31 ハッピーバレンタインデー準備
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バレンタイン――それは女と男の戦い
意中の男性へ贈るため、丹精込めて手作りするも良し
お洒落なパッケージや見た目のチョコレートを買うも良し
想いを乗せてあの人へ
意中のあの子から貰えるのか
ドキドキで甘酸っぱい一日がやってくる!
31 ハッピーバレンタインデー準備
「バレンタインかぁ……
忘れてたな……」
「そうなのか?
夕歌らしくないな」
「いやぁ、最近忙しくて……」
後期試験最終日、全ての試験を終えた私達の前に現れたのは、バレンタインデーだった
仲良しカルテットで唯一女子の私とかすが
必然的に敏感になるのは仕方ない
「かすがは上杉先生に渡すの?」
「無論だ、既に何を作るかも決めている
試験も終わったので、明日から試作に入る予定だ」
「手作りするんだ?
うーん、やっぱり私も作ったほうがいいかなぁ……」
「独眼竜に渡すのだろう?
奴は夕歌が作ったものなら、何でも喜ぶぞ」
そうだとは思うんだけど……
いまいち踏み切れないのには理由がある
……政宗さん自身が、パティシエ顔負けの腕前を持つからだ
私の作ったものなんか、素人同然
政宗さんの作るものとは比べ物にならない
「まあ、相手は梵だもんな……」
私の悩みを理解してくれている成実が、苦笑いを浮かべた
こっちも料理は上手いけど、スイーツを作ったところは見たことないな
「成実はスイーツ作ったりしないよね」
「言われてみりゃ、やったことねぇな
いっつも梵が作ってるから、自然とそっちには足を踏み入れねぇようにしてたのかもなー」
「ジャンル分けって大事だよね」
政宗さんは何でも作れるけど、普段の料理は片倉先生や成実の仕事だ
政宗さんが別邸から移り住んだ今となっては、料理の頻度も高くなったと言っていた
とはいえ、あのメンツだったらスイーツを作ろうとする人もいないだろうな……
「……政宗殿が相手では、何か不都合があるのでござろうか?」
「え、うーん……」
「好きな人にせっかく作るなら、美味しいって思ってもらいたいけど、政宗さん本人が恐ろしく料理上手だからね
本人が作るもののほうが、圧倒的に見た目も味も上だから、手作りで渡すのを躊躇っちゃうんだよ」
「解説ありがとう、親泰くん」
「夕歌のメンタルが代わりにちょっとばかし削られたけどな」
「言わなくていいんだよ、余計なことは!!」
「いっでぇ!!」
成実の背中をバシーン!と叩く
思いのほか痛そうな音が出てしまった
さすがにちょっとごめん
「某には、ばれんたいんのことはよく分かりませぬが……
政宗殿のことでござる、貴殿からいただけるだけで喜ばれるのではござらんか?」
「それは……そうだと思う、けど」
「そもそも、今までのバレンタインはどうしていたんだ?」
「……校内模試の勉強に追われてたから、作れなくて」
「あー……」
全員が微妙な顔をした
みんなはともかく、私は特待生だったから首席を取らなくてはならなくて
政宗さんも状況は分かっていたから、バレンタインで何もあげられなくても文句は言わなかった
三年の時は受験でそれどころじゃなかったし……
だから今年が初めて渡すバレンタインなのだ
「初めてのバレンタインくらいは手作りしたいと思うじゃん?
でも作ったら作ったで、見た目も味も普通だし、政宗さんみたいにお洒落なスイーツとはならないし!
うわーん、もうどうしたらいいのー!?」
「料理が出来すぎる相手を持つと大変だね……」
私の嘆きに親泰くんが同情してくれた
でも解決策は無いらしい
校舎を抜けて駐車場が見えてくると、既に和真さんが車の前でスタンバイしていた
「お疲れ様でした、皆様
もうお帰りになりますか?」
「……あぁぁぁ!!」
和真さんの顔を見た瞬間にその考えが浮かんだ
いるじゃん、ここに!!
政宗さん顔負けの、プロ級の腕を持つ人が!!
「和真さん!!」
「は、はい」
「私にお洒落なチョコの作り方を教えてください!!」
「お嬢様のためなら喜んで!」
とてもいい笑顔だった
さすが私のシンパ二号だ……
ともあれチョコ作りの最初の関門はクリアだ
あとは、春休み中はお義父さんの付き添いなんかで忙しくなる政宗さんの隙を狙って、こっそりチョコを作るだけだ
頑張るぞ、チョコ作り!
意中の男性へ贈るため、丹精込めて手作りするも良し
お洒落なパッケージや見た目のチョコレートを買うも良し
想いを乗せてあの人へ
意中のあの子から貰えるのか
ドキドキで甘酸っぱい一日がやってくる!
31 ハッピーバレンタインデー準備
「バレンタインかぁ……
忘れてたな……」
「そうなのか?
夕歌らしくないな」
「いやぁ、最近忙しくて……」
後期試験最終日、全ての試験を終えた私達の前に現れたのは、バレンタインデーだった
仲良しカルテットで唯一女子の私とかすが
必然的に敏感になるのは仕方ない
「かすがは上杉先生に渡すの?」
「無論だ、既に何を作るかも決めている
試験も終わったので、明日から試作に入る予定だ」
「手作りするんだ?
うーん、やっぱり私も作ったほうがいいかなぁ……」
「独眼竜に渡すのだろう?
奴は夕歌が作ったものなら、何でも喜ぶぞ」
そうだとは思うんだけど……
いまいち踏み切れないのには理由がある
……政宗さん自身が、パティシエ顔負けの腕前を持つからだ
私の作ったものなんか、素人同然
政宗さんの作るものとは比べ物にならない
「まあ、相手は梵だもんな……」
私の悩みを理解してくれている成実が、苦笑いを浮かべた
こっちも料理は上手いけど、スイーツを作ったところは見たことないな
「成実はスイーツ作ったりしないよね」
「言われてみりゃ、やったことねぇな
いっつも梵が作ってるから、自然とそっちには足を踏み入れねぇようにしてたのかもなー」
「ジャンル分けって大事だよね」
政宗さんは何でも作れるけど、普段の料理は片倉先生や成実の仕事だ
政宗さんが別邸から移り住んだ今となっては、料理の頻度も高くなったと言っていた
とはいえ、あのメンツだったらスイーツを作ろうとする人もいないだろうな……
「……政宗殿が相手では、何か不都合があるのでござろうか?」
「え、うーん……」
「好きな人にせっかく作るなら、美味しいって思ってもらいたいけど、政宗さん本人が恐ろしく料理上手だからね
本人が作るもののほうが、圧倒的に見た目も味も上だから、手作りで渡すのを躊躇っちゃうんだよ」
「解説ありがとう、親泰くん」
「夕歌のメンタルが代わりにちょっとばかし削られたけどな」
「言わなくていいんだよ、余計なことは!!」
「いっでぇ!!」
成実の背中をバシーン!と叩く
思いのほか痛そうな音が出てしまった
さすがにちょっとごめん
「某には、ばれんたいんのことはよく分かりませぬが……
政宗殿のことでござる、貴殿からいただけるだけで喜ばれるのではござらんか?」
「それは……そうだと思う、けど」
「そもそも、今までのバレンタインはどうしていたんだ?」
「……校内模試の勉強に追われてたから、作れなくて」
「あー……」
全員が微妙な顔をした
みんなはともかく、私は特待生だったから首席を取らなくてはならなくて
政宗さんも状況は分かっていたから、バレンタインで何もあげられなくても文句は言わなかった
三年の時は受験でそれどころじゃなかったし……
だから今年が初めて渡すバレンタインなのだ
「初めてのバレンタインくらいは手作りしたいと思うじゃん?
でも作ったら作ったで、見た目も味も普通だし、政宗さんみたいにお洒落なスイーツとはならないし!
うわーん、もうどうしたらいいのー!?」
「料理が出来すぎる相手を持つと大変だね……」
私の嘆きに親泰くんが同情してくれた
でも解決策は無いらしい
校舎を抜けて駐車場が見えてくると、既に和真さんが車の前でスタンバイしていた
「お疲れ様でした、皆様
もうお帰りになりますか?」
「……あぁぁぁ!!」
和真さんの顔を見た瞬間にその考えが浮かんだ
いるじゃん、ここに!!
政宗さん顔負けの、プロ級の腕を持つ人が!!
「和真さん!!」
「は、はい」
「私にお洒落なチョコの作り方を教えてください!!」
「お嬢様のためなら喜んで!」
とてもいい笑顔だった
さすが私のシンパ二号だ……
ともあれチョコ作りの最初の関門はクリアだ
あとは、春休み中はお義父さんの付き添いなんかで忙しくなる政宗さんの隙を狙って、こっそりチョコを作るだけだ
頑張るぞ、チョコ作り!
1/4ページ