33 アフターバレンタイン
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大したことないの一点張りで聞かない政宗さんを、喜多先生が叱り飛ばしたのが昨夜のこと
和真さんの車で我が家まで帰り着いた頃には、政宗さんはすっかり熱が出てしまっていた
私と政宗さんは同じ寝室で寝ているので、私に風邪が移るとまずい
そういうわけで、私はなんと
「お泊まり会in春日山家!」
「with俺!」
「某もおりまする!」
仲良し一組カルテット、集合である
ちなみに仲良しクインテットの一角を担う親泰くんは、男子バスケ部の冬合宿で集まれなかったため、不参加となった
33 アフターバレンタイン
「まさかここにきて、この四人でお泊まり会をすることになるとは……」
各々持ち寄ったお菓子を順に開けていきながら、私は思わず呟いてしまった
春を迎えれば付き合いも五年目になる我々だけれども、誰かの家に集まってお泊まり会はしたことがないのだ
一年の時の生徒会合宿はノーカンとする
「つーか、なんで俺らまで呼んだんだ?」
「む、成実殿は乗り気ではなかったのでござるか?」
「真っ先に『やろうぜ』って言ったの成実だったのに?」
「悪かったな!
ダチんちに集まって泊まるとか、ちょっとやってみたかったんだよ!」
「やってみたかったんだ」
「お前がそのような憧れを持っていたとはな
その純粋さは天性のものだと思うぞ」
「褒められてる気がしねぇんだけど、これはありがとうで合ってんのか?」
「合ってるんじゃない?
知らないけど」
「脳直で会話すんのやめてくれねぇ?」
私チョイスのポテチ(のり塩味)を食べながら、成実がコーラを飲んだ
幸村くんが佐助先輩謹製の和菓子三段詰めを持ってきた時はどうしようかと思ったけど、まあ四人もいればなんとかなるだろう
「や、こういう時は二人で女子会みたいになるもんなんじゃねーのかなって」
「えーだって、せっかく集まれる近さで住んでるんだしさぁ?
そりゃ集まりたいよね」
「私は夕歌と二人きりでも問題はなかったぞ
だが夕歌が楽しいと思えるのなら、そうすべきだと判断したまでだ」
「相変わらず清々しいくらい夕歌命だよな、かすがは」
「うむ!
お二人の友情は、まこと羨ましゅうござる!
某も、お二人のようになりたいものでござる!」
やはり幸村くんはこうでなくっちゃ……
この絶妙に理解の方向性が違う感じ、たまらなくツボなんだよね……
「政宗殿のご様子は大丈夫でござろうか?」
「うん、往診に来てもらったけど、疲れが溜まってたんだろうってさ」
「輝宗様にあっちこっち連れ回されてたもんなぁ
こじゅ兄も心配してたんだよ、梵のこと」
「独眼竜の世話は新倉和真が?」
「片倉先生がやってるよ
政宗さんの傍にいられて嬉しいって顔が言ってた」
「言ってた言ってた、こっち出る時から言ってた
梵が倒れたって聞いてから速攻で看病しに行く用意してたもんな
綱元なんか軽く引いてたぞ」
綱元先輩がその反応するって、相当だな
まあ何はともあれ、政宗さんのことは片倉先生に任せておけば問題ないって話で
片倉先生も政宗さんのお世話をしなくなってから、かなり暇そうだったというか、つまらなさそうだったというか
あの主従はとりわけ強い結びつきがあるから、政宗さんが弱っている時は片倉先生にいてほしい
「ということは、鬼庭は別邸に一人なのか」
「や、新倉がいるから二人だな
連れてきてないんだろ?」
「和真さん?
かすががいるから大丈夫かなって思って置いてきちゃった」
「大丈夫だ、安心しろ
私がいる限り、お前にはかすり傷ひとつ負わせないと約束しよう」
「頼もしい大親友!」
「一応は俺もそのつもりでいるしな
かすがほどじゃねぇけど、それなりに腕っぷしには自信あるしよ
……つーかまあ、春日山の敷地内でお前が怪我するような『何か』が起きることの方が大問題だけどよ」
「春日山は世界的にも有名な護衛役一家でござる
SPの輩出も多く、中には海外にて活躍する者もおられると聞いたことがございまする
現にかすが殿も上杉殿の護衛を任されておられる
お館様には佐助がおりまするゆえ、春日山の世話になったことはありませぬが、名の知れた家であればまず警備面は春日山に頼むのが常であると、兄上から聞いておりまする」
なるほど、つまりかすがの家は本当に強者揃いというわけか
こりゃ安心して爆睡できるな
「うちは春日山家に頼んでないんだよね
森口さんがおばあちゃんの秘書兼ボディガードで、私には和真さんって感じで」
「私がお前を守るのは大切な友人だからだ
雇用契約など必要ない
そのようなものがなくとも、私は私の名に懸けてお前を守ろう」
ポテチで汚れた私の指をウエットティッシュで丁寧に拭きながら、かすがは私にそう言った
良いんだけど、どうせまた汚れるんだよなぁ
しょっぱいものの次は甘いものと相場が決まっている
のり塩ポテチが終わりを告げ、次に選ばれたのは、コアラのアレだった
和真さんの車で我が家まで帰り着いた頃には、政宗さんはすっかり熱が出てしまっていた
私と政宗さんは同じ寝室で寝ているので、私に風邪が移るとまずい
そういうわけで、私はなんと
「お泊まり会in春日山家!」
「with俺!」
「某もおりまする!」
仲良し一組カルテット、集合である
ちなみに仲良しクインテットの一角を担う親泰くんは、男子バスケ部の冬合宿で集まれなかったため、不参加となった
33 アフターバレンタイン
「まさかここにきて、この四人でお泊まり会をすることになるとは……」
各々持ち寄ったお菓子を順に開けていきながら、私は思わず呟いてしまった
春を迎えれば付き合いも五年目になる我々だけれども、誰かの家に集まってお泊まり会はしたことがないのだ
一年の時の生徒会合宿はノーカンとする
「つーか、なんで俺らまで呼んだんだ?」
「む、成実殿は乗り気ではなかったのでござるか?」
「真っ先に『やろうぜ』って言ったの成実だったのに?」
「悪かったな!
ダチんちに集まって泊まるとか、ちょっとやってみたかったんだよ!」
「やってみたかったんだ」
「お前がそのような憧れを持っていたとはな
その純粋さは天性のものだと思うぞ」
「褒められてる気がしねぇんだけど、これはありがとうで合ってんのか?」
「合ってるんじゃない?
知らないけど」
「脳直で会話すんのやめてくれねぇ?」
私チョイスのポテチ(のり塩味)を食べながら、成実がコーラを飲んだ
幸村くんが佐助先輩謹製の和菓子三段詰めを持ってきた時はどうしようかと思ったけど、まあ四人もいればなんとかなるだろう
「や、こういう時は二人で女子会みたいになるもんなんじゃねーのかなって」
「えーだって、せっかく集まれる近さで住んでるんだしさぁ?
そりゃ集まりたいよね」
「私は夕歌と二人きりでも問題はなかったぞ
だが夕歌が楽しいと思えるのなら、そうすべきだと判断したまでだ」
「相変わらず清々しいくらい夕歌命だよな、かすがは」
「うむ!
お二人の友情は、まこと羨ましゅうござる!
某も、お二人のようになりたいものでござる!」
やはり幸村くんはこうでなくっちゃ……
この絶妙に理解の方向性が違う感じ、たまらなくツボなんだよね……
「政宗殿のご様子は大丈夫でござろうか?」
「うん、往診に来てもらったけど、疲れが溜まってたんだろうってさ」
「輝宗様にあっちこっち連れ回されてたもんなぁ
こじゅ兄も心配してたんだよ、梵のこと」
「独眼竜の世話は新倉和真が?」
「片倉先生がやってるよ
政宗さんの傍にいられて嬉しいって顔が言ってた」
「言ってた言ってた、こっち出る時から言ってた
梵が倒れたって聞いてから速攻で看病しに行く用意してたもんな
綱元なんか軽く引いてたぞ」
綱元先輩がその反応するって、相当だな
まあ何はともあれ、政宗さんのことは片倉先生に任せておけば問題ないって話で
片倉先生も政宗さんのお世話をしなくなってから、かなり暇そうだったというか、つまらなさそうだったというか
あの主従はとりわけ強い結びつきがあるから、政宗さんが弱っている時は片倉先生にいてほしい
「ということは、鬼庭は別邸に一人なのか」
「や、新倉がいるから二人だな
連れてきてないんだろ?」
「和真さん?
かすががいるから大丈夫かなって思って置いてきちゃった」
「大丈夫だ、安心しろ
私がいる限り、お前にはかすり傷ひとつ負わせないと約束しよう」
「頼もしい大親友!」
「一応は俺もそのつもりでいるしな
かすがほどじゃねぇけど、それなりに腕っぷしには自信あるしよ
……つーかまあ、春日山の敷地内でお前が怪我するような『何か』が起きることの方が大問題だけどよ」
「春日山は世界的にも有名な護衛役一家でござる
SPの輩出も多く、中には海外にて活躍する者もおられると聞いたことがございまする
現にかすが殿も上杉殿の護衛を任されておられる
お館様には佐助がおりまするゆえ、春日山の世話になったことはありませぬが、名の知れた家であればまず警備面は春日山に頼むのが常であると、兄上から聞いておりまする」
なるほど、つまりかすがの家は本当に強者揃いというわけか
こりゃ安心して爆睡できるな
「うちは春日山家に頼んでないんだよね
森口さんがおばあちゃんの秘書兼ボディガードで、私には和真さんって感じで」
「私がお前を守るのは大切な友人だからだ
雇用契約など必要ない
そのようなものがなくとも、私は私の名に懸けてお前を守ろう」
ポテチで汚れた私の指をウエットティッシュで丁寧に拭きながら、かすがは私にそう言った
良いんだけど、どうせまた汚れるんだよなぁ
しょっぱいものの次は甘いものと相場が決まっている
のり塩ポテチが終わりを告げ、次に選ばれたのは、コアラのアレだった
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