第七話 退却
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
降り立ったくノ一と距離を取る
まさか、画面越しに「うひょー!かすがちゃん可愛いー!!」と騒いでいたそのご本人と、殺意マシマシで向き合うことになろうとは
人生とは、何があるか分からない……
「……あなたが、越後の忍び?」
「いかにも
お前は?」
「伊達軍、奥州筆頭の妹・夕華」
「先日見つかったという分家の姫か」
話が広まるのが早いことで
いや、この人たち忍びなら、そのあたりの情報はすぐに把握できるんだろうけど
「まさか出陣していたとはな、場数を踏んだことの無い素人同然の姫が
……だが、私の邪魔をするのならば、お前を倒すしかない」
「ごめんなさい、ここは伊達の本陣
私はここを守りきる義務がある
だから、私はあなたに倒される訳にはいきません!」
啖呵を切って薙刀を構える
「それがお前の覚悟か
──ならば、私も相応の覚悟でもって挑もう!」
「いざ──参る!!」
張り詰めた空気、今まで経験してきた試合よりも、ずっと肌を刺すほどの緊張感
そして──
* * *
「筆頭ぉぉぉ!!!」
「!!」
上杉の雑兵を吹き飛ばし、さらに進軍しようと足を進めかけた時
背後から切羽詰まった声が聞こえた
「た、たた、大変です!
本陣に忍びが……!!」
「……来やがったか、俺たちを狙っちゃくれなかったようだな」
だが、予想の範疇だ
それに……今の夕華なら倒せる……あるいは、互角に戦えるだろう
「そうか」
「も、戻らなくていいんですか?」
「夕華なら心配ねぇ」
「そ、それが……!!
どうやら、上杉の忍びじゃないみたいなんです!」
──流石の俺も、聞き流すわけにはいかなかった
「……何?」
「くノ一が言うには、明智光秀が所有している忍びらしいって!」
「明智光秀……?」
その名は、確か……魔王の手先……
「どういうこった、何で野郎がこんな戦に……
……Shit!
小十郎!」
「はっ!」
背中合わせに戦っていた右目を呼び戻す
「本陣に明智の忍びが現れたらしい」
「なっ……!!
本陣の様子はどうなっておるのでしょうか?」
「今、くノ一と姫様が共闘しています!」
くノ一は忍び相手の戦闘に一番長けている
夕華も死ぬことはないだろう
「……このまま攻め込むぞ」
「承知」
「お前は本陣の守りだろ?
早く戻れ
伝令ご苦労だったな」
お前なら大丈夫だ
そうだろう?
夕華……
「お前を信じて──
俺も軍神に勝つ……!!
ハァッ!!」
囲んでいた上杉兵を一掃した、その時──
「クッククク……
愛する妹君を信じる、その心……
いいですねぇ、独眼竜──」
「──!!」
その、纏わりつくような声と同時に、得物が近づく気配
「チッ!!」
寸でのところで、一刀で受け止めた
「テメェは……!!」
「おや、私のことを知らないのですねぇ……
ククク……まあいいでしょう
教えて差し上げることにします
明智光秀、と申します」
「明智……!?」
「梵っ!!」
「政宗様!!」
第一陣で先行していたはずの綱元と成実が、こちらに合流していた
「上杉軍におかしな動きが──
……ッ!?
誰だテメェ、上杉の将じゃねぇな!」
「なっ……明智光秀!?
貴様がなぜこの戦場に……!?」
流石の綱元は、こいつの顔を知っていたらしい
「フッフフフ……それよりも、戻らなくてよろしいのですか?
伊達の本陣へは、帰蝶が向かっていますよ?」
「……!!
魔王の嫁が……!?」
「ああ、上杉の本陣へは、森蘭丸が向かいましたがね……
さあ、どうします?
私を倒して本陣に向かいますか?
そうしている間に、伊達軍の本陣は壊滅しているでしょうね
ククク……!」
「政宗様……!!」
……悠長に構えてる暇はねぇ
夕華じゃ、まだ魔王の嫁の相手は荷が重すぎる
「……綱元、成実!!
本陣に戻れ!」
「しかし!」
「いいから、行けっ!
本陣を全滅させるわけにゃあいかねぇ!」
「……ッ!
くたばるなよ、梵!」
「誰に言ってやがる」
成実たちが軍馬で本陣へ走って行く
こいつは、俺と小十郎で十分だ
「とんだsurpriseだな……
悪いが、テメェはお呼びじゃねぇんだ
さっさとどきな!!
奥州筆頭・伊達政宗!
推して参る!!」
無事でいてくれ、夕華……!!
まさか、画面越しに「うひょー!かすがちゃん可愛いー!!」と騒いでいたそのご本人と、殺意マシマシで向き合うことになろうとは
人生とは、何があるか分からない……
「……あなたが、越後の忍び?」
「いかにも
お前は?」
「伊達軍、奥州筆頭の妹・夕華」
「先日見つかったという分家の姫か」
話が広まるのが早いことで
いや、この人たち忍びなら、そのあたりの情報はすぐに把握できるんだろうけど
「まさか出陣していたとはな、場数を踏んだことの無い素人同然の姫が
……だが、私の邪魔をするのならば、お前を倒すしかない」
「ごめんなさい、ここは伊達の本陣
私はここを守りきる義務がある
だから、私はあなたに倒される訳にはいきません!」
啖呵を切って薙刀を構える
「それがお前の覚悟か
──ならば、私も相応の覚悟でもって挑もう!」
「いざ──参る!!」
張り詰めた空気、今まで経験してきた試合よりも、ずっと肌を刺すほどの緊張感
そして──
* * *
「筆頭ぉぉぉ!!!」
「!!」
上杉の雑兵を吹き飛ばし、さらに進軍しようと足を進めかけた時
背後から切羽詰まった声が聞こえた
「た、たた、大変です!
本陣に忍びが……!!」
「……来やがったか、俺たちを狙っちゃくれなかったようだな」
だが、予想の範疇だ
それに……今の夕華なら倒せる……あるいは、互角に戦えるだろう
「そうか」
「も、戻らなくていいんですか?」
「夕華なら心配ねぇ」
「そ、それが……!!
どうやら、上杉の忍びじゃないみたいなんです!」
──流石の俺も、聞き流すわけにはいかなかった
「……何?」
「くノ一が言うには、明智光秀が所有している忍びらしいって!」
「明智光秀……?」
その名は、確か……魔王の手先……
「どういうこった、何で野郎がこんな戦に……
……Shit!
小十郎!」
「はっ!」
背中合わせに戦っていた右目を呼び戻す
「本陣に明智の忍びが現れたらしい」
「なっ……!!
本陣の様子はどうなっておるのでしょうか?」
「今、くノ一と姫様が共闘しています!」
くノ一は忍び相手の戦闘に一番長けている
夕華も死ぬことはないだろう
「……このまま攻め込むぞ」
「承知」
「お前は本陣の守りだろ?
早く戻れ
伝令ご苦労だったな」
お前なら大丈夫だ
そうだろう?
夕華……
「お前を信じて──
俺も軍神に勝つ……!!
ハァッ!!」
囲んでいた上杉兵を一掃した、その時──
「クッククク……
愛する妹君を信じる、その心……
いいですねぇ、独眼竜──」
「──!!」
その、纏わりつくような声と同時に、得物が近づく気配
「チッ!!」
寸でのところで、一刀で受け止めた
「テメェは……!!」
「おや、私のことを知らないのですねぇ……
ククク……まあいいでしょう
教えて差し上げることにします
明智光秀、と申します」
「明智……!?」
「梵っ!!」
「政宗様!!」
第一陣で先行していたはずの綱元と成実が、こちらに合流していた
「上杉軍におかしな動きが──
……ッ!?
誰だテメェ、上杉の将じゃねぇな!」
「なっ……明智光秀!?
貴様がなぜこの戦場に……!?」
流石の綱元は、こいつの顔を知っていたらしい
「フッフフフ……それよりも、戻らなくてよろしいのですか?
伊達の本陣へは、帰蝶が向かっていますよ?」
「……!!
魔王の嫁が……!?」
「ああ、上杉の本陣へは、森蘭丸が向かいましたがね……
さあ、どうします?
私を倒して本陣に向かいますか?
そうしている間に、伊達軍の本陣は壊滅しているでしょうね
ククク……!」
「政宗様……!!」
……悠長に構えてる暇はねぇ
夕華じゃ、まだ魔王の嫁の相手は荷が重すぎる
「……綱元、成実!!
本陣に戻れ!」
「しかし!」
「いいから、行けっ!
本陣を全滅させるわけにゃあいかねぇ!」
「……ッ!
くたばるなよ、梵!」
「誰に言ってやがる」
成実たちが軍馬で本陣へ走って行く
こいつは、俺と小十郎で十分だ
「とんだsurpriseだな……
悪いが、テメェはお呼びじゃねぇんだ
さっさとどきな!!
奥州筆頭・伊達政宗!
推して参る!!」
無事でいてくれ、夕華……!!
1/4ページ