26 続・合宿は突然に
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その夜、食堂には腹を空かせた剣道部員が全員集合した
心得たと言わんばかりに山積みの爆弾おにぎりが大皿に山盛りで現れると、私を含めた全員が手に取り、ものの十数分でおにぎりは姿を消した
その様たるや、料理長に「山賊のようだった」と評される程だったとか何とか
山賊は例えが野蛮すぎない?
26 続・合宿は突然に
翌朝、早朝六時
アラームが爆音で鳴って、強制的に目が覚めた
政宗さんの手がスマホを手繰り寄せてアラームを止める
そうして起き上がって
「Hey,honey.
Wake up……」
眠そ〜な声で起こしに来たなぁ……
多分、政宗さんも目が開いてないんだろう
ベッドの照明を手で探っているのか、もぞもぞと身動きしているのが分かる
「んん……起きます……起きますから……」
あと一分だけ寝かせてくれ……
もぞ、と布団にくるまった瞬間
「Wake up!」
そんな声と共に布団が持っていかれた
さ、寒い……
「着替えて顔洗って食堂行くぞ
抱きかかえて連れて行くのがお望みか?」
「うん……」
何言ってるかよく分からないけど、とりあえず起きようと思う気持ちはあるので、ちょっと待ってもらって……
どうにかこうにか腕をついてちょっとだけ体を起こす
すると何故か体が持ち上げられた
「……おわっ」
「ったく、わがままなお姫様だな」
頭上からそんな声が降ってくる
怒ってはいないようなので、そのまま目を閉じておいた
「ああ、政宗様にお嬢様
おはようございます」
「Good morning.
とりあえず夕歌の用意をしてやってくれ」
いつの間にやらリビングへ移動していたようで、和真さんの声がする
何かに座らせられた私の元へ、失礼しますと和真さんの声が聞こえてきた
「タオルでお顔を拭きますね」
「んー……?」
「っふふ、ここまで眠たそうなお嬢様は初めてです
お可愛らしいですね」
ちょうどいい塩梅で温かいタオルが顔に当てられる
そうして全体的に拭われると、ようやく私の目も覚めてきた
「……あ、おはようございます和真さん」
「おはようございます
ようやくお目覚めですね
まずはお顔を洗いましょうか」
洗面所に向かって、洗顔をする
それから化粧水とか色々を和真さんがコットンでつけていった
一日のほとんどを面をつけたままだし、このめちゃくちゃ寒い冬でも汗ダラダラなので、化粧なんてするだけ無駄なのだ
おかげで今をときめく花の女子大生なのに、女子剣道部は全員きれいにすっぴんだ
「昨日の夜の夜食タイムが尾を引いてる気がする……」
「政宗様が気を利かせて、料理長におにぎりを山のように作らせていたとか」
「そうなんです
その山のようにあったおにぎりも、ものの二十分で消えたんですけど……」
でもやっぱり女の子よりも男の子の方が食べる量が多かった
だから「食わせ続けろ」という政宗さんの指示は間違っていなかったのだ
ほとんどの部員が夜に空腹を感じて食堂に集まり、結果、深夜一時までお喋り大会になってしまった
おかげで眠気がまだその辺にいる
「目を閉じたら眠れる気がする」
「寝たらKissで起こしてやるよ
そのつもりで寝るんだな」
「……」
この人、羞恥とかいう感情をお持ちでないんだろうか
人前でキスなんて私にはハードルが高すぎる
絶対に寝ないようにしなければ
「ふぁ……ふ」
とは言っても眠いものは眠い
一瞬だけカクン、と舟を漕いだ瞬間
「言ったそばから寝るたぁ、いい度胸だ」
「うぁ!?
ち、違います今のは――」
政宗さんが容赦なく唇を塞いできた
触れるだけのそれじゃなくて、何度も重ねて、離れる度にちゅ、と音がする
離れようと政宗さんの体を押してもビクともしない
息が続かなくなって口を開けると、生温かいものが口内に侵入してきた
「――んぅっ!?」
引っ込みかけた舌を追いかけて絡め取られる
絶えず聞こえてくる水音に脳がキャパオーバーを訴えてきた
じゅる、と舌を吸って政宗さんが離れていく
な、なんて……エロいキスを……
この人もしかして童貞じゃなかったりするの?
それはそれで傷つくけど、でもこんなキスをする人が女の人を一人も抱いたことないのは、それもそれで違和感ある
「続きはまたの機会に、な」
「ひゃう……っ!」
耳元で囁かれた声にも過剰に反応してしまって、自分を恨みたくなった
おかげで目は覚めたけど……
なんだろう、体が熱くなってしまって仕方ない
こんな大人のキスなんて知らない私は、「政宗さんのばか……」と弱々しく言い返すことしかできなかった
本当にもう、この人は!!
心得たと言わんばかりに山積みの爆弾おにぎりが大皿に山盛りで現れると、私を含めた全員が手に取り、ものの十数分でおにぎりは姿を消した
その様たるや、料理長に「山賊のようだった」と評される程だったとか何とか
山賊は例えが野蛮すぎない?
26 続・合宿は突然に
翌朝、早朝六時
アラームが爆音で鳴って、強制的に目が覚めた
政宗さんの手がスマホを手繰り寄せてアラームを止める
そうして起き上がって
「Hey,honey.
Wake up……」
眠そ〜な声で起こしに来たなぁ……
多分、政宗さんも目が開いてないんだろう
ベッドの照明を手で探っているのか、もぞもぞと身動きしているのが分かる
「んん……起きます……起きますから……」
あと一分だけ寝かせてくれ……
もぞ、と布団にくるまった瞬間
「Wake up!」
そんな声と共に布団が持っていかれた
さ、寒い……
「着替えて顔洗って食堂行くぞ
抱きかかえて連れて行くのがお望みか?」
「うん……」
何言ってるかよく分からないけど、とりあえず起きようと思う気持ちはあるので、ちょっと待ってもらって……
どうにかこうにか腕をついてちょっとだけ体を起こす
すると何故か体が持ち上げられた
「……おわっ」
「ったく、わがままなお姫様だな」
頭上からそんな声が降ってくる
怒ってはいないようなので、そのまま目を閉じておいた
「ああ、政宗様にお嬢様
おはようございます」
「Good morning.
とりあえず夕歌の用意をしてやってくれ」
いつの間にやらリビングへ移動していたようで、和真さんの声がする
何かに座らせられた私の元へ、失礼しますと和真さんの声が聞こえてきた
「タオルでお顔を拭きますね」
「んー……?」
「っふふ、ここまで眠たそうなお嬢様は初めてです
お可愛らしいですね」
ちょうどいい塩梅で温かいタオルが顔に当てられる
そうして全体的に拭われると、ようやく私の目も覚めてきた
「……あ、おはようございます和真さん」
「おはようございます
ようやくお目覚めですね
まずはお顔を洗いましょうか」
洗面所に向かって、洗顔をする
それから化粧水とか色々を和真さんがコットンでつけていった
一日のほとんどを面をつけたままだし、このめちゃくちゃ寒い冬でも汗ダラダラなので、化粧なんてするだけ無駄なのだ
おかげで今をときめく花の女子大生なのに、女子剣道部は全員きれいにすっぴんだ
「昨日の夜の夜食タイムが尾を引いてる気がする……」
「政宗様が気を利かせて、料理長におにぎりを山のように作らせていたとか」
「そうなんです
その山のようにあったおにぎりも、ものの二十分で消えたんですけど……」
でもやっぱり女の子よりも男の子の方が食べる量が多かった
だから「食わせ続けろ」という政宗さんの指示は間違っていなかったのだ
ほとんどの部員が夜に空腹を感じて食堂に集まり、結果、深夜一時までお喋り大会になってしまった
おかげで眠気がまだその辺にいる
「目を閉じたら眠れる気がする」
「寝たらKissで起こしてやるよ
そのつもりで寝るんだな」
「……」
この人、羞恥とかいう感情をお持ちでないんだろうか
人前でキスなんて私にはハードルが高すぎる
絶対に寝ないようにしなければ
「ふぁ……ふ」
とは言っても眠いものは眠い
一瞬だけカクン、と舟を漕いだ瞬間
「言ったそばから寝るたぁ、いい度胸だ」
「うぁ!?
ち、違います今のは――」
政宗さんが容赦なく唇を塞いできた
触れるだけのそれじゃなくて、何度も重ねて、離れる度にちゅ、と音がする
離れようと政宗さんの体を押してもビクともしない
息が続かなくなって口を開けると、生温かいものが口内に侵入してきた
「――んぅっ!?」
引っ込みかけた舌を追いかけて絡め取られる
絶えず聞こえてくる水音に脳がキャパオーバーを訴えてきた
じゅる、と舌を吸って政宗さんが離れていく
な、なんて……エロいキスを……
この人もしかして童貞じゃなかったりするの?
それはそれで傷つくけど、でもこんなキスをする人が女の人を一人も抱いたことないのは、それもそれで違和感ある
「続きはまたの機会に、な」
「ひゃう……っ!」
耳元で囁かれた声にも過剰に反応してしまって、自分を恨みたくなった
おかげで目は覚めたけど……
なんだろう、体が熱くなってしまって仕方ない
こんな大人のキスなんて知らない私は、「政宗さんのばか……」と弱々しく言い返すことしかできなかった
本当にもう、この人は!!
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