33章
夢小説設定
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ラパンハウスの中は天井が高く作られていて、入口の両側にまたもや檻があった。
中にはキラーパンサーがこれまた一頭ずつ飼育されている。
動物園かと思ったけど、そうでもないらしい。
そして一番奥にある執務机には、ちょっと威厳のありそうなおじさんが、一心不乱に何かを書いていた。
「こんにちは、ラパンさんですか?」
またもや物怖じせずに声をかけていくエイト。
この旅でエイトのコミュ力も随分と鍛えられたようだ。
「……む? カラッチではないのじゃな? 彼奴が中に人を通すとは珍しい」
相変わらずものすごい速さで文書を書き上げながら、ラパンさんはそう言った。
もはや走り書きでなんて書いてあるかは分からない。
「わしは今ちょっと忙しいのじゃ。客人よ。しばし待たれよ」
「は、はい……」
そう言って我々全員が黙って待っていると、空間にはペンがものすごい速さで走る音だけが響いた。
大変シュールな空間だ。
いつまで待てばいいんだこれ。
「ふむ。これで一段落としよう。客人よ。お待たせしたな」
羽根ペンをペン立てに差して、ラパンさんはようやくこちらを振り向いた。
本当に忙しい人なんだな。
いよいよこの人が何者なのか謎だ。
「わしがラパンじゃ。どうやらお前さんは旅人ようじゃな。……ほう? さすがはカラッチが中に通しただけのことはある。澄み切った、優しい目をしておるの」
「そりゃあもう、なんたって兄貴と姉貴は、アッシを死の淵から助けてくださった尊いお方でがすからな。空のように澄み切った目で、海のように広い心をお持ちなんでがすよ」
「やめぃ、小っ恥ずかしい!」
ヤンガスの自慢なのは嬉しいけど、ところ構わずそういう尾ヒレのついた褒め言葉を吹聴して回らんでくれ!
毎回体が痒くなるんじゃ!
ちなみにエイトはもう慣れたのか、はたまた何も考えていないのか、毎回華麗にスルーしている。
そのスキル私も欲しかった。
「……もしかしたらお前さんなら、わしの代わりが務まるかもしれん。よし。お前さん、話を聞いてくれ」
「おっ困り事ですか? 聞いて差し上げましょう!」
「なんだコイツ急に鼻息荒くなったぞ」
「レイラは頼られると嬉しくなるタイプで……」
「せめて頼られると張り切るって言って!」
言い方ってのは大事なんだぞ!
何でもかんでも引き受けるわけじゃあ……ないんだからな、たぶん!
時と場合による……と思う!
「すみません、お忙しいのに話の腰ボキボキで。ご要件をお伺いします」
「うむ。実はじゃな、わしの古い友人が、ある場所で道に迷っておるのじゃ。本来ならばわしが行って、奴を導いてやるべきところなのじゃが、見ての通りわしは多忙じゃ。ここを離れられん。そこで、お前さん方に、我が友の道案内の役目を果たしてほしいのじゃ。お前さん方なら、きっとできよう。どうじゃな? わしの頼みを聞いてくれるかな?」
「道案内か……。僕らはここに来たばかりで、この辺の土地も不案内ですが、それでも良ければ」
エイトの後ろで私達も首を縦に振った。
ここまできたら乗りかかった船だ。
その頼み、引き受けてやろうじゃないですか!
エイトも最初からそのつもりだったと思うしね。
「おお、聞いてくれるか。ならば、わしが今から言うことをしっかりと聞くんじゃぞ」
「メモなら私に任せて!」
いらない紙の裏側とペンを持って、ラパンさんの顔を食い入るように見つめる。
一言たりとも聴き逃してたまるか!
速記術は習ってないけど、まあ、何とかなるだろう!
「お前さんたちもここに来る途中、ひとつ見たかもしれんが、この近辺には四つのキラーパンサーの像があるのだ」
「ふむふむ」
「そしてその四つの像が見つめる中心に、明け方にしか見えない不思議な木があってな。我が友はその近くにおる」
「ほうほう」
「お前さんたち、そこへ行って、そやつめにこれを渡してくれんか」
ラパンさんはそう言って、小さな小瓶を差し出してきた。
天使の羽が象られた蓋の小瓶で、中には不思議な粉が入っている。
どうやらこれは「深き眠りの粉」と言うらしい。
「利口な奴ゆえ、それを渡せば、言わずとも行く道を知るじゃろう。我が友にそれを渡したら、再びここへ戻ってくるが良い。その時は礼をするぞ。外に出て高台から辺りを見渡せば、キラーパンサー像がいくつか見えよう。じっくりゆっくり探してから行くんじゃな」
「了解しました!」
メモもバッチリだ!
つまりこれは……ううん、何も言わないでおこう。
行けば自ずと知ることになるんだから。
ラパンさんは私たちに背を向け、「おっと、そうじゃ!」と再びこちらを振り向いた。
「お前さんたち、キラーパンサーに乗ったことなどないじゃろう。いい機会じゃ。カラッチに言って、借りていくとよい。キラーパンサーに乗ってなら、目的の場所にも早く着くぞ。後の話は、外でカラッチに聞くんじゃな」
「え!! ……え!?」
キラーパンサーに……乗れる!?
キラーパンサーに乗れるってことは……キラーパンサーが乗せてくれるってこと!?
いやでも、その辺にいるキラパン、めちゃくちゃ普通に襲ってくるけど。
本当に乗せてくれるのか、人間様を?
ラパンさんはそこで話を終えたようで、また執務机に据わって猛烈な勢いで文書を書き始めた。
声をかけるのも憚られたので、私たちはそっとラパンハウスをお暇することにしたのだった。
中にはキラーパンサーがこれまた一頭ずつ飼育されている。
動物園かと思ったけど、そうでもないらしい。
そして一番奥にある執務机には、ちょっと威厳のありそうなおじさんが、一心不乱に何かを書いていた。
「こんにちは、ラパンさんですか?」
またもや物怖じせずに声をかけていくエイト。
この旅でエイトのコミュ力も随分と鍛えられたようだ。
「……む? カラッチではないのじゃな? 彼奴が中に人を通すとは珍しい」
相変わらずものすごい速さで文書を書き上げながら、ラパンさんはそう言った。
もはや走り書きでなんて書いてあるかは分からない。
「わしは今ちょっと忙しいのじゃ。客人よ。しばし待たれよ」
「は、はい……」
そう言って我々全員が黙って待っていると、空間にはペンがものすごい速さで走る音だけが響いた。
大変シュールな空間だ。
いつまで待てばいいんだこれ。
「ふむ。これで一段落としよう。客人よ。お待たせしたな」
羽根ペンをペン立てに差して、ラパンさんはようやくこちらを振り向いた。
本当に忙しい人なんだな。
いよいよこの人が何者なのか謎だ。
「わしがラパンじゃ。どうやらお前さんは旅人ようじゃな。……ほう? さすがはカラッチが中に通しただけのことはある。澄み切った、優しい目をしておるの」
「そりゃあもう、なんたって兄貴と姉貴は、アッシを死の淵から助けてくださった尊いお方でがすからな。空のように澄み切った目で、海のように広い心をお持ちなんでがすよ」
「やめぃ、小っ恥ずかしい!」
ヤンガスの自慢なのは嬉しいけど、ところ構わずそういう尾ヒレのついた褒め言葉を吹聴して回らんでくれ!
毎回体が痒くなるんじゃ!
ちなみにエイトはもう慣れたのか、はたまた何も考えていないのか、毎回華麗にスルーしている。
そのスキル私も欲しかった。
「……もしかしたらお前さんなら、わしの代わりが務まるかもしれん。よし。お前さん、話を聞いてくれ」
「おっ困り事ですか? 聞いて差し上げましょう!」
「なんだコイツ急に鼻息荒くなったぞ」
「レイラは頼られると嬉しくなるタイプで……」
「せめて頼られると張り切るって言って!」
言い方ってのは大事なんだぞ!
何でもかんでも引き受けるわけじゃあ……ないんだからな、たぶん!
時と場合による……と思う!
「すみません、お忙しいのに話の腰ボキボキで。ご要件をお伺いします」
「うむ。実はじゃな、わしの古い友人が、ある場所で道に迷っておるのじゃ。本来ならばわしが行って、奴を導いてやるべきところなのじゃが、見ての通りわしは多忙じゃ。ここを離れられん。そこで、お前さん方に、我が友の道案内の役目を果たしてほしいのじゃ。お前さん方なら、きっとできよう。どうじゃな? わしの頼みを聞いてくれるかな?」
「道案内か……。僕らはここに来たばかりで、この辺の土地も不案内ですが、それでも良ければ」
エイトの後ろで私達も首を縦に振った。
ここまできたら乗りかかった船だ。
その頼み、引き受けてやろうじゃないですか!
エイトも最初からそのつもりだったと思うしね。
「おお、聞いてくれるか。ならば、わしが今から言うことをしっかりと聞くんじゃぞ」
「メモなら私に任せて!」
いらない紙の裏側とペンを持って、ラパンさんの顔を食い入るように見つめる。
一言たりとも聴き逃してたまるか!
速記術は習ってないけど、まあ、何とかなるだろう!
「お前さんたちもここに来る途中、ひとつ見たかもしれんが、この近辺には四つのキラーパンサーの像があるのだ」
「ふむふむ」
「そしてその四つの像が見つめる中心に、明け方にしか見えない不思議な木があってな。我が友はその近くにおる」
「ほうほう」
「お前さんたち、そこへ行って、そやつめにこれを渡してくれんか」
ラパンさんはそう言って、小さな小瓶を差し出してきた。
天使の羽が象られた蓋の小瓶で、中には不思議な粉が入っている。
どうやらこれは「深き眠りの粉」と言うらしい。
「利口な奴ゆえ、それを渡せば、言わずとも行く道を知るじゃろう。我が友にそれを渡したら、再びここへ戻ってくるが良い。その時は礼をするぞ。外に出て高台から辺りを見渡せば、キラーパンサー像がいくつか見えよう。じっくりゆっくり探してから行くんじゃな」
「了解しました!」
メモもバッチリだ!
つまりこれは……ううん、何も言わないでおこう。
行けば自ずと知ることになるんだから。
ラパンさんは私たちに背を向け、「おっと、そうじゃ!」と再びこちらを振り向いた。
「お前さんたち、キラーパンサーに乗ったことなどないじゃろう。いい機会じゃ。カラッチに言って、借りていくとよい。キラーパンサーに乗ってなら、目的の場所にも早く着くぞ。後の話は、外でカラッチに聞くんじゃな」
「え!! ……え!?」
キラーパンサーに……乗れる!?
キラーパンサーに乗れるってことは……キラーパンサーが乗せてくれるってこと!?
いやでも、その辺にいるキラパン、めちゃくちゃ普通に襲ってくるけど。
本当に乗せてくれるのか、人間様を?
ラパンさんはそこで話を終えたようで、また執務机に据わって猛烈な勢いで文書を書き始めた。
声をかけるのも憚られたので、私たちはそっとラパンハウスをお暇することにしたのだった。
