53章
夢小説設定
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砂浜を歩いていると、不意に大きな鳥の影が私たちの頭上を過ぎ去った。
けれど頭上を見上げても、青い空と太陽が輝くばかりで、大きな鳥なんてどこにも見当たらない。
「え……今の何?」
「鳥の影……だったよね」
エイトと顔を見合わせるものの、誰も鳥そのものを見てはいない。
いよいよわけが分からなくなってきたな。
恐怖とかはないけど、不思議な島だなというか……。
「この島はいったい、どういう場所なんでげしょう? 入口は隠されてるわ、怪しげな影は現れるわ、ちょっと普通じゃないでがすよ」
「たしかに……。色々と不可解なことが起きてるからね」
砂浜から坂道を登っていくと、草原と不思議な木が点々と続く大地が現れた。
砂浜によく生えてるヤシの木……とはちょっと違うみたいだけど、なんだこれ。
初めて見る光景に目を取られていると、悠々と大地を泳ぐバカでかいワニと目が合った。
わぁ、この島だとワニも宙に浮いて泳げるんだ。
いよいよすごい島だな。
「ギシャァァァ!!」
「違うこれ魔物だーッ!!」
「逆になんだと思ったのよ!?」
「ワニ」
「お前の頭が平和で何よりだよ!!」
「誰も平和ボケなんかしとらんわー!!」
慌てて剣を構えてはやぶさ斬りを叩き込む。
宙に浮いているとはいえ、図体がでかいせいで動きは鈍いらしい。
もちろん攻撃は普通に痛い。
避けたり致命傷にならないところで受けたりはするんだけど、なかなか逸らしづらいところに攻撃を当ててくる。
「ふう……なかなか手強かったわね」
「ここってこんなんばっかなのかな……」
「戦えない相手じゃないとは思うが、まあ何にせよ、傷はこまめに回復しておいたほうが良さそうだな」
ククールがベホイミを唱えて、攻撃を受けた所を回復してくれた。
お礼を言って、改めて集落を目指していく。
とりあえず……といつものようにバウムレンの鈴を取り出して鳴らそうとしたところで、私の手が止まった。
「姉貴? どうしたんでげす?」
「呼ばないの?」
「……こんな外と隔絶された場所に、いるのかなって思っちゃって……」
「雪国でも呼べたんだぞ?」
「鳴らすだけ鳴らしてみたら?」
エイトにもそう言われて、私はチリンチリーンと鈴を鳴らした。
……とても心地の良い風が吹き、頭上にはカモメの鳴き声が伸びやかに響き渡る。
鳴らせど鳴らせど、キラーパンサーの遠吠えは聞こえてこなかった。
「キラーパンサーは……この島にはいない……!!」
「ってことは……まさかの、ここに来て徒歩か?」
「そうなりやすかね? 西の大陸で散々世話になったせいで、自分の足で歩き回るのは随分と久々のように感じるでげすよ」
「えー! そんなことあるの? いよいよもって謎だらけね、この島」
「大変だけど、頑張ろう、みんな」
エイトはみんなを励まして、すたすたと歩いていく。
彼はキラーパンサーで楽できないことを苦だとは思っていないようだ。
それが正しいスタンスなんだろうけど……つらい!
便利さを知ってしまったら、もう元には戻れないんだもん!
「わ、何あの鳥! 体毛がピンクでオシャレー!」
「あー……?」
「すごいね、やっぱここって独自の生態系が根付いてんのかな? あ、こっち来る!」
ピンクの鳥はすぃーっと私の頭上に飛んでくると、急降下して私の頭を……鷲掴みにした。
一瞬にして顔面が血だらけになった私に悲鳴を上げ、エイトがベホマを唱える。
「魔物じゃねーか!!」
「魔物でした……。気配でそんな気はしてたけど、信じたくなくて……」
「何に抗ってんだよお前は!!」
「何ってそりゃあ……何?」
「疲れる会話しかできねーのか!!」
ククールのツッコミスキルがここに来て大活躍だ。
さっきのワニのような魔物以外にも、この大地に生息する魔物はどいつもこいつも一筋縄ではいかない敵ばかり。
五人で堅実に立ち回りながら魔物を倒しつつ、夕暮れ時になってようやく、船をおりた場所から東にある集落へたどり着いた。
「あー疲れた……」
「どしたの、大した距離じゃなかったよ?」
「オメーのせいだよバカ」
「バカっつったか? バカリスマ」
「あー言いました、言いました!! バカ、バーカ!!」
「上等だ表出ろコラ」
「こっちこそ上等だコラァ!」
ククールと火花を散らして睨み合い、村の外へ二人で飛び出す。
勝負は一瞬でついた。
私の高速詠唱イオナズンの前に、ククールが対抗する暇などないのである。
死にかけのククールを引き摺りながら村へと戻ると、エイトが可哀想な目で見つめながらベホマを唱えてあげた。
そんな施しなんか必要ないと思うのに、エイトは優しいなぁ。
けれど頭上を見上げても、青い空と太陽が輝くばかりで、大きな鳥なんてどこにも見当たらない。
「え……今の何?」
「鳥の影……だったよね」
エイトと顔を見合わせるものの、誰も鳥そのものを見てはいない。
いよいよわけが分からなくなってきたな。
恐怖とかはないけど、不思議な島だなというか……。
「この島はいったい、どういう場所なんでげしょう? 入口は隠されてるわ、怪しげな影は現れるわ、ちょっと普通じゃないでがすよ」
「たしかに……。色々と不可解なことが起きてるからね」
砂浜から坂道を登っていくと、草原と不思議な木が点々と続く大地が現れた。
砂浜によく生えてるヤシの木……とはちょっと違うみたいだけど、なんだこれ。
初めて見る光景に目を取られていると、悠々と大地を泳ぐバカでかいワニと目が合った。
わぁ、この島だとワニも宙に浮いて泳げるんだ。
いよいよすごい島だな。
「ギシャァァァ!!」
「違うこれ魔物だーッ!!」
「逆になんだと思ったのよ!?」
「ワニ」
「お前の頭が平和で何よりだよ!!」
「誰も平和ボケなんかしとらんわー!!」
慌てて剣を構えてはやぶさ斬りを叩き込む。
宙に浮いているとはいえ、図体がでかいせいで動きは鈍いらしい。
もちろん攻撃は普通に痛い。
避けたり致命傷にならないところで受けたりはするんだけど、なかなか逸らしづらいところに攻撃を当ててくる。
「ふう……なかなか手強かったわね」
「ここってこんなんばっかなのかな……」
「戦えない相手じゃないとは思うが、まあ何にせよ、傷はこまめに回復しておいたほうが良さそうだな」
ククールがベホイミを唱えて、攻撃を受けた所を回復してくれた。
お礼を言って、改めて集落を目指していく。
とりあえず……といつものようにバウムレンの鈴を取り出して鳴らそうとしたところで、私の手が止まった。
「姉貴? どうしたんでげす?」
「呼ばないの?」
「……こんな外と隔絶された場所に、いるのかなって思っちゃって……」
「雪国でも呼べたんだぞ?」
「鳴らすだけ鳴らしてみたら?」
エイトにもそう言われて、私はチリンチリーンと鈴を鳴らした。
……とても心地の良い風が吹き、頭上にはカモメの鳴き声が伸びやかに響き渡る。
鳴らせど鳴らせど、キラーパンサーの遠吠えは聞こえてこなかった。
「キラーパンサーは……この島にはいない……!!」
「ってことは……まさかの、ここに来て徒歩か?」
「そうなりやすかね? 西の大陸で散々世話になったせいで、自分の足で歩き回るのは随分と久々のように感じるでげすよ」
「えー! そんなことあるの? いよいよもって謎だらけね、この島」
「大変だけど、頑張ろう、みんな」
エイトはみんなを励まして、すたすたと歩いていく。
彼はキラーパンサーで楽できないことを苦だとは思っていないようだ。
それが正しいスタンスなんだろうけど……つらい!
便利さを知ってしまったら、もう元には戻れないんだもん!
「わ、何あの鳥! 体毛がピンクでオシャレー!」
「あー……?」
「すごいね、やっぱここって独自の生態系が根付いてんのかな? あ、こっち来る!」
ピンクの鳥はすぃーっと私の頭上に飛んでくると、急降下して私の頭を……鷲掴みにした。
一瞬にして顔面が血だらけになった私に悲鳴を上げ、エイトがベホマを唱える。
「魔物じゃねーか!!」
「魔物でした……。気配でそんな気はしてたけど、信じたくなくて……」
「何に抗ってんだよお前は!!」
「何ってそりゃあ……何?」
「疲れる会話しかできねーのか!!」
ククールのツッコミスキルがここに来て大活躍だ。
さっきのワニのような魔物以外にも、この大地に生息する魔物はどいつもこいつも一筋縄ではいかない敵ばかり。
五人で堅実に立ち回りながら魔物を倒しつつ、夕暮れ時になってようやく、船をおりた場所から東にある集落へたどり着いた。
「あー疲れた……」
「どしたの、大した距離じゃなかったよ?」
「オメーのせいだよバカ」
「バカっつったか? バカリスマ」
「あー言いました、言いました!! バカ、バーカ!!」
「上等だ表出ろコラ」
「こっちこそ上等だコラァ!」
ククールと火花を散らして睨み合い、村の外へ二人で飛び出す。
勝負は一瞬でついた。
私の高速詠唱イオナズンの前に、ククールが対抗する暇などないのである。
死にかけのククールを引き摺りながら村へと戻ると、エイトが可哀想な目で見つめながらベホマを唱えてあげた。
そんな施しなんか必要ないと思うのに、エイトは優しいなぁ。
