Episode.04
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
妻女山でのやり取りから数日後
今川挙兵の情報を得た伊達軍は、同日、武田出陣の情報も掴んだ
「Ha!
そうと来りゃ、やることはひとつしかねぇ
小十郎!」
「はっ」
さすがに数日もの間、武蔵国でのんびりしていただけあってか、若衆達も政宗様が奥州へ帰る気はないと気付いていたようだ
出陣の用意をするよう伝えれば、みな「待ってました!」と活きの良さを見せた
「確認だ、若葉」
「はい」
「伊達軍はまず北条に攻撃を仕掛ける
テメェにはその軍隊を率いてもらう」
「承知」
「敵を引きつけるだけ引き付けたら、turnして俺達と合流しろ
そうすりゃ、今川を追いかけてる武田の連中が北条とぶつかるって寸法だ」
「……啄木鳥の戦法の模倣ということは理解できますが……
上手くいくものでしょうか?」
「No problem!
小十郎は出来ねぇ策を立てたりしねぇ
その小十郎が言い出したんだ、なるようになる
You see?」
「……承知
必ずやご期待に応えて見せます」
片倉様の立案された策を成功させるのが我らの務め
その果てに伊達の勝利があるのだから
半刻後、伊達軍は休憩地を後にした
目指すは、北条氏がいる――小田原
*********************
小田原城を彼方に望む高台に伊達軍は布陣していた
伊達が小田原を攻めに来るというのは、向こうも既に知っている話だろう
斥候が私達の動きを確認しているはずだ
「来たッ!」
遠見をしていた良直がそう短く声を上げる
さあ、私達の出番だ
「派手にいくぜ!
Let's Party!!」
政宗様と片倉様を残し、私を先頭に伊達軍が駆け出していく
対する北条軍は正面から迎え撃とうとしていた
「出迎えご苦労様」
「姐御!」
文七郎に頷いて手で陣形指示を出す
通常は鶴翼の陣を示すそれ、ただし今は――
「我こそは……あらっ!?」
名乗りを上げんと勇む北条軍の敵将を前に、伊達軍は突如として反転し、攻勢は逃走に変わった
そしてその距離は、追いかければ追いつく距離
挑発とも取れるその行動に、北条の将が食いつかないはずもない
「なんと!
戦わずして敵に背を向けるとは!
全軍、追撃せよ!!」
北条軍を後ろにしながら、伊達軍は逃走を続けた
「ちょうどいい頃合いね!」
双竜は最後尾――殿を追尾している
確実に伊達軍を追わせるための策だ
機動力に長けた我々相手に弓矢は意味を成さないから、大将たる政宗様が殿を走っても問題はない
今頃、政宗様は最後尾で北条を挑発したような顔でもしているだろうか
木々の隙間から、崖下の道を進む赤い旗印が見えている
甲斐から駿府へと至る途上の道、そこを進軍していたのは武田軍
ちょっとした崖の上だがお構い無し、奥州の馬はその程度ではびくともしない
私が飛び降りて武田軍の前へ飛び出ていくと、背後から若衆達も続いていく
「Ha!」
殿の政宗様は背後を振り返り、不適に笑って見せた
そうして私達が空けていた中央を通って、先頭を双竜が走る
「まさか本当に上手くいくとは……」
「半信半疑だったのか?」
「……ふふ、ご期待に添えましたようで何よりです」
「Great!
期待通りだったぜ?」
過分なお言葉を頂戴しつつ、政宗様の左後ろへ下がる
武田軍のことは、我々を追ってきた愚かな北条軍に任せるとしよう
私達はこのまま駿府へと進軍し、今川軍を背後から攻めるのみだ
「今川の首、この独眼竜がもらったぜ!
Got it!!」
けれど――武田信玄なら、みすみす我々を逃しはしないだろう
元々彼らは今川を討たんと進軍していたのだ、獲物を横取りされて黙っているとは思えない
私なら、隊を分けて伊達を追わせる
敵将と互角の力を持つ配下に部隊を率いてもらうだろう
それが出来る者が、武田にはいる
(そうでしょう、真田幸村)
後ろから真田幸村が追いかけてきていると思っておいたほうがいい
その前に今川を倒してしまえばいいが――もし間に合わなかった時、政宗様は今川を討つのか、それとも
……真田幸村との決着を優先するのか
その隙に今川が撤退などしようものなら……その時は私が別働隊を率いて討たねばならないだろう
今川挙兵の情報を得た伊達軍は、同日、武田出陣の情報も掴んだ
「Ha!
そうと来りゃ、やることはひとつしかねぇ
小十郎!」
「はっ」
さすがに数日もの間、武蔵国でのんびりしていただけあってか、若衆達も政宗様が奥州へ帰る気はないと気付いていたようだ
出陣の用意をするよう伝えれば、みな「待ってました!」と活きの良さを見せた
「確認だ、若葉」
「はい」
「伊達軍はまず北条に攻撃を仕掛ける
テメェにはその軍隊を率いてもらう」
「承知」
「敵を引きつけるだけ引き付けたら、turnして俺達と合流しろ
そうすりゃ、今川を追いかけてる武田の連中が北条とぶつかるって寸法だ」
「……啄木鳥の戦法の模倣ということは理解できますが……
上手くいくものでしょうか?」
「No problem!
小十郎は出来ねぇ策を立てたりしねぇ
その小十郎が言い出したんだ、なるようになる
You see?」
「……承知
必ずやご期待に応えて見せます」
片倉様の立案された策を成功させるのが我らの務め
その果てに伊達の勝利があるのだから
半刻後、伊達軍は休憩地を後にした
目指すは、北条氏がいる――小田原
*********************
小田原城を彼方に望む高台に伊達軍は布陣していた
伊達が小田原を攻めに来るというのは、向こうも既に知っている話だろう
斥候が私達の動きを確認しているはずだ
「来たッ!」
遠見をしていた良直がそう短く声を上げる
さあ、私達の出番だ
「派手にいくぜ!
Let's Party!!」
政宗様と片倉様を残し、私を先頭に伊達軍が駆け出していく
対する北条軍は正面から迎え撃とうとしていた
「出迎えご苦労様」
「姐御!」
文七郎に頷いて手で陣形指示を出す
通常は鶴翼の陣を示すそれ、ただし今は――
「我こそは……あらっ!?」
名乗りを上げんと勇む北条軍の敵将を前に、伊達軍は突如として反転し、攻勢は逃走に変わった
そしてその距離は、追いかければ追いつく距離
挑発とも取れるその行動に、北条の将が食いつかないはずもない
「なんと!
戦わずして敵に背を向けるとは!
全軍、追撃せよ!!」
北条軍を後ろにしながら、伊達軍は逃走を続けた
「ちょうどいい頃合いね!」
双竜は最後尾――殿を追尾している
確実に伊達軍を追わせるための策だ
機動力に長けた我々相手に弓矢は意味を成さないから、大将たる政宗様が殿を走っても問題はない
今頃、政宗様は最後尾で北条を挑発したような顔でもしているだろうか
木々の隙間から、崖下の道を進む赤い旗印が見えている
甲斐から駿府へと至る途上の道、そこを進軍していたのは武田軍
ちょっとした崖の上だがお構い無し、奥州の馬はその程度ではびくともしない
私が飛び降りて武田軍の前へ飛び出ていくと、背後から若衆達も続いていく
「Ha!」
殿の政宗様は背後を振り返り、不適に笑って見せた
そうして私達が空けていた中央を通って、先頭を双竜が走る
「まさか本当に上手くいくとは……」
「半信半疑だったのか?」
「……ふふ、ご期待に添えましたようで何よりです」
「Great!
期待通りだったぜ?」
過分なお言葉を頂戴しつつ、政宗様の左後ろへ下がる
武田軍のことは、我々を追ってきた愚かな北条軍に任せるとしよう
私達はこのまま駿府へと進軍し、今川軍を背後から攻めるのみだ
「今川の首、この独眼竜がもらったぜ!
Got it!!」
けれど――武田信玄なら、みすみす我々を逃しはしないだろう
元々彼らは今川を討たんと進軍していたのだ、獲物を横取りされて黙っているとは思えない
私なら、隊を分けて伊達を追わせる
敵将と互角の力を持つ配下に部隊を率いてもらうだろう
それが出来る者が、武田にはいる
(そうでしょう、真田幸村)
後ろから真田幸村が追いかけてきていると思っておいたほうがいい
その前に今川を倒してしまえばいいが――もし間に合わなかった時、政宗様は今川を討つのか、それとも
……真田幸村との決着を優先するのか
その隙に今川が撤退などしようものなら……その時は私が別働隊を率いて討たねばならないだろう
1/4ページ