヤンガスはケロッとしてんだろう。
ひょっとしてエイトって怖いものがないのか?
怖がってる素振りとか見た事ないもんな!?
なんて羨ましい、私なんて怖いものだらけなのに!!
巨大な岩山の麓に降ろされて、ぶらぶらしていた足が地面につく。
ヤンガスは恐怖を我慢していたのか、ゼェゼェと大きく息をしていた。
気持ちは分かる、私もマジで怖かった。
『これ以上近付くとゲモンに感づかれる危険があるため、私が案内できるのはここまでです。しかし幸いなことに、この岩山の中は空洞になっており、人間の足でもなんとか山頂まで登っていけるはず』
「それなら大丈夫か……。てっきり岩山をロッククライミングしなきゃいけないのかと思った……」
「そんなスキルねーだろ俺たち。レイラはあるかもしれねぇが」
「何言ってんの? ないよそんなスキル」
「ないのにロッククライミングする気あったのかよ」
「はぁ? するわけないじゃん。何言ってんのさっきから」
「……エイト。こいつ殴っていいか」
「僕から倍にして返されていいなら」
「やめます」
ククールはそう言って引き下がった。
よく分からんがククールに殴られる未来は回避されたらしい。
そもそも私はなぜ殴られそうになっていたのか。
『それでは私の卵のこと、くれぐれもよろしく頼みます』
「任せてください!」
レティスは申し訳なさそうにそう言ったけど、私たちからしてみれば岩山の麓まで連れてきてもらえれば十分だ。
岩山の中が登れるようになっているなら、あとは自分たちで登ればいい。
「トロデ王と姫様を頼みます」
エイトがレティスにそう言って、私たちはおふたりに頭を下げた。
岩山はものすごく高いけど、何とかなるだろうという根拠のない自信がある。
伊達にライドンの塔を登ってないからね!
『気を付けてください、ヨシュアの子孫。あなたはこの世界と存在を異にする光の世界の住人の中でも、特異な存在です。ゲモンは必ずあなたを狙い、その命を奪いにくるでしょう』
「暗黒神の配下なんだものね。賢者の末裔が暗黒神の復活を邪魔しているんだから、狙ってくるのは当然だわ」
「まあそれも今に始まったことじゃないが……。あんたほどの存在が忠告してくるってことは、何か理由があるんだろ?」
レティスはククールに頷いて、それから私を見下ろした。
……神鳥レティス。
かつて私の祖先を含む八人の賢者と共に暗黒神を封印した存在。
そのレティスがここまで言うんだから、私が思っている以上に、霊導者の血筋は大事な役目を担っているのかもしれない。
『……はっきり言っておきます。ヨシュアの子孫、あなたが死んだ時点で、ラプソーンを止める手段はほぼ潰えたと言っても過言ではなくなります』
「そう、なんですか?」
『時間がありませんから、詳しいことはいずれまたお話しましょう。今は、私の卵を……』
「そうじゃな。気にかかる部分ではあるが、まずは神鳥の卵を奪い返すのが先じゃ。くれぐれも気を付けてゆくのじゃぞ」
陛下からのお言葉に頷く。
主君にまで生きて戻れと言われたら、死ぬ訳にはいかないな。
まぁこんなところで落とす命は最初から無いんだけど。
「分かりました。必ず生きて戻ります」
「大丈夫です。レイラは僕が命にかえても守ります」
真剣な顔と声でエイトがそう宣言する。
その隣で私はゼシカの背中に隠れた。
なんて堂々と恥ずかしいセリフを口にするんだエイトは!
羞恥心とか持ってないのか!?
おかげで緊張感がゼロだよ!
「行こう、みんな!」
レティスと馬車を残して、私たちは岩山にある神鳥の巣へと足を踏み入れた。
さて、楽に終わってくれればいいけど。
神父様は敬虔な信徒が去ってしまうことにショックを受けて泣いていたが、布教活動をこれからも頑張ってほしい。
止まり木には既にレティスがいた。
彼女は心配そうに岩山の方向を見上げていたけれど、私たちの気配に気付いて顔をこちらへ向けた。
『準備は整ったようですね。では行くことにしましょうか?』
「はい。行きましょう」
エイトの表情は既に厳しい。
根っからの善性を持つエイトだから、ゲモンの卑劣さを許せないんだろう。
そんな人がなぜ未だに私を好きなのかが謎だな……。
善人と言うには汚れすぎたのに、私は。
『それでは参りましょう。あなた方は全員、掴まるかしてください』
「あ、はい」
ゼシカは馬車の荷台に、男性陣と私は馬車の車輪や御者台の椅子に掴まった。
ここからどうやって連れて行くんだ?
まさか馬車ごと掴んで連れていくなんて、そんなことはないだろうな?
『しっかり掴まっていてください。では行きますよ』
言うや否や、レティスが止まり木から舞い降りる。
そうして馬車と姫様を器用に足で掴んで飛び立ったのだ。
びっくりしすぎて、姫様も悲鳴を上げている。
そりゃそうだよね!
まさか空を飛ぶとは思わなかった!!
「ちょっ……高い……っ!」
「高所恐怖症じゃなくても普通に怖ぇよ……」
私とククールは顔を青ざめさせ、下を見ないように頑張った。
なんでエイトとヤンガスはケロッとしてんだろう。
ひょっとしてエイトって怖いものがないのか?
怖がってる素振りとか見た事ないもんな!?
なんて羨ましい、私なんて怖いものだらけなのに!!
巨大な岩山の麓に降ろされて、ぶらぶらしていた足が地面につく。
ヤンガスは恐怖を我慢していたのか、ゼェゼェと大きく息をしていた。
気持ちは分かる、私もマジで怖かった。
『これ以上近付くとゲモンに感づかれる危険があるため、私が案内できるのはここまでです。しかし幸いなことに、この岩山の中は空洞になっており、人間の足でもなんとか山頂まで登っていけるはず』
「それなら大丈夫か……。てっきり岩山をロッククライミングしなきゃいけないのかと思った……」
「そんなスキルねーだろ俺たち。レイラはあるかもしれねぇが」
「何言ってんの? ないよそんなスキル」
「ないのにロッククライミングする気あったのかよ」
「はぁ? するわけないじゃん。何言ってんのさっきから」
「……エイト。こいつ殴っていいか」
「僕から倍にして返されていいなら」
「やめます」
ククールはそう言って引き下がった。
よく分からんがククールに殴られる未来は回避されたらしい。
そもそも私はなぜ殴られそうになっていたのか。
『それでは私の卵のこと、くれぐれもよろしく頼みます』
「任せてください!」
レティスは申し訳なさそうにそう言ったけど、私たちからしてみれば岩山の麓まで連れてきてもらえれば十分だ。
岩山の中が登れるようになっているなら、あとは自分たちで登ればいい。
「トロデ王と姫様を頼みます」
エイトがレティスにそう言って、私たちはおふたりに頭を下げた。
岩山はものすごく高いけど、何とかなるだろうという根拠のない自信がある。
伊達にライドンの塔を登ってないからね!
『気を付けてください、ヨシュアの子孫。あなたはこの世界と存在を異にする光の世界の住人の中でも、特異な存在です。ゲモンは必ずあなたを狙い、その命を奪いにくるでしょう』
「暗黒神の配下なんだものね。賢者の末裔が暗黒神の復活を邪魔しているんだから、狙ってくるのは当然だわ」
「まあそれも今に始まったことじゃないが……。あんたほどの存在が忠告してくるってことは、何か理由があるんだろ?」
レティスはククールに頷いて、それから私を見下ろした。
……神鳥レティス。
かつて私の祖先を含む八人の賢者と共に暗黒神を封印した存在。
そのレティスがここまで言うんだから、私が思っている以上に、霊導者の血筋は大事な役目を担っているのかもしれない。
『……はっきり言っておきます。ヨシュアの子孫、あなたが死んだ時点で、ラプソーンを止める手段はほぼ潰えたと言っても過言ではなくなります』
「そう、なんですか?」
『時間がありませんから、詳しいことはいずれまたお話しましょう。今は、私の卵を……』
「そうじゃな。気にかかる部分ではあるが、まずは神鳥の卵を奪い返すのが先じゃ。くれぐれも気を付けてゆくのじゃぞ」
陛下からのお言葉に頷く。
主君にまで生きて戻れと言われたら、死ぬ訳にはいかないな。
まぁこんなところで落とす命は最初から無いんだけど。
「分かりました。必ず生きて戻ります」
「大丈夫です。レイラは僕が命にかえても守ります」
真剣な顔と声でエイトがそう宣言する。
その隣で私はゼシカの背中に隠れた。
なんて堂々と恥ずかしいセリフを口にするんだエイトは!
羞恥心とか持ってないのか!?
おかげで緊張感がゼロだよ!
「行こう、みんな!」
レティスと馬車を残して、私たちは岩山にある神鳥の巣へと足を踏み入れた。
さて、楽に終わってくれればいいけど。
