02 大宴会・前
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入学式を終え、ガイダンスも終わり
さて本家に帰れば、入学祝いの宴会です
02 大宴会・前
「──納得がいかない!!」
そう言って手の中で紙を握りつぶしたのは、例によってかすが
「落ち着けってかすがー」
そうとりなすのは例の如く成実
何を隠そう、このやり取りはすでに五回行われている
「落ち着けるものか!
何故っ!?
何故私と夕歌が違うクラスなんだ!?」
「まぁ、学籍番号で振り分けられてるからねー」
「夕歌は私がいなくて寂しいだろう?」
「めっちゃ寂しい」
「夕歌……!
安心しろ、講義が終わればお前の元へ飛んでいく!」
本当に飛んで来そうで怖いよこの子
「お前ってほんと……かすがの扱い分かってるよな……」
「まぁ四年目の付き合いだしね……
でもちょっと寂しいのはほんと」
そう言うと、成実は少し目を丸くして「へぇ」と双眸を緩めた
その見守るような視線をやめろと
「でもあれだね、大学でも少人数で講義するんだね」
「らしいなー
っつっても、必修の英語だけだろ?
週に二回だけだし、残りの講義は一緒に受けようぜ」
「そうでござるな!
某もお三方とご一緒できれば、これほど心強いものはござらん!」
「……そう言えば、幸村はどうして佐助先輩と同じ内部進学にしなかったんだ?」
親泰君の疑問は私も感じていて、でも聞いちゃいけないかなと思って聞かなかった
幸村君はそう聞かれて、「ああ」と苦笑いを浮かべ
「佐助から自立せねばと思い……」
「自立……」
「まさかあの真田幸村から自立という言葉が聞けるとは思わなかったぞ」
かすが、それは思ってても言っちゃダメなやつ……!!
私もちょっと思ったけど!
「ま、いいんじゃねーの?
いつまでも佐助に抱っこにおんぶじゃ、いざって時どうしようもないしな」
「お二人はその逆でござるな
政宗殿と同じように、こちらへご入学されたでござろう?」
「成実はそうだけど、私はちょっと違うかな」
駐車場が見えて、運転席に座っていた和真さんが降りてきた
相変わらず視力すごいなあの人
こっちからはようやく駐車場が見えたってくらいなのに……
「もちろん政宗……先輩と同じ目線で物事を見なきゃって思いはあるんだけど
ここ、私のお父さんが教授として在籍してた大学なの
だから政宗、先輩がここを受験するって知って、ちょっと嬉しかったんだよね」
「そっか、親父さん明政の教授だったもんな」
まぁ、それももう五年前の話だ
お父さんが担当していた講義も、もう別の先生が担当しているだろうし
ここには、お父さんがいた形跡はないだろうけど
……もしお父さんが生きていたら、お父さんの講義受けてみたかったな、なんて
「ま、それはそれとして……
お前の梵の呼び方どうにかなんねぇ?」
「へ?」
「気になるんだよ!
政宗と先輩の間のワンクッションが!なんか!気になる!」
「だ、だってー!!
普段は政宗さんって呼んでるから!!」
「じゃあもうそれでいいじゃねぇか!
なんで変える必要があんだよ!?」
「いや何となく……
普段と大学はさすがに変えた方が良いのかなーって……」
それに、私たちの業界の人間なら私と政宗さんが夫婦なのは知ってるけど
そうじゃない一般人はそんなの知らないしね
「あーうー……
つーか俺思ったこと言っていい?」
「え、はいどうぞ」
「どうせバレるの時間の問題」
「えっ」
「お前と梵が一緒にいて、んで左手に指輪してんじゃん
それでバレないほうがおかしくねぇか……?」
「確かに……」
ど、どうしようこれ外してた方がいいかな!?
いやでも失くした時が怖いな!?
「ふふ、賑やかでいらっしゃいますね」
「あ、和真さん」
「政宗様よりご連絡が
皆様を本家でお待ちしているとのことでございます」
「え、それって、俺も……ですか?」
「はい
親泰様も、でございます」
「え、ええ……!?
何だか逆に申し訳ないです……
どうせ兄も押し掛けてるんでしょうし……」
親泰君の胃痛は今年も治まるところを見せない……
頑張れ親泰君……
来た時と同じように車に乗り込んで、本家へ
本家まで戻る道の中で、私たちの話題はもっぱらサークルの話だった
私と成実は、政宗先輩と綱元先輩がいる剣道部に入るつもりだけど
かすがと親泰君はどうするんだろう
「私はサークルは入るつもりはない」
「え、かすがサークル入らないの?」
「ああ
色々と私も忙しくなってな」
「家業的に?」
「まあそんなところだ」
かすがの家はスパイ活動を主な生業にしている家
だから、色々とあるんだろう──かすがも将来は家業を継ぐんだろうし
さて本家に帰れば、入学祝いの宴会です
02 大宴会・前
「──納得がいかない!!」
そう言って手の中で紙を握りつぶしたのは、例によってかすが
「落ち着けってかすがー」
そうとりなすのは例の如く成実
何を隠そう、このやり取りはすでに五回行われている
「落ち着けるものか!
何故っ!?
何故私と夕歌が違うクラスなんだ!?」
「まぁ、学籍番号で振り分けられてるからねー」
「夕歌は私がいなくて寂しいだろう?」
「めっちゃ寂しい」
「夕歌……!
安心しろ、講義が終わればお前の元へ飛んでいく!」
本当に飛んで来そうで怖いよこの子
「お前ってほんと……かすがの扱い分かってるよな……」
「まぁ四年目の付き合いだしね……
でもちょっと寂しいのはほんと」
そう言うと、成実は少し目を丸くして「へぇ」と双眸を緩めた
その見守るような視線をやめろと
「でもあれだね、大学でも少人数で講義するんだね」
「らしいなー
っつっても、必修の英語だけだろ?
週に二回だけだし、残りの講義は一緒に受けようぜ」
「そうでござるな!
某もお三方とご一緒できれば、これほど心強いものはござらん!」
「……そう言えば、幸村はどうして佐助先輩と同じ内部進学にしなかったんだ?」
親泰君の疑問は私も感じていて、でも聞いちゃいけないかなと思って聞かなかった
幸村君はそう聞かれて、「ああ」と苦笑いを浮かべ
「佐助から自立せねばと思い……」
「自立……」
「まさかあの真田幸村から自立という言葉が聞けるとは思わなかったぞ」
かすが、それは思ってても言っちゃダメなやつ……!!
私もちょっと思ったけど!
「ま、いいんじゃねーの?
いつまでも佐助に抱っこにおんぶじゃ、いざって時どうしようもないしな」
「お二人はその逆でござるな
政宗殿と同じように、こちらへご入学されたでござろう?」
「成実はそうだけど、私はちょっと違うかな」
駐車場が見えて、運転席に座っていた和真さんが降りてきた
相変わらず視力すごいなあの人
こっちからはようやく駐車場が見えたってくらいなのに……
「もちろん政宗……先輩と同じ目線で物事を見なきゃって思いはあるんだけど
ここ、私のお父さんが教授として在籍してた大学なの
だから政宗、先輩がここを受験するって知って、ちょっと嬉しかったんだよね」
「そっか、親父さん明政の教授だったもんな」
まぁ、それももう五年前の話だ
お父さんが担当していた講義も、もう別の先生が担当しているだろうし
ここには、お父さんがいた形跡はないだろうけど
……もしお父さんが生きていたら、お父さんの講義受けてみたかったな、なんて
「ま、それはそれとして……
お前の梵の呼び方どうにかなんねぇ?」
「へ?」
「気になるんだよ!
政宗と先輩の間のワンクッションが!なんか!気になる!」
「だ、だってー!!
普段は政宗さんって呼んでるから!!」
「じゃあもうそれでいいじゃねぇか!
なんで変える必要があんだよ!?」
「いや何となく……
普段と大学はさすがに変えた方が良いのかなーって……」
それに、私たちの業界の人間なら私と政宗さんが夫婦なのは知ってるけど
そうじゃない一般人はそんなの知らないしね
「あーうー……
つーか俺思ったこと言っていい?」
「え、はいどうぞ」
「どうせバレるの時間の問題」
「えっ」
「お前と梵が一緒にいて、んで左手に指輪してんじゃん
それでバレないほうがおかしくねぇか……?」
「確かに……」
ど、どうしようこれ外してた方がいいかな!?
いやでも失くした時が怖いな!?
「ふふ、賑やかでいらっしゃいますね」
「あ、和真さん」
「政宗様よりご連絡が
皆様を本家でお待ちしているとのことでございます」
「え、それって、俺も……ですか?」
「はい
親泰様も、でございます」
「え、ええ……!?
何だか逆に申し訳ないです……
どうせ兄も押し掛けてるんでしょうし……」
親泰君の胃痛は今年も治まるところを見せない……
頑張れ親泰君……
来た時と同じように車に乗り込んで、本家へ
本家まで戻る道の中で、私たちの話題はもっぱらサークルの話だった
私と成実は、政宗先輩と綱元先輩がいる剣道部に入るつもりだけど
かすがと親泰君はどうするんだろう
「私はサークルは入るつもりはない」
「え、かすがサークル入らないの?」
「ああ
色々と私も忙しくなってな」
「家業的に?」
「まあそんなところだ」
かすがの家はスパイ活動を主な生業にしている家
だから、色々とあるんだろう──かすがも将来は家業を継ぐんだろうし
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