Episode.2-13
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大阪へ向けて進軍する、私達伊達軍
人取橋での足止めが功を奏し、政宗様の表情にも幾許かの余裕が見られる
おかげで、ここまでの進軍は順調だ
「もうすぐ、武田の躑躅ヶ崎館付近を通ります!」
「All right!
だが悪いが、あいつとのPartyはまだ先だぜ!」
政宗様が口角を上げた次の瞬間
その笑みは消え、代わりに目が細められた
行く手を塞ぐかのように、武田軍が向かってきていたからだ
「筆頭!
ありゃあ武田の……!」
「まさか、武田も豊臣に……」
良直と左馬助が政宗様を見やる
兵達にとって、今回の摺上原での一件は相当堪えたものらしい
また豊臣の仕掛けた軍勢に囲み打ちにされるのではと、怯えている
「そうかもしれねえな
甲斐の虎のオッサンが今、俺達に仕掛けるとは思えねえ
どのみちいつかはやり合う相手だ
Increase the speed!
突破するぜ!」
「「Yeahー!!」」
信玄公、貴方ほどのお方が、豊臣の軍門に下ったというのですか……?
川中島ではっきりと敵対の意志を見せた貴方が……
いや、もし仮にそうだとしても、民が暮らす里に下りて戦を仕掛けるとは考えにくい
……ではもし、これも豊臣の潜伏侵略によるものだとしたら?
そう……たとえば
今、目の前にいる武田軍は、『本物の』武田軍なのか?
「まさか……!」
その可能性に思い至って、私は手綱で雛菊に進路を変えさせた
そうして伊達軍から離れていく
「姐御!?」
「どこ行くんスか!?」
「筆頭!!」
「無茶はすんなよ」
兵達と政宗様の声を背中で聞きながら、私は館を包囲する武田軍を横目で見つつ、館を外周していく
そして、ある一点で、疑問が確信に変わった
迷わず二丁銃を構える
そして狙いを定め――狙い通りに頭部を撃ち抜いた
倒れていくのは、武田軍――に成りすました、豊臣軍だ
おそらくここから私達を挟み撃ちにしようと画策したのだろう
この先の開けた場所で待ち構える、豊臣軍と共に
「やっぱり豊臣だったのね……
武田に成りすましてなんて、随分と姑息な手を使うじゃない」
向こうは部隊長がやられたことで慌てふためいている
烏合の衆だ、私の敵ではない
挟撃用の部隊を壊滅させてから、引き返した
政宗様達は、豊臣軍を人里から離れたところへとおびき寄せようとしているらしい
ふと上空を見ると、カラスに捕まって飛んでいく佐助が見えた
このまま私も敵を引きつけて、政宗様と合流しよう
「はっ!」
雛菊が里から離れていく
背後からは偽の武田軍が迫っていた
「待て――ッ!」
「馬鹿ね、待てと言われて待つ奴はいないのよ!」
政宗様宜しく口角を上げて挑発すれば、いとも容易く乗せられて追ってきてくれる
私の雛菊は牝馬だけど、よく鍛えられた奥州産
西側の馬なんかとは出来が違う
つまり彼らは私に追い付けやしないのだ
森林を抜けた先の開けた土地に出たとき、政宗様を発見した
「政宗様!!」
「綾葉……」
政宗さんは刀に手をかけていた
少し困惑した表情をしていたから、鞘走らなかったのだろう
きっと、黒龍の持ち主からの戒めなのかもしれない
「独眼竜!
こいつらはうちの兵じゃない!
豊臣の罠だ!」
頭上から佐助の声が聞こえた
周囲の状況を見渡す
偽の武田軍――豊臣軍は私達に引き摺り出され、館のある里から離れてくれた
そして武田は健在だと言わんばかりに、空から爆音が響いてくる
信玄公は相変わらずお元気ね……
「……だよな」
冷静さを取り戻したのか、もう一度政宗様がゆっくりと黒龍を抜き放つ
その前方には、軍配斧を構えた信玄公
「綾葉様!
危ないから避けてくれ!」
「分かってる!」
政宗様を残してすぐに離れる
二人の咆哮と共に、辺り一帯を爆風と閃光が覆った
人取橋での足止めが功を奏し、政宗様の表情にも幾許かの余裕が見られる
おかげで、ここまでの進軍は順調だ
「もうすぐ、武田の躑躅ヶ崎館付近を通ります!」
「All right!
だが悪いが、あいつとのPartyはまだ先だぜ!」
政宗様が口角を上げた次の瞬間
その笑みは消え、代わりに目が細められた
行く手を塞ぐかのように、武田軍が向かってきていたからだ
「筆頭!
ありゃあ武田の……!」
「まさか、武田も豊臣に……」
良直と左馬助が政宗様を見やる
兵達にとって、今回の摺上原での一件は相当堪えたものらしい
また豊臣の仕掛けた軍勢に囲み打ちにされるのではと、怯えている
「そうかもしれねえな
甲斐の虎のオッサンが今、俺達に仕掛けるとは思えねえ
どのみちいつかはやり合う相手だ
Increase the speed!
突破するぜ!」
「「Yeahー!!」」
信玄公、貴方ほどのお方が、豊臣の軍門に下ったというのですか……?
川中島ではっきりと敵対の意志を見せた貴方が……
いや、もし仮にそうだとしても、民が暮らす里に下りて戦を仕掛けるとは考えにくい
……ではもし、これも豊臣の潜伏侵略によるものだとしたら?
そう……たとえば
今、目の前にいる武田軍は、『本物の』武田軍なのか?
「まさか……!」
その可能性に思い至って、私は手綱で雛菊に進路を変えさせた
そうして伊達軍から離れていく
「姐御!?」
「どこ行くんスか!?」
「筆頭!!」
「無茶はすんなよ」
兵達と政宗様の声を背中で聞きながら、私は館を包囲する武田軍を横目で見つつ、館を外周していく
そして、ある一点で、疑問が確信に変わった
迷わず二丁銃を構える
そして狙いを定め――狙い通りに頭部を撃ち抜いた
倒れていくのは、武田軍――に成りすました、豊臣軍だ
おそらくここから私達を挟み撃ちにしようと画策したのだろう
この先の開けた場所で待ち構える、豊臣軍と共に
「やっぱり豊臣だったのね……
武田に成りすましてなんて、随分と姑息な手を使うじゃない」
向こうは部隊長がやられたことで慌てふためいている
烏合の衆だ、私の敵ではない
挟撃用の部隊を壊滅させてから、引き返した
政宗様達は、豊臣軍を人里から離れたところへとおびき寄せようとしているらしい
ふと上空を見ると、カラスに捕まって飛んでいく佐助が見えた
このまま私も敵を引きつけて、政宗様と合流しよう
「はっ!」
雛菊が里から離れていく
背後からは偽の武田軍が迫っていた
「待て――ッ!」
「馬鹿ね、待てと言われて待つ奴はいないのよ!」
政宗様宜しく口角を上げて挑発すれば、いとも容易く乗せられて追ってきてくれる
私の雛菊は牝馬だけど、よく鍛えられた奥州産
西側の馬なんかとは出来が違う
つまり彼らは私に追い付けやしないのだ
森林を抜けた先の開けた土地に出たとき、政宗様を発見した
「政宗様!!」
「綾葉……」
政宗さんは刀に手をかけていた
少し困惑した表情をしていたから、鞘走らなかったのだろう
きっと、黒龍の持ち主からの戒めなのかもしれない
「独眼竜!
こいつらはうちの兵じゃない!
豊臣の罠だ!」
頭上から佐助の声が聞こえた
周囲の状況を見渡す
偽の武田軍――豊臣軍は私達に引き摺り出され、館のある里から離れてくれた
そして武田は健在だと言わんばかりに、空から爆音が響いてくる
信玄公は相変わらずお元気ね……
「……だよな」
冷静さを取り戻したのか、もう一度政宗様がゆっくりと黒龍を抜き放つ
その前方には、軍配斧を構えた信玄公
「綾葉様!
危ないから避けてくれ!」
「分かってる!」
政宗様を残してすぐに離れる
二人の咆哮と共に、辺り一帯を爆風と閃光が覆った
1/3ページ