41章
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宿屋に入ると、既にみんなは起きていた。
あのヤンガスでさえも起きている。
みんな気合い入ってるな。
「あ、戻ってきた! もう、どこに行ってたのよ? 探したんだから」
「ごめん! いつもの如く早起きしすぎて、エイトと朝の散歩を……」
「老人か?」
「十八歳に向かってなんつーセリフを」
ククールめ、わざとそういう皮肉な物言いしてさ!
素直になればいいのに、そういうところはずっと変わんないな!
「……それで、えーっと」
「ん?」
「その、それは指摘していいのかしら。……ただ散歩するだけなのに、ずっと手を繋いでいるのって」
「え? ……あ」
そういえばずっとエイトと手を繋いだままだった。
そっと手を離そうとすると、エイトが無言で私の手を握って、更に引き寄せる。
え、とククールまでもが固まった。
そうして恐る恐ると口を開く。
「……そういうことか?」
「そういうことだよ」
にっこりと笑ったエイトがククールに頷く。
ぱか、と口を開けたククールは、そのまま私を凝視した。
言いたいことは分かる、告白しないって私はククールに言っていたから。
でも伝える以外の選択肢がなくなったんだよな、不思議なことに。
「いつから!? 昨日の夜しかねぇが!!」
「ご名答」
「え? なに、二人って恋人なの? エイトったら、やっとレイラに気持ちを伝えたのね?」
「やっとって何!? え、待って? もしかしてエイトが私の事好きだって知らなかったの、私だけ!? みんないつから気付いてたの!?」
「「仲間になった時から」」
「嘘ォ!?」
いやまぁそりゃあ……私が最初っから勘違いをしたまま、ここまで来てしまったのは本当だけど!
それにしたって仲間になった時から気付くってすごくない?
三人とも実は心が読めるとかそういう……!?
「分かりやすかったぞ、俺なんかさり気なく牽制までされた」
「するに決まってるだろ。レイラに変な虫がついたら困る」
「変な虫って。ククールはゼシカしか狙ってなかったじゃん」
「知ってるか? ドニの酒場からお前らを連れ出した時、レイラの手を握ってた俺の手を払い除けたエイトの顔。めちゃくちゃ笑顔を貼り付けてキレてたぞ」
「エイトってレイラが絡むと、途端に心が狭くなるのよね」
「アッシですら、お供するようになってすぐに察したぐれぇだってのに、姉貴はまるで気付いちゃいなかったでげす」
「そ……そんな……」
私がトロデーン王国一の鈍感です、大変申し訳ありませんでした。
つまり姫様も知ってるってことだよね……。
姫様がエイトのことをお好きなのは確信を持っているから、気まずいと言えば気まずい。
エイトと恋人同士になったとはいえ、姫様が幸せになれるのなら、エイトと結ばれてほしいと思っているし、そのためなら喜んで身を引く覚悟はある。
「それじゃあ、改めてみんなに伝えておくよ。僕とレイラは正式にお付き合いすることになりました」
「あの……なるべく二人でいる時だけイチャつこうと思っているので……」
「レイラはともかく、エイトは無理だろ」
「そうね、無理そう」
「アッシらの事は気にせず、仲睦まじくやってくだせぇ」
「ダメだこりゃ」
ここまで信用がないんだ、私が絡んだときのエイト。
逆に面白すぎてびっくりした。
そこまで分かりやすい言動してたのか。
いやぁ自信満々に勘違いしてたから、本当に気付かなかった。
朝ご飯をもらいに行く途中、そっとククールの隣に移動する。
うん? という目で私を見たククールに、そっと尋ねてみた。
「姫様がエイトのこと好きだっていうのは?」
「それは合ってる」
「……だよね」
「お前、妙なこと考えてないだろうな」
ほんの一瞬、反応が遅れた。
妙なことって? と誤魔化そうとしたけど、無理そうだ。
代わりに私は無言を貫くことにした。
「ミーティア姫のために身を引くとか、やめておけよ。エイトがいつからお前のこと好きだったかは知らないが、昨日今日の話じゃないだろ」
「……うん」
「やめておけよ」
ククールにしては珍しい、真剣な表情と声音だった。
けれど私はそれには頷かずに、ククールの隣から離れた。
現実的に考えれば、王族と孤児の近衛兵が結ばれるなんて、有り得ない。
でもトロデーンにおいては、しばしば姫様の意見が優先されることがあるのだ。
姫様がご自分の伴侶にエイトをと言ったら?
もちろんエイトは姫様と結婚するだろう。
そこに私の意思は必要ない。
(……それに)
姫様を本当に幸せにできるのは、エイトしかいないというのは、私も分かっていることだ。
だから──もし、その時がきたら、私は喜んでエイトから離れると決めている。
その時こそ、私はトロデーン王国から離れて、旅に出ようと思う。
* * *
「……それじゃあ、行くよ」
サザンビーク城の外で、私たちは顔を見合わせて頷いた。
これより向かうは決戦の地・闇の遺跡。
ドルマゲスを倒して、悲劇を止めるために。
全員の瞳が決意と覚悟を映した。
「ルーラ!」
エイトの声が唱えて、私たちは空を飛んだ。
北の孤島、その中央にある闇の遺跡へ──。
足が大地を踏んで、禍々しい気が周囲を包む。
目の前には、闇の結界に覆われた遺跡。
いよいよだ。
私たちは今日、ここで奴を倒す。
そして呪われたトロデーン城を──陛下と姫様を、助けるんだ。
あのヤンガスでさえも起きている。
みんな気合い入ってるな。
「あ、戻ってきた! もう、どこに行ってたのよ? 探したんだから」
「ごめん! いつもの如く早起きしすぎて、エイトと朝の散歩を……」
「老人か?」
「十八歳に向かってなんつーセリフを」
ククールめ、わざとそういう皮肉な物言いしてさ!
素直になればいいのに、そういうところはずっと変わんないな!
「……それで、えーっと」
「ん?」
「その、それは指摘していいのかしら。……ただ散歩するだけなのに、ずっと手を繋いでいるのって」
「え? ……あ」
そういえばずっとエイトと手を繋いだままだった。
そっと手を離そうとすると、エイトが無言で私の手を握って、更に引き寄せる。
え、とククールまでもが固まった。
そうして恐る恐ると口を開く。
「……そういうことか?」
「そういうことだよ」
にっこりと笑ったエイトがククールに頷く。
ぱか、と口を開けたククールは、そのまま私を凝視した。
言いたいことは分かる、告白しないって私はククールに言っていたから。
でも伝える以外の選択肢がなくなったんだよな、不思議なことに。
「いつから!? 昨日の夜しかねぇが!!」
「ご名答」
「え? なに、二人って恋人なの? エイトったら、やっとレイラに気持ちを伝えたのね?」
「やっとって何!? え、待って? もしかしてエイトが私の事好きだって知らなかったの、私だけ!? みんないつから気付いてたの!?」
「「仲間になった時から」」
「嘘ォ!?」
いやまぁそりゃあ……私が最初っから勘違いをしたまま、ここまで来てしまったのは本当だけど!
それにしたって仲間になった時から気付くってすごくない?
三人とも実は心が読めるとかそういう……!?
「分かりやすかったぞ、俺なんかさり気なく牽制までされた」
「するに決まってるだろ。レイラに変な虫がついたら困る」
「変な虫って。ククールはゼシカしか狙ってなかったじゃん」
「知ってるか? ドニの酒場からお前らを連れ出した時、レイラの手を握ってた俺の手を払い除けたエイトの顔。めちゃくちゃ笑顔を貼り付けてキレてたぞ」
「エイトってレイラが絡むと、途端に心が狭くなるのよね」
「アッシですら、お供するようになってすぐに察したぐれぇだってのに、姉貴はまるで気付いちゃいなかったでげす」
「そ……そんな……」
私がトロデーン王国一の鈍感です、大変申し訳ありませんでした。
つまり姫様も知ってるってことだよね……。
姫様がエイトのことをお好きなのは確信を持っているから、気まずいと言えば気まずい。
エイトと恋人同士になったとはいえ、姫様が幸せになれるのなら、エイトと結ばれてほしいと思っているし、そのためなら喜んで身を引く覚悟はある。
「それじゃあ、改めてみんなに伝えておくよ。僕とレイラは正式にお付き合いすることになりました」
「あの……なるべく二人でいる時だけイチャつこうと思っているので……」
「レイラはともかく、エイトは無理だろ」
「そうね、無理そう」
「アッシらの事は気にせず、仲睦まじくやってくだせぇ」
「ダメだこりゃ」
ここまで信用がないんだ、私が絡んだときのエイト。
逆に面白すぎてびっくりした。
そこまで分かりやすい言動してたのか。
いやぁ自信満々に勘違いしてたから、本当に気付かなかった。
朝ご飯をもらいに行く途中、そっとククールの隣に移動する。
うん? という目で私を見たククールに、そっと尋ねてみた。
「姫様がエイトのこと好きだっていうのは?」
「それは合ってる」
「……だよね」
「お前、妙なこと考えてないだろうな」
ほんの一瞬、反応が遅れた。
妙なことって? と誤魔化そうとしたけど、無理そうだ。
代わりに私は無言を貫くことにした。
「ミーティア姫のために身を引くとか、やめておけよ。エイトがいつからお前のこと好きだったかは知らないが、昨日今日の話じゃないだろ」
「……うん」
「やめておけよ」
ククールにしては珍しい、真剣な表情と声音だった。
けれど私はそれには頷かずに、ククールの隣から離れた。
現実的に考えれば、王族と孤児の近衛兵が結ばれるなんて、有り得ない。
でもトロデーンにおいては、しばしば姫様の意見が優先されることがあるのだ。
姫様がご自分の伴侶にエイトをと言ったら?
もちろんエイトは姫様と結婚するだろう。
そこに私の意思は必要ない。
(……それに)
姫様を本当に幸せにできるのは、エイトしかいないというのは、私も分かっていることだ。
だから──もし、その時がきたら、私は喜んでエイトから離れると決めている。
その時こそ、私はトロデーン王国から離れて、旅に出ようと思う。
* * *
「……それじゃあ、行くよ」
サザンビーク城の外で、私たちは顔を見合わせて頷いた。
これより向かうは決戦の地・闇の遺跡。
ドルマゲスを倒して、悲劇を止めるために。
全員の瞳が決意と覚悟を映した。
「ルーラ!」
エイトの声が唱えて、私たちは空を飛んだ。
北の孤島、その中央にある闇の遺跡へ──。
足が大地を踏んで、禍々しい気が周囲を包む。
目の前には、闇の結界に覆われた遺跡。
いよいよだ。
私たちは今日、ここで奴を倒す。
そして呪われたトロデーン城を──陛下と姫様を、助けるんだ。
