39章
夢小説設定
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さて、王者の儀式から一夜が明けた今日。
我々は元宮廷魔術師のお師匠様に会うべく、大陸の西を目指すこととなった。
ところでアバウトに西ってことしか言われてないけど、西のどの辺なんだ?
「ここから西って言えば、サザン湖があるけど……」
「あのでっかい湖でがすな。それなら、ここまで来る途中の分かれ道を曲がりゃあ着くはずでがすよ」
「とりあえず行ってみようか」
エイトのそれに私たちは頷いた。
キラーパンサーに乗って、サザンビーク城を出発。
サザン湖を目指して走っていく。
バザーで強い装備を買ったり、それを元に錬金で更に強くしたおかげで、道中の敵も相手するのがだいぶ楽だ。
魔除けの聖印はひとつしかなかったから、エイトの剣をゾンビバスターに錬金しておいた。
魔除けの聖印自体は錬金で作れるんだけど、それには金のロザリオが必要らしい。
聖地ゴルドに行けば売ってるらしいけど、わざわざそのためにここを離れるのは違うよなとなり、私の剣はゾンビキラーのままだ。
商人のテントが見えてきたところで、分かれ道を曲がって湖の方向に進んでいく。
とりあえず道が続いている限り行ってみようのノリだ。
「これどこまで続いてるんだろ」
「湖に繋がってるかと思ったけど、違うみたいよね」
「ん? おいエイト、立て看板があるぞ」
ククールの声でエイトがキラーパンサーを止めた。
立て看板には何やら文字が書いてある。
「これより先、用なき者の立ち入りを禁ず」という一文から、この先に誰かが住んでいるのは確定した。
私有地ということなのか、はたまた誰にも会いたくないという変わり者が住んでいるのか……。
湖というよりは森の中を走らされているような気がしつつ、どんどん奥へと進んでいく。
その先には、小さな家がぽつんと建っていた。
道はもう少し続いてみるみたいだけど、こんなところで暮らすなんて、まさに「隠居暮らし」だ。
「あの学者が言ってたのって、ここかな」
「そうだと思う」
「近くに家もねえし、そうなんじゃねえか?」
キラーパンサーを下りて、家のドアをノックする。
返事はなかったけど、ドアの鍵は開いていた。
とりあえず入ってみよう。
「こんにちはー」
ドアを開けたその先には──。
「スライム!?」
「と、泥人形!?」
この家、もしかして魔物に襲われてんの!?
とんでもないタイミングで来ちゃったってこと!?
とりあえずこの魔物を倒して、家の主を探さないと!
躊躇うことなく剣を抜いたとき。
「ま、待つっち! 僕たちは敵じゃないっちよ!」
目の前にいるスライムが必死にそう弁解してきた。
どこにでもいるな、人語を話すスライム。
もうこれで目にするのは三回目だよ。
「……まあ、確かに敵意は感じないわね」
「だね。早とちりしちゃった」
ちょっと申し訳なくなりながら剣を納める。
それはそれとして、このお家の主はどこにいるんだ。
まさかこの家、スライムと泥人形だけで住んでいるわけじゃないだろう。
「ところで、君たち何者? ていうかここって誰の家?」
「うっしっし。僕はこの辺じゃ一番の天邪鬼で通っているスライムだっち。キミらもここに住んでるおじいさんに会いに来たっちね?」
「自分から天邪鬼って自己紹介してくるのは新しいな」
本当にそうだね。
私も自己紹介する時に「私は能天気で通っている近衛兵です!」とは言わないもん。
いや能天気で通るなよ、もうちょっと良い評価が欲しいよ。
「天邪鬼には天邪鬼をぶつけようぜ。ってことでレイラ、上手いこと居場所を聞き出してくれ」
「天邪鬼から一番遠くない?」
「レイラ、頭と口が直結してるのに、このスライムと会話できる?」
「シンプルな悪口はやめなエイト」
時々ストレートに辛辣なこと言うのは何なんだよ。
泣くぞ、割とマジで、泣いちゃうからな。
「しゃーないな、やってやんよ。あー、おじいさんに会いに来たかって? 別に違うけど。おじいさんとか知らんし」
「天邪鬼ってそれでいいの?」
「ちぇっ、なんだっち! ここに来る奴は大抵、爺さんを訪ねて来るっちよ。ホントは爺さんの居場所を知りたいっちね? そうだったちね? 知りたくてうずうずしてるっちね?」
「いや全然」
「ふん! 知りたくないなら嫌でも教えてやるっちよ。僕は天邪鬼だっちからね! 爺さんなら、ここから更に西へ進んだところにある、不思議な泉の傍にいるっちよ」
「へぇー。別におじいさんに用とかないけど教えてくれてありがと! 別に用とかないけど!」
「天邪鬼ってこういうのだったか?」
「レイラに天邪鬼をやらせるのがそもそも無理な話だったんじゃない?」
「おいそこの美男美女」
人にやらせといて、なんだよその反応は。
天邪鬼の言動なんか知らないのに頑張った私を褒めろよ。
ところで泥人形は一言も喋ってないけど、生きてるんだよね?
「こっちも天邪鬼なの? もしもーし?」
「自分、馬鹿デスカラ、オッシャル意味ガヨクワカリマセン……」
「めっちゃカタコトだった」
「そいつは人間の言葉が喋れないっち。いくら話しかけても同じことしか言わないっち」
「スライムと泥人形でここまで知能差あるんだ……」
特に役に立たない雑学だった。
だって野良のスライムも泥人形も、殴って倒してそれで終わりだもんね。
こらそこ、野蛮とか言わない。
我々は元宮廷魔術師のお師匠様に会うべく、大陸の西を目指すこととなった。
ところでアバウトに西ってことしか言われてないけど、西のどの辺なんだ?
「ここから西って言えば、サザン湖があるけど……」
「あのでっかい湖でがすな。それなら、ここまで来る途中の分かれ道を曲がりゃあ着くはずでがすよ」
「とりあえず行ってみようか」
エイトのそれに私たちは頷いた。
キラーパンサーに乗って、サザンビーク城を出発。
サザン湖を目指して走っていく。
バザーで強い装備を買ったり、それを元に錬金で更に強くしたおかげで、道中の敵も相手するのがだいぶ楽だ。
魔除けの聖印はひとつしかなかったから、エイトの剣をゾンビバスターに錬金しておいた。
魔除けの聖印自体は錬金で作れるんだけど、それには金のロザリオが必要らしい。
聖地ゴルドに行けば売ってるらしいけど、わざわざそのためにここを離れるのは違うよなとなり、私の剣はゾンビキラーのままだ。
商人のテントが見えてきたところで、分かれ道を曲がって湖の方向に進んでいく。
とりあえず道が続いている限り行ってみようのノリだ。
「これどこまで続いてるんだろ」
「湖に繋がってるかと思ったけど、違うみたいよね」
「ん? おいエイト、立て看板があるぞ」
ククールの声でエイトがキラーパンサーを止めた。
立て看板には何やら文字が書いてある。
「これより先、用なき者の立ち入りを禁ず」という一文から、この先に誰かが住んでいるのは確定した。
私有地ということなのか、はたまた誰にも会いたくないという変わり者が住んでいるのか……。
湖というよりは森の中を走らされているような気がしつつ、どんどん奥へと進んでいく。
その先には、小さな家がぽつんと建っていた。
道はもう少し続いてみるみたいだけど、こんなところで暮らすなんて、まさに「隠居暮らし」だ。
「あの学者が言ってたのって、ここかな」
「そうだと思う」
「近くに家もねえし、そうなんじゃねえか?」
キラーパンサーを下りて、家のドアをノックする。
返事はなかったけど、ドアの鍵は開いていた。
とりあえず入ってみよう。
「こんにちはー」
ドアを開けたその先には──。
「スライム!?」
「と、泥人形!?」
この家、もしかして魔物に襲われてんの!?
とんでもないタイミングで来ちゃったってこと!?
とりあえずこの魔物を倒して、家の主を探さないと!
躊躇うことなく剣を抜いたとき。
「ま、待つっち! 僕たちは敵じゃないっちよ!」
目の前にいるスライムが必死にそう弁解してきた。
どこにでもいるな、人語を話すスライム。
もうこれで目にするのは三回目だよ。
「……まあ、確かに敵意は感じないわね」
「だね。早とちりしちゃった」
ちょっと申し訳なくなりながら剣を納める。
それはそれとして、このお家の主はどこにいるんだ。
まさかこの家、スライムと泥人形だけで住んでいるわけじゃないだろう。
「ところで、君たち何者? ていうかここって誰の家?」
「うっしっし。僕はこの辺じゃ一番の天邪鬼で通っているスライムだっち。キミらもここに住んでるおじいさんに会いに来たっちね?」
「自分から天邪鬼って自己紹介してくるのは新しいな」
本当にそうだね。
私も自己紹介する時に「私は能天気で通っている近衛兵です!」とは言わないもん。
いや能天気で通るなよ、もうちょっと良い評価が欲しいよ。
「天邪鬼には天邪鬼をぶつけようぜ。ってことでレイラ、上手いこと居場所を聞き出してくれ」
「天邪鬼から一番遠くない?」
「レイラ、頭と口が直結してるのに、このスライムと会話できる?」
「シンプルな悪口はやめなエイト」
時々ストレートに辛辣なこと言うのは何なんだよ。
泣くぞ、割とマジで、泣いちゃうからな。
「しゃーないな、やってやんよ。あー、おじいさんに会いに来たかって? 別に違うけど。おじいさんとか知らんし」
「天邪鬼ってそれでいいの?」
「ちぇっ、なんだっち! ここに来る奴は大抵、爺さんを訪ねて来るっちよ。ホントは爺さんの居場所を知りたいっちね? そうだったちね? 知りたくてうずうずしてるっちね?」
「いや全然」
「ふん! 知りたくないなら嫌でも教えてやるっちよ。僕は天邪鬼だっちからね! 爺さんなら、ここから更に西へ進んだところにある、不思議な泉の傍にいるっちよ」
「へぇー。別におじいさんに用とかないけど教えてくれてありがと! 別に用とかないけど!」
「天邪鬼ってこういうのだったか?」
「レイラに天邪鬼をやらせるのがそもそも無理な話だったんじゃない?」
「おいそこの美男美女」
人にやらせといて、なんだよその反応は。
天邪鬼の言動なんか知らないのに頑張った私を褒めろよ。
ところで泥人形は一言も喋ってないけど、生きてるんだよね?
「こっちも天邪鬼なの? もしもーし?」
「自分、馬鹿デスカラ、オッシャル意味ガヨクワカリマセン……」
「めっちゃカタコトだった」
「そいつは人間の言葉が喋れないっち。いくら話しかけても同じことしか言わないっち」
「スライムと泥人形でここまで知能差あるんだ……」
特に役に立たない雑学だった。
だって野良のスライムも泥人形も、殴って倒してそれで終わりだもんね。
こらそこ、野蛮とか言わない。
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