36章
夢小説設定
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一夜明けた翌朝。
いよいよ、王家の山へ出発する時がやってきた。
エイトが例の瓶を開け、中にあるトカゲのエキスを振りかける。
瞬間、とんでもない臭いが身体から発生した。
「くっさ!!」
「おいおい、この俺にこんな悪臭を放てって言うのか。神がお怒りになるぜ」
「じゃあククールはここで留守番してなさいよ。食料は置いていかないけど」
ゼシカににべもなく切り捨てられ、ククールは黙って臭いに耐えた。
ゼシカだってものすごい臭いを放っているから、もうここまで来たらおあいこだもん。
これでアルゴリザードが逃げなくなるなら、甘んじて臭くなろう。
「サクッと終わらせてくれよ、王子様」
「早く行きましょ! こんな臭い、早く落としたいもの!」
「いつになくゼシカが本気だ」
「アッシもさすがにキツイでがすよ! とっとと終わらせるでげす!」
「よぉーし! しゅっぱーつ!」
私たちは意気揚々と、王家の山に繋がる道へと踏み出した。
今回は陛下と姫様もご一緒だ。
普通の洞窟と違って、ただの山だから、馬車も問題なく走れる。
一応、多めに特薬草と万能薬は錬金しておいたので、万が一の回復は備えがある。
山に入ってすぐ、赤い体表をもつ竜のようなトカゲのような魔物が見えた。
トカゲ……といえばトカゲだけど、トカゲは二足歩行しないぞ。
普通のトカゲと違って、顔の横辺りにヒダがある。
細身で身軽そうだから素早さがあるかも。
もしかしたらブレス攻撃もあるかもしれない。
「でも確かに、近くに行っても逃げないわね」
スタスタと近寄ったゼシカがそう言った瞬間、アルゴリザードが私たちに気付いた。
おっ、戦闘か? と身構えた次の瞬間。
「あっ逃げた」
アルゴリザードはスタコラサッサと逃げていってしまった。
匂いで気付かれることはなくても、人に気付くと逃げてしまうってことか。
うーん、戦いづらいな。
「くそう。逃げられたか……。こんな嫌なことはさっさと終わらせて、一刻も早く城へ帰りたいのだがな。そういえば、アルゴリザードはとても臆病だから、近付く時は後ろからそっとだと、大臣が言っていたな」
「なるほど、背後を取るといいのか……」
そういうことなら私の十八番だ。
気配を消して後ろから近付くのには慣れている。
……『夜勤』で得た経験がこんな形で生きることってあるんだな。
先程のアルゴリザードが逃げた方向へ向かうと、ちょうどこちらに背を向けているアルゴリザードを発見!
目配せをして、私がそっと近付くことにした。
剣を抜いて音を立てないように近付き、それから──。
「せぇぇぇい!!」
「シギャアァァッ!!」
私の一撃はスレスレで躱されたものの、ゼシカが間髪を入れずにメラミで足止めしてくれた。
そしてなんと、チャゴス王子もちゃんと戦闘に参加している!
「あ、戦うんだ」
「そりゃ一応はこいつのための儀式だしな」
「その割に武器はちゃっちいものでがすけどね」
「あの安っぽさはブロンドナイフと見た」
「レイラいま武器の分析はいらない!」
でも王族の持つ武器がブロンズナイフは駄目じゃない!?
もう少しこう、良い武器なかったの!?
ったく、と悪態をついて、ククールがスクルトで守備力を上げようとしたとき。
「とりゃー!」
「あ、あのバカ王子!」
ククールがスクルトを唱えるより早く、モタモタとブロンズナイフを手で遊ばせた王子が、アルゴリザードへ切りつけた。
残念ながらまるで効いていない!
「使えねぇな、あの野郎」
「戦力のあてにしちゃだめよ」
ゼシカとククールは王子への当たりが厳しい。
この短時間でここまで二人から疎まれるってすごいな。
たしかに我儘なところは目立つし、選民意識も高いけど。
……うん、ろくな奴じゃないな!
「あの、頼むからチャゴス王子に攻撃はしないでね……? 国交断絶になりかねないから……」
「でも、馬車をひいてるのがトロデ王とミーティア姫だってバレなきゃいいわけでしょ?」
「そういう問題でもないかな!」
エイトのツッコミスキルが輝いている。
おかしいな、エイトはボケもボケだったはずなんだけど。
私のほうがボケか、そりゃそうだな!
「うわぁぁあ!」
しかも、そうこうしている間にチャゴス王子は逃げ出した。
そんなことあるゥ!?
お前のための儀式だろ!?
「逃げっ……あ゛ぁ!?」
「エイトからすごい声が聞こえた」
「とにかく、ここは何としてでも、アルゴンハートを入手しようぜ!」
──この(チャゴス王子の護衛という)苦行から逃れるために!!
パーティー全員の意志が一つになった瞬間だった。
結局は私たちが相手することになるんじゃんか!
やってやるよ、チクショー!!
いよいよ、王家の山へ出発する時がやってきた。
エイトが例の瓶を開け、中にあるトカゲのエキスを振りかける。
瞬間、とんでもない臭いが身体から発生した。
「くっさ!!」
「おいおい、この俺にこんな悪臭を放てって言うのか。神がお怒りになるぜ」
「じゃあククールはここで留守番してなさいよ。食料は置いていかないけど」
ゼシカににべもなく切り捨てられ、ククールは黙って臭いに耐えた。
ゼシカだってものすごい臭いを放っているから、もうここまで来たらおあいこだもん。
これでアルゴリザードが逃げなくなるなら、甘んじて臭くなろう。
「サクッと終わらせてくれよ、王子様」
「早く行きましょ! こんな臭い、早く落としたいもの!」
「いつになくゼシカが本気だ」
「アッシもさすがにキツイでがすよ! とっとと終わらせるでげす!」
「よぉーし! しゅっぱーつ!」
私たちは意気揚々と、王家の山に繋がる道へと踏み出した。
今回は陛下と姫様もご一緒だ。
普通の洞窟と違って、ただの山だから、馬車も問題なく走れる。
一応、多めに特薬草と万能薬は錬金しておいたので、万が一の回復は備えがある。
山に入ってすぐ、赤い体表をもつ竜のようなトカゲのような魔物が見えた。
トカゲ……といえばトカゲだけど、トカゲは二足歩行しないぞ。
普通のトカゲと違って、顔の横辺りにヒダがある。
細身で身軽そうだから素早さがあるかも。
もしかしたらブレス攻撃もあるかもしれない。
「でも確かに、近くに行っても逃げないわね」
スタスタと近寄ったゼシカがそう言った瞬間、アルゴリザードが私たちに気付いた。
おっ、戦闘か? と身構えた次の瞬間。
「あっ逃げた」
アルゴリザードはスタコラサッサと逃げていってしまった。
匂いで気付かれることはなくても、人に気付くと逃げてしまうってことか。
うーん、戦いづらいな。
「くそう。逃げられたか……。こんな嫌なことはさっさと終わらせて、一刻も早く城へ帰りたいのだがな。そういえば、アルゴリザードはとても臆病だから、近付く時は後ろからそっとだと、大臣が言っていたな」
「なるほど、背後を取るといいのか……」
そういうことなら私の十八番だ。
気配を消して後ろから近付くのには慣れている。
……『夜勤』で得た経験がこんな形で生きることってあるんだな。
先程のアルゴリザードが逃げた方向へ向かうと、ちょうどこちらに背を向けているアルゴリザードを発見!
目配せをして、私がそっと近付くことにした。
剣を抜いて音を立てないように近付き、それから──。
「せぇぇぇい!!」
「シギャアァァッ!!」
私の一撃はスレスレで躱されたものの、ゼシカが間髪を入れずにメラミで足止めしてくれた。
そしてなんと、チャゴス王子もちゃんと戦闘に参加している!
「あ、戦うんだ」
「そりゃ一応はこいつのための儀式だしな」
「その割に武器はちゃっちいものでがすけどね」
「あの安っぽさはブロンドナイフと見た」
「レイラいま武器の分析はいらない!」
でも王族の持つ武器がブロンズナイフは駄目じゃない!?
もう少しこう、良い武器なかったの!?
ったく、と悪態をついて、ククールがスクルトで守備力を上げようとしたとき。
「とりゃー!」
「あ、あのバカ王子!」
ククールがスクルトを唱えるより早く、モタモタとブロンズナイフを手で遊ばせた王子が、アルゴリザードへ切りつけた。
残念ながらまるで効いていない!
「使えねぇな、あの野郎」
「戦力のあてにしちゃだめよ」
ゼシカとククールは王子への当たりが厳しい。
この短時間でここまで二人から疎まれるってすごいな。
たしかに我儘なところは目立つし、選民意識も高いけど。
……うん、ろくな奴じゃないな!
「あの、頼むからチャゴス王子に攻撃はしないでね……? 国交断絶になりかねないから……」
「でも、馬車をひいてるのがトロデ王とミーティア姫だってバレなきゃいいわけでしょ?」
「そういう問題でもないかな!」
エイトのツッコミスキルが輝いている。
おかしいな、エイトはボケもボケだったはずなんだけど。
私のほうがボケか、そりゃそうだな!
「うわぁぁあ!」
しかも、そうこうしている間にチャゴス王子は逃げ出した。
そんなことあるゥ!?
お前のための儀式だろ!?
「逃げっ……あ゛ぁ!?」
「エイトからすごい声が聞こえた」
「とにかく、ここは何としてでも、アルゴンハートを入手しようぜ!」
──この(チャゴス王子の護衛という)苦行から逃れるために!!
パーティー全員の意志が一つになった瞬間だった。
結局は私たちが相手することになるんじゃんか!
やってやるよ、チクショー!!
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