46章
夢小説設定
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光の奔流も吹き荒れる風も収まった時、私とエイトは地面に横たわっていた。
「レイラ! エイト!」
「兄貴ー! 姉貴ー!!」
ククールとヤンガスが私とエイトを起こしてくれる。
けれど、依然として状況が危機に瀕しているのは変わらない。
あれだけの魔力の嵐を受けてもなお、ゼシカは杖を支えにしながら耐え抜いていた。
「そ……そんな、信じられない……。この杖の……力を超える人間が……いた、だなんて……」
「ゼシカ……もうやめよう」
「……許さ、ないわ。絶対に……許さない……。見せてあ、げるわ……。四人の、賢者の魂を、得た……この杖の……本当の威力を……」
あの時の爆発音……あれは、ゼシカが私の暴走する魔力と自分の攻撃とをぶつけ合っていた力だったのか。
それでゼシカは押し負けて……私はエイトによって助けられた。
ゼシカが中空に飛んで、杖を振りかぶる。
その先端に、高密度の魔力が凝縮していった。
それが放たれれば、この町すら──。
「……燃え尽きるといいわ。この町と共に……お前たちの命も!!」
「ゼシカ!!」
「ど、どうしたらいいんでがすか!?」
「おいおい、これじゃ俺たちまでお陀仏だぞ!!」
「命にかえても……レイラは守る」
エイトが私に覆い被さる。
誰もが死を覚悟した。
魔力の光はどんどん膨らんで、まるで太陽が落ちてきたかのよう。
……私、死ぬの?
エイトと一緒に……死んじゃうの?
「──ええい、邪魔じゃ! どけどけどけぃ!!」
絶望を打ち消すかのような、尊大な声が人だかりの向こうから飛んできた。
ハワードさんが人の壁を押し退け、私たちの前に立ちはだかる。
「ぶわっはっはっはっはぁ!! どうやら間一髪だったようじゃな! 結界がようやく完成したわい!! このわしの命を狙う不届き者めが! わしの超強力な退魔の結界をくらぇい! どりゃあ!!」
ハワードさんの手のひらから、清浄な魔力が広がっていく。
それがゼシカを包んだとき──ゼシカの体が大きく揺らいで、その手から杖が離れた。
力を失ったゼシカの体が地面へ落ちてくる。
そうしてゼシカは倒れたまま……動かなくなった。
「どわははは!! こいつは相当効いたようじゃな!! エイトよ! よくぞわしが結界を完成させるまでの間、持ち堪えたな! 褒美としてお前に名誉な仕事を与えてやろう! あの女にとどめを刺してくるのじゃ!」
「できるわけねえだろうが!」
ククールが見たこともない剣幕で、そうハワードさんを怒鳴りつけた。
ハワードさんが何か言っていたけど、私たちにとってはそれどころじゃない。
「ゼシカ、ゼシカ! ねぇエイト、ゼシカは? 大丈夫なんだよね?」
「……大丈夫、脈はある。気を失ってるだけだよ」
「よ……良かった……」
その言葉にほっとして、私はそっとゼシカの手を……握ろうとしたけど、触れることができなかった。
もし本当にゼシカが、私のことを人殺しだと思っていたら?
私、もうみんなと一緒に旅をしないほうが……。
「何やら事情がありそうじゃな。一応聞いてやるゆえ、話してみよ」
「……彼女は、もともと僕らの旅の仲間です。僕らはドルマゲスという悪党を追いかけて旅をしていて、つい先日、そいつを倒したんですが……」
「何かしらの呪いに掛けられたのか何なのか、こんなことになっておったというわけじゃ」
いつの間にか隣にいた陛下に驚く余裕もない。
ハワードさんは事の経緯を聞くと、不愉快げに鼻を鳴らした。
「ふん! 釈然としない話じゃが、まぁいいじゃろう。あの女の命はお前さんたちに預けてやろう。お前が必死でわしの命を守ろうとしたのは事実じゃしな。その褒美と思うがよい。だがその代わり、今回の警備の給金はなしじゃぞ。わははは!」
「……別に、お金なんてどうでもいいよ。ゼシカが正気を取り戻してくれれば……」
ゼシカは呪いが解けても、どこか苦しそうな表情で眠っている。
……ごめんね、ゼシカ。
すぐに助けてあげられなくて。
ごめんね──ずっと隠し事をしていて。
そういえば、杖は……どこにいったんだろう?
ゼシカが手放したあと、どこかに落ちて……。
……見失ってしまった。
「……む!? そういえば、わしのかわいいレオパルドちゃんはどこへ行った?」
「レオパルド……?」
そういえば、あの黒い犬がいない。
いったいどこに……。
「……い、いないではないか! さては今の騒ぎで恐ろしくなって、どこかへ逃げてしまったのか!? ……チェ、チェルスよ!! 今すぐレオパルドちゃんを探して、連れ戻してまいれ!!」
「は、はい!!」
チェルスが敷地の外へと走っていく。
エイトはこちらへと走ってきて、私を抱き上げた。
ゼシカはククールが抱き抱えて、私たちは宿屋でゼシカの目覚めを待つことにした。
最初こそ私も起きてゼシカの目が覚めるのを待っていたけど、ゼシカは時折うなされるだけで、目を覚まそうとはしなくて。
そのうち……私は糸が切れたように、気を失ってしまった。
「レイラ! エイト!」
「兄貴ー! 姉貴ー!!」
ククールとヤンガスが私とエイトを起こしてくれる。
けれど、依然として状況が危機に瀕しているのは変わらない。
あれだけの魔力の嵐を受けてもなお、ゼシカは杖を支えにしながら耐え抜いていた。
「そ……そんな、信じられない……。この杖の……力を超える人間が……いた、だなんて……」
「ゼシカ……もうやめよう」
「……許さ、ないわ。絶対に……許さない……。見せてあ、げるわ……。四人の、賢者の魂を、得た……この杖の……本当の威力を……」
あの時の爆発音……あれは、ゼシカが私の暴走する魔力と自分の攻撃とをぶつけ合っていた力だったのか。
それでゼシカは押し負けて……私はエイトによって助けられた。
ゼシカが中空に飛んで、杖を振りかぶる。
その先端に、高密度の魔力が凝縮していった。
それが放たれれば、この町すら──。
「……燃え尽きるといいわ。この町と共に……お前たちの命も!!」
「ゼシカ!!」
「ど、どうしたらいいんでがすか!?」
「おいおい、これじゃ俺たちまでお陀仏だぞ!!」
「命にかえても……レイラは守る」
エイトが私に覆い被さる。
誰もが死を覚悟した。
魔力の光はどんどん膨らんで、まるで太陽が落ちてきたかのよう。
……私、死ぬの?
エイトと一緒に……死んじゃうの?
「──ええい、邪魔じゃ! どけどけどけぃ!!」
絶望を打ち消すかのような、尊大な声が人だかりの向こうから飛んできた。
ハワードさんが人の壁を押し退け、私たちの前に立ちはだかる。
「ぶわっはっはっはっはぁ!! どうやら間一髪だったようじゃな! 結界がようやく完成したわい!! このわしの命を狙う不届き者めが! わしの超強力な退魔の結界をくらぇい! どりゃあ!!」
ハワードさんの手のひらから、清浄な魔力が広がっていく。
それがゼシカを包んだとき──ゼシカの体が大きく揺らいで、その手から杖が離れた。
力を失ったゼシカの体が地面へ落ちてくる。
そうしてゼシカは倒れたまま……動かなくなった。
「どわははは!! こいつは相当効いたようじゃな!! エイトよ! よくぞわしが結界を完成させるまでの間、持ち堪えたな! 褒美としてお前に名誉な仕事を与えてやろう! あの女にとどめを刺してくるのじゃ!」
「できるわけねえだろうが!」
ククールが見たこともない剣幕で、そうハワードさんを怒鳴りつけた。
ハワードさんが何か言っていたけど、私たちにとってはそれどころじゃない。
「ゼシカ、ゼシカ! ねぇエイト、ゼシカは? 大丈夫なんだよね?」
「……大丈夫、脈はある。気を失ってるだけだよ」
「よ……良かった……」
その言葉にほっとして、私はそっとゼシカの手を……握ろうとしたけど、触れることができなかった。
もし本当にゼシカが、私のことを人殺しだと思っていたら?
私、もうみんなと一緒に旅をしないほうが……。
「何やら事情がありそうじゃな。一応聞いてやるゆえ、話してみよ」
「……彼女は、もともと僕らの旅の仲間です。僕らはドルマゲスという悪党を追いかけて旅をしていて、つい先日、そいつを倒したんですが……」
「何かしらの呪いに掛けられたのか何なのか、こんなことになっておったというわけじゃ」
いつの間にか隣にいた陛下に驚く余裕もない。
ハワードさんは事の経緯を聞くと、不愉快げに鼻を鳴らした。
「ふん! 釈然としない話じゃが、まぁいいじゃろう。あの女の命はお前さんたちに預けてやろう。お前が必死でわしの命を守ろうとしたのは事実じゃしな。その褒美と思うがよい。だがその代わり、今回の警備の給金はなしじゃぞ。わははは!」
「……別に、お金なんてどうでもいいよ。ゼシカが正気を取り戻してくれれば……」
ゼシカは呪いが解けても、どこか苦しそうな表情で眠っている。
……ごめんね、ゼシカ。
すぐに助けてあげられなくて。
ごめんね──ずっと隠し事をしていて。
そういえば、杖は……どこにいったんだろう?
ゼシカが手放したあと、どこかに落ちて……。
……見失ってしまった。
「……む!? そういえば、わしのかわいいレオパルドちゃんはどこへ行った?」
「レオパルド……?」
そういえば、あの黒い犬がいない。
いったいどこに……。
「……い、いないではないか! さては今の騒ぎで恐ろしくなって、どこかへ逃げてしまったのか!? ……チェ、チェルスよ!! 今すぐレオパルドちゃんを探して、連れ戻してまいれ!!」
「は、はい!!」
チェルスが敷地の外へと走っていく。
エイトはこちらへと走ってきて、私を抱き上げた。
ゼシカはククールが抱き抱えて、私たちは宿屋でゼシカの目覚めを待つことにした。
最初こそ私も起きてゼシカの目が覚めるのを待っていたけど、ゼシカは時折うなされるだけで、目を覚まそうとはしなくて。
そのうち……私は糸が切れたように、気を失ってしまった。
