47 側近候補現る?
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海での合宿も無事に終わり、大学の後期がスタート
なんとなくみんな、秋にある文化祭が頭にチラつき始めた九月の中旬
嵐は突如、我々の目の前にやってきたのである
……あ、いや、嵐と呼んでいいかは微妙だけど
47 側近候補現る?
いつものように部活を終えて帰宅しようとしたとき、新倉さんがわざわざ剣道場までやってきた
いつもなら駐車場で待機してくれているのに
さてはまたお義父さんが「寄っていけ」と言ってきたんだろうな
車は伊達組を乗せたまま本家へ
バカでかい日本家屋のお屋敷の前では、原田さんがお出迎えだ
「今度はいったい何だってんだ」
「悪いお話ではないようですよ
あ、ですが……政宗様にとっては、少し悪い話かもしれません」
「政宗さんにとっては?」
すい〜っと原田さんの視線が横に泳いでいく
小首を傾げつつ政宗さんを見上げると、なんとあの向かうところ敵無しの俺様が顔を青くしているではないか
少し悪い話どころか、天敵がやってきたくらいの反応してるぞ
私と政宗さんの背後で「ひょっとして」と囁いたのは、成実と綱元先輩だ
二人はこそこそと何かを言い合って、それからにんまりと──したのは成実で、綱元先輩はにっこりといい笑顔で──政宗さんを見ていた
なおのことわけが分からないまま、私達はお屋敷へと上がって、応接間へ
政宗さんが若干震えながら襖を開けると、お義父さんとお義母さんが顔を上げて
お義父さんは政宗さんを見て吹き出した
「ただいま帰りました……」
政宗さんの後ろから顔を出してお二人に挨拶をすると、テーブル越しに向かい合っている女の子に気が付いた
背をピンと伸ばして姿勢よくお茶を飲む姿は、さながら良家のご令嬢だ
その女の子が湯呑みをテーブルの受け皿に戻す
そうして手をついてこちらへ体を向け、三つ指をついて頭を下げた
持ち上げられた顔は、紛うことなき美少女だ
どことなくお義母さんに似た雰囲気がある
「ご無沙汰しておりますわ、政宗お従兄 様」
「政宗……お従兄様?」
「……駒」
苦々しい顔で政宗さんはそう呟いた
駒、とは?
女の子と目が合って、女の子が上品に微笑む
「そしてお初にお目にかかります、お従姉 様
わたくしは最上義光が娘、最上駒子と申します」
「こちらこそはじめまして
伊達政宗の妻の夕歌です
……お従姉様?」
聞き慣れない呼び名を繰り返してしまうと、駒子ちゃんはぱっと手で口元を押さえ、それから申し訳なさそうに眉尻を下げた
淑やかで奥ゆかしい女の子だ……私には一生かかっても真似できないぞ、この仕草
「お従兄様の奥様でいらっしゃいますから、お従姉様とお呼びしたのですけれど……
ご不快なようでしたら、改めますわ」
「い、いえいえ!
呼ばれたことがなくて戸惑っただけなので……!
ええと駒子……さんの好きなように呼んでいただいて」
「まぁ……でしたら、これからもお従姉様とお呼びさせていただきますわね
それからお従姉様、わたくしはお従姉様から見て二つ下の従妹です
敬語や敬称は不要ですわ
どうぞ駒とお呼びください」
そうは言われても、私自身、こんなにフレンドリーに接してくる親戚に会ったことがないせいで、本当に駒と呼び捨てでいいのかが分からない
でも駒子ちゃん自身はそう言ってくれているし……
「それじゃあ……駒ちゃん、でもいい?」
「構いませんわ、お従妹様のお好きなようにお呼びください」
「さて、挨拶はその辺でいいだろ
二人とも座れ」
お義父さんが口を挟んでくれたので、私と政宗さんは改めて駒ちゃんの隣に座ることにした
政宗さんが顔を青くした理由は分からず終いだ
……ひょっとして苦手なのかな、駒ちゃんのこと
すごく礼儀正しくていい子な感じがするのに
「……帰ってきてやがったのか」
「ええ、つい先日
酷うございますわよ、お従兄様
わたくし、お従兄様とお従妹様の結婚式に参列する気でしたのに」
「あんときゃお前、日本にいなかっただろうが……」
「招待をいただければ、一人でも日本に帰国するつもりでしたわ」
政宗さんが黙った
私の二つ下ということだから……今は十八歳の高校三年生か
日本にいなかったってことは、留学してたのかな?
「で、なんだって駒がここにいる?」
「ちょっとした顔合わせだ
なにせ夕歌ちゃんは駒と会ったことねぇだろ?
実はな、駒はこないだまでイギリスにいたんだよ」
「イギリスに!?」
「ええ、イギリスにおりました
実は三歳からイギリスにおりましたので、日本のことはさっぱり分かりませんわ
日本の慣習に従うつもりではありますけれど、もしマナーにそぐわぬことをした場合は、遠慮なくおっしゃってくださいましね
お従妹様のお顔に泥を塗るわけにはまいりませんもの」
綺麗な言葉遣いでそう言って、駒ちゃんが微笑む
日本のことは分からないといいつつ、日本在住歴二十年の私より作法が綺麗なんだなぁ
むしろ私が教えてもらうほうじゃない?
……とは言えず、私は駒ちゃんに向かって笑顔で頷いた
ボロが……ボロが出ないように気を付けないと……!!
なんとなくみんな、秋にある文化祭が頭にチラつき始めた九月の中旬
嵐は突如、我々の目の前にやってきたのである
……あ、いや、嵐と呼んでいいかは微妙だけど
47 側近候補現る?
いつものように部活を終えて帰宅しようとしたとき、新倉さんがわざわざ剣道場までやってきた
いつもなら駐車場で待機してくれているのに
さてはまたお義父さんが「寄っていけ」と言ってきたんだろうな
車は伊達組を乗せたまま本家へ
バカでかい日本家屋のお屋敷の前では、原田さんがお出迎えだ
「今度はいったい何だってんだ」
「悪いお話ではないようですよ
あ、ですが……政宗様にとっては、少し悪い話かもしれません」
「政宗さんにとっては?」
すい〜っと原田さんの視線が横に泳いでいく
小首を傾げつつ政宗さんを見上げると、なんとあの向かうところ敵無しの俺様が顔を青くしているではないか
少し悪い話どころか、天敵がやってきたくらいの反応してるぞ
私と政宗さんの背後で「ひょっとして」と囁いたのは、成実と綱元先輩だ
二人はこそこそと何かを言い合って、それからにんまりと──したのは成実で、綱元先輩はにっこりといい笑顔で──政宗さんを見ていた
なおのことわけが分からないまま、私達はお屋敷へと上がって、応接間へ
政宗さんが若干震えながら襖を開けると、お義父さんとお義母さんが顔を上げて
お義父さんは政宗さんを見て吹き出した
「ただいま帰りました……」
政宗さんの後ろから顔を出してお二人に挨拶をすると、テーブル越しに向かい合っている女の子に気が付いた
背をピンと伸ばして姿勢よくお茶を飲む姿は、さながら良家のご令嬢だ
その女の子が湯呑みをテーブルの受け皿に戻す
そうして手をついてこちらへ体を向け、三つ指をついて頭を下げた
持ち上げられた顔は、紛うことなき美少女だ
どことなくお義母さんに似た雰囲気がある
「ご無沙汰しておりますわ、政宗お
「政宗……お従兄様?」
「……駒」
苦々しい顔で政宗さんはそう呟いた
駒、とは?
女の子と目が合って、女の子が上品に微笑む
「そしてお初にお目にかかります、お
わたくしは最上義光が娘、最上駒子と申します」
「こちらこそはじめまして
伊達政宗の妻の夕歌です
……お従姉様?」
聞き慣れない呼び名を繰り返してしまうと、駒子ちゃんはぱっと手で口元を押さえ、それから申し訳なさそうに眉尻を下げた
淑やかで奥ゆかしい女の子だ……私には一生かかっても真似できないぞ、この仕草
「お従兄様の奥様でいらっしゃいますから、お従姉様とお呼びしたのですけれど……
ご不快なようでしたら、改めますわ」
「い、いえいえ!
呼ばれたことがなくて戸惑っただけなので……!
ええと駒子……さんの好きなように呼んでいただいて」
「まぁ……でしたら、これからもお従姉様とお呼びさせていただきますわね
それからお従姉様、わたくしはお従姉様から見て二つ下の従妹です
敬語や敬称は不要ですわ
どうぞ駒とお呼びください」
そうは言われても、私自身、こんなにフレンドリーに接してくる親戚に会ったことがないせいで、本当に駒と呼び捨てでいいのかが分からない
でも駒子ちゃん自身はそう言ってくれているし……
「それじゃあ……駒ちゃん、でもいい?」
「構いませんわ、お従妹様のお好きなようにお呼びください」
「さて、挨拶はその辺でいいだろ
二人とも座れ」
お義父さんが口を挟んでくれたので、私と政宗さんは改めて駒ちゃんの隣に座ることにした
政宗さんが顔を青くした理由は分からず終いだ
……ひょっとして苦手なのかな、駒ちゃんのこと
すごく礼儀正しくていい子な感じがするのに
「……帰ってきてやがったのか」
「ええ、つい先日
酷うございますわよ、お従兄様
わたくし、お従兄様とお従妹様の結婚式に参列する気でしたのに」
「あんときゃお前、日本にいなかっただろうが……」
「招待をいただければ、一人でも日本に帰国するつもりでしたわ」
政宗さんが黙った
私の二つ下ということだから……今は十八歳の高校三年生か
日本にいなかったってことは、留学してたのかな?
「で、なんだって駒がここにいる?」
「ちょっとした顔合わせだ
なにせ夕歌ちゃんは駒と会ったことねぇだろ?
実はな、駒はこないだまでイギリスにいたんだよ」
「イギリスに!?」
「ええ、イギリスにおりました
実は三歳からイギリスにおりましたので、日本のことはさっぱり分かりませんわ
日本の慣習に従うつもりではありますけれど、もしマナーにそぐわぬことをした場合は、遠慮なくおっしゃってくださいましね
お従妹様のお顔に泥を塗るわけにはまいりませんもの」
綺麗な言葉遣いでそう言って、駒ちゃんが微笑む
日本のことは分からないといいつつ、日本在住歴二十年の私より作法が綺麗なんだなぁ
むしろ私が教えてもらうほうじゃない?
……とは言えず、私は駒ちゃんに向かって笑顔で頷いた
ボロが……ボロが出ないように気を付けないと……!!
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