53章
夢小説設定
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さて気を取り直して、集落へ。
当然ながら外からの客なんて無いに等しいだろうから、私たちは一気に注目を集めてしまった。
誰でもいいけど、とりあえず集落の人に話を聞いてみたいな。
「こんにちは」
持ち前の人あたりの良さで、エイトが集落の人に声を掛けた。
村の人はまさか声を掛けられるとは思っていなかったのか、「おお!」と驚きつつ、ちょっと興奮した様子で応じてくれた。
「あんたら、もしかしなくても島の外から来た人だよな?」
「はい、そうです」
「いやー、断崖絶壁に囲まれたこの島に、外から人が来るなんて驚きだぜ」
「行き方からだいぶ特殊だものね」
そもそもあの光の海図って、何枚もあるものなのかな。
多分だけど、一点物だよね……。
推測でしかないけど、元は別のところに保管されていたんじゃないかな。
世界の危機が訪れたとき、神鳥レティスの力を賜るべく立ち上がった人達が、ちゃんと見つけられる場所に。
ただ、それをあのキャプテン・クロウが見つけてしまって、その上ラプソーンを封じてからかなりの年月が経ってしまったから、歴史からも忘れ去られてしまったんじゃないだろうか。
……全ては推測の上でのことだけど、光の海図を探すために、私たちがかなり骨を折ったのは事実だ。
良かったよ本当に、骨折り損のくたびれ儲けにならなくて。
「ここがこの台地唯一の村ということになるんですね?」
「そうだな。ここはレティシアの村だ。レティシアってのは、神鳥レティスを崇める者って意味さ」
「神鳥レティスを、崇める……」
こんなにさらりとレティスの名前が出てくるとは思わなかった。
この村でだけは、レティスのことが当たり前のように伝わっているようだ。
それならレティスがどこにいるか知ってるかも?
レティスついてなら村長さんがお詳しいということで、私たちは村の一番奥にあるご自宅を訪ねてみた。
おうちの真ん中にある囲炉裏を囲むように、男性が一人と、ご老人が一人。
ご老人が村長さんで間違いない……よね?
「すみません、突然お邪魔しますが……」
エイトに声を掛けられ、むにゃむにゃ言って船を漕いでいた村長さんが、のろのろと顔を上げた。
ぼんやりした顔がエイトを見上げている。
平和な村で何よりだ。
「……うん? なんだ、あんたは? 見たところ、よそ者のようだが……?」
「私たち、島の外から来たんです。この台地には神鳥レティスの伝説が伝わっていると聞いたので、お話を伺えないかなーと思って」
「ほほう。それはよい心掛けじゃ」
一瞬で上機嫌になった村長さんは、居住まいを正すと「うぉっほん」と大きく咳払いをした。
ちなみに目の前に座る男性は、「また始まった」という顔をしていたので、村の人達は耳タコであるらしい。
「伝説によれば、レティスはこの世界と異世界とを行き来する力を持っておったというな。この力は、ただレティスのみが持つことを許された、特別な力だということじゃ」
「い、異世界……でがすか? そんなもんがあるとは、にわかには信じられねぇでげすが……」
「……あの石碑に書かれていたことは真実だったってことか。どうにも胡散臭いと思ってたんだがな」
たしかにメディさんのおうちにある遺跡にも、そんなことが書いてあったな。
あれって本当の事だったんだ。
脚色も入ってるのかなとか色々勘繰ったんだけど。
「だがある時、異世界の邪悪な存在がこの世界を狙って、二つの世界を繋ぐ巨大な門を生み出したそうじゃ。レティスはこの企みを阻止するため、異世界へと旅立ち、自らの力を振り絞り、開かれた門を閉ざしたのじゃ。しかし力を使いすぎたレティスは、己の影のみをこの世界に残したまま、ついに異世界より戻らなかったそうじゃ」
「……つまり、今この世界にレティスはいない?」
「そういうことになるのう」
……それって、詰んでない?
私たちは今まさに、レティスの助けを必要としているのに?
肝心のレティスがいないんじゃ、話にならなくない!?
「ああ。それと、レティスの力は完全に失われたわけではなく、稀にあの影が異世界への破れ目を作るという話もあるな」
「異世界への…破れ目?」
「破れ目というのがどういうものかはわしも知らんが、そいつに入ると異世界に迷い込んでしまうそうじゃ。まあ、あんたらもいたずらにレティスの後を追ったりして、破れ目に入り込んだりせんよう、気をつけるんじゃな」
村長さんからそう釘を刺され、私たちは曖昧に笑って頷いた。
これまでの旅の経験からいくと、私たちはレティスの影を追って異世界の破れ目とやらに入らなければならないらしい。
帰ってこられるかなぁ……?
さすがに帰ってこられるよねぇ!?
そうしないとラプソーン復活を止められないからね!?
「……あの、ところでもうひとつお伺いしたいんですが」
「おお、なんじゃ?」
「泊めていただけるところはありませんか? さすがに野宿というわけにはいかなくて……」
……ほんとだ。
この村……宿屋がない!
外からの客が来ないから必要ないんだろうけど、私たちの宿が……ない!!
私は野宿でも構わないんですがね!?
「それならば、この台地に滞在される間、我が家を宿とされるが宜しかろう」
「えっ!? いいんですか!?」
「ほっほ、外からのお客人など、そうあることでもない。おお、そうじゃった。実はあんたらの他にも二人、外から来た者がおっての。そのうちの一人はすぐ横で変な祭壇を広げておるぞ」
「……変な祭壇?」
そっと壁の仕切りの横を見やる。
そこには……祭壇と、神父様がいる!!
なんて都合よく教会があるんだ!!
これぞ神の思し召しってやつなのかもしれないな!!
当然ながら外からの客なんて無いに等しいだろうから、私たちは一気に注目を集めてしまった。
誰でもいいけど、とりあえず集落の人に話を聞いてみたいな。
「こんにちは」
持ち前の人あたりの良さで、エイトが集落の人に声を掛けた。
村の人はまさか声を掛けられるとは思っていなかったのか、「おお!」と驚きつつ、ちょっと興奮した様子で応じてくれた。
「あんたら、もしかしなくても島の外から来た人だよな?」
「はい、そうです」
「いやー、断崖絶壁に囲まれたこの島に、外から人が来るなんて驚きだぜ」
「行き方からだいぶ特殊だものね」
そもそもあの光の海図って、何枚もあるものなのかな。
多分だけど、一点物だよね……。
推測でしかないけど、元は別のところに保管されていたんじゃないかな。
世界の危機が訪れたとき、神鳥レティスの力を賜るべく立ち上がった人達が、ちゃんと見つけられる場所に。
ただ、それをあのキャプテン・クロウが見つけてしまって、その上ラプソーンを封じてからかなりの年月が経ってしまったから、歴史からも忘れ去られてしまったんじゃないだろうか。
……全ては推測の上でのことだけど、光の海図を探すために、私たちがかなり骨を折ったのは事実だ。
良かったよ本当に、骨折り損のくたびれ儲けにならなくて。
「ここがこの台地唯一の村ということになるんですね?」
「そうだな。ここはレティシアの村だ。レティシアってのは、神鳥レティスを崇める者って意味さ」
「神鳥レティスを、崇める……」
こんなにさらりとレティスの名前が出てくるとは思わなかった。
この村でだけは、レティスのことが当たり前のように伝わっているようだ。
それならレティスがどこにいるか知ってるかも?
レティスついてなら村長さんがお詳しいということで、私たちは村の一番奥にあるご自宅を訪ねてみた。
おうちの真ん中にある囲炉裏を囲むように、男性が一人と、ご老人が一人。
ご老人が村長さんで間違いない……よね?
「すみません、突然お邪魔しますが……」
エイトに声を掛けられ、むにゃむにゃ言って船を漕いでいた村長さんが、のろのろと顔を上げた。
ぼんやりした顔がエイトを見上げている。
平和な村で何よりだ。
「……うん? なんだ、あんたは? 見たところ、よそ者のようだが……?」
「私たち、島の外から来たんです。この台地には神鳥レティスの伝説が伝わっていると聞いたので、お話を伺えないかなーと思って」
「ほほう。それはよい心掛けじゃ」
一瞬で上機嫌になった村長さんは、居住まいを正すと「うぉっほん」と大きく咳払いをした。
ちなみに目の前に座る男性は、「また始まった」という顔をしていたので、村の人達は耳タコであるらしい。
「伝説によれば、レティスはこの世界と異世界とを行き来する力を持っておったというな。この力は、ただレティスのみが持つことを許された、特別な力だということじゃ」
「い、異世界……でがすか? そんなもんがあるとは、にわかには信じられねぇでげすが……」
「……あの石碑に書かれていたことは真実だったってことか。どうにも胡散臭いと思ってたんだがな」
たしかにメディさんのおうちにある遺跡にも、そんなことが書いてあったな。
あれって本当の事だったんだ。
脚色も入ってるのかなとか色々勘繰ったんだけど。
「だがある時、異世界の邪悪な存在がこの世界を狙って、二つの世界を繋ぐ巨大な門を生み出したそうじゃ。レティスはこの企みを阻止するため、異世界へと旅立ち、自らの力を振り絞り、開かれた門を閉ざしたのじゃ。しかし力を使いすぎたレティスは、己の影のみをこの世界に残したまま、ついに異世界より戻らなかったそうじゃ」
「……つまり、今この世界にレティスはいない?」
「そういうことになるのう」
……それって、詰んでない?
私たちは今まさに、レティスの助けを必要としているのに?
肝心のレティスがいないんじゃ、話にならなくない!?
「ああ。それと、レティスの力は完全に失われたわけではなく、稀にあの影が異世界への破れ目を作るという話もあるな」
「異世界への…破れ目?」
「破れ目というのがどういうものかはわしも知らんが、そいつに入ると異世界に迷い込んでしまうそうじゃ。まあ、あんたらもいたずらにレティスの後を追ったりして、破れ目に入り込んだりせんよう、気をつけるんじゃな」
村長さんからそう釘を刺され、私たちは曖昧に笑って頷いた。
これまでの旅の経験からいくと、私たちはレティスの影を追って異世界の破れ目とやらに入らなければならないらしい。
帰ってこられるかなぁ……?
さすがに帰ってこられるよねぇ!?
そうしないとラプソーン復活を止められないからね!?
「……あの、ところでもうひとつお伺いしたいんですが」
「おお、なんじゃ?」
「泊めていただけるところはありませんか? さすがに野宿というわけにはいかなくて……」
……ほんとだ。
この村……宿屋がない!
外からの客が来ないから必要ないんだろうけど、私たちの宿が……ない!!
私は野宿でも構わないんですがね!?
「それならば、この台地に滞在される間、我が家を宿とされるが宜しかろう」
「えっ!? いいんですか!?」
「ほっほ、外からのお客人など、そうあることでもない。おお、そうじゃった。実はあんたらの他にも二人、外から来た者がおっての。そのうちの一人はすぐ横で変な祭壇を広げておるぞ」
「……変な祭壇?」
そっと壁の仕切りの横を見やる。
そこには……祭壇と、神父様がいる!!
なんて都合よく教会があるんだ!!
これぞ神の思し召しってやつなのかもしれないな!!
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