Episode.2-6
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体の痛みが意識を刺激してくる
呻きながらもどうにか上半身を起こすと、荒廃した大地が目に飛び込んだ
――摺上原だ
「気が付いたか……」
頭上から声が降ってくる
背後には真っ青な表情の政宗様が立っていた
どうなったのか覚えていないけれど、政宗様はご無事であったようだ
「政宗様……顔色が悪うございます……」
「そりゃお前がそんな状態ならな」
疲労が限界を訴える中、自分の身体を見る
薄桃色の小袖を含む戦装束は、ほぼ真っ赤に染まっていた
敵の返り血か、自分の出血なのかもわからない
「死んでるかと思ったぜ……
幸い、脈もあったから心配いらなかったみてえだがな」
政宗様の手が私の手を握る
その手を握って立ち上がると、さっと政宗様は摺上原を見渡した
立ち上がる者はなく、私と政宗さんの二人だけが摺上原に影を落としている
……まるで、この世に二人しか生き残っていないかのよう
全滅の二文字が頭をよぎった
「……Wake up.
Wake up guys……!」
荒廃した摺上原に政宗様の声が響く
屍が幾重にも折り重なる戦場に、乾いた夏の風が吹き付けた
しばらくの間をおいて
一人また一人と、伊達の兵が起き上がる
「筆頭……!」
「筆頭、姐御……!」
最終的には、倒れていた者たちのほとんどが起き上がってくれた
肩を借りている者も多いが、数は相当のものだ
「All right.
オメエら、よくぞ生き延びた
ひとまず奥州は取り戻したぜ」
「「……はいッ……!!」
そうか、勝ったのか……
そういえば南部、津軽、相馬、そして蘆名が、撤退していくところを見たような気がする
ただ、それを追撃するだけの余力は、私達には無くて……
どうにか持ち堪えたと理解した瞬間、意識がぶつりと切れたことまでようやく思い出せた
政宗様が戦場を去ろうと背中を向ける
陣羽織の背に描かれた模様が、斜めに裂けていた
――その切り裂かれた背中は、まるで私への戒めのようだった
片倉様が不在の今、私が彼の背中を守らなければいけなかったのに……
「筆頭……」
「ちくしょう……」
「筆頭の背中は、片倉様にしか守れねえんだ……ッ!」
強大な敵の前に、あまりにも無力で
大事なひと一人守れず
……何が、蒼誠繚乱だ
「戻って出陣の用意をする
目指すは大坂だ
豊臣を潰す
小十郎を連れ戻すついでにな」
「「……はいッ!!」」
全員の返事を聞いた政宗様が、一歩を踏み出して
それから足を止め、ハッと後ろを振り返った
それは私にも伝わった
これは、殺気……
摺上原の向こう、夕日が沈む中から人影が現れる
「あ、ありゃあ……」
「とっ、ととっ……」
「……まさか、総大将までお目見えするとはね……」
忘れもしない
川中島での名乗りと、あの威圧
「……豊臣秀吉……」
政宗様の声が、静かにその名前を呟いた
呻きながらもどうにか上半身を起こすと、荒廃した大地が目に飛び込んだ
――摺上原だ
「気が付いたか……」
頭上から声が降ってくる
背後には真っ青な表情の政宗様が立っていた
どうなったのか覚えていないけれど、政宗様はご無事であったようだ
「政宗様……顔色が悪うございます……」
「そりゃお前がそんな状態ならな」
疲労が限界を訴える中、自分の身体を見る
薄桃色の小袖を含む戦装束は、ほぼ真っ赤に染まっていた
敵の返り血か、自分の出血なのかもわからない
「死んでるかと思ったぜ……
幸い、脈もあったから心配いらなかったみてえだがな」
政宗様の手が私の手を握る
その手を握って立ち上がると、さっと政宗様は摺上原を見渡した
立ち上がる者はなく、私と政宗さんの二人だけが摺上原に影を落としている
……まるで、この世に二人しか生き残っていないかのよう
全滅の二文字が頭をよぎった
「……Wake up.
Wake up guys……!」
荒廃した摺上原に政宗様の声が響く
屍が幾重にも折り重なる戦場に、乾いた夏の風が吹き付けた
しばらくの間をおいて
一人また一人と、伊達の兵が起き上がる
「筆頭……!」
「筆頭、姐御……!」
最終的には、倒れていた者たちのほとんどが起き上がってくれた
肩を借りている者も多いが、数は相当のものだ
「All right.
オメエら、よくぞ生き延びた
ひとまず奥州は取り戻したぜ」
「「……はいッ……!!」
そうか、勝ったのか……
そういえば南部、津軽、相馬、そして蘆名が、撤退していくところを見たような気がする
ただ、それを追撃するだけの余力は、私達には無くて……
どうにか持ち堪えたと理解した瞬間、意識がぶつりと切れたことまでようやく思い出せた
政宗様が戦場を去ろうと背中を向ける
陣羽織の背に描かれた模様が、斜めに裂けていた
――その切り裂かれた背中は、まるで私への戒めのようだった
片倉様が不在の今、私が彼の背中を守らなければいけなかったのに……
「筆頭……」
「ちくしょう……」
「筆頭の背中は、片倉様にしか守れねえんだ……ッ!」
強大な敵の前に、あまりにも無力で
大事なひと一人守れず
……何が、蒼誠繚乱だ
「戻って出陣の用意をする
目指すは大坂だ
豊臣を潰す
小十郎を連れ戻すついでにな」
「「……はいッ!!」」
全員の返事を聞いた政宗様が、一歩を踏み出して
それから足を止め、ハッと後ろを振り返った
それは私にも伝わった
これは、殺気……
摺上原の向こう、夕日が沈む中から人影が現れる
「あ、ありゃあ……」
「とっ、ととっ……」
「……まさか、総大将までお目見えするとはね……」
忘れもしない
川中島での名乗りと、あの威圧
「……豊臣秀吉……」
政宗様の声が、静かにその名前を呟いた
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