55章
夢小説設定
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長老さんを待たせすぎるのも悪かろうと、私たちは村の探索を切り上げて、お家へと向かった。
お家の中にはやっぱり囲炉裏があって、その上では釜がグツグツ言っている。
その釜の向こうに、長老さんは座っていた。
「ふむ。よう来なさった。ここに来るまでに、村の様子を見たであろう。ならばさっそく、本題に入るとしよう」
座りなされ、と示され、私たちは敷いてもらった敷布の上に腰を下ろすことにした。
レティスが村を襲ったという事情は耳にしたけれど、前後関係は不明なままだ。
そもそもこの世界において、レティスとはどういう存在なのか。
光の世界とは違い、この世界のレティシアは、本物のレティスと共存してきたのだから、レティスに対する思いも並々ならぬものがあっただろうに。
「この村の荒れ果てた様子、それをやったのが神鳥レティスであることは、お主たちも既に聞いておるじゃろう」
「はい。長年の信頼関係があったにも関わらず、急に村を襲ったのだと聞きました」
「そうじゃな。……しかしわしにはどうしても、レティスがそれを望んでしたとは思えんのじゃ」
「……! つ、つまり、レティスって奴が、誰かに指図を受けたってんでげすかい!?」
「はっきりとは分からん。じゃが、レティスが崇められてきたのは、ただその姿の優美さだけではない。かの神鳥が、人の味方である故なのじゃ」
「人の……味方」
世界の危機を告げにこの世界へやってきたこと。
世界を繋げんとする暗黒神の企みを阻止するべく、自身の力で門を封じたこと。
その結果取り残されたこの世界で、レティシアを守ってきたこと。
長老さんの一言で、私たちも確信が持てた。
神鳥レティスは、きっと私たちの力になってくれる、と。
「そこで頼みがある。お主たちには、この村を襲ってきたレティスの真意を問うてもらいたいのじゃ」
「え……」
「わしはお主たちが光の世界からこの地に迷い込んできたことを、偶然とは思っておらん。かつて二つの世界を自由に飛び越えたという、レティスの力。それがお主たちを呼んだのではないか?」
「それは……多分、そうだと思いますけど……」
「なればレティスには、お主たちを呼び寄せた理由があるはずじゃ。きっとお主たちにならば、真実を語ろう。身勝手な願いだとは分かっておるが、このままでは村人とレティスが戦うことになってしまう。そうならんうちに、何とかしてレティスの真意を確かめたいのじゃ。どうか頼まれてはくれぬか?」
「ぐ、ぐぅ……っ!」
私はそう、頼まれ事に……弱い!!
しかもこんな話を聞かされた後なら、もはや断ることすらできん!!
だって長老さん程の人が「村を襲ったのはレティスの本意ではない」と言うんだから、なんかそんな気がしてくるもん!
「分かりました。私たちに出来ることなら!」
「おお、やってもらえるか! ありがたい。ではまず、レティスに会わねばな」
私の性格を知っているみんなが、黙って頷いている。
すまない……さすがにここで「嫌です」とは言えなかった……。
で、でも、私たちもレティスに会いに来たわけだし、一石二鳥だよな?
「レティスの姿は、草原に置かれている『レティスの止まり木』という大岩の辺りでよく見かけられる。とりあえずそこに行って、レティスを探してみてはどうじゃろうか?」
「やっぱりあそこか……」
光の世界で影を追いかけた時も、スタートは止まり木だった。
レティスが私たちに何の用があるのかは分からないけど、私たちはレティスに用があるんだから、会いに行かない理由はない。
……それはそれとして。
私たちはここで、同じような問題にぶち当たっていることをご存知だろうか。
「……あの、ところでもうひとつお伺いしたいんですが」
「おお、なんじゃ?」
「泊めていただけるところはありませんか? さすがに野宿というわけにはいかなくて……」
そう!
宿無し問題、再びである!
そりゃ光のレティシアに宿がないなら、闇のレティシアにも宿などない!
申し訳ないけど、流石に闇の世界で野宿は怖すぎるので、それは何がなんでも回避したいところだ!
「それならば、この世界に滞在される間、我が家を宿とされるが宜しかろう」
「えっ!? いいんですか!?」
「外からのお客人など、そうあることでもない。ましてや光の世界となれば尚のことじゃ。おお、そうじゃった。実はお主たちの他にも二人、外から来た者がおっての。そのうちの一人はすぐ横で変な祭壇を広げておるぞ」
「……変な祭壇?」
そっと壁の仕切りの横を見やる。
そこには……祭壇と、神父様がいる!!
なんて都合よく教会があるんだ!!
これぞ神の思し召しってやつなのかもしれないな!!
……それはいいけど、この世界の人達って何に祈ってんの?
まさか暗黒神を崇拝してないよね?
私たち、暗黒神に祈る心は持ち合わせてないんだが……!?
お家の中にはやっぱり囲炉裏があって、その上では釜がグツグツ言っている。
その釜の向こうに、長老さんは座っていた。
「ふむ。よう来なさった。ここに来るまでに、村の様子を見たであろう。ならばさっそく、本題に入るとしよう」
座りなされ、と示され、私たちは敷いてもらった敷布の上に腰を下ろすことにした。
レティスが村を襲ったという事情は耳にしたけれど、前後関係は不明なままだ。
そもそもこの世界において、レティスとはどういう存在なのか。
光の世界とは違い、この世界のレティシアは、本物のレティスと共存してきたのだから、レティスに対する思いも並々ならぬものがあっただろうに。
「この村の荒れ果てた様子、それをやったのが神鳥レティスであることは、お主たちも既に聞いておるじゃろう」
「はい。長年の信頼関係があったにも関わらず、急に村を襲ったのだと聞きました」
「そうじゃな。……しかしわしにはどうしても、レティスがそれを望んでしたとは思えんのじゃ」
「……! つ、つまり、レティスって奴が、誰かに指図を受けたってんでげすかい!?」
「はっきりとは分からん。じゃが、レティスが崇められてきたのは、ただその姿の優美さだけではない。かの神鳥が、人の味方である故なのじゃ」
「人の……味方」
世界の危機を告げにこの世界へやってきたこと。
世界を繋げんとする暗黒神の企みを阻止するべく、自身の力で門を封じたこと。
その結果取り残されたこの世界で、レティシアを守ってきたこと。
長老さんの一言で、私たちも確信が持てた。
神鳥レティスは、きっと私たちの力になってくれる、と。
「そこで頼みがある。お主たちには、この村を襲ってきたレティスの真意を問うてもらいたいのじゃ」
「え……」
「わしはお主たちが光の世界からこの地に迷い込んできたことを、偶然とは思っておらん。かつて二つの世界を自由に飛び越えたという、レティスの力。それがお主たちを呼んだのではないか?」
「それは……多分、そうだと思いますけど……」
「なればレティスには、お主たちを呼び寄せた理由があるはずじゃ。きっとお主たちにならば、真実を語ろう。身勝手な願いだとは分かっておるが、このままでは村人とレティスが戦うことになってしまう。そうならんうちに、何とかしてレティスの真意を確かめたいのじゃ。どうか頼まれてはくれぬか?」
「ぐ、ぐぅ……っ!」
私はそう、頼まれ事に……弱い!!
しかもこんな話を聞かされた後なら、もはや断ることすらできん!!
だって長老さん程の人が「村を襲ったのはレティスの本意ではない」と言うんだから、なんかそんな気がしてくるもん!
「分かりました。私たちに出来ることなら!」
「おお、やってもらえるか! ありがたい。ではまず、レティスに会わねばな」
私の性格を知っているみんなが、黙って頷いている。
すまない……さすがにここで「嫌です」とは言えなかった……。
で、でも、私たちもレティスに会いに来たわけだし、一石二鳥だよな?
「レティスの姿は、草原に置かれている『レティスの止まり木』という大岩の辺りでよく見かけられる。とりあえずそこに行って、レティスを探してみてはどうじゃろうか?」
「やっぱりあそこか……」
光の世界で影を追いかけた時も、スタートは止まり木だった。
レティスが私たちに何の用があるのかは分からないけど、私たちはレティスに用があるんだから、会いに行かない理由はない。
……それはそれとして。
私たちはここで、同じような問題にぶち当たっていることをご存知だろうか。
「……あの、ところでもうひとつお伺いしたいんですが」
「おお、なんじゃ?」
「泊めていただけるところはありませんか? さすがに野宿というわけにはいかなくて……」
そう!
宿無し問題、再びである!
そりゃ光のレティシアに宿がないなら、闇のレティシアにも宿などない!
申し訳ないけど、流石に闇の世界で野宿は怖すぎるので、それは何がなんでも回避したいところだ!
「それならば、この世界に滞在される間、我が家を宿とされるが宜しかろう」
「えっ!? いいんですか!?」
「外からのお客人など、そうあることでもない。ましてや光の世界となれば尚のことじゃ。おお、そうじゃった。実はお主たちの他にも二人、外から来た者がおっての。そのうちの一人はすぐ横で変な祭壇を広げておるぞ」
「……変な祭壇?」
そっと壁の仕切りの横を見やる。
そこには……祭壇と、神父様がいる!!
なんて都合よく教会があるんだ!!
これぞ神の思し召しってやつなのかもしれないな!!
……それはいいけど、この世界の人達って何に祈ってんの?
まさか暗黒神を崇拝してないよね?
私たち、暗黒神に祈る心は持ち合わせてないんだが……!?
