33章
夢小説設定
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「うひょー! はやぁーい!!」
私を乗せたキラーパンサーは、パタッパタッと力強く地面を蹴って走る。
風になった……とは言えないけど、でも歩くより速いし、何より楽ちん!
背後の姫様はちょっと振り返れない。
恨みがましい目をしてたら怖いので……。
「レイラ、ちょっと待って!」
「はーい!」
エイトに呼び止められて、キラーパンサーを止める。
それから首尾を変えてパタパタとエイトたちのほうへ歩かせた。
「どったの?」
「橋を越えた先で森の方に入れそうだなって」
「あ、ほんとだ。向こうにキラーパンサーの像もあるや」
「決まりだな。あとは川沿いに進んでみようぜ」
再びキラーパンサーを走らせ、橋を渡ったあとは川沿いに森の中へ。
やがてキラーパンサーの像が見えてきて、今度は像が向いている方向を目指した。
なお、キラーパンサーに乗っていようと、モンスターは襲ってくるので、都度応戦している。
戦ってる間はキラーパンサーもちゃんと待っていてくれるのだ。
なんてお利口さんなんだ、人間は感動しているよ。
「ん、ちょっと開けた場所に出たでがすな」
「ほんとだ。ここだけ窪地になってるっぽい。真ん中に岩が転がってるけど……」
「たしかラパンさんは、明け方にしか見えない不思議な木の近くって言ってたわよね」
「うん。まだ昼前だし、かなり待たなきゃ駄目だな……」
「じゃあ休憩がてら、ここで夜明けまで粘りやすかい?」
「非効率だけどそれしかないか……」
キラーパンサーから降りて、「ありがとね〜」と労って見送る。
本当にキラーパンサーはどこかへ行ってしまった。
この不思議な岩の周辺だと敵が寄ってこないらしいので、これ幸いとみんなで岩に座ることにした。
「そういや兄貴と姉貴は、ちっこい頃からの付き合いなんでがすよね?」
「うん。九年の付き合いになるねぇ。私がトロデーン城に来たばっかりの頃は、ちょうど王妃殿下の一周忌だったっけ」
「……うん。僕が来た時がちょうど王妃様の喪中だったから……」
「つーことは、お姫様は片親か」
「ううん、陛下はその後に再婚されたから、今は義理のお母様がいらっしゃるよ」
「あーそうか……。まあ、国王ともなるとそうだよな」
「でもいい人だよ。姫様にも優しいし。ね、エイト」
「うん。ミーティア姫とも仲が良かったよ」
名前を呼ばれたと思ったのか、姫様がぴくりと耳を立てて私たちを見た。
姫様に手を振って、ニンジンを差し出す。
ボリボリと姫様はダイナミックに噛み砕いた。
「姫様とエイトと私は同い年の幼馴染みでさ。小間使いの仕事をする傍ら、姫様の良き遊び相手でもあったってわけ」
「レイラは遊ばれてた気も……」
「おおい!! なんでだよ!! 遊ばれてないよ!! 一緒に遊んで、怒られる時は一緒に怒られてたじゃん!!」
「怒られるようなことをしたんでがすか?」
「昔のミーティア姫は結構なお転婆でね。一緒になって城を抜け出したこともあったな」
あったあった。
お弁当を持って三人でトラペッタに向かおうとしたんだよね。
案の定というかなんというか、道に迷ってしまったんだけど、それを助けてくれたのはトーポだった。
トーポを追いかけたら、探しに来た兵士と合流したんだよね。
「……今じゃ考えられないくらい、エイトも活発で明るくってさ。私は昔からこんなんだったと思うけど」
「そうだね、レイラはあんまり変わらないな。むしろ最近のほうが、ちょっと変わったんじゃないかな」
「え、変わったかしら? 全然そんな感じはしないけど」
「ゼシカぁ」
「……変わったなって思う、ちょっとだけ」
そう言うエイトの笑顔は、少しだけ寂しそうだった。
変わってほしくなかったのかな。
でも私自身、変わったとは思えなくて。
そりゃまあ何も変わらないのは無理だけど、私は割とこんな感じで生きてきたはずだ。
姫様とエイトとトロデーンが大好き、みんなとずっと一緒にいたいって、それだけで生きてきたつもり。
「変わってほしくなかった?」
「ちょっとだけ。でも気にしてないよ。どんなに変わったって、レイラはレイラだ」
「……」
「ごめん、そんなしょんぼりさせたいわけじゃなくて……! その、レイラが笑顔でいられるなら、なんだっていいんだ」
「ん……うん、まぁね! トロデーン兵団の元気印といえば私みたいなとこあるし!」
「ああ、そりゃ納得でがすよ。姉貴は今も元気印でがすからね」
「そうね。レイラが元気じゃないと、私も心配しちゃうもの」
「悪いもんでも拾って食ったんじゃないかってな」
「野生児か! しないよ、そんなばっちぃ真似!!」
そんなふうにやいのやいの言いながら、私たちは窪地の岩で夜明けを待った。
ようやく日が傾いて夕方になり、やがて夜になっていく。
少し離れたところには人面樹やら格闘パンサーやらが彷徨いているが、私たちの近くまでは来ようとしない。
やっぱりこの窪地、ちょっとだけ不思議な力があるみたいだ。
私を乗せたキラーパンサーは、パタッパタッと力強く地面を蹴って走る。
風になった……とは言えないけど、でも歩くより速いし、何より楽ちん!
背後の姫様はちょっと振り返れない。
恨みがましい目をしてたら怖いので……。
「レイラ、ちょっと待って!」
「はーい!」
エイトに呼び止められて、キラーパンサーを止める。
それから首尾を変えてパタパタとエイトたちのほうへ歩かせた。
「どったの?」
「橋を越えた先で森の方に入れそうだなって」
「あ、ほんとだ。向こうにキラーパンサーの像もあるや」
「決まりだな。あとは川沿いに進んでみようぜ」
再びキラーパンサーを走らせ、橋を渡ったあとは川沿いに森の中へ。
やがてキラーパンサーの像が見えてきて、今度は像が向いている方向を目指した。
なお、キラーパンサーに乗っていようと、モンスターは襲ってくるので、都度応戦している。
戦ってる間はキラーパンサーもちゃんと待っていてくれるのだ。
なんてお利口さんなんだ、人間は感動しているよ。
「ん、ちょっと開けた場所に出たでがすな」
「ほんとだ。ここだけ窪地になってるっぽい。真ん中に岩が転がってるけど……」
「たしかラパンさんは、明け方にしか見えない不思議な木の近くって言ってたわよね」
「うん。まだ昼前だし、かなり待たなきゃ駄目だな……」
「じゃあ休憩がてら、ここで夜明けまで粘りやすかい?」
「非効率だけどそれしかないか……」
キラーパンサーから降りて、「ありがとね〜」と労って見送る。
本当にキラーパンサーはどこかへ行ってしまった。
この不思議な岩の周辺だと敵が寄ってこないらしいので、これ幸いとみんなで岩に座ることにした。
「そういや兄貴と姉貴は、ちっこい頃からの付き合いなんでがすよね?」
「うん。九年の付き合いになるねぇ。私がトロデーン城に来たばっかりの頃は、ちょうど王妃殿下の一周忌だったっけ」
「……うん。僕が来た時がちょうど王妃様の喪中だったから……」
「つーことは、お姫様は片親か」
「ううん、陛下はその後に再婚されたから、今は義理のお母様がいらっしゃるよ」
「あーそうか……。まあ、国王ともなるとそうだよな」
「でもいい人だよ。姫様にも優しいし。ね、エイト」
「うん。ミーティア姫とも仲が良かったよ」
名前を呼ばれたと思ったのか、姫様がぴくりと耳を立てて私たちを見た。
姫様に手を振って、ニンジンを差し出す。
ボリボリと姫様はダイナミックに噛み砕いた。
「姫様とエイトと私は同い年の幼馴染みでさ。小間使いの仕事をする傍ら、姫様の良き遊び相手でもあったってわけ」
「レイラは遊ばれてた気も……」
「おおい!! なんでだよ!! 遊ばれてないよ!! 一緒に遊んで、怒られる時は一緒に怒られてたじゃん!!」
「怒られるようなことをしたんでがすか?」
「昔のミーティア姫は結構なお転婆でね。一緒になって城を抜け出したこともあったな」
あったあった。
お弁当を持って三人でトラペッタに向かおうとしたんだよね。
案の定というかなんというか、道に迷ってしまったんだけど、それを助けてくれたのはトーポだった。
トーポを追いかけたら、探しに来た兵士と合流したんだよね。
「……今じゃ考えられないくらい、エイトも活発で明るくってさ。私は昔からこんなんだったと思うけど」
「そうだね、レイラはあんまり変わらないな。むしろ最近のほうが、ちょっと変わったんじゃないかな」
「え、変わったかしら? 全然そんな感じはしないけど」
「ゼシカぁ」
「……変わったなって思う、ちょっとだけ」
そう言うエイトの笑顔は、少しだけ寂しそうだった。
変わってほしくなかったのかな。
でも私自身、変わったとは思えなくて。
そりゃまあ何も変わらないのは無理だけど、私は割とこんな感じで生きてきたはずだ。
姫様とエイトとトロデーンが大好き、みんなとずっと一緒にいたいって、それだけで生きてきたつもり。
「変わってほしくなかった?」
「ちょっとだけ。でも気にしてないよ。どんなに変わったって、レイラはレイラだ」
「……」
「ごめん、そんなしょんぼりさせたいわけじゃなくて……! その、レイラが笑顔でいられるなら、なんだっていいんだ」
「ん……うん、まぁね! トロデーン兵団の元気印といえば私みたいなとこあるし!」
「ああ、そりゃ納得でがすよ。姉貴は今も元気印でがすからね」
「そうね。レイラが元気じゃないと、私も心配しちゃうもの」
「悪いもんでも拾って食ったんじゃないかってな」
「野生児か! しないよ、そんなばっちぃ真似!!」
そんなふうにやいのやいの言いながら、私たちは窪地の岩で夜明けを待った。
ようやく日が傾いて夕方になり、やがて夜になっていく。
少し離れたところには人面樹やら格闘パンサーやらが彷徨いているが、私たちの近くまでは来ようとしない。
やっぱりこの窪地、ちょっとだけ不思議な力があるみたいだ。
