31章
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『光の導きよ……』
遠くでヨシュアの声が聞こえた気がした。
うっすらと瞼を開けると、目の前に小さな光がふわふわと浮いている。
なんだろう、これ。
『我が子孫よ、もう案ずるな。この光を辿れ。さすれば外の世界に出られるだろう』
「ヨシュア……?」
ヨシュアの姿は、やっぱりどこにも見えない。
でも、彼女が私たちをどこかで見守っているのは、確かみたいだ。
小さな光を追いかけて、ゆっくりと歩く。
やがて遠くに遺跡の出口が現れた。
良かった、出てこられた。
ほっとしたのもつかの間、急に出口の光が眩しく光った。
咄嗟に目を閉じたけど、光は瞼の裏にまで入ってくるほど。
「……?」
けれど体は何ともなくて……目を開けると、私は遺跡の入口にへたり込んでいた。
あ、あれ、私っていつの間に外に出たんだろう。
遠くに出口が見えたと思ったら、急に視界が眩しくなって……。
「レイラ!!」
わけの分からないまま座り込む私の傍に、エイトが走り寄ってきてくれた。
そのまま私の前に膝を着いて、エイトの両手が私の顔を包んだ。
「大丈夫!? なかなか戻ってこなかったから心配で……。……どうしたの?」
「え……?」
「泣いてるよ」
ハッとして頬に手をやると、確かにそこは涙で濡れていた。
なんだか、もう大丈夫なんだって安心したら……。
ごめんと呟いて手の甲で涙を拭うと、エイトは首を振って、それから私の頭を撫でてくれた。
「怖かった?」
「う……っ、怖、かったぁ……。エイト……!!」
怖かった。
周りに誰もいなくて、辺りは何も見えないくらい真っ暗で……。
ずっとこのまま独りだったらどうしようって、そう考えたら怖くなってしまって。
でもそれ以上に、みんなと……エイトと再会できてほっとしている。
私は独りじゃないんだ、みんながいるんだ。
エイトが私の隣に居てくれてるんだ。
だからもう、大丈夫。
安心した途端、気を張っていたものがなくなって、体から力が抜けてしまった。
前のめりに倒れ込む私を抱き留めて、そのままエイトがぎゅうっと腕を回してくる。
「うん。いいよ、泣いていいから」
「やだぁ……。かっこわるい……」
「バカだなぁ……。レイラの弱いところも、僕は全部受け止めるから。ひとりで抱え込まないでよ」
「う、うぅ〜……。なんでそんな、優しいの……」
エイトはそれに答えることはなかったけど、私の背中をあやす様に摩り続けた。
そうやってエイトの腕の中にいると、不思議と気分も落ち着いてきて、自然と涙も止まっていた。
もう大丈夫、とエイトに言おうと顔を上げた──その先には、何やらニヤニヤと笑うバカ……ククールの姿がある。
「ふぅん……受け止める、なあ……」
ククールの声にハッとなったエイトが、慌てて私から離れる。
なおもククールはニヤニヤしながら、私たちを見下ろしていた。
ちくしょう、絶対に私とエイトで遊んでただろ、このバカリスマ!
「な、何だよ」
「エイト……お前ら今のは愛の告白か?」
「な、ちっ、違う!! 今のはただレイラを安心させようと思って……!」
「分かってる分かってる。いやーお前って本当にからかい甲斐があるよな」
「からかわなくていいから!!」
顔を真っ赤にして怒るエイトがおかしくて、つい笑ってしまった。
何をそんなに慌ててるんだか知らないけど、そうやってムキになるほどククールはエイトで遊ぶからなぁ。
「わ、笑うことないじゃないか!」
「ごめんごめん。でもありがと、元気でた」
「そ……それならまぁ、いいか……。立てる?」
エイトが手を差し出してくれる。
その手を取って立ち上がった。
そうして全員で遺跡の入口を振り返る。
どうしたもんかな、これは。
「けど、参ったわね……」
「入っても野郎の笑い声ですぐ外に出ちまうでがすな」
「遺跡の結界を破る必要があるってことか」
「何か手立てがあればいいんだけど……。あれ?」
エイトが背後を振り返ると、不思議なモニュメントの傍には、あのギャリングさんの使いの三人がいた。
ここには近付くなって忠告した本人たちが、なぜここに。
「君たちが先に行ってしまったので、ようやく私たちも意を決して追ってきたのだが……。いったい何が起こったのか、説明してもらえないか?」
「アッシらはドルマゲスを追って中に入ったんでがすが、中は真っ暗で何にも見えねぇでがすよ」
「おそらく何らかの結界が張ってあるんだろうな。それを解除しないことには、ドルマゲスには追いつけねぇときた」
「……なるほど。遺跡の中から溢れ出す闇は、あの道化師……ドルマゲスが張った暗闇の結界なのか。この結界を破らければ先に進めないとは厄介だな。暗闇の結界……闇……闇……」
「松明を五本くらい束ねて持っていけば、ちょっとは明るそうじゃない?」
「火事んなるわバータレ」
光の速さでククールのツッコミが飛んできた。
私も本気で言ったわけじゃないけど、可能性があるなら試すべきかなって思っただけで。
普通に手元が大火事になるな、やめておこう。
「そういえば、サザンビーク王家には、闇を払う魔法の鏡が伝わっていると聞いたことがあるな。その鏡を使えば、あるいは……。たしかサザンビーク城は、ベルガラックからはるか南東の方角だったか」
なるほど、これはサザンビーク国に乗り込むっきゃないってことか。
まさかこのタイミングで、姫様の婚約者である王子殿下とお会いするかもしれないなんてなぁ。
私とエイトはトロデーンからの使者に選ばれたことがないから、サザンビーク王家の皆様とはお会いしたことがない。
旅人風情がーって追い返されないといいなぁ。
一先ず、現状ここでできることは何もないというのはたしかだ。
ベルガラックに戻って、サザンビーク城を目指すのがいいかもしれない。
エイトが私たちに声をかけようとしたとき、横にある謎のモニュメントの所にククールがいた。
「なんかあった?」
「ああ、この石柱、何かを嵌め込むような窪みがあってな。下に文字が刻んであるんだ」
「文字? それってどんな?」
「我、ここに闇の歴史を封印す。闇を切り裂く眩い光だけが闇の結界を打ち破らん。……だとさ」
「んん……? 不思議な文言だなぁ」
「闇を切り裂く眩い光、か」
「でもどのみち、サザンビークにあるっていう、魔法の鏡がないといけないんでしょ? だったらまずはサザンビークへ向かいましょうよ」
「ゼシカの姉ちゃんの言う通りでがすな。ここで考えてても埒は明かないわけでげすし」
「そだね。それじゃあ一旦、ベルガラックに戻ろっか」
うん、とエイトが頷いて、ルーラが唱えられる。ベルガラックの前に到着する頃には、夕方になりかけていた。
ひとまず今日はベルガラックの宿に泊まって、明日の朝、サザンビークを目指して出発だ。
装備を整えたり手荷物を整理したりして、私たちは一日を終えた。
遠くでヨシュアの声が聞こえた気がした。
うっすらと瞼を開けると、目の前に小さな光がふわふわと浮いている。
なんだろう、これ。
『我が子孫よ、もう案ずるな。この光を辿れ。さすれば外の世界に出られるだろう』
「ヨシュア……?」
ヨシュアの姿は、やっぱりどこにも見えない。
でも、彼女が私たちをどこかで見守っているのは、確かみたいだ。
小さな光を追いかけて、ゆっくりと歩く。
やがて遠くに遺跡の出口が現れた。
良かった、出てこられた。
ほっとしたのもつかの間、急に出口の光が眩しく光った。
咄嗟に目を閉じたけど、光は瞼の裏にまで入ってくるほど。
「……?」
けれど体は何ともなくて……目を開けると、私は遺跡の入口にへたり込んでいた。
あ、あれ、私っていつの間に外に出たんだろう。
遠くに出口が見えたと思ったら、急に視界が眩しくなって……。
「レイラ!!」
わけの分からないまま座り込む私の傍に、エイトが走り寄ってきてくれた。
そのまま私の前に膝を着いて、エイトの両手が私の顔を包んだ。
「大丈夫!? なかなか戻ってこなかったから心配で……。……どうしたの?」
「え……?」
「泣いてるよ」
ハッとして頬に手をやると、確かにそこは涙で濡れていた。
なんだか、もう大丈夫なんだって安心したら……。
ごめんと呟いて手の甲で涙を拭うと、エイトは首を振って、それから私の頭を撫でてくれた。
「怖かった?」
「う……っ、怖、かったぁ……。エイト……!!」
怖かった。
周りに誰もいなくて、辺りは何も見えないくらい真っ暗で……。
ずっとこのまま独りだったらどうしようって、そう考えたら怖くなってしまって。
でもそれ以上に、みんなと……エイトと再会できてほっとしている。
私は独りじゃないんだ、みんながいるんだ。
エイトが私の隣に居てくれてるんだ。
だからもう、大丈夫。
安心した途端、気を張っていたものがなくなって、体から力が抜けてしまった。
前のめりに倒れ込む私を抱き留めて、そのままエイトがぎゅうっと腕を回してくる。
「うん。いいよ、泣いていいから」
「やだぁ……。かっこわるい……」
「バカだなぁ……。レイラの弱いところも、僕は全部受け止めるから。ひとりで抱え込まないでよ」
「う、うぅ〜……。なんでそんな、優しいの……」
エイトはそれに答えることはなかったけど、私の背中をあやす様に摩り続けた。
そうやってエイトの腕の中にいると、不思議と気分も落ち着いてきて、自然と涙も止まっていた。
もう大丈夫、とエイトに言おうと顔を上げた──その先には、何やらニヤニヤと笑うバカ……ククールの姿がある。
「ふぅん……受け止める、なあ……」
ククールの声にハッとなったエイトが、慌てて私から離れる。
なおもククールはニヤニヤしながら、私たちを見下ろしていた。
ちくしょう、絶対に私とエイトで遊んでただろ、このバカリスマ!
「な、何だよ」
「エイト……お前ら今のは愛の告白か?」
「な、ちっ、違う!! 今のはただレイラを安心させようと思って……!」
「分かってる分かってる。いやーお前って本当にからかい甲斐があるよな」
「からかわなくていいから!!」
顔を真っ赤にして怒るエイトがおかしくて、つい笑ってしまった。
何をそんなに慌ててるんだか知らないけど、そうやってムキになるほどククールはエイトで遊ぶからなぁ。
「わ、笑うことないじゃないか!」
「ごめんごめん。でもありがと、元気でた」
「そ……それならまぁ、いいか……。立てる?」
エイトが手を差し出してくれる。
その手を取って立ち上がった。
そうして全員で遺跡の入口を振り返る。
どうしたもんかな、これは。
「けど、参ったわね……」
「入っても野郎の笑い声ですぐ外に出ちまうでがすな」
「遺跡の結界を破る必要があるってことか」
「何か手立てがあればいいんだけど……。あれ?」
エイトが背後を振り返ると、不思議なモニュメントの傍には、あのギャリングさんの使いの三人がいた。
ここには近付くなって忠告した本人たちが、なぜここに。
「君たちが先に行ってしまったので、ようやく私たちも意を決して追ってきたのだが……。いったい何が起こったのか、説明してもらえないか?」
「アッシらはドルマゲスを追って中に入ったんでがすが、中は真っ暗で何にも見えねぇでがすよ」
「おそらく何らかの結界が張ってあるんだろうな。それを解除しないことには、ドルマゲスには追いつけねぇときた」
「……なるほど。遺跡の中から溢れ出す闇は、あの道化師……ドルマゲスが張った暗闇の結界なのか。この結界を破らければ先に進めないとは厄介だな。暗闇の結界……闇……闇……」
「松明を五本くらい束ねて持っていけば、ちょっとは明るそうじゃない?」
「火事んなるわバータレ」
光の速さでククールのツッコミが飛んできた。
私も本気で言ったわけじゃないけど、可能性があるなら試すべきかなって思っただけで。
普通に手元が大火事になるな、やめておこう。
「そういえば、サザンビーク王家には、闇を払う魔法の鏡が伝わっていると聞いたことがあるな。その鏡を使えば、あるいは……。たしかサザンビーク城は、ベルガラックからはるか南東の方角だったか」
なるほど、これはサザンビーク国に乗り込むっきゃないってことか。
まさかこのタイミングで、姫様の婚約者である王子殿下とお会いするかもしれないなんてなぁ。
私とエイトはトロデーンからの使者に選ばれたことがないから、サザンビーク王家の皆様とはお会いしたことがない。
旅人風情がーって追い返されないといいなぁ。
一先ず、現状ここでできることは何もないというのはたしかだ。
ベルガラックに戻って、サザンビーク城を目指すのがいいかもしれない。
エイトが私たちに声をかけようとしたとき、横にある謎のモニュメントの所にククールがいた。
「なんかあった?」
「ああ、この石柱、何かを嵌め込むような窪みがあってな。下に文字が刻んであるんだ」
「文字? それってどんな?」
「我、ここに闇の歴史を封印す。闇を切り裂く眩い光だけが闇の結界を打ち破らん。……だとさ」
「んん……? 不思議な文言だなぁ」
「闇を切り裂く眩い光、か」
「でもどのみち、サザンビークにあるっていう、魔法の鏡がないといけないんでしょ? だったらまずはサザンビークへ向かいましょうよ」
「ゼシカの姉ちゃんの言う通りでがすな。ここで考えてても埒は明かないわけでげすし」
「そだね。それじゃあ一旦、ベルガラックに戻ろっか」
うん、とエイトが頷いて、ルーラが唱えられる。ベルガラックの前に到着する頃には、夕方になりかけていた。
ひとまず今日はベルガラックの宿に泊まって、明日の朝、サザンビークを目指して出発だ。
装備を整えたり手荷物を整理したりして、私たちは一日を終えた。
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