38章
夢小説設定
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「あぁぁぁぁああ!!!」
そんな叫び声を聞いた、気がする。
怒りの感情が混じった声だった。
アルゴングレートの咆哮を裂いて──エイトの声が。
「ドラゴン斬り!!」
そして、目の前の魔物の命を絶つ気配を感じた。
時が止まったような錯覚と共に、恐る恐ると目を開ける。
顔を上げたとき、アルゴングレートは確かに私を見ていた。
けれど、その次の瞬間。
アルゴングレートは、ゆっくりと地面に倒れていった。
「……」
座り込んだまま、その光景を見つめる。
馬鹿みたいに現実感がなかった。
身体中が傷だらけなのに、その痛みすら感じない。
これ、どうなってるんだろう。
アルゴングレート、倒しちゃったの……?
「レイラ!!」
アルゴングレートの背後から、エイトが走ってくる。
その顔はすっかり青ざめていて、それすらどこか他人事だった。
なんていうか、頭が上手く働いていない気がする。
「エイト……」
「大丈夫!? 怪我は!?」
ボロボロの私を見て、エイトが言葉を失った。
もはや真っ青を通り越して真っ白だ。
エイトが倒れないか心配だな。
「ひどい怪我……!」
「あ……ごめん、見苦しいものを……」
「動かないで」
強い口調が諌めて、私は立ち上がろうとするのをやめた。
エイトがベホイミを二回ほど唱えて、私の傷が塞がっていく。
心配そうな眼差しとぶつかって、私は安心させるために頷いてあげた。
「大丈夫?」
「うん。エイトのおかげでもう元通り。ありがとう」
「……よかった」
エイトがほっとしたように小さく微笑む。
今回は特に集中攻撃されちゃったな。
敵の攻撃を避けるスキルとかあれば良かったけど、私に出来るのは敵に突っ込むことだけなんだもんな……。
「そういえば、アルゴンハートは? あれだけデカいの倒したんだし、デカいやつ落としてるでしょ」
「あ、そうだった……。……って、え?」
辺りを見渡したエイトがピシッと固まる。
エイトの視線の先には──今までとは比べ物にならない大きさの、アルゴンハート。
「デッッッカ!!」
「今までのとは比べ物にならないわね……」
「頑張った甲斐があったっちゃあ、あったの……か?」
ククールまでもが苦笑いを零している。
まさかここまで大きいサイズを見ることになるとは……。
ノッシノッシと歩き去っていくアルゴングレートを見送って、私たちは地面に座り込んだ。
もう疲れた、動きたくない……。
と思ったのも束の間。
その見たことがない大きさの宝石を、どこからか現れたチャゴスが得意げに持ち上げた。
「これだ! 僕の求めていたのは、まさにこれだ! この大きさなら、きっと父上も家臣も僕を見直すはずだ。皆の驚く顔が目に浮かぶ。きっと僕を褒めちぎるだろうな。まあ、苦労したんだから当然だな。うん。さあ、お前たち。城へ帰るぞ」
「お前が倒したんじゃなモガガ」
「そうですね! 帰りましょう!」
エイトの手が私の口を塞ぐ。
チャゴス王子が離れると、エイトの手も私から離れていった。
「まったくもう……」とエイトが困ったような笑みを浮かべる。
気まずさと拗ねるような気持ちが合わさって、私はぷいっとそっぽを向いた。
「で、礼の言葉は無しでがすか」
「……ちょっと、命を張ってあれを倒したのは、どこの誰だと思ってるのよ」
「ほんとにねぇ……」
「まったくだぜ……。まあ、最後のエイトは格好良かったけどな?」
「え?」
「あの時の兄貴は、もう姉貴に一直線だったでがすよ。格好良かったでげす」
「ヤンガス!!」
「え? 一直線? どういうこと?」
「なんでもない! なんでもないから!」
「なに誤魔化してるのよ。エイトは分かりやすいんだから、今更よ?」
「分かりやすいって? 何が?」
「レイラは知らなくていいわよ」
「そっちの方が面白ぇしな」
そう言ってゼシカとククールは意味ありげな眼差しでエイトを見やった。
よく分からずに首を傾げて、エイトを見つめる。
エイトは気恥しそうに咳払いをして、無理やり話題を変えた。
「とにかく、この山を下りようか。あの王子も満足の大きさのアルゴンハートを手に入れたんだし、僕たちの仕事も終わりだよ」
「そうだね……。とにかく一刻も早くあの王子から離れたいよ」
全員の顔が「そうだ」と言っていた。
こんなに意見が揃うことってあるんだな。
そんなわけでチャゴス王子と共に王家の山を下山し、その足でルーラを唱え、サザンビーク城に戻ったのだった。
そんな叫び声を聞いた、気がする。
怒りの感情が混じった声だった。
アルゴングレートの咆哮を裂いて──エイトの声が。
「ドラゴン斬り!!」
そして、目の前の魔物の命を絶つ気配を感じた。
時が止まったような錯覚と共に、恐る恐ると目を開ける。
顔を上げたとき、アルゴングレートは確かに私を見ていた。
けれど、その次の瞬間。
アルゴングレートは、ゆっくりと地面に倒れていった。
「……」
座り込んだまま、その光景を見つめる。
馬鹿みたいに現実感がなかった。
身体中が傷だらけなのに、その痛みすら感じない。
これ、どうなってるんだろう。
アルゴングレート、倒しちゃったの……?
「レイラ!!」
アルゴングレートの背後から、エイトが走ってくる。
その顔はすっかり青ざめていて、それすらどこか他人事だった。
なんていうか、頭が上手く働いていない気がする。
「エイト……」
「大丈夫!? 怪我は!?」
ボロボロの私を見て、エイトが言葉を失った。
もはや真っ青を通り越して真っ白だ。
エイトが倒れないか心配だな。
「ひどい怪我……!」
「あ……ごめん、見苦しいものを……」
「動かないで」
強い口調が諌めて、私は立ち上がろうとするのをやめた。
エイトがベホイミを二回ほど唱えて、私の傷が塞がっていく。
心配そうな眼差しとぶつかって、私は安心させるために頷いてあげた。
「大丈夫?」
「うん。エイトのおかげでもう元通り。ありがとう」
「……よかった」
エイトがほっとしたように小さく微笑む。
今回は特に集中攻撃されちゃったな。
敵の攻撃を避けるスキルとかあれば良かったけど、私に出来るのは敵に突っ込むことだけなんだもんな……。
「そういえば、アルゴンハートは? あれだけデカいの倒したんだし、デカいやつ落としてるでしょ」
「あ、そうだった……。……って、え?」
辺りを見渡したエイトがピシッと固まる。
エイトの視線の先には──今までとは比べ物にならない大きさの、アルゴンハート。
「デッッッカ!!」
「今までのとは比べ物にならないわね……」
「頑張った甲斐があったっちゃあ、あったの……か?」
ククールまでもが苦笑いを零している。
まさかここまで大きいサイズを見ることになるとは……。
ノッシノッシと歩き去っていくアルゴングレートを見送って、私たちは地面に座り込んだ。
もう疲れた、動きたくない……。
と思ったのも束の間。
その見たことがない大きさの宝石を、どこからか現れたチャゴスが得意げに持ち上げた。
「これだ! 僕の求めていたのは、まさにこれだ! この大きさなら、きっと父上も家臣も僕を見直すはずだ。皆の驚く顔が目に浮かぶ。きっと僕を褒めちぎるだろうな。まあ、苦労したんだから当然だな。うん。さあ、お前たち。城へ帰るぞ」
「お前が倒したんじゃなモガガ」
「そうですね! 帰りましょう!」
エイトの手が私の口を塞ぐ。
チャゴス王子が離れると、エイトの手も私から離れていった。
「まったくもう……」とエイトが困ったような笑みを浮かべる。
気まずさと拗ねるような気持ちが合わさって、私はぷいっとそっぽを向いた。
「で、礼の言葉は無しでがすか」
「……ちょっと、命を張ってあれを倒したのは、どこの誰だと思ってるのよ」
「ほんとにねぇ……」
「まったくだぜ……。まあ、最後のエイトは格好良かったけどな?」
「え?」
「あの時の兄貴は、もう姉貴に一直線だったでがすよ。格好良かったでげす」
「ヤンガス!!」
「え? 一直線? どういうこと?」
「なんでもない! なんでもないから!」
「なに誤魔化してるのよ。エイトは分かりやすいんだから、今更よ?」
「分かりやすいって? 何が?」
「レイラは知らなくていいわよ」
「そっちの方が面白ぇしな」
そう言ってゼシカとククールは意味ありげな眼差しでエイトを見やった。
よく分からずに首を傾げて、エイトを見つめる。
エイトは気恥しそうに咳払いをして、無理やり話題を変えた。
「とにかく、この山を下りようか。あの王子も満足の大きさのアルゴンハートを手に入れたんだし、僕たちの仕事も終わりだよ」
「そうだね……。とにかく一刻も早くあの王子から離れたいよ」
全員の顔が「そうだ」と言っていた。
こんなに意見が揃うことってあるんだな。
そんなわけでチャゴス王子と共に王家の山を下山し、その足でルーラを唱え、サザンビーク城に戻ったのだった。
