46章
夢小説設定
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身体が重たい。
目を開けるのさえ億劫になりながら、のろのろと瞼を押し上げる。
「ん……」
知らない天井──と思った直後、心配そうな瞳のエイトが視界に入ってきた。
そうしてすぐに、エイトが泣きそうな顔で笑った。
「レイラ! 良かった……」
「エイト……? 私……」
なんで倒れたんだっけ……。
ゼシカを助けて、宿屋に入って、みんなでゼシカの目が覚めるのを待って……。
その後、急に意識がぶつっと途切れて……?
「魔力が急に増減を繰り返したせいで、体が追いつかなくなったみたい。まだ疲れてるだろ、寝ていたほうがいい」
「そう言われると……身体が重いような……」
……とか何とか言ってる場合じゃなくない?
私……エイトの前で、何しようとした?
死のうとしたよね、人殺しは生きてる価値なんかないって。
間違いなくそれは、エイトの逆鱗に触れる行為だった。
……つまり、エイトがブチ切れていないはずがない!
合わせる顔がなくて、布団を被る。
だって……公衆の面前で、キ、キスしちゃったし……!
それに、本気で死のうとしたし……。
「布団どけて。怒ってないから」
「嘘っ! 声音が尖ってる! すごい尖ってる!」
「怒ってないから。むしろ呆れてるだけだから」
「どっちにしろ怖い!」
怒らせたエイトほど怖いものはない……。
何されるか分かんないもん!
真面目に命の危機では?
いろんな意味で、危機的状況では!?
「……じゃあそのままでいいから」
エイトがベッドに腰掛けたのか、スプリングが一部だけ沈んだ。
なお布団を被ったままだから、エイトの表情は分からない。
……いやまぁ、長年の付き合いで、表情は察してるところなんだけど。
「自分が何したか分かってる?」
「……はい」
「なんであんなことしたの」
「……ゼシカに……ヤンガスとククールにも、知られちゃったから。やっぱり私に生きる価値なんてないなって……エイトの隣にいちゃ駄目だって。そう思ったら、死ぬことしか頭に浮かばなかった……」
「……」
「死んだら悪夢から解放されるって思っちゃった。もう苦しまなくていいんだって。馬鹿だね……私、本当に馬鹿だ……。ゼシカが人を殺すなんて嫌だって思ってたのに、私のせいでゼシカが人を殺すところだった……」
「……本当、馬鹿だよ」
そんな低い呟き声のあと、エイトが勢いよく布団を剥いだ。
突然の事で布団を取り返すことも出来ず、私の視界いっぱいにエイトが映っている。
覆い被さるエイトの瞳は、悲しみに満ちていて……。
なんてことをしてしまったんだろうと、今更ながら後悔が押し寄せた。
「レイラが死んだら、僕はどうすればいいんだよ……! 好きなのに! 愛してるのに……!」
「エイト……ごめん……。私、やっぱり幸せになっちゃいけないんだって思って……」
「そんなことあるはずないだろ! 誰よりもレイラが自分を犠牲にしてきて! 幸せになることなく死ぬなんて、そんな終わり方!」
「……でも、人殺しだっていうそれを、否定する気はないんだ。どう言い繕ったところで、結局やったことは人殺しなんだって知ってるから……」
「だからレイラが幸せになれないまま死ぬなんて、冗談じゃない!」
エイトにこんなふうに怒鳴られたことなんてなくて、恐怖と後悔で何も言葉が出てこない。
きっとエイトは、誰よりも私の幸せを祈ってくれていた。
こんな私の事を好きになってくれて、ずっと一緒に育ってきたからこそ、私の秘密も共有してくれて。
私のやってきたことだって知った上で、それでも好きだって言ってくれたのに。
「お願いだから……どこにも行かないで……」
「どこにも行かない……約束する……。ごめん……ごめんねエイト……」
縋るように抱き締めてくるエイトを、私も抱き締める。
もう離れない、エイトと一緒にいる。
生きるよ、私……。
きっと何があっても、エイトのために生きていくよ。
「エイト……ゼシカは?」
「まだ眠ってる……」
そっか、と私も肩を落とす。
でも起きていたら起きていたで、顔を合わせる勇気がなかったから、良かったかもしれない。
だけどこれからも一緒に旅をするなら、ゼシカとは話をしなければ。
そのとき、ドアが勢いよく開いた。
「エイト! ゼシカが目ぇ覚まして……」
ククールが飛び込んできて──そのまま固まった。
首を傾げて、自分たちの状態を確認してみる。
ベッドにあおむけで押し倒されている(かのように見える)私と、私に馬乗りになっている(かのように見える)エイト。
事態は一瞬で把握した。
「「うわぁぁぁああ!!」」
飛び起きた拍子にエイトと額を思いっ切りぶつけ合った。
互いに悶絶して額を押さえる。
本当に何をやってるんだ私たちは。
「あー……。とりあえず、ゼシカのところに行くぞ」
生温かい瞳で私たちを見つめ、ククールがそそくさと部屋を出て行った。
絶対誤解されてるな、これ。
そんないかがわしい事をしようとしていたわけでは全然ないんだけど。
目を開けるのさえ億劫になりながら、のろのろと瞼を押し上げる。
「ん……」
知らない天井──と思った直後、心配そうな瞳のエイトが視界に入ってきた。
そうしてすぐに、エイトが泣きそうな顔で笑った。
「レイラ! 良かった……」
「エイト……? 私……」
なんで倒れたんだっけ……。
ゼシカを助けて、宿屋に入って、みんなでゼシカの目が覚めるのを待って……。
その後、急に意識がぶつっと途切れて……?
「魔力が急に増減を繰り返したせいで、体が追いつかなくなったみたい。まだ疲れてるだろ、寝ていたほうがいい」
「そう言われると……身体が重いような……」
……とか何とか言ってる場合じゃなくない?
私……エイトの前で、何しようとした?
死のうとしたよね、人殺しは生きてる価値なんかないって。
間違いなくそれは、エイトの逆鱗に触れる行為だった。
……つまり、エイトがブチ切れていないはずがない!
合わせる顔がなくて、布団を被る。
だって……公衆の面前で、キ、キスしちゃったし……!
それに、本気で死のうとしたし……。
「布団どけて。怒ってないから」
「嘘っ! 声音が尖ってる! すごい尖ってる!」
「怒ってないから。むしろ呆れてるだけだから」
「どっちにしろ怖い!」
怒らせたエイトほど怖いものはない……。
何されるか分かんないもん!
真面目に命の危機では?
いろんな意味で、危機的状況では!?
「……じゃあそのままでいいから」
エイトがベッドに腰掛けたのか、スプリングが一部だけ沈んだ。
なお布団を被ったままだから、エイトの表情は分からない。
……いやまぁ、長年の付き合いで、表情は察してるところなんだけど。
「自分が何したか分かってる?」
「……はい」
「なんであんなことしたの」
「……ゼシカに……ヤンガスとククールにも、知られちゃったから。やっぱり私に生きる価値なんてないなって……エイトの隣にいちゃ駄目だって。そう思ったら、死ぬことしか頭に浮かばなかった……」
「……」
「死んだら悪夢から解放されるって思っちゃった。もう苦しまなくていいんだって。馬鹿だね……私、本当に馬鹿だ……。ゼシカが人を殺すなんて嫌だって思ってたのに、私のせいでゼシカが人を殺すところだった……」
「……本当、馬鹿だよ」
そんな低い呟き声のあと、エイトが勢いよく布団を剥いだ。
突然の事で布団を取り返すことも出来ず、私の視界いっぱいにエイトが映っている。
覆い被さるエイトの瞳は、悲しみに満ちていて……。
なんてことをしてしまったんだろうと、今更ながら後悔が押し寄せた。
「レイラが死んだら、僕はどうすればいいんだよ……! 好きなのに! 愛してるのに……!」
「エイト……ごめん……。私、やっぱり幸せになっちゃいけないんだって思って……」
「そんなことあるはずないだろ! 誰よりもレイラが自分を犠牲にしてきて! 幸せになることなく死ぬなんて、そんな終わり方!」
「……でも、人殺しだっていうそれを、否定する気はないんだ。どう言い繕ったところで、結局やったことは人殺しなんだって知ってるから……」
「だからレイラが幸せになれないまま死ぬなんて、冗談じゃない!」
エイトにこんなふうに怒鳴られたことなんてなくて、恐怖と後悔で何も言葉が出てこない。
きっとエイトは、誰よりも私の幸せを祈ってくれていた。
こんな私の事を好きになってくれて、ずっと一緒に育ってきたからこそ、私の秘密も共有してくれて。
私のやってきたことだって知った上で、それでも好きだって言ってくれたのに。
「お願いだから……どこにも行かないで……」
「どこにも行かない……約束する……。ごめん……ごめんねエイト……」
縋るように抱き締めてくるエイトを、私も抱き締める。
もう離れない、エイトと一緒にいる。
生きるよ、私……。
きっと何があっても、エイトのために生きていくよ。
「エイト……ゼシカは?」
「まだ眠ってる……」
そっか、と私も肩を落とす。
でも起きていたら起きていたで、顔を合わせる勇気がなかったから、良かったかもしれない。
だけどこれからも一緒に旅をするなら、ゼシカとは話をしなければ。
そのとき、ドアが勢いよく開いた。
「エイト! ゼシカが目ぇ覚まして……」
ククールが飛び込んできて──そのまま固まった。
首を傾げて、自分たちの状態を確認してみる。
ベッドにあおむけで押し倒されている(かのように見える)私と、私に馬乗りになっている(かのように見える)エイト。
事態は一瞬で把握した。
「「うわぁぁぁああ!!」」
飛び起きた拍子にエイトと額を思いっ切りぶつけ合った。
互いに悶絶して額を押さえる。
本当に何をやってるんだ私たちは。
「あー……。とりあえず、ゼシカのところに行くぞ」
生温かい瞳で私たちを見つめ、ククールがそそくさと部屋を出て行った。
絶対誤解されてるな、これ。
そんないかがわしい事をしようとしていたわけでは全然ないんだけど。
