48章
夢小説設定
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メディさんと目が合う。
めちゃくちゃ気まずい!
別に悪いことは何もしてないんだけど、なんかこう、誰も起きてないと思ったから外でだらだら話してたわけだし!?
私ら以外にこんな夜明け頃に起きる人いるんだな!?
「おや、随分と早起きですな」
「メディさんこそ……」
「わしは洞窟の中で育てているヌーク草を摘みに行くところですじゃ。さあさ、お二人はまだお休みなされ。朝になりましたら声をかけに行きますでな」
私たちとすれ違ったメディさんが、「ああ」と何かを思い出したかのように足を止めた。
そうしてこちらを振り向いて、私をじーっと見つめてくる。
ちょっと居心地悪いな……。
「ロアナスさん、じゃったかの?」
「あ、レイラでいいです。そっちの方が呼ばれ慣れてますから」
「そうですかい。ロアナスという名字は、霊導者様の家系のお方とみて間違いないですかな?」
「……!」
さっとその場に緊張が走った。
私が霊導者の子孫だと知る人は、この世界でもかなり少ない。
ましてやメディさんとは初対面だ。
確かにロアナスという苗字は珍しいみたいだけど、だからってこんなにも簡単に当てられるとは思わなかった。
「なぜそれを?」
「やはりそうだったようですな。ああ、警戒なさらずとも宜しい。父から、七賢人と共に戦った霊導者様の話を聞かされておりましてな。まさかその子孫の方と会えるとは思いもしなかったもので」
「え、あの……」
とりあえず、悪い人じゃないんだろうし……。
っていうか見知らぬ人を助けてくれるあたり、どう考えたって優しい人だし。
隠す必要はないかな。
隠したところで知名度の問題があるから、広まらないだろうしな……。
「……確かに、私は霊導者ヨシュアの子孫です」
正直にそう言うと、メディさんはさらに明るい笑顔を浮かべた。
それからふっとその表情に翳りが差す。
エイトと二人で首を傾げると、はたと気付いたメディさんは小さく手を振った。
「いいえなんでも。霊導者様の最期もご存知なのかお尋ねしようと思うたのですが、子孫のお方に尋ねるのは無粋というものですな」
「いえ、恥ずかしながら、私もヨシュアの最期についてはよく知らなくて」
口伝されてきたにしろ、書物で語り継がれてきたにしろ、ロアナス家は約十年前に滅びてしまって、家も見つからない。
トラペッタの守護を命じられていたくらいだから、ひょっとするとトラペッタのどこかに家があったのかもしれないけど……。
「同じ道を歩まれぬよう、気を付けなさることじゃ」
「……はい」
メディさんはヨシュアの最期について何も言わなかったけど、忠告めいた言葉を残して家を出ていった。
もちろんヨシュアと同じような結末を辿りたくないから、頑張ってラプソーンの企みは阻止するつもりだけど……。
(それでも、最後の切り札は私の手の中にある)
ヨシュアが最期を迎える際に使った聖句。
あれさえ使えれば、私も自分の命と引き換えに世界を守ることができる。
もしどうにもならなくなったら……その時は。
こんな私でも、誰かを守ることができるのなら。
* * *
すっかり朝になって、みんなでメディさん特製朝ご飯を頂いた。
もちろんしっかりとヌーク草の薬湯も頂いて、外に出てみると。
昨日の吹雪が嘘みたいに晴れていた。
「これならオークニスまで迎えそうでがすな」
「今日も昨日みたいな調子だったらどうしようかと思った〜! 良かった晴れて!」
「晴れてはないな?」
「とはいっても、雪もチラついてるくらいだし、晴れたうちなんじゃないかな?」
そうか……? とククールがエイトを見やる。
エイトが晴れてるって言うんだから、晴れてるんだよ。
お見送りのために外へ出てきたメディさんの隣にはバフもいて、一緒にお見送りしてくれている。
「一晩お世話になりました。ありがとうございました!」
「オークニスは山を下って北へ向かったところですからな。道中気をつけてくだされ」
「はい!」
それじゃあ……とお別れの雰囲気になったところで、「おお、そうじゃった!」と陛下が馬小屋へ駆け込んだ。
だからなんで姫様のこと忘れとるんですかアンタァ!!
「姫、姫は無事か? 夕べは寒くなかったか!?」
「馬姫様のことを一番忘れちゃいけねぇお人が、なんだって忘れるんでがしょうな」
「あ、あはは……」
もはや何も突っ込むまい。
こういうのは指摘したら面倒なことになる。
黙っておくほうが吉だ。
……主君に対する感情ではない気がするけど、ここまで一緒に過ごしていれば、陛下の扱い方も分かってくるってもんだからね。
諦めって大事だと思う。
めちゃくちゃ気まずい!
別に悪いことは何もしてないんだけど、なんかこう、誰も起きてないと思ったから外でだらだら話してたわけだし!?
私ら以外にこんな夜明け頃に起きる人いるんだな!?
「おや、随分と早起きですな」
「メディさんこそ……」
「わしは洞窟の中で育てているヌーク草を摘みに行くところですじゃ。さあさ、お二人はまだお休みなされ。朝になりましたら声をかけに行きますでな」
私たちとすれ違ったメディさんが、「ああ」と何かを思い出したかのように足を止めた。
そうしてこちらを振り向いて、私をじーっと見つめてくる。
ちょっと居心地悪いな……。
「ロアナスさん、じゃったかの?」
「あ、レイラでいいです。そっちの方が呼ばれ慣れてますから」
「そうですかい。ロアナスという名字は、霊導者様の家系のお方とみて間違いないですかな?」
「……!」
さっとその場に緊張が走った。
私が霊導者の子孫だと知る人は、この世界でもかなり少ない。
ましてやメディさんとは初対面だ。
確かにロアナスという苗字は珍しいみたいだけど、だからってこんなにも簡単に当てられるとは思わなかった。
「なぜそれを?」
「やはりそうだったようですな。ああ、警戒なさらずとも宜しい。父から、七賢人と共に戦った霊導者様の話を聞かされておりましてな。まさかその子孫の方と会えるとは思いもしなかったもので」
「え、あの……」
とりあえず、悪い人じゃないんだろうし……。
っていうか見知らぬ人を助けてくれるあたり、どう考えたって優しい人だし。
隠す必要はないかな。
隠したところで知名度の問題があるから、広まらないだろうしな……。
「……確かに、私は霊導者ヨシュアの子孫です」
正直にそう言うと、メディさんはさらに明るい笑顔を浮かべた。
それからふっとその表情に翳りが差す。
エイトと二人で首を傾げると、はたと気付いたメディさんは小さく手を振った。
「いいえなんでも。霊導者様の最期もご存知なのかお尋ねしようと思うたのですが、子孫のお方に尋ねるのは無粋というものですな」
「いえ、恥ずかしながら、私もヨシュアの最期についてはよく知らなくて」
口伝されてきたにしろ、書物で語り継がれてきたにしろ、ロアナス家は約十年前に滅びてしまって、家も見つからない。
トラペッタの守護を命じられていたくらいだから、ひょっとするとトラペッタのどこかに家があったのかもしれないけど……。
「同じ道を歩まれぬよう、気を付けなさることじゃ」
「……はい」
メディさんはヨシュアの最期について何も言わなかったけど、忠告めいた言葉を残して家を出ていった。
もちろんヨシュアと同じような結末を辿りたくないから、頑張ってラプソーンの企みは阻止するつもりだけど……。
(それでも、最後の切り札は私の手の中にある)
ヨシュアが最期を迎える際に使った聖句。
あれさえ使えれば、私も自分の命と引き換えに世界を守ることができる。
もしどうにもならなくなったら……その時は。
こんな私でも、誰かを守ることができるのなら。
* * *
すっかり朝になって、みんなでメディさん特製朝ご飯を頂いた。
もちろんしっかりとヌーク草の薬湯も頂いて、外に出てみると。
昨日の吹雪が嘘みたいに晴れていた。
「これならオークニスまで迎えそうでがすな」
「今日も昨日みたいな調子だったらどうしようかと思った〜! 良かった晴れて!」
「晴れてはないな?」
「とはいっても、雪もチラついてるくらいだし、晴れたうちなんじゃないかな?」
そうか……? とククールがエイトを見やる。
エイトが晴れてるって言うんだから、晴れてるんだよ。
お見送りのために外へ出てきたメディさんの隣にはバフもいて、一緒にお見送りしてくれている。
「一晩お世話になりました。ありがとうございました!」
「オークニスは山を下って北へ向かったところですからな。道中気をつけてくだされ」
「はい!」
それじゃあ……とお別れの雰囲気になったところで、「おお、そうじゃった!」と陛下が馬小屋へ駆け込んだ。
だからなんで姫様のこと忘れとるんですかアンタァ!!
「姫、姫は無事か? 夕べは寒くなかったか!?」
「馬姫様のことを一番忘れちゃいけねぇお人が、なんだって忘れるんでがしょうな」
「あ、あはは……」
もはや何も突っ込むまい。
こういうのは指摘したら面倒なことになる。
黙っておくほうが吉だ。
……主君に対する感情ではない気がするけど、ここまで一緒に過ごしていれば、陛下の扱い方も分かってくるってもんだからね。
諦めって大事だと思う。
