51章
夢小説設定
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滝の上にあるチーズおじさんの家は、リーザス村に向かう途中に立ち寄った時以来だ。
ここを発った時から私達もかなり強くなったおかげで、トヘロスを唱えたら魔物が蜘蛛の子を散らすようにいなくなってしまった。
おかげでキラーパンサーが走り放題だ!
「こんなところに人が住んでるなんてね。トラペッタからも遠いし、滝上なんて不便じゃない?」
「ね! なんか不思議なおっちゃんなんだけど、普通にいい人だったよね」
「トーポがチーズを食べたら火を噴くって教えてくれたのもチーズおじさんだったからね。……なんでトーポがチーズを食べたら火を噴くって気付いたのかは謎だけど」
「トーポそのものが謎なのに、更に謎が増えるのかよ」
この世には謎が多いほうが、探究心をくすぐられて良いと思う。
などと適当な会話をしながら、坂道をグルグル登って、滝の上に到着。
キラーパンサーとお別れして、小屋のドアをノックした。
「こんにちはー、いますかー?」
「親戚んちみたいなノリで入るんだな」
「この子にとっては一回会ったら知り合いなんじゃない?」
ククールとゼシカからの言われようが酷いな……。
そんな人類皆フレンズみたいな性格ではないからね、さすがに。
だいたいの人は二回目から知り合いにカウントするけど。
「わざわざこんなところまで登ってくる奴がいるとは珍しいな。……うん? お前ら、ひょっとして前にもこの小屋に来たことがなかったっけか?」
「あ、覚えててくれたんですか!?」
「まぁそんなことはどうでもいいや」
「ど……!?」
そんな……どうでもいいって……。
記念すべき私たちのファーストミーティングを、どうでもいいって……!?
コラァそこの生臭坊主ァ!!
顔背けても笑ってんのバレバレだぞァ!!
「それより俺はこの間まで里帰りしてたんだけどよう。久しぶりに帰ったもんだから、やたらに土産を持たされて始末に困ってたんだ」
「そんなもんなんだ……」
「ある意味で全員実家暮らしだったから、その辺の感覚は分かんないわね」
「そんなわけで、おすそ分けだ。お前らも、ここまで登ってきた苦労が報われてラッキーだったじゃねぇか」
エイトが受け取ったのは、癒しのチーズ四つ、ベホマラチーズ二つ、天使のチーズ二つの計八個のチーズだった。
前回よりグレードアップしてんな!?
前回は普通のチーズだったぞ!?
「あ、ありがとうございます。こんなにたくさん、チーズが……」
「俺の故郷の連中は、どいつもこいつもチーズが大好きでな。土産と言えばチーズなんだよ」
「そんな村があるんだ……」
「……おっ。ちょうどいいことにお前、ネズミを飼ってるみたいじゃねぇか? チーズといえばネズミの好物だからな。魔物に襲われた時にでも食わせてやったらどうだい? 俺の勘が正しければ、そいつはただのネズ公じゃねぇ。もしかすると、もしかするかもだぜ?」
「そうですね、もしかしました……」
エイトがちょっと遠い目でそう答えた。
何度チーズを与えてきたか分からないよ。
ザコ敵を蹴散らすにはもってこいなんだもん。
サザンビークのバザーで山ほどチーズを錬金した甲斐があったってもんだ。
「気になったんだが、あんたの故郷ってのはどこにあるんだ?」
「あん? んなこたぁどうでもいいだろ!? 余計なこと気にしてんじゃねぇよ!」
「えっあっ、すみません!」
まさかそんな怒られるとは思わなかった。
人には聞かれたくない場所だったのかな……。
秘境めいているとか、そういう……。
おじさんも言いすぎたと思ったのか、少しだけ語気を緩めて、ぽつりと呟いた。
「……まあ、お前らが旅を続けてりゃ、いずれあそこへ行くこともあるかもしれねぇがな……」
「……?」
「ほら、もう行け。まだ旅の途中なんだろ!?」
「あ……はい。それじゃあ、またいつか」
チーズおじさんの小屋を出て、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。
それにしたって不思議な事を言ってたな。
「チーズおじさんの故郷ってどこなんでがしょう?」
「私たちもだいぶあちこち行ったけど、チーズが大好きな村は知らないなぁ」
「ま、世界は広いってことさ。気が済んだなら帰るぞ」
「そうだね。気になるけど、今は海図を手に入れるのが先だ」
エイトがルーラを唱えて、トラペッタに戻る。
トラペッタに泊まるのはいつぶりだろう。
……昔は、この町に私の生家があったなんてな。
聞いてみてもいいかもしれない。
大人たちなら何か知っているはずだもん……。
私の生家──ロアナス家があった場所を。
ここを発った時から私達もかなり強くなったおかげで、トヘロスを唱えたら魔物が蜘蛛の子を散らすようにいなくなってしまった。
おかげでキラーパンサーが走り放題だ!
「こんなところに人が住んでるなんてね。トラペッタからも遠いし、滝上なんて不便じゃない?」
「ね! なんか不思議なおっちゃんなんだけど、普通にいい人だったよね」
「トーポがチーズを食べたら火を噴くって教えてくれたのもチーズおじさんだったからね。……なんでトーポがチーズを食べたら火を噴くって気付いたのかは謎だけど」
「トーポそのものが謎なのに、更に謎が増えるのかよ」
この世には謎が多いほうが、探究心をくすぐられて良いと思う。
などと適当な会話をしながら、坂道をグルグル登って、滝の上に到着。
キラーパンサーとお別れして、小屋のドアをノックした。
「こんにちはー、いますかー?」
「親戚んちみたいなノリで入るんだな」
「この子にとっては一回会ったら知り合いなんじゃない?」
ククールとゼシカからの言われようが酷いな……。
そんな人類皆フレンズみたいな性格ではないからね、さすがに。
だいたいの人は二回目から知り合いにカウントするけど。
「わざわざこんなところまで登ってくる奴がいるとは珍しいな。……うん? お前ら、ひょっとして前にもこの小屋に来たことがなかったっけか?」
「あ、覚えててくれたんですか!?」
「まぁそんなことはどうでもいいや」
「ど……!?」
そんな……どうでもいいって……。
記念すべき私たちのファーストミーティングを、どうでもいいって……!?
コラァそこの生臭坊主ァ!!
顔背けても笑ってんのバレバレだぞァ!!
「それより俺はこの間まで里帰りしてたんだけどよう。久しぶりに帰ったもんだから、やたらに土産を持たされて始末に困ってたんだ」
「そんなもんなんだ……」
「ある意味で全員実家暮らしだったから、その辺の感覚は分かんないわね」
「そんなわけで、おすそ分けだ。お前らも、ここまで登ってきた苦労が報われてラッキーだったじゃねぇか」
エイトが受け取ったのは、癒しのチーズ四つ、ベホマラチーズ二つ、天使のチーズ二つの計八個のチーズだった。
前回よりグレードアップしてんな!?
前回は普通のチーズだったぞ!?
「あ、ありがとうございます。こんなにたくさん、チーズが……」
「俺の故郷の連中は、どいつもこいつもチーズが大好きでな。土産と言えばチーズなんだよ」
「そんな村があるんだ……」
「……おっ。ちょうどいいことにお前、ネズミを飼ってるみたいじゃねぇか? チーズといえばネズミの好物だからな。魔物に襲われた時にでも食わせてやったらどうだい? 俺の勘が正しければ、そいつはただのネズ公じゃねぇ。もしかすると、もしかするかもだぜ?」
「そうですね、もしかしました……」
エイトがちょっと遠い目でそう答えた。
何度チーズを与えてきたか分からないよ。
ザコ敵を蹴散らすにはもってこいなんだもん。
サザンビークのバザーで山ほどチーズを錬金した甲斐があったってもんだ。
「気になったんだが、あんたの故郷ってのはどこにあるんだ?」
「あん? んなこたぁどうでもいいだろ!? 余計なこと気にしてんじゃねぇよ!」
「えっあっ、すみません!」
まさかそんな怒られるとは思わなかった。
人には聞かれたくない場所だったのかな……。
秘境めいているとか、そういう……。
おじさんも言いすぎたと思ったのか、少しだけ語気を緩めて、ぽつりと呟いた。
「……まあ、お前らが旅を続けてりゃ、いずれあそこへ行くこともあるかもしれねぇがな……」
「……?」
「ほら、もう行け。まだ旅の途中なんだろ!?」
「あ……はい。それじゃあ、またいつか」
チーズおじさんの小屋を出て、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。
それにしたって不思議な事を言ってたな。
「チーズおじさんの故郷ってどこなんでがしょう?」
「私たちもだいぶあちこち行ったけど、チーズが大好きな村は知らないなぁ」
「ま、世界は広いってことさ。気が済んだなら帰るぞ」
「そうだね。気になるけど、今は海図を手に入れるのが先だ」
エイトがルーラを唱えて、トラペッタに戻る。
トラペッタに泊まるのはいつぶりだろう。
……昔は、この町に私の生家があったなんてな。
聞いてみてもいいかもしれない。
大人たちなら何か知っているはずだもん……。
私の生家──ロアナス家があった場所を。
