Episode.2-4
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奥州・伊達屋敷――
軍議から一夜が明け、夜が白み始めた時刻
「筆頭っ!
筆頭ぉぉっ!!」
良直の自分を呼ぶ声で、伊達政宗は微睡から目を覚ました
元より今日は気が抜けない夜だと思っていたし、眠りが浅いのは性分だ
「たたっ、たっ大変です、筆頭!!」
良直に続いて左馬助の声も聞こえてくる
手早く身を整え、障子を開けた
部屋の外には良直と左馬助が膝をついている
「どうした
豊臣のspy野郎でも見つかったのか?」
……が、返ってきた言葉は、予想していたものとは違ったもので
そしてそれは、想定している中で最悪のものだった
「て、敵襲っすッ!」
「南部、津軽、相馬が、三方から一時に!」
「Ah……!?
Shit!
もう来やがったのか……」
あれだけ軍議で圧をかけておきながら、敵はまんまと逃げおおせた
おまけに、奥州平定を覆して――
身支度するべく踵を返しかけ、政宗は背後に跪いた家臣を見やった
「小十郎と綾葉にも報せはやったな?」
「はい、片倉様と姐御には今、文七郎が……」
左馬助がそう言ったその時
三つ目の足音が駆け込んできた
「筆頭ぉぉぉ!!」
文七郎の声が響き、三人ともがそちらを振り向く
よく見れば文七郎の後ろには孫兵衛がおり
「かっ、片倉様と姐御が!」
文七郎がそう言った直後、孫兵衛が足をもつれさせて転がってきた
すぐさま起き上がり、孫兵衛が政宗を見上げる
「村のお鈴ちゃんと爺様が、俺ん家に駆け込んできて……!
片倉様と姐御がやられたって!」
「「……えぇぇえあ!?」」
「丘の畑に、これが……」
驚愕に固まる良直と左馬助の横に跪き、文七郎が一振りの刀を差し出した
その横で、孫兵衛も何かを取り出す
「そいつは、片倉様と姐御の……!」
「黒龍と桜番 じゃねえか!」
政宗はその刀と銃から目を離さず、砂利の上に素足で降り立った
見覚えのある二つの得物は、どちらも政宗を守り、奥州の戦を勝ち抜いてきた二人の重臣が使っていたものだ
「小十郎……」
初めて見るものではない、その誓願の刻印
角度を少し変えれば、夜月に反射して、明け方の世界にくっきりと浮かび上がった
「夜更けに、集団で襲われたようです
汚い手を使って、片倉様をどこかへ……
裏切り者も分かりました……」
今にも泣きだしそうな文七郎を見下ろしながら、政宗は一番重要なことを口にした
しかしその脳裏には、男の顔まで浮かんでいる
仮面をつけた、あの軍師――
「賊の首魁は誰だ
名乗りやがったのか」
文七郎と孫兵衛が顔を見合わし……
そうして、その名を告げた
「豊臣の……」
「竹中半兵衛らしいと……」
二人の隣に座る良直と左馬助が、再び驚きで目を見開く
昨夜、軍議で豊臣の潜伏侵略が始まるのではという話をしたばかりだ
片倉小十郎、美稜綾葉の二人をもってしても、潜伏侵略を防げなかったということなのか――?
政宗がなおも口を開きかけた、そのとき
玉砂利の地面を走ってくる五つ目の足音が、伊達屋敷に響いた
軍議から一夜が明け、夜が白み始めた時刻
「筆頭っ!
筆頭ぉぉっ!!」
良直の自分を呼ぶ声で、伊達政宗は微睡から目を覚ました
元より今日は気が抜けない夜だと思っていたし、眠りが浅いのは性分だ
「たたっ、たっ大変です、筆頭!!」
良直に続いて左馬助の声も聞こえてくる
手早く身を整え、障子を開けた
部屋の外には良直と左馬助が膝をついている
「どうした
豊臣のspy野郎でも見つかったのか?」
……が、返ってきた言葉は、予想していたものとは違ったもので
そしてそれは、想定している中で最悪のものだった
「て、敵襲っすッ!」
「南部、津軽、相馬が、三方から一時に!」
「Ah……!?
Shit!
もう来やがったのか……」
あれだけ軍議で圧をかけておきながら、敵はまんまと逃げおおせた
おまけに、奥州平定を覆して――
身支度するべく踵を返しかけ、政宗は背後に跪いた家臣を見やった
「小十郎と綾葉にも報せはやったな?」
「はい、片倉様と姐御には今、文七郎が……」
左馬助がそう言ったその時
三つ目の足音が駆け込んできた
「筆頭ぉぉぉ!!」
文七郎の声が響き、三人ともがそちらを振り向く
よく見れば文七郎の後ろには孫兵衛がおり
「かっ、片倉様と姐御が!」
文七郎がそう言った直後、孫兵衛が足をもつれさせて転がってきた
すぐさま起き上がり、孫兵衛が政宗を見上げる
「村のお鈴ちゃんと爺様が、俺ん家に駆け込んできて……!
片倉様と姐御がやられたって!」
「「……えぇぇえあ!?」」
「丘の畑に、これが……」
驚愕に固まる良直と左馬助の横に跪き、文七郎が一振りの刀を差し出した
その横で、孫兵衛も何かを取り出す
「そいつは、片倉様と姐御の……!」
「黒龍と
政宗はその刀と銃から目を離さず、砂利の上に素足で降り立った
見覚えのある二つの得物は、どちらも政宗を守り、奥州の戦を勝ち抜いてきた二人の重臣が使っていたものだ
「小十郎……」
初めて見るものではない、その誓願の刻印
角度を少し変えれば、夜月に反射して、明け方の世界にくっきりと浮かび上がった
「夜更けに、集団で襲われたようです
汚い手を使って、片倉様をどこかへ……
裏切り者も分かりました……」
今にも泣きだしそうな文七郎を見下ろしながら、政宗は一番重要なことを口にした
しかしその脳裏には、男の顔まで浮かんでいる
仮面をつけた、あの軍師――
「賊の首魁は誰だ
名乗りやがったのか」
文七郎と孫兵衛が顔を見合わし……
そうして、その名を告げた
「豊臣の……」
「竹中半兵衛らしいと……」
二人の隣に座る良直と左馬助が、再び驚きで目を見開く
昨夜、軍議で豊臣の潜伏侵略が始まるのではという話をしたばかりだ
片倉小十郎、美稜綾葉の二人をもってしても、潜伏侵略を防げなかったということなのか――?
政宗がなおも口を開きかけた、そのとき
玉砂利の地面を走ってくる五つ目の足音が、伊達屋敷に響いた
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