05 新しい日常
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
講義が始まって二日目
もはやちょっとしたピクニックと化しているお昼の時間がやってきた
05 新しい日常
春らしい陽気に包まれながら、私たちは中庭でお弁当を広げていた
「あ、この玉子焼きうま
これ作ったのこじゅ兄だな」
「ああ、朝から少し嬉しそうだったからな」
「玉子焼きが上手くいくとなーんか嬉しいんだよなぁ」
成実と綱元先輩の玉子焼き談義があったかと思うと
「幸村、それ本当に食べられるんだよね……?」
「む?
無論でござる、某の弁当は高校時代から変わらずこの三段重ねでござるぞ」
「胃袋どうなってんの」
「というか、親泰殿こそ、その量で足りるのでござろうか?
某の分を多少分けて差し上げても……」
「足ります!!
全然足ります!!」
なんていう、癒し空間が出来ていたりするわけで
そんな中で私はと言うと
「さ、お嬢様、お手を」
「手は自分で拭けます……」
「夕歌、今日はお前のために色々とおかずを用意してみたんだ
特にこの佃煮は自信作だぞ」
「かすが、それ絶対に一人前じゃないよね」
「Hey,honey.
こっちも自信作の玉子焼きだ、お前けっこう甘めが好きだろ」
「いや、そうですけど……
三人とも一回離れてもらっていいですか!!!」
「何を仰いますか!
この新倉和真、お嬢様のお傍を離れるなど!!」
「物理的に離れろっつってんですよ!!!」
私の両手を恭しくウェットシートで拭き上げる万能ポンコツ執事がいれば、左側には二人分はあろうかというおかずを敷き詰めた容器を手にする万能ポンコツ親友
そして右側には、玉子焼きを箸で持って「あーん」待ちの天才ポンコツ旦那
本当に誰か助けて
「佐助先輩と片倉先生が猛烈に欲しい……」
「Ah?
小十郎がいたってつまんねぇだけだろ」
「むしろ救世主です」
「私ではなく、猿飛佐助のほうがいいのか……?
私は……私は夕歌の一番の……!」
「そういう良心が痛む反応やめてもらっていいですかかすがさん」
「はい、拭き終わりましたお嬢様!!」
「今の今まで拭いてたんですか!?
ありがとうございます!!」
「ほら夕歌、あーん」
「締まりのない顔をどうにかしてくれませんかね!?」
本当に、誰か、助けて
この際もう元就先輩でもいい
観念して口を開いて、玉子焼きを食べる
……私好みの甘い味付けだ、なんて美味しい
「胃袋を掴まれてる気がする……」
「そりゃ僥倖」
「むぅ……」
とはいえ、政宗さんの料理に陥落済みなので、諦めて……というか、何でも許しちゃうんだよな
全部知ってるわけじゃないけど、政宗さんの過去は私も知ってる
だから……こうやって楽しそうに笑っているのを見ると、もういいや、って
「かすが、佃煮の横はなに?」
「これか?
これは新玉ねぎのナムルだ、美味しいぞ」
「食べる!」
「……夕歌、お前……」
「え、何ですか綱元先輩、いきなり」
成実とお弁当を食べていたと思っていた綱元先輩が、怪訝な顔をして私を見つめていた
何だろう、私ってばなんか変なことしたっけ
「お前……太ったんじゃないか?」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
言わずもがな、上から和真さん、かすが、政宗さんである
私はというと……
「………」
むに、と摘まめるお腹
剣道部で鍛えていた頃は、余分な脂肪がついていないくらいには鍛えていたのに
「……や、やだぁぁぁ!!!」
「あーまぁそりゃあ、太るよなぁ……
梵の料理って美味いし……」
「それもあるが、受験勉強に明け暮れていて剣道どころではなかっただろう?
運動不足が一番の原因だと思うぞ」
「は、春休み中は政宗さんに相手してもらってたのに……!」
「とは申しますが、春休みの間は、政宗様もご実家のお集まりや社交の場にお出向きすることが多かったですからね……」
「ま、まだ大丈夫だよ夕歌さん!
傍目からは分かんないから!!」
「そうでござる!
それに、怠けていたのならば、これから鍛え直せばよいだけのこと!
再来週からは剣道部としての活動が始まるとのことでござろう?
すぐに元通りでござる!」
うっうっ、と泣き崩れるのを政宗さんが抱き締めてくれる
その政宗さんも、「確かに柔らかくなったな……」と呟いたので、私の心に追い打ちをかけられてしまった
「でも、普通に見ても、細いうちだと思うんだけどなぁ……」
「だがショックなのは確かだぞ
乙女とはそういうものだ」
こ、こんなことになるんだったら、無理を言ってでも学院の剣道部の稽古に混ぜてもらうんだった……
確かに運動量は前よりだいぶ減ってるし……
これからは、食べる量にも気を付けなきゃ……
もはやちょっとしたピクニックと化しているお昼の時間がやってきた
05 新しい日常
春らしい陽気に包まれながら、私たちは中庭でお弁当を広げていた
「あ、この玉子焼きうま
これ作ったのこじゅ兄だな」
「ああ、朝から少し嬉しそうだったからな」
「玉子焼きが上手くいくとなーんか嬉しいんだよなぁ」
成実と綱元先輩の玉子焼き談義があったかと思うと
「幸村、それ本当に食べられるんだよね……?」
「む?
無論でござる、某の弁当は高校時代から変わらずこの三段重ねでござるぞ」
「胃袋どうなってんの」
「というか、親泰殿こそ、その量で足りるのでござろうか?
某の分を多少分けて差し上げても……」
「足ります!!
全然足ります!!」
なんていう、癒し空間が出来ていたりするわけで
そんな中で私はと言うと
「さ、お嬢様、お手を」
「手は自分で拭けます……」
「夕歌、今日はお前のために色々とおかずを用意してみたんだ
特にこの佃煮は自信作だぞ」
「かすが、それ絶対に一人前じゃないよね」
「Hey,honey.
こっちも自信作の玉子焼きだ、お前けっこう甘めが好きだろ」
「いや、そうですけど……
三人とも一回離れてもらっていいですか!!!」
「何を仰いますか!
この新倉和真、お嬢様のお傍を離れるなど!!」
「物理的に離れろっつってんですよ!!!」
私の両手を恭しくウェットシートで拭き上げる万能ポンコツ執事がいれば、左側には二人分はあろうかというおかずを敷き詰めた容器を手にする万能ポンコツ親友
そして右側には、玉子焼きを箸で持って「あーん」待ちの天才ポンコツ旦那
本当に誰か助けて
「佐助先輩と片倉先生が猛烈に欲しい……」
「Ah?
小十郎がいたってつまんねぇだけだろ」
「むしろ救世主です」
「私ではなく、猿飛佐助のほうがいいのか……?
私は……私は夕歌の一番の……!」
「そういう良心が痛む反応やめてもらっていいですかかすがさん」
「はい、拭き終わりましたお嬢様!!」
「今の今まで拭いてたんですか!?
ありがとうございます!!」
「ほら夕歌、あーん」
「締まりのない顔をどうにかしてくれませんかね!?」
本当に、誰か、助けて
この際もう元就先輩でもいい
観念して口を開いて、玉子焼きを食べる
……私好みの甘い味付けだ、なんて美味しい
「胃袋を掴まれてる気がする……」
「そりゃ僥倖」
「むぅ……」
とはいえ、政宗さんの料理に陥落済みなので、諦めて……というか、何でも許しちゃうんだよな
全部知ってるわけじゃないけど、政宗さんの過去は私も知ってる
だから……こうやって楽しそうに笑っているのを見ると、もういいや、って
「かすが、佃煮の横はなに?」
「これか?
これは新玉ねぎのナムルだ、美味しいぞ」
「食べる!」
「……夕歌、お前……」
「え、何ですか綱元先輩、いきなり」
成実とお弁当を食べていたと思っていた綱元先輩が、怪訝な顔をして私を見つめていた
何だろう、私ってばなんか変なことしたっけ
「お前……太ったんじゃないか?」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
言わずもがな、上から和真さん、かすが、政宗さんである
私はというと……
「………」
むに、と摘まめるお腹
剣道部で鍛えていた頃は、余分な脂肪がついていないくらいには鍛えていたのに
「……や、やだぁぁぁ!!!」
「あーまぁそりゃあ、太るよなぁ……
梵の料理って美味いし……」
「それもあるが、受験勉強に明け暮れていて剣道どころではなかっただろう?
運動不足が一番の原因だと思うぞ」
「は、春休み中は政宗さんに相手してもらってたのに……!」
「とは申しますが、春休みの間は、政宗様もご実家のお集まりや社交の場にお出向きすることが多かったですからね……」
「ま、まだ大丈夫だよ夕歌さん!
傍目からは分かんないから!!」
「そうでござる!
それに、怠けていたのならば、これから鍛え直せばよいだけのこと!
再来週からは剣道部としての活動が始まるとのことでござろう?
すぐに元通りでござる!」
うっうっ、と泣き崩れるのを政宗さんが抱き締めてくれる
その政宗さんも、「確かに柔らかくなったな……」と呟いたので、私の心に追い打ちをかけられてしまった
「でも、普通に見ても、細いうちだと思うんだけどなぁ……」
「だがショックなのは確かだぞ
乙女とはそういうものだ」
こ、こんなことになるんだったら、無理を言ってでも学院の剣道部の稽古に混ぜてもらうんだった……
確かに運動量は前よりだいぶ減ってるし……
これからは、食べる量にも気を付けなきゃ……
1/5ページ