45 大集合・学院生徒会その二
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眼前に浮かぶは不気味に光る火の玉
恐怖で声も出ない私と親泰君を嘲笑うかのように、火の玉はゆらゆらと揺れている
今すぐギブアップを申告してもいいだろうか
親泰君が息をしていないので
45 大集合・学院生徒会その二
あわわわわ……と声が出ない私の隣で、親泰君が静かに意識を飛ばした
「ち、親泰君が寝てるー!?」
「親泰殿!!
お休みになるのは部屋へ戻ってからでござる!!」
「違う、恐怖で意識が飛んでるやつだこれ!!」
「親泰殿ぁぁぁ!!」
仲良しクインテット、阿鼻叫喚である
厳密にはあと一人がいないので、四人なんだけど
成実って怖いのは大丈夫なんだっけ……
「なんでお前ら、ここで固まってんだよ?」
「成実!」
「というか、夕歌と春日山さんはトップバッターだったはずじゃ……」
「夕歌がこれを前にして動けなくなってしまってな」
「これ?」
成実と登勢が首を傾げながら、行先でもある遊歩道を見やる
遊歩道は両脇に木々が立ち並んでいて、海沿いであることを忘れてしまうくらい、緑溢れる場所だ
……ただし、昼限定でという話だけど
今は怪しげな雰囲気を纏うのみならず、そこかしこに火の玉が浮かんでは揺れている
「……本格的だな」
「これ、吊り下げられてるだけだよ?」
「なんと、作り物であったとは!」
「だとしても普通に怖いじゃん!?」
「あー、それでホラー耐性がないお前と親泰は動けなくなった、と……」
今にも「ヒュードロドロ」と効果音が聞こえてきそうな空間だけれど、ここを通らなければゴールには辿り着けない
本当に恨むぞ!
この仕掛けを作ったのが、片倉先生なのか和真さんなのかは知らないけど!
「じゃあ夕歌は目ぇ閉じて歩けば?
かすがが手ぇ引いて歩いてくれるだろ」
「そうだね、それしかないかな?」
「親泰は……もう気絶してるし、幸村が背負っていけばいいんじゃね?」
「承知致し申したッ!
親泰殿、暫しの辛抱でござる!!」
「かすが、手ぇ離さないでね
絶対だからね!?」
「分かっている、死んでも離すものか」
ぎゅむっと目を閉じて、かすがの手を握り締める
そうして私はかすがに手を引かれながら、親泰君は幸村君に背負われて、火の玉が揺らめく遊歩道を突き抜けた
風のささめきと波の音、我々の足音が響く
ひ、ひぃ……静かすぎて全部の音が怖く聞こえる……
そもそもなんでこんなに静かなんだ、六人もいて
「なんか喋ろう!?」
「いやぁ、こういうのって喋らねぇほうがいいのかなって……」
「喋ってください!
お願いします!」
「必死か」
必死にもならぁ!
こちとら常に恐怖心と戦っとるんじゃい!
「あ〜、えっと……き、今日の晩メシ、どうだったよ?」
「とても美味しゅうござった!
伊達の皆々様は料理も得意でおられるとは、某、感服致し申した!」
「まぁ約一名除いてだけどな」
「結局、鬼庭綱元はどの程度の不得手さなんだ
お前たちと深く関わりがあるのに料理は壊滅的だというのは、些か信じがたいぞ」
「かすがなら知ってると思ったんだけどな
まぁ有り体に言えば、最終兵器っつーか……」
「それって、その……人が食べられるものではないってこと……?」
「簡単に言えばそう」
登勢が言葉を失ったのが雰囲気で分かった
私も直接見たことはないけど、綱元先輩の料理スキルはかなり壊滅的らしい
別邸でご飯を食べるってなると、綱元先輩は絶対にキッチンに行かないし、キッチン担当の従兄弟組と片倉先生も、綱元先輩を寄せ付けないし……
「亘理の……」
「登勢でいいよ、かすがさん
夕歌の親友なら、私の友人でもあるから」
「……では、登勢
お前は成実の手料理を食べたことはあったのか」
「手作りのお菓子なら、二、三度ほど
しっかり頂いたのは今回が初めてかな?
お誘いを受けて良かったなって思うよ」
「ま、俺と結婚したら、嫌でも俺の料理を食うことになるけどよ」
「私も頑張って料理を作れるようになるね!」
初々しいカップルの会話に空気が和みかけたところで、かすがが「目を開けていいぞ」と言ってくれた
遊歩道は緑の小路を抜けて、海沿いへと下りていく途中だ
ここまで来れば、ゴール地点のホテルももうすぐだ
「あーもうこれで大丈夫だ!
ありがとうかすが〜!」
「このくらいならお安い御用だ」
「親泰殿、親泰殿!
もう間もなくごぉるでござる!」
「う、うぅん……?」
幸村君の背中で、親泰君がようやく目を覚ました
良かった良かった
何はともあれ、これでみんなゴールだ
いやぁ火の玉なんて誰が考えたんだ、まったく
はぁぁ、と深いため息を吐き出したとき、かすががパッと背後を振り返った
全員がつられて後ろを見やる
そこには暗闇に浮かぶ鬼の顔が──
「悪い子はいねがーッ!!」
「ギャァァァ──ッ!!!」
「なまはげぇぇぇ!!?」
真っ先に叫んだ親泰君が再び気絶した
可哀想すぎる、私よりホラー耐性がない人なのに
なまはげと私の間にかすがが入って、鉛筆を指の間に挟み込む
「いや、つーか……何してんだ、お前?」
それより先に、成実がなまはげの肩をぽん、と叩いたのだった
恐怖で声も出ない私と親泰君を嘲笑うかのように、火の玉はゆらゆらと揺れている
今すぐギブアップを申告してもいいだろうか
親泰君が息をしていないので
45 大集合・学院生徒会その二
あわわわわ……と声が出ない私の隣で、親泰君が静かに意識を飛ばした
「ち、親泰君が寝てるー!?」
「親泰殿!!
お休みになるのは部屋へ戻ってからでござる!!」
「違う、恐怖で意識が飛んでるやつだこれ!!」
「親泰殿ぁぁぁ!!」
仲良しクインテット、阿鼻叫喚である
厳密にはあと一人がいないので、四人なんだけど
成実って怖いのは大丈夫なんだっけ……
「なんでお前ら、ここで固まってんだよ?」
「成実!」
「というか、夕歌と春日山さんはトップバッターだったはずじゃ……」
「夕歌がこれを前にして動けなくなってしまってな」
「これ?」
成実と登勢が首を傾げながら、行先でもある遊歩道を見やる
遊歩道は両脇に木々が立ち並んでいて、海沿いであることを忘れてしまうくらい、緑溢れる場所だ
……ただし、昼限定でという話だけど
今は怪しげな雰囲気を纏うのみならず、そこかしこに火の玉が浮かんでは揺れている
「……本格的だな」
「これ、吊り下げられてるだけだよ?」
「なんと、作り物であったとは!」
「だとしても普通に怖いじゃん!?」
「あー、それでホラー耐性がないお前と親泰は動けなくなった、と……」
今にも「ヒュードロドロ」と効果音が聞こえてきそうな空間だけれど、ここを通らなければゴールには辿り着けない
本当に恨むぞ!
この仕掛けを作ったのが、片倉先生なのか和真さんなのかは知らないけど!
「じゃあ夕歌は目ぇ閉じて歩けば?
かすがが手ぇ引いて歩いてくれるだろ」
「そうだね、それしかないかな?」
「親泰は……もう気絶してるし、幸村が背負っていけばいいんじゃね?」
「承知致し申したッ!
親泰殿、暫しの辛抱でござる!!」
「かすが、手ぇ離さないでね
絶対だからね!?」
「分かっている、死んでも離すものか」
ぎゅむっと目を閉じて、かすがの手を握り締める
そうして私はかすがに手を引かれながら、親泰君は幸村君に背負われて、火の玉が揺らめく遊歩道を突き抜けた
風のささめきと波の音、我々の足音が響く
ひ、ひぃ……静かすぎて全部の音が怖く聞こえる……
そもそもなんでこんなに静かなんだ、六人もいて
「なんか喋ろう!?」
「いやぁ、こういうのって喋らねぇほうがいいのかなって……」
「喋ってください!
お願いします!」
「必死か」
必死にもならぁ!
こちとら常に恐怖心と戦っとるんじゃい!
「あ〜、えっと……き、今日の晩メシ、どうだったよ?」
「とても美味しゅうござった!
伊達の皆々様は料理も得意でおられるとは、某、感服致し申した!」
「まぁ約一名除いてだけどな」
「結局、鬼庭綱元はどの程度の不得手さなんだ
お前たちと深く関わりがあるのに料理は壊滅的だというのは、些か信じがたいぞ」
「かすがなら知ってると思ったんだけどな
まぁ有り体に言えば、最終兵器っつーか……」
「それって、その……人が食べられるものではないってこと……?」
「簡単に言えばそう」
登勢が言葉を失ったのが雰囲気で分かった
私も直接見たことはないけど、綱元先輩の料理スキルはかなり壊滅的らしい
別邸でご飯を食べるってなると、綱元先輩は絶対にキッチンに行かないし、キッチン担当の従兄弟組と片倉先生も、綱元先輩を寄せ付けないし……
「亘理の……」
「登勢でいいよ、かすがさん
夕歌の親友なら、私の友人でもあるから」
「……では、登勢
お前は成実の手料理を食べたことはあったのか」
「手作りのお菓子なら、二、三度ほど
しっかり頂いたのは今回が初めてかな?
お誘いを受けて良かったなって思うよ」
「ま、俺と結婚したら、嫌でも俺の料理を食うことになるけどよ」
「私も頑張って料理を作れるようになるね!」
初々しいカップルの会話に空気が和みかけたところで、かすがが「目を開けていいぞ」と言ってくれた
遊歩道は緑の小路を抜けて、海沿いへと下りていく途中だ
ここまで来れば、ゴール地点のホテルももうすぐだ
「あーもうこれで大丈夫だ!
ありがとうかすが〜!」
「このくらいならお安い御用だ」
「親泰殿、親泰殿!
もう間もなくごぉるでござる!」
「う、うぅん……?」
幸村君の背中で、親泰君がようやく目を覚ました
良かった良かった
何はともあれ、これでみんなゴールだ
いやぁ火の玉なんて誰が考えたんだ、まったく
はぁぁ、と深いため息を吐き出したとき、かすががパッと背後を振り返った
全員がつられて後ろを見やる
そこには暗闇に浮かぶ鬼の顔が──
「悪い子はいねがーッ!!」
「ギャァァァ──ッ!!!」
「なまはげぇぇぇ!!?」
真っ先に叫んだ親泰君が再び気絶した
可哀想すぎる、私よりホラー耐性がない人なのに
なまはげと私の間にかすがが入って、鉛筆を指の間に挟み込む
「いや、つーか……何してんだ、お前?」
それより先に、成実がなまはげの肩をぽん、と叩いたのだった
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