54章
夢小説設定
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そこは、白と黒で全てが構成されていた。
灰色の世界……いや、そもそも色がない世界。
空は灰色、雲だけが白くたなびいて、海も真っ黒で墨のよう。
例えるなら、私たちの世界を白と黒で表現した世界、といったところだろうか。
「全員いるよね?」
「ああ。トロデ王とミーティア姫もちゃんといる」
「……見た限りだと、地形は私たちの世界と同じみたいだわ」
「うん。まずはこの世界のレティシアを探そう。……レイラ、体は平気?」
「今のところは大丈夫」
「よかった」
来た道を戻るように、丘から坂道を降りていく。
なぜか毒の沼地だけが、おどろおどろしい紫色をしている。
逆にそれが恐怖でしかなくて、私たちはそっとその周りを歩くことにした。
沼地のほとりを歩いていくと、真っ黒な魔物がうろついているのが見えた。
魔物まで色がないんだ……。
真っ黒な体毛の極楽鳥、白黒のワニバーン、白のない骸骨……。
なんならスライムまで真っ黒だ。
「色があることのありがたみを、こんなところで感じるなんてね……」
「むしろ自分たちに色があるのが違和感というか、普通に目が痛いもんね」
「てっきり、この世界に来たらアッシらも白黒になるもんだとばかり思ってたでがすよ」
それはちょっと思った。
私たちはそのままなんだ、と冷静にツッコミが出たもん。
しかし……白黒だから、目を凝らさないと色々見えなくて、目が悪くなりそう。
「まさか異世界なんて所に、本当に来ちまうなんてな……」
色彩のない台地を見つめ、ククールは途方もなさそうに呟いた。
「いや、レティスや暗黒神がいるんだから、異世界があっても不思議じゃないのは分かってるさ。だが実際に自分の足でそこを歩くことになるとは、想像もしてなかったぜ」
「私たちの旅って、どこまで続いてるんだろうね……?」
まさか旅の道程に「異世界に行く」なんてイベントが待っていたとは……。
世界は広いなぁ、では済まされない領域に入ってる気がする。
「あの白黒のキラーパンサーって、乗れないのかな」
「どうだろうな。鳴らしてみるか?」
「うーん……」
チリリン、とバウムレンの鈴を鳴らしてみる。
ちょっと離れたところにいる黒いキラーパンサーは、見向きもしなかった。
首を振って鈴をしまう。
歩いて行くしかないらしいので、私たちはため息をついた。
「でも、この世界の魔物、ちょっとずつ強そうな感じがしない?」
「それは僕も感じてた。僕らがいた世界……長いな、光の世界って呼ぼう。光の世界の魔物でも手強いと感じていたけど、こっちはそれ以上だ」
「気を引き締めてすすむのじゃ。まずはこの、闇の世界にあるレティシアを探すぞ」
「ま、オッサンの言う通りでがすな。魔物との戦いは程々にしておくでがすよ」
再び歩き始めて、私たちは早速この世界の魔物と戦うことになった。
にじりよってくるのは、黒い極楽鳥……暗黒鳥が三羽。
手とか足とかどこにあるか見づらいなー!!
「こいつ火とか噴くっけ?」
「いや、そういうのはなかった気が……」
じゃあ私も攻撃に回っていいか。
さすがの私も、暗黒鳥を前に「独自の生態系が」とかふざけたことは言わないぞ!
ちょっと手足が全部黒にしか見えないから、攻撃を避けられるかは微妙だけど!
暗黒鳥がすぃーっと急降下してきて、私の頭を鷲掴みにする。
血だらけになった私の顔を見て、エイトがすごい顔でベホマを唱えた。
どうしてこうなるんでしょうか、分かりません。
「おいおい、こいつはかなり厄介だぞ」
「真っ先に狙われるのは、やっぱりレイラなのよね……」
「悲しい宿命を背負ってしまってな……」
なまじ私が霊導者の力を持っているばかりに。
でもそれを抜きにしても、めちゃくちゃ痛かったぞ!?
死ぬほどではなかったけど!
でもここからレティシアって、けっこうな距離があるから……。
「生きてレティシアに行こうね!!」
「必死か!!」
「必死だよ!!」
必死じゃなけりゃ何なんだよ!!
死にたくないです流石にこんなところでは!!
せめて光の世界で死なせてくれ!!
そういうことじゃないんだろうけども!!
暗黒鳥に頭を鷲掴みされ、クロコダイモスに食われかけ、影の騎士に髑髏をぶん投げられ、魔界樹に死を踊られ、シャドーパンサーに引っ掻き回され、スライムダークにスラ・ストライクとかいう頭突きをされ。
私たちはやっとの思いで、闇のレティシアへ辿り着いた。
……マジで死ぬかと思った……。
「ゼェ……ハァ……ここまで来れば大丈夫でがすよ……」
「レイラ、大丈夫か……」
「何とか生きてます……」
何度あの世が見えたか分かんないけど、生きてるよ。
うー、もっと鍛えないとダメだな……。
狙われやすいんだから、それを前提にして動かないと……。
呼吸を整えて、村の入口のアーチをくぐる。
そうして私たちは……またもや不可思議な光景を目にすることになったのだった。
灰色の世界……いや、そもそも色がない世界。
空は灰色、雲だけが白くたなびいて、海も真っ黒で墨のよう。
例えるなら、私たちの世界を白と黒で表現した世界、といったところだろうか。
「全員いるよね?」
「ああ。トロデ王とミーティア姫もちゃんといる」
「……見た限りだと、地形は私たちの世界と同じみたいだわ」
「うん。まずはこの世界のレティシアを探そう。……レイラ、体は平気?」
「今のところは大丈夫」
「よかった」
来た道を戻るように、丘から坂道を降りていく。
なぜか毒の沼地だけが、おどろおどろしい紫色をしている。
逆にそれが恐怖でしかなくて、私たちはそっとその周りを歩くことにした。
沼地のほとりを歩いていくと、真っ黒な魔物がうろついているのが見えた。
魔物まで色がないんだ……。
真っ黒な体毛の極楽鳥、白黒のワニバーン、白のない骸骨……。
なんならスライムまで真っ黒だ。
「色があることのありがたみを、こんなところで感じるなんてね……」
「むしろ自分たちに色があるのが違和感というか、普通に目が痛いもんね」
「てっきり、この世界に来たらアッシらも白黒になるもんだとばかり思ってたでがすよ」
それはちょっと思った。
私たちはそのままなんだ、と冷静にツッコミが出たもん。
しかし……白黒だから、目を凝らさないと色々見えなくて、目が悪くなりそう。
「まさか異世界なんて所に、本当に来ちまうなんてな……」
色彩のない台地を見つめ、ククールは途方もなさそうに呟いた。
「いや、レティスや暗黒神がいるんだから、異世界があっても不思議じゃないのは分かってるさ。だが実際に自分の足でそこを歩くことになるとは、想像もしてなかったぜ」
「私たちの旅って、どこまで続いてるんだろうね……?」
まさか旅の道程に「異世界に行く」なんてイベントが待っていたとは……。
世界は広いなぁ、では済まされない領域に入ってる気がする。
「あの白黒のキラーパンサーって、乗れないのかな」
「どうだろうな。鳴らしてみるか?」
「うーん……」
チリリン、とバウムレンの鈴を鳴らしてみる。
ちょっと離れたところにいる黒いキラーパンサーは、見向きもしなかった。
首を振って鈴をしまう。
歩いて行くしかないらしいので、私たちはため息をついた。
「でも、この世界の魔物、ちょっとずつ強そうな感じがしない?」
「それは僕も感じてた。僕らがいた世界……長いな、光の世界って呼ぼう。光の世界の魔物でも手強いと感じていたけど、こっちはそれ以上だ」
「気を引き締めてすすむのじゃ。まずはこの、闇の世界にあるレティシアを探すぞ」
「ま、オッサンの言う通りでがすな。魔物との戦いは程々にしておくでがすよ」
再び歩き始めて、私たちは早速この世界の魔物と戦うことになった。
にじりよってくるのは、黒い極楽鳥……暗黒鳥が三羽。
手とか足とかどこにあるか見づらいなー!!
「こいつ火とか噴くっけ?」
「いや、そういうのはなかった気が……」
じゃあ私も攻撃に回っていいか。
さすがの私も、暗黒鳥を前に「独自の生態系が」とかふざけたことは言わないぞ!
ちょっと手足が全部黒にしか見えないから、攻撃を避けられるかは微妙だけど!
暗黒鳥がすぃーっと急降下してきて、私の頭を鷲掴みにする。
血だらけになった私の顔を見て、エイトがすごい顔でベホマを唱えた。
どうしてこうなるんでしょうか、分かりません。
「おいおい、こいつはかなり厄介だぞ」
「真っ先に狙われるのは、やっぱりレイラなのよね……」
「悲しい宿命を背負ってしまってな……」
なまじ私が霊導者の力を持っているばかりに。
でもそれを抜きにしても、めちゃくちゃ痛かったぞ!?
死ぬほどではなかったけど!
でもここからレティシアって、けっこうな距離があるから……。
「生きてレティシアに行こうね!!」
「必死か!!」
「必死だよ!!」
必死じゃなけりゃ何なんだよ!!
死にたくないです流石にこんなところでは!!
せめて光の世界で死なせてくれ!!
そういうことじゃないんだろうけども!!
暗黒鳥に頭を鷲掴みされ、クロコダイモスに食われかけ、影の騎士に髑髏をぶん投げられ、魔界樹に死を踊られ、シャドーパンサーに引っ掻き回され、スライムダークにスラ・ストライクとかいう頭突きをされ。
私たちはやっとの思いで、闇のレティシアへ辿り着いた。
……マジで死ぬかと思った……。
「ゼェ……ハァ……ここまで来れば大丈夫でがすよ……」
「レイラ、大丈夫か……」
「何とか生きてます……」
何度あの世が見えたか分かんないけど、生きてるよ。
うー、もっと鍛えないとダメだな……。
狙われやすいんだから、それを前提にして動かないと……。
呼吸を整えて、村の入口のアーチをくぐる。
そうして私たちは……またもや不可思議な光景を目にすることになったのだった。
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