34章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕刻になって、ようやくサザンビーク城に辿り着いた。
もはや門構えからして別格だ。
さすが三国一の大国と呼ばれるだけのことはある。
「うー、疲れたー! ありがとねー」
「確かに乗ってるだけでも疲れるね。今回は特に遠かったから……」
「それもありやすが、魔物も手強かったでげすからね。今日のところはゆっくり休みたいでがすよ」
首元を撫でて労り、キラーパンサーから降りる。
キラーパンサーたちはどこへともなく歩き去っていった。
そして背後からは少し遅れて、陛下と姫様がご到着。
「ん!? あれは城か?」
私たちの横で馬車を停め、陛下はサザンビーク城を見上げた。
そりゃあもう、これが城でなければ何なんだという話だ。
でも私も初めて来たし、ひょっとして陛下も初めて訪れたのだろうか。
「どれどれ、わしの頭の中にある地図でちょいと調べてみるかのう……」
「おっさんの脳内地図ってそんなに正確なんでがすかい?」
「世界地図いらないわよ、もう」
「なっ、なんと!? ここはサザンビークではないか!」
「めちゃくちゃ正確じゃねーか」
「トロデ王は多才な方だからね」
「多才というかなんと言うか……」
ククールの言いたいことはよく分かる。
ある意味では才能だよ。
船も動かせるしね。
王族に必要ない気がするけど、そのスキル。
「サザンビークといえば、姫の許嫁がおる国じゃぞ。魔法の鏡を借りるとなると、許嫁のチャゴス王子や王様に必ずや会うことになるだろう。その時はくれぐれも、わしと姫がこんな姿に変えられて旅をしているなどと口にするなよ。旅の経緯を聞かれても、ドルマゲスという悪党を追っているとだけ答えて、余計なことは言うでないぞ」
「そうですね……」
トロデーン城の現状が知られるのは時間の問題な気はするけど、私たちの身分をわざわざ明かす必要もないからね。
でも嫌なんだよなぁ、国のお偉いさんと会話するの。
マナーとか厳しいじゃん、お辞儀の仕方ひとつとってもさ。
こちとらただの元孤児ですよ。
そういう上流階級マナーを求めないでほしいもんだ、まったく。
いやぁそれにしても、今日は本当に疲れた。
どうせもうすぐ城も閉まるし、王様を尋ねるのは明日だな。
「しっかし、思った以上に遠かったな。キラーパンサーに乗れたから早く着けたけど、あれがなかったら今日は野宿だったよな」
「そうだったかもね。これは徒歩で行ってたら、どれだけ時間がかかったんだろうな……」
ククールの隣でエイトも伸びをしながらそう言う。
みんな仲良くお疲れだ、私も今日は朝まで爆睡できる自信がある。
「よし、じゃあ入ろうか」
「ミーティアの嫁入り先じゃ、くれぐれも失礼のないようにするんじゃぞ。本来ならばわし自ら出向きたいところじゃが、この姿ではのう……」
「ご安心ください。近衛兵の誇りにかけて、トロデーン王国の名に泥を塗るような真似は決していたしません」
「うむ、分かっておる。では、気を付けて行くのじゃぞ」
「はい」
城壁の大門前で陛下と姫様に頭を下げ、私たちは城門を通ってサザンビーク城下町に入った。
外側から見ただけでもバカでかいと思えたのだから、中に入れば圧倒されるのは無理もない。
「うひょえー……。城下町デカい! 広い!!」
「これが世界一の大国……」
「兄貴たちと旅をしなかったら、一生来ることのなかった場所でがすよ」
「さすが世界一と言われるだけあるな。活気が違うぜ」
「本当にそうね、にぎやかだわ」
トロデーン城も広いと思ってたけど、こっちが断然広いわ。
ていうかデカいわ。
普通に迷うわ、お上りさんでもないのに。
そしてサザンビークが大きければ大きいほど、比較対象として脳裏を過ぎるのが、例の国。
「アスカンタって、本当に小国だったのね……」
「なんていうか……うん」
「そうでがすな……」
「否めない現実だな……」
「まあ、パヴァン王だからね……」
パヴァン王が悪いというわけではないんだけど、ちょっと不幸がついて回っている気がせんでもないというか、あの王様。
マイエラ地方も領地に組み込んじゃえばいいのに、領土を広げる気はないらしいのだ。
修道院に自治を任せるには、信頼度が低すぎる気がするんだけどなぁ。
全員がいろいろとカルチャーショックのようなものを感じつつ、その日は宿屋に泊まることになった。
そりゃあもうすぐ日が暮れるわけだし、日が暮れたら店も城も閉まるしね。
「明日は王様に謁見するから、目の下にクマとか作らないでね」
「はーい」
「一番心配なのはレイラだと思うのは俺だけか?」
「姉貴は意外と規則正しい生活リズムでがすよ?」
「近衛兵だからね」
ククールはちょっと何か言いたげな目をして、男子部屋に消えていった。
何度も言うけど、近衛兵だからな、私。
寝る時間と起きる時間は、体内時計に刻まれてるからね。
「はい、じゃあ今日は解散。寝坊しないように気を付けて。おやすみ、みんな」
そう言って部屋へと去っていくエイトが、なんだか遠足の引率に見えたのは、きっと気のせいだと思う。
学校の行事とかにいる引率役ってあんな感じだよね。
行ったことないけど、学校。
もはや門構えからして別格だ。
さすが三国一の大国と呼ばれるだけのことはある。
「うー、疲れたー! ありがとねー」
「確かに乗ってるだけでも疲れるね。今回は特に遠かったから……」
「それもありやすが、魔物も手強かったでげすからね。今日のところはゆっくり休みたいでがすよ」
首元を撫でて労り、キラーパンサーから降りる。
キラーパンサーたちはどこへともなく歩き去っていった。
そして背後からは少し遅れて、陛下と姫様がご到着。
「ん!? あれは城か?」
私たちの横で馬車を停め、陛下はサザンビーク城を見上げた。
そりゃあもう、これが城でなければ何なんだという話だ。
でも私も初めて来たし、ひょっとして陛下も初めて訪れたのだろうか。
「どれどれ、わしの頭の中にある地図でちょいと調べてみるかのう……」
「おっさんの脳内地図ってそんなに正確なんでがすかい?」
「世界地図いらないわよ、もう」
「なっ、なんと!? ここはサザンビークではないか!」
「めちゃくちゃ正確じゃねーか」
「トロデ王は多才な方だからね」
「多才というかなんと言うか……」
ククールの言いたいことはよく分かる。
ある意味では才能だよ。
船も動かせるしね。
王族に必要ない気がするけど、そのスキル。
「サザンビークといえば、姫の許嫁がおる国じゃぞ。魔法の鏡を借りるとなると、許嫁のチャゴス王子や王様に必ずや会うことになるだろう。その時はくれぐれも、わしと姫がこんな姿に変えられて旅をしているなどと口にするなよ。旅の経緯を聞かれても、ドルマゲスという悪党を追っているとだけ答えて、余計なことは言うでないぞ」
「そうですね……」
トロデーン城の現状が知られるのは時間の問題な気はするけど、私たちの身分をわざわざ明かす必要もないからね。
でも嫌なんだよなぁ、国のお偉いさんと会話するの。
マナーとか厳しいじゃん、お辞儀の仕方ひとつとってもさ。
こちとらただの元孤児ですよ。
そういう上流階級マナーを求めないでほしいもんだ、まったく。
いやぁそれにしても、今日は本当に疲れた。
どうせもうすぐ城も閉まるし、王様を尋ねるのは明日だな。
「しっかし、思った以上に遠かったな。キラーパンサーに乗れたから早く着けたけど、あれがなかったら今日は野宿だったよな」
「そうだったかもね。これは徒歩で行ってたら、どれだけ時間がかかったんだろうな……」
ククールの隣でエイトも伸びをしながらそう言う。
みんな仲良くお疲れだ、私も今日は朝まで爆睡できる自信がある。
「よし、じゃあ入ろうか」
「ミーティアの嫁入り先じゃ、くれぐれも失礼のないようにするんじゃぞ。本来ならばわし自ら出向きたいところじゃが、この姿ではのう……」
「ご安心ください。近衛兵の誇りにかけて、トロデーン王国の名に泥を塗るような真似は決していたしません」
「うむ、分かっておる。では、気を付けて行くのじゃぞ」
「はい」
城壁の大門前で陛下と姫様に頭を下げ、私たちは城門を通ってサザンビーク城下町に入った。
外側から見ただけでもバカでかいと思えたのだから、中に入れば圧倒されるのは無理もない。
「うひょえー……。城下町デカい! 広い!!」
「これが世界一の大国……」
「兄貴たちと旅をしなかったら、一生来ることのなかった場所でがすよ」
「さすが世界一と言われるだけあるな。活気が違うぜ」
「本当にそうね、にぎやかだわ」
トロデーン城も広いと思ってたけど、こっちが断然広いわ。
ていうかデカいわ。
普通に迷うわ、お上りさんでもないのに。
そしてサザンビークが大きければ大きいほど、比較対象として脳裏を過ぎるのが、例の国。
「アスカンタって、本当に小国だったのね……」
「なんていうか……うん」
「そうでがすな……」
「否めない現実だな……」
「まあ、パヴァン王だからね……」
パヴァン王が悪いというわけではないんだけど、ちょっと不幸がついて回っている気がせんでもないというか、あの王様。
マイエラ地方も領地に組み込んじゃえばいいのに、領土を広げる気はないらしいのだ。
修道院に自治を任せるには、信頼度が低すぎる気がするんだけどなぁ。
全員がいろいろとカルチャーショックのようなものを感じつつ、その日は宿屋に泊まることになった。
そりゃあもうすぐ日が暮れるわけだし、日が暮れたら店も城も閉まるしね。
「明日は王様に謁見するから、目の下にクマとか作らないでね」
「はーい」
「一番心配なのはレイラだと思うのは俺だけか?」
「姉貴は意外と規則正しい生活リズムでがすよ?」
「近衛兵だからね」
ククールはちょっと何か言いたげな目をして、男子部屋に消えていった。
何度も言うけど、近衛兵だからな、私。
寝る時間と起きる時間は、体内時計に刻まれてるからね。
「はい、じゃあ今日は解散。寝坊しないように気を付けて。おやすみ、みんな」
そう言って部屋へと去っていくエイトが、なんだか遠足の引率に見えたのは、きっと気のせいだと思う。
学校の行事とかにいる引率役ってあんな感じだよね。
行ったことないけど、学校。
