49章
夢小説設定
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氷柱の隙間から向こうへ入っていったトーポ。
しばらくして、トーポが氷柱を落としたのか、バキン!! ズドン!! という物騒な音が響いた。
「……トーポ、すごいね」
「うん……」
「あれって本当にただのネズミなのかしら」
「僕も最近違うんじゃないかと思い始めてる」
やがて仕事をやりきった感満載の表情で、トーポが戻ってきた。
トーポの正体が判明する日は、来るんだろうか……。
未だに謎だらけだよ、このネズミ。
トーポが落とした氷柱の上を歩いて、グラッドさんの元へ急ぐ。
グラッドさんは低体温症になっているのか、ガタガタ震えていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「ひょっとして、あんたがグラッドでがすか?」
「いかにも……。私は、オークニスの薬師グラッド。この洞窟で薬草の採取をしていたら、突然オオカミに襲われて……。慌てて奥に逃げ込んだら、落ちてきた氷柱に閉じ込められて、出られなくなってしまったんだ」
なるほど……。
だから洞窟の中にやたらとオオカミがいたのか。
そしてこの殺人氷柱に閉じ込められた、と。
運が悪いというか何というか……。
「……うう、寒い。と、とにかく、何とかして、まず身体を温めなくては……」
「って言われても……ヌーク草の薬湯なんか、さすがに持ってきてないしねぇ」
「この袋に何か入ってるといいけど……」
エイトが取り出したのは、メディさんから預かった袋。
グラッドさんに渡すよう頼まれていた物だけど、中身が何かは知らないんだよね。
持って見た感じは軽いから、お金とかではなさそうなんだけど。
「その袋は、まさか……?」
エイトの手にある袋を見て、グラッドさんの顔つきが変わった。
「君たち! もしかしてその袋は、メディという人から預かった物じゃないのか?」
「そうです。メディさんが、グラッドさんに渡すようにって私たちに託されて……」
「……なるほど。薬師メディが、この私に渡すようにと。……君たち。その袋を開けてくれないか?」
エイトが袋を開ける。
中には見慣れない薬草が入っていた。
よく見ればそれはヌーク草だ。
「やっぱりヌーク草か。ちょうどいい。本来なら薬湯にして飲むものだが、生のままでも……」
「生のままでも!?」
「おいおい正気か、このおっさん」
私とククールが止める間もなく、グラッドさんがヌーク草をそのまま食べてしまった。
瞬間、グラッドさんがものすごい勢いで震え始め。
「くぁらぁ〜ッ!!」
口から火が出て飛び起きた。
やっぱりヌーク草は生で食うもんじゃないってことか。
しかし一枚食べただけでこの回復、ヌーク草ってとんでもない薬草だな。
「や、やっぱりヌーク草は生で食べるものじゃないな……。まあ、粉になってなかっただけマシか。あれは目や鼻にでも入ったら酷いことになるから……」
「もう香辛料の類だろ、それ」
ククールの冷静なツッコミに私たちは心の中で同意した。
薬草とは一体何だったのか。
サザンビークのバザーに出したらバカ売れしそうだな。
「と、とにかく、身体は温まった。ありがとう。君たちのおかげだよ。……それと、あの人のおかげか。まさかこんなことが起こるのを察していたわけじゃなかろうが……」
「案外そうだったりして」
ゼシカの静かな一言に、私たちはまたも心の中で頷いた。
メディさんとグラッドさんの関係性は分かんないけど、メディさんなら察してそうというか……。
同じ薬師を生業にしてるくらいだし、ひょっとすると師弟関係なのかも?
「ところで君たち。オークニスに戻るつもりなら、私も一緒に連れて行ってくれないか?」
「それはもちろん。また閉じ込められても大変ですから」
「ありがたい。それじゃあご一緒させてもらうよ。身体は動くようになったが、帰り道にまたあのオオカミに襲われたら危ないからね」
「なんかあのオオカミ、やたらと凶暴ですよね。人を見たら見境なく襲って来るって言うか」
「レイラが狙われやすいのは仕方ないにしても、どうしてグラッドさんを襲ったのかしら?」
悲しい、私はこれからも魔物に襲われやすい人生なんだ……。
でも仕方ないよね……霊導者の末裔だもんね……。
魔物に襲われない人生を歩んでみたかったよ……うっうっ……。
「魔物に襲われやすい、というのは……?」
「あ、ああ、大丈夫です! ちょっとまあ、その、体質的なやつなんですけど!」
「ところがどっこい、襲われても片っ端から返り討ちにしていくんだよな。頼もしい限りだよ、まったく」
「ただしイカとタコと死霊系は除く」
「そこはもう今更どうにもならないって分かってるわよ」
ストレートに言われると地味に心にくる。
でも誰だって苦手なものってあると思うからね、仕方ないよね!
むしろみんなよくイカとかタコとか死霊系とか相手にできるよな!?
私は一生かかっても無理な気がするもん!
「はいはい。とりあえずりリレミトで洞窟から出るよ」
「はーい」
エイトがリレミトを唱えて、洞窟の最深部から入口付近へと戻る。
洞窟に入った場所で待機していた陛下と姫様に手を振って、私たちは揃って洞窟を出たのだった。
しばらくして、トーポが氷柱を落としたのか、バキン!! ズドン!! という物騒な音が響いた。
「……トーポ、すごいね」
「うん……」
「あれって本当にただのネズミなのかしら」
「僕も最近違うんじゃないかと思い始めてる」
やがて仕事をやりきった感満載の表情で、トーポが戻ってきた。
トーポの正体が判明する日は、来るんだろうか……。
未だに謎だらけだよ、このネズミ。
トーポが落とした氷柱の上を歩いて、グラッドさんの元へ急ぐ。
グラッドさんは低体温症になっているのか、ガタガタ震えていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「ひょっとして、あんたがグラッドでがすか?」
「いかにも……。私は、オークニスの薬師グラッド。この洞窟で薬草の採取をしていたら、突然オオカミに襲われて……。慌てて奥に逃げ込んだら、落ちてきた氷柱に閉じ込められて、出られなくなってしまったんだ」
なるほど……。
だから洞窟の中にやたらとオオカミがいたのか。
そしてこの殺人氷柱に閉じ込められた、と。
運が悪いというか何というか……。
「……うう、寒い。と、とにかく、何とかして、まず身体を温めなくては……」
「って言われても……ヌーク草の薬湯なんか、さすがに持ってきてないしねぇ」
「この袋に何か入ってるといいけど……」
エイトが取り出したのは、メディさんから預かった袋。
グラッドさんに渡すよう頼まれていた物だけど、中身が何かは知らないんだよね。
持って見た感じは軽いから、お金とかではなさそうなんだけど。
「その袋は、まさか……?」
エイトの手にある袋を見て、グラッドさんの顔つきが変わった。
「君たち! もしかしてその袋は、メディという人から預かった物じゃないのか?」
「そうです。メディさんが、グラッドさんに渡すようにって私たちに託されて……」
「……なるほど。薬師メディが、この私に渡すようにと。……君たち。その袋を開けてくれないか?」
エイトが袋を開ける。
中には見慣れない薬草が入っていた。
よく見ればそれはヌーク草だ。
「やっぱりヌーク草か。ちょうどいい。本来なら薬湯にして飲むものだが、生のままでも……」
「生のままでも!?」
「おいおい正気か、このおっさん」
私とククールが止める間もなく、グラッドさんがヌーク草をそのまま食べてしまった。
瞬間、グラッドさんがものすごい勢いで震え始め。
「くぁらぁ〜ッ!!」
口から火が出て飛び起きた。
やっぱりヌーク草は生で食うもんじゃないってことか。
しかし一枚食べただけでこの回復、ヌーク草ってとんでもない薬草だな。
「や、やっぱりヌーク草は生で食べるものじゃないな……。まあ、粉になってなかっただけマシか。あれは目や鼻にでも入ったら酷いことになるから……」
「もう香辛料の類だろ、それ」
ククールの冷静なツッコミに私たちは心の中で同意した。
薬草とは一体何だったのか。
サザンビークのバザーに出したらバカ売れしそうだな。
「と、とにかく、身体は温まった。ありがとう。君たちのおかげだよ。……それと、あの人のおかげか。まさかこんなことが起こるのを察していたわけじゃなかろうが……」
「案外そうだったりして」
ゼシカの静かな一言に、私たちはまたも心の中で頷いた。
メディさんとグラッドさんの関係性は分かんないけど、メディさんなら察してそうというか……。
同じ薬師を生業にしてるくらいだし、ひょっとすると師弟関係なのかも?
「ところで君たち。オークニスに戻るつもりなら、私も一緒に連れて行ってくれないか?」
「それはもちろん。また閉じ込められても大変ですから」
「ありがたい。それじゃあご一緒させてもらうよ。身体は動くようになったが、帰り道にまたあのオオカミに襲われたら危ないからね」
「なんかあのオオカミ、やたらと凶暴ですよね。人を見たら見境なく襲って来るって言うか」
「レイラが狙われやすいのは仕方ないにしても、どうしてグラッドさんを襲ったのかしら?」
悲しい、私はこれからも魔物に襲われやすい人生なんだ……。
でも仕方ないよね……霊導者の末裔だもんね……。
魔物に襲われない人生を歩んでみたかったよ……うっうっ……。
「魔物に襲われやすい、というのは……?」
「あ、ああ、大丈夫です! ちょっとまあ、その、体質的なやつなんですけど!」
「ところがどっこい、襲われても片っ端から返り討ちにしていくんだよな。頼もしい限りだよ、まったく」
「ただしイカとタコと死霊系は除く」
「そこはもう今更どうにもならないって分かってるわよ」
ストレートに言われると地味に心にくる。
でも誰だって苦手なものってあると思うからね、仕方ないよね!
むしろみんなよくイカとかタコとか死霊系とか相手にできるよな!?
私は一生かかっても無理な気がするもん!
「はいはい。とりあえずりリレミトで洞窟から出るよ」
「はーい」
エイトがリレミトを唱えて、洞窟の最深部から入口付近へと戻る。
洞窟に入った場所で待機していた陛下と姫様に手を振って、私たちは揃って洞窟を出たのだった。
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