35章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
トーポが壁の穴に入ってからしばらくして。
「ひぃぃ!!」
「王子が出てきたぞ!! 取り押さえろ!!」
「早くクラビウス王の御前にお連れするのだ!!」
三階はドッタンバッタン大騒ぎだ。
見事チャゴス王子はお縄となり、トーポはやりきった顔で穴から出てきた。
さすがに屋根裏ということもあって、トーポはお腹がちょっと黒ずんでしまっている。
ポンポンと優しくエイトの手が汚れを落として、トーポは定位置のポケットへと潜った。
「……こいつ本当にただのネズミか?」
「ただのネズミではないよね。火を噴くし」
「十年は生きてるもんね。絶対に普通のネズミじゃないよ」
「飼い主と幼馴染みがそれ言っちゃっていいの?」
「まあまあ。とりあえず王子も出てきたことでげすし。一度、謁見の間に戻ってみやしょうぜ」
「そだね。トーポの謎はゆくゆく解明していくってことで」
四階から階段を下りて、私たちは再びクラビウス王のおわす、謁見の間へ。
そこにはクラビウス王と大臣と……。
全員の喉から「えッ?」と裏返った声が出た。
この……この、ブタ……あっ違うや、えっと……。
「あのブタみてぇな若造は誰でがすかね? 身なりは上等そうに見えやすが」
「言っちゃった……」
「ね、ねぇエイト? ミーティア姫の婚約者だっていう、チャゴス王子って……あの人じゃないわよね?」
「……鷹が鳶を産むことってあるんだな」
エイトは我関せずという顔だ。
内心ではキレ散らかしていそうで怖い。
しかしそれもそのはず、なんとチャゴス王子は肉屋の親父もびっくりの、超わがままボディだったのだ。
クラビウス王のハンサムさをどこに捨ててきたんだ。
王子の服なんか今にもボタンが弾け飛びそうなくらいパッツパツだもん。
こ……こんなのに、うちの姫様を……!?
嫌だ!!
世界を敵に回してでも、断固拒否するぞ!!
「おお、ちょうどよいところに来てくれたな、エイトよ」
クラビウス王と目が合って、私たちは謁見の間の入口付近から玉座へと近付いた。
遠目でも柔らかく言ってわがままボディだなと思ったけど、近くに寄るともっとすごい。
本当にうちの姫様をこいつに!?
絶対に嫌だが!?
「一応、紹介しておくべきかな。この者が我が息子にして、サザンビークの次代の王となる者、チャゴス王子であるぞ」
であるぞ、と言われても。
サザンビーク終了のお知らせとほぼ同義じゃん。
いやまだ分からないか、チャゴス王子と直接お顔を合わせたのはこれが初めてだし。
実は臆病なだけで、頭脳は優秀なのかもしれないし!
「お待ちください、父上! なぜこのような見るからに身分の低そうな輩に、僕のことを紹介するのですか」
「前言撤回、こいつバカ」
「レイラ、シッ!」
「前言撤回も何も、姉貴はそもそも何も言ってないでがすよ」
「心の中で何言ってたかは分かるんだけどな」
幸い我々以外には聞こえていなかったようなので、そのまま話を進めてもらった。
しかしまあ、これまでの小間使い・近衛兵経験から、身分で差別する輩にろくな奴はいないと知っている。
我々のチャゴス王子ろくでなしメーターがグンと急上昇した。
「身分なぞ問題ではない。お前の儀式を補佐してくれる者たちに、お前を紹介するのは当然のことであろう」
「儀式ですと!? 僕はそんな話、聞いておりません。行くと言った覚えもありません! 何度もトカゲは嫌だと申したではありませんか……」
頼むよ王子様。
これ以上、私の機嫌を損ねないでくれ。
私は姫様のことがそれはもう、世界の誰よりも大好きなんだ。
そんな姫様が何処の馬の骨かも知らん男に嫁ぐというだけでも嫌なのに、ましてや相手がお前と知って、私は怒りで今にも剣を抜きそうなんだぜ!!
抜いたら国際問題になるからまだ理性で止めてるけど!!
「よく聞け、チャゴスよ。どんなに嫌でも、儀式を済ませ、強い王になれるとわしらに示さねば、ミーティア姫と結婚出来んのだぞ」
「してもらわなくても結構ですけど……」
「僕は結婚なんか、別に……」
「ならしなくてよくないですか」
「誰かこいつの口を塞いでおいてくれ」
ククールの一言で、ゼシカがマホトーンをそっと唱えた。
私の声がキュッと封じられる。
だって結婚なんか別にしなくてもいいってんなら、こっちだってお前なんかに姫様のこと差し出したりしねーっての!!
「本当にそう思っておるのか。聞けばミーティア姫は、そこにいる女子に勝るとも劣らぬ……
ぼん! きゅっ! ぼーん!
……なスタイルと聞くぞ」
「おお……」
「どうだ? 行く気になったか?」
「……私をダシにしないでよね」
サイテーだよこの親子!!
ゼシカのことそんな目で見てたなんて!!
姫様のことそんな風に言うなんてサイテーだ!!
トロデーンが復活したら戦争してやる!!
友好国とて許せーん!!
「ひぃぃ!!」
「王子が出てきたぞ!! 取り押さえろ!!」
「早くクラビウス王の御前にお連れするのだ!!」
三階はドッタンバッタン大騒ぎだ。
見事チャゴス王子はお縄となり、トーポはやりきった顔で穴から出てきた。
さすがに屋根裏ということもあって、トーポはお腹がちょっと黒ずんでしまっている。
ポンポンと優しくエイトの手が汚れを落として、トーポは定位置のポケットへと潜った。
「……こいつ本当にただのネズミか?」
「ただのネズミではないよね。火を噴くし」
「十年は生きてるもんね。絶対に普通のネズミじゃないよ」
「飼い主と幼馴染みがそれ言っちゃっていいの?」
「まあまあ。とりあえず王子も出てきたことでげすし。一度、謁見の間に戻ってみやしょうぜ」
「そだね。トーポの謎はゆくゆく解明していくってことで」
四階から階段を下りて、私たちは再びクラビウス王のおわす、謁見の間へ。
そこにはクラビウス王と大臣と……。
全員の喉から「えッ?」と裏返った声が出た。
この……この、ブタ……あっ違うや、えっと……。
「あのブタみてぇな若造は誰でがすかね? 身なりは上等そうに見えやすが」
「言っちゃった……」
「ね、ねぇエイト? ミーティア姫の婚約者だっていう、チャゴス王子って……あの人じゃないわよね?」
「……鷹が鳶を産むことってあるんだな」
エイトは我関せずという顔だ。
内心ではキレ散らかしていそうで怖い。
しかしそれもそのはず、なんとチャゴス王子は肉屋の親父もびっくりの、超わがままボディだったのだ。
クラビウス王のハンサムさをどこに捨ててきたんだ。
王子の服なんか今にもボタンが弾け飛びそうなくらいパッツパツだもん。
こ……こんなのに、うちの姫様を……!?
嫌だ!!
世界を敵に回してでも、断固拒否するぞ!!
「おお、ちょうどよいところに来てくれたな、エイトよ」
クラビウス王と目が合って、私たちは謁見の間の入口付近から玉座へと近付いた。
遠目でも柔らかく言ってわがままボディだなと思ったけど、近くに寄るともっとすごい。
本当にうちの姫様をこいつに!?
絶対に嫌だが!?
「一応、紹介しておくべきかな。この者が我が息子にして、サザンビークの次代の王となる者、チャゴス王子であるぞ」
であるぞ、と言われても。
サザンビーク終了のお知らせとほぼ同義じゃん。
いやまだ分からないか、チャゴス王子と直接お顔を合わせたのはこれが初めてだし。
実は臆病なだけで、頭脳は優秀なのかもしれないし!
「お待ちください、父上! なぜこのような見るからに身分の低そうな輩に、僕のことを紹介するのですか」
「前言撤回、こいつバカ」
「レイラ、シッ!」
「前言撤回も何も、姉貴はそもそも何も言ってないでがすよ」
「心の中で何言ってたかは分かるんだけどな」
幸い我々以外には聞こえていなかったようなので、そのまま話を進めてもらった。
しかしまあ、これまでの小間使い・近衛兵経験から、身分で差別する輩にろくな奴はいないと知っている。
我々のチャゴス王子ろくでなしメーターがグンと急上昇した。
「身分なぞ問題ではない。お前の儀式を補佐してくれる者たちに、お前を紹介するのは当然のことであろう」
「儀式ですと!? 僕はそんな話、聞いておりません。行くと言った覚えもありません! 何度もトカゲは嫌だと申したではありませんか……」
頼むよ王子様。
これ以上、私の機嫌を損ねないでくれ。
私は姫様のことがそれはもう、世界の誰よりも大好きなんだ。
そんな姫様が何処の馬の骨かも知らん男に嫁ぐというだけでも嫌なのに、ましてや相手がお前と知って、私は怒りで今にも剣を抜きそうなんだぜ!!
抜いたら国際問題になるからまだ理性で止めてるけど!!
「よく聞け、チャゴスよ。どんなに嫌でも、儀式を済ませ、強い王になれるとわしらに示さねば、ミーティア姫と結婚出来んのだぞ」
「してもらわなくても結構ですけど……」
「僕は結婚なんか、別に……」
「ならしなくてよくないですか」
「誰かこいつの口を塞いでおいてくれ」
ククールの一言で、ゼシカがマホトーンをそっと唱えた。
私の声がキュッと封じられる。
だって結婚なんか別にしなくてもいいってんなら、こっちだってお前なんかに姫様のこと差し出したりしねーっての!!
「本当にそう思っておるのか。聞けばミーティア姫は、そこにいる女子に勝るとも劣らぬ……
ぼん! きゅっ! ぼーん!
……なスタイルと聞くぞ」
「おお……」
「どうだ? 行く気になったか?」
「……私をダシにしないでよね」
サイテーだよこの親子!!
ゼシカのことそんな目で見てたなんて!!
姫様のことそんな風に言うなんてサイテーだ!!
トロデーンが復活したら戦争してやる!!
友好国とて許せーん!!
