Episode.2-15
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意気投合した二人は、先程までの戦いがなかったように親しくなっていた
長曾我部軍とうちの軍の家臣団も互いに馬は合うようだから、問題はないだろう
野営の陣で仮眠をとりながら、あれだけ騒がしかったのに、今は静かだなぁと少し笑えてしまった
そして翌朝
日が昇った頃、私達は進軍を再開した
「Hop to it!
大阪は目と鼻の先だ!
派手にrevengeといくぜ!」
「「Yeahー!!」」
「豊臣にきっちり借りを返して、仲間を取り戻す!
いいな、野郎共!」
「「アニキー!!」」
何なのかしら、この連合軍
うちの軍がひとつ増えたようにしか思えない……
「上出来だ
大層な大艦だったみてぇだが、ひとまず身軽になれて良かったんじゃねえのか」
後方を一瞥して、政宗さんが元親殿にそう言う
元親殿は少しだけ目を伏せた
「確かに『富嶽』は直の奇襲にゃ向かねえ
久しぶりに陸で受ける風も乙なもんだ
……それにしても毛利の野郎、あっさりと豊臣と手を組んじまいやがって
まずテメェだけでオレとの決着をつけるくらいの意気をなぜ見せなかったんでぇ……!」
「Ah?」
「おっと、すまねえ
天下へ打って出る前に、サシでやりあっておきてぇ相手がいたのよ
あいにく奴さんにゃあその気なし
残念ながら俺は、好敵手ってやつには恵まれなかったらしい」
好敵手
その言葉に、政宗様が少しだけ顔を伏せた
幸村のことが気になっておられるのだろう
「どしたい、竜の兄さん
誰かのことを思い出したって感じだな」
「Ah?」
横を並走する元親殿を一瞥し、政宗様が少しだけ微笑む
「暑っ苦しくてうるせえのが、一人いやがってな
……だが次はないかもしれねえ
生まれっぱなしでpureなのはいいが、あのままじゃ戦国を生き抜けねえ
恐らく人も死なせる」
「そりゃちょいと困った野郎じゃねえか
それでもあんたが一目置くってのは……」
「……ああ
Burning soul――
とびっきり、掛け値なしなんだよ
この俺がcoolでいられなくなるほどに、どうしようもなく熱い槍を振るいやがる
火傷じゃ済まねえ」
やっぱり何だかんだ言って、幸村のことを特別視しているのよね
……ちょっと、羨ましい
私では、政宗様と対等に戦い合うなんて出来ないから
「そうかい
その槍さばきをいっぺん拝んでみてえもんだ」
口元に笑みを浮かべ、元親殿が前を見る
政宗様は思案顔のままだ
……絶対に幸村のことを考えておられるわよね
「今頃どうしているのでしょう、幸村は」
「さあな……」
「やはり動向が気になるところでございますね」
「……まあな」
「もう少し反応があるかと思ったのですけれど……?」
まるで相手にされないなんて思わなかった
まるで私が子供みたいじゃない!
「……フッ」
「ま、政宗様、まさか今、笑ったのですか?
私を見て笑ったのですね!?」
「jealousyか?」
「じぇら……なんです?」
「嫉妬かって聞いてんだよ」
「はっ!?
なっ……ち、違います!
そのようなものでは!」
「図星だな」
「ぐっ……!」
「おーおー、仲のいいこった」
かぁ、と顔に熱が溜まっていくのが分かる
嫉妬なんて……嫉妬なんて、していないわ!
「可愛いことしてくれてんじゃねえか」
「っ、面倒くさいだけでございましょうに」
「Ha!
どうだかな」
嫌な予感がして、ちらりと後ろを見る
あ、あぁー……
どうしよう、両軍とも物凄くニヤニヤしている
「ニヤニヤしないでよ!」
「いや、最っ高に姐御が可愛いくて!」
「微笑ましいぜ、蝶の姐さん!」
「眉間ぶち抜くわよ」
「すいやせん!!」
「おー怖い怖い」と茶化す元親さんに銃口を向けたい気持ちは、なんとか押さえた
仮にも共闘する軍の頭領だもの、殺傷沙汰はご法度だわ……
「あの嬢ちゃん、竜の兄さんとおたくの奴らに見せる顔がてんで違ぇな」
「裏表があるわけじゃねえよ
実際、こいつはうちの中でもうまいこと立ち回ってくれてる
部下に見せる顔と上に見せる顔が一緒ってのは、さすがにまずいんじゃねえのか」
「ま、そいつはそうなんだろうが……
それだけじゃあねぇ気がするんだよなぁ」
「あの、そろそろもう宜しいでしょうか……」
本当に恥ずかしい
軍団の最後尾を走っていたいくらい恥ずかしい
私がまいた種かもしれないけれど……
長曾我部軍とうちの軍の家臣団も互いに馬は合うようだから、問題はないだろう
野営の陣で仮眠をとりながら、あれだけ騒がしかったのに、今は静かだなぁと少し笑えてしまった
そして翌朝
日が昇った頃、私達は進軍を再開した
「Hop to it!
大阪は目と鼻の先だ!
派手にrevengeといくぜ!」
「「Yeahー!!」」
「豊臣にきっちり借りを返して、仲間を取り戻す!
いいな、野郎共!」
「「アニキー!!」」
何なのかしら、この連合軍
うちの軍がひとつ増えたようにしか思えない……
「上出来だ
大層な大艦だったみてぇだが、ひとまず身軽になれて良かったんじゃねえのか」
後方を一瞥して、政宗さんが元親殿にそう言う
元親殿は少しだけ目を伏せた
「確かに『富嶽』は直の奇襲にゃ向かねえ
久しぶりに陸で受ける風も乙なもんだ
……それにしても毛利の野郎、あっさりと豊臣と手を組んじまいやがって
まずテメェだけでオレとの決着をつけるくらいの意気をなぜ見せなかったんでぇ……!」
「Ah?」
「おっと、すまねえ
天下へ打って出る前に、サシでやりあっておきてぇ相手がいたのよ
あいにく奴さんにゃあその気なし
残念ながら俺は、好敵手ってやつには恵まれなかったらしい」
好敵手
その言葉に、政宗様が少しだけ顔を伏せた
幸村のことが気になっておられるのだろう
「どしたい、竜の兄さん
誰かのことを思い出したって感じだな」
「Ah?」
横を並走する元親殿を一瞥し、政宗様が少しだけ微笑む
「暑っ苦しくてうるせえのが、一人いやがってな
……だが次はないかもしれねえ
生まれっぱなしでpureなのはいいが、あのままじゃ戦国を生き抜けねえ
恐らく人も死なせる」
「そりゃちょいと困った野郎じゃねえか
それでもあんたが一目置くってのは……」
「……ああ
Burning soul――
とびっきり、掛け値なしなんだよ
この俺がcoolでいられなくなるほどに、どうしようもなく熱い槍を振るいやがる
火傷じゃ済まねえ」
やっぱり何だかんだ言って、幸村のことを特別視しているのよね
……ちょっと、羨ましい
私では、政宗様と対等に戦い合うなんて出来ないから
「そうかい
その槍さばきをいっぺん拝んでみてえもんだ」
口元に笑みを浮かべ、元親殿が前を見る
政宗様は思案顔のままだ
……絶対に幸村のことを考えておられるわよね
「今頃どうしているのでしょう、幸村は」
「さあな……」
「やはり動向が気になるところでございますね」
「……まあな」
「もう少し反応があるかと思ったのですけれど……?」
まるで相手にされないなんて思わなかった
まるで私が子供みたいじゃない!
「……フッ」
「ま、政宗様、まさか今、笑ったのですか?
私を見て笑ったのですね!?」
「jealousyか?」
「じぇら……なんです?」
「嫉妬かって聞いてんだよ」
「はっ!?
なっ……ち、違います!
そのようなものでは!」
「図星だな」
「ぐっ……!」
「おーおー、仲のいいこった」
かぁ、と顔に熱が溜まっていくのが分かる
嫉妬なんて……嫉妬なんて、していないわ!
「可愛いことしてくれてんじゃねえか」
「っ、面倒くさいだけでございましょうに」
「Ha!
どうだかな」
嫌な予感がして、ちらりと後ろを見る
あ、あぁー……
どうしよう、両軍とも物凄くニヤニヤしている
「ニヤニヤしないでよ!」
「いや、最っ高に姐御が可愛いくて!」
「微笑ましいぜ、蝶の姐さん!」
「眉間ぶち抜くわよ」
「すいやせん!!」
「おー怖い怖い」と茶化す元親さんに銃口を向けたい気持ちは、なんとか押さえた
仮にも共闘する軍の頭領だもの、殺傷沙汰はご法度だわ……
「あの嬢ちゃん、竜の兄さんとおたくの奴らに見せる顔がてんで違ぇな」
「裏表があるわけじゃねえよ
実際、こいつはうちの中でもうまいこと立ち回ってくれてる
部下に見せる顔と上に見せる顔が一緒ってのは、さすがにまずいんじゃねえのか」
「ま、そいつはそうなんだろうが……
それだけじゃあねぇ気がするんだよなぁ」
「あの、そろそろもう宜しいでしょうか……」
本当に恥ずかしい
軍団の最後尾を走っていたいくらい恥ずかしい
私がまいた種かもしれないけれど……
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