Episode.3-7
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私の身に突如として起きた異変
その原因を探る余裕など、この場にあるはずがない
取り落とした銃をどうにか拾い上げた時、藤次郎様の声が石田三成へ問うた
「アンタ、このrevengeを終わらせたら、何を叫ぶつもりだ?」
それに何かを答える声はない
憎悪に燃え盛る石田三成へ、右手の三爪をつきつけ
「全力で来い
これがアンタの、Climaxだ!」
それが──奴の怒りを、暴発させた
奇声を上げた石田三成の瞳は赤く濁り、もはや憎悪によって作られた修羅のよう
そうして、土煙が立つ頃には
その男は
藤次郎様のすぐそこに
「──」
私が息を吸うよりも速かった
居合刀の刃が、吸い込まれるように藤次郎様の首へと走る
そうしてその一刀は、藤次郎様の首元で火花を散らした
首元の白い襟がビリビリと破れ、そこから現れたのは
私たち伊達軍の想いが詰まった──首を覆う装備
良かった、藤次郎様を守ってくれた、ちゃんと守ってくれた……!
何かが頭の中で喚くのを感じながらも、私の視線は藤次郎様を追いかけている
頭の中の声に耳を傾けたら、何もかもがおしまいだと本能が告げていた
「ハァァァァッッ!!」
残る全ての力を叩き込まんと、六爪の凄まじい連撃が石田三成に浴びせられる
下から斬り上げた強烈な一撃で、石田三成が上空へと吹き飛ばされた
五爪を放った先、刀身に蒼の稲妻が宿り、それらは石田三成を追い越した
空に巨大な竜の紋様が浮かび上がり、石田三成が紋様に磔にされる
足掻く石田三成から赤黒い気が溢れ、それは紋様を侵食していく
唖然として空を見上げる私の前で、藤次郎様は残る一刀を手に、深く腰を落とし──
「一度死んだなら尚更──生きるために力を揮いやがれ!
テメェの死神を断ち切ってやる!!」
見慣れた柳の構え
愛刀たる景秀の鋒を向け、藤次郎様は蒼い光を纏い
「JUMPING JACK BREAKER!!」
蒼の光が紋様の中心を貫く
一筋の光を細く残してそれは消え、瞬間
関ヶ原の空に、凄まじい爆電が炸裂した
誰もが──片倉様と四馬鹿でさえも、その光景を見上げていて
その中で着地した藤次郎様は、もはや立っていることさえもできず、荒れ果てた大地に片膝を着いた
刀を持ち上げることもかなわないようだ
「藤次郎様……!」
駆け寄ろうとした先の藤次郎様が、驚愕に目を見開いて、何事か空を見上げている
私もつられて、紋様のあった場所を見上げると──
そこにいるはずのない人が、宙を舞っていて
武器を持たぬその人が受身を取ることもできず、呻きながら転がっていく
そのすぐ傍に、石田三成が倒れた
「うそ……どうして、家康殿……」
「あの、お人好しが──」
座り込んだまま、藤次郎様が血を吐くような声で呟く
政宗様、と声が聞こえて、片倉様たちがこちらへ駆け寄って来るのが見えた
「何のつもりだ、家康……!」
「憎しみも、憤りも……癒すのは絆だ、三成……
ぐ、ぅ──儂は、お前を……」
「驕るなと言っている……!
助けろなどと言っていない……!
どこかで、野垂れ……死ね──」
起き上がろうとしていた体は力を失い、そのまま地に倒れ伏した
その石田三成を痛切な瞳で見つめていた家康殿は、目を伏せて静かに微笑んだ
「そんなことを、平気で言うなよ……三成……」
太陽のようなその人も力を失い、目を閉じる
もはや関ヶ原の地に戦いの音はなく、静寂が訪れようとしていた
片倉様に支えられて、藤次郎様が立ち上がる
空に浮かぶ太陽は更に欠けていき──
そしてその姿が真っ黒に覆われた
「日食だと……?」
「綾葉、お前……怪我は」
「申し訳ございません……油断致しました
……藤次郎様、この場の始末は、如何様に──ッあう……!!」
「「綾葉!」」
頭の中に、はっきりとそれは聞こえた
聞こえるはずのない声、私を呼ぶはずのない声
本能がその声を拒絶している、右腕の『あの場所』が凄絶な痛みを抱いて震える
空が──禍々しい赤に染まって……
周囲に立ち込める、濃密なまでの、死の闇──
その中から、誰かがゆっくりと歩いてくる
「姐御、姐御!?
どうしたんですか!?」
「わから、な──
あたま、が……割れ、そう……」
何かが私の中に眠る力を、強制的に引っ張りだそうとしている
引きずり出してはいけないソレを、何かが
「みんなで咲かせよう……
ほら、もうすぐ……」
死の闇の向こうで、可憐な声が、何かを謳う
見えてはいないけれど、私には分かる……
あれは……あの力は、この世に出てはいけないもの……
冥府から呼び出される、魔の手──
(──そんな、お市の方
あなたがどうして、こんなことを……)
……呼んでいる
あの力に共鳴する『何か』が、私を
「くぁ……っ!
あがっ、がはっ、ぁあ」
いやだ……いやだ、行きたくない
私はもう織田の人間じゃない!
蝮の娘だった私は、もういない……!
「みんな!!
あの黒い手に気を付けて!
あれに触っちゃ駄目だよ!」
闇の力の向こうで、悲鳴を掻い潜って聞こえてきたのは、小早川秀秋の大声だった
黒い手と彼は言った
やはり間違いない、ここにお市の方がいる
でもなぜ、誰がここにお市の方を連れてきたの、お市の方を連れてきて何をするつもりなの?
「天海様は、みんなの心をひとつにするためだって、そのための犠牲だって言われて……
お坊さんの言うことだから、ボク、正しいと思っていたけど……
やっぱり、間違ってると思うんだ!!」
魔の手は幸村たちの周囲にも手を伸ばしてきた
鍋の土台が崩れ、大鍋が倒れていく
「姐御、手を!」
「銃は見つけました!」
「な、なんだありゃあ!?」
文七郎に支えられてどうにか立ち上がる
私たちの目の前で、鍋があった場所から勢いよく、巨大な棘岩が生えてきた
意識が持っていかれる──黒く、塗り潰されて……
──是非も無し
第六天魔王の畏怖に満ちた声が
脳裏でただそう告げた
その原因を探る余裕など、この場にあるはずがない
取り落とした銃をどうにか拾い上げた時、藤次郎様の声が石田三成へ問うた
「アンタ、このrevengeを終わらせたら、何を叫ぶつもりだ?」
それに何かを答える声はない
憎悪に燃え盛る石田三成へ、右手の三爪をつきつけ
「全力で来い
これがアンタの、Climaxだ!」
それが──奴の怒りを、暴発させた
奇声を上げた石田三成の瞳は赤く濁り、もはや憎悪によって作られた修羅のよう
そうして、土煙が立つ頃には
その男は
藤次郎様のすぐそこに
「──」
私が息を吸うよりも速かった
居合刀の刃が、吸い込まれるように藤次郎様の首へと走る
そうしてその一刀は、藤次郎様の首元で火花を散らした
首元の白い襟がビリビリと破れ、そこから現れたのは
私たち伊達軍の想いが詰まった──首を覆う装備
良かった、藤次郎様を守ってくれた、ちゃんと守ってくれた……!
何かが頭の中で喚くのを感じながらも、私の視線は藤次郎様を追いかけている
頭の中の声に耳を傾けたら、何もかもがおしまいだと本能が告げていた
「ハァァァァッッ!!」
残る全ての力を叩き込まんと、六爪の凄まじい連撃が石田三成に浴びせられる
下から斬り上げた強烈な一撃で、石田三成が上空へと吹き飛ばされた
五爪を放った先、刀身に蒼の稲妻が宿り、それらは石田三成を追い越した
空に巨大な竜の紋様が浮かび上がり、石田三成が紋様に磔にされる
足掻く石田三成から赤黒い気が溢れ、それは紋様を侵食していく
唖然として空を見上げる私の前で、藤次郎様は残る一刀を手に、深く腰を落とし──
「一度死んだなら尚更──生きるために力を揮いやがれ!
テメェの死神を断ち切ってやる!!」
見慣れた柳の構え
愛刀たる景秀の鋒を向け、藤次郎様は蒼い光を纏い
「JUMPING JACK BREAKER!!」
蒼の光が紋様の中心を貫く
一筋の光を細く残してそれは消え、瞬間
関ヶ原の空に、凄まじい爆電が炸裂した
誰もが──片倉様と四馬鹿でさえも、その光景を見上げていて
その中で着地した藤次郎様は、もはや立っていることさえもできず、荒れ果てた大地に片膝を着いた
刀を持ち上げることもかなわないようだ
「藤次郎様……!」
駆け寄ろうとした先の藤次郎様が、驚愕に目を見開いて、何事か空を見上げている
私もつられて、紋様のあった場所を見上げると──
そこにいるはずのない人が、宙を舞っていて
武器を持たぬその人が受身を取ることもできず、呻きながら転がっていく
そのすぐ傍に、石田三成が倒れた
「うそ……どうして、家康殿……」
「あの、お人好しが──」
座り込んだまま、藤次郎様が血を吐くような声で呟く
政宗様、と声が聞こえて、片倉様たちがこちらへ駆け寄って来るのが見えた
「何のつもりだ、家康……!」
「憎しみも、憤りも……癒すのは絆だ、三成……
ぐ、ぅ──儂は、お前を……」
「驕るなと言っている……!
助けろなどと言っていない……!
どこかで、野垂れ……死ね──」
起き上がろうとしていた体は力を失い、そのまま地に倒れ伏した
その石田三成を痛切な瞳で見つめていた家康殿は、目を伏せて静かに微笑んだ
「そんなことを、平気で言うなよ……三成……」
太陽のようなその人も力を失い、目を閉じる
もはや関ヶ原の地に戦いの音はなく、静寂が訪れようとしていた
片倉様に支えられて、藤次郎様が立ち上がる
空に浮かぶ太陽は更に欠けていき──
そしてその姿が真っ黒に覆われた
「日食だと……?」
「綾葉、お前……怪我は」
「申し訳ございません……油断致しました
……藤次郎様、この場の始末は、如何様に──ッあう……!!」
「「綾葉!」」
頭の中に、はっきりとそれは聞こえた
聞こえるはずのない声、私を呼ぶはずのない声
本能がその声を拒絶している、右腕の『あの場所』が凄絶な痛みを抱いて震える
空が──禍々しい赤に染まって……
周囲に立ち込める、濃密なまでの、死の闇──
その中から、誰かがゆっくりと歩いてくる
「姐御、姐御!?
どうしたんですか!?」
「わから、な──
あたま、が……割れ、そう……」
何かが私の中に眠る力を、強制的に引っ張りだそうとしている
引きずり出してはいけないソレを、何かが
「みんなで咲かせよう……
ほら、もうすぐ……」
死の闇の向こうで、可憐な声が、何かを謳う
見えてはいないけれど、私には分かる……
あれは……あの力は、この世に出てはいけないもの……
冥府から呼び出される、魔の手──
(──そんな、お市の方
あなたがどうして、こんなことを……)
……呼んでいる
あの力に共鳴する『何か』が、私を
「くぁ……っ!
あがっ、がはっ、ぁあ」
いやだ……いやだ、行きたくない
私はもう織田の人間じゃない!
蝮の娘だった私は、もういない……!
「みんな!!
あの黒い手に気を付けて!
あれに触っちゃ駄目だよ!」
闇の力の向こうで、悲鳴を掻い潜って聞こえてきたのは、小早川秀秋の大声だった
黒い手と彼は言った
やはり間違いない、ここにお市の方がいる
でもなぜ、誰がここにお市の方を連れてきたの、お市の方を連れてきて何をするつもりなの?
「天海様は、みんなの心をひとつにするためだって、そのための犠牲だって言われて……
お坊さんの言うことだから、ボク、正しいと思っていたけど……
やっぱり、間違ってると思うんだ!!」
魔の手は幸村たちの周囲にも手を伸ばしてきた
鍋の土台が崩れ、大鍋が倒れていく
「姐御、手を!」
「銃は見つけました!」
「な、なんだありゃあ!?」
文七郎に支えられてどうにか立ち上がる
私たちの目の前で、鍋があった場所から勢いよく、巨大な棘岩が生えてきた
意識が持っていかれる──黒く、塗り潰されて……
──是非も無し
第六天魔王の畏怖に満ちた声が
脳裏でただそう告げた
1/3ページ
