60章
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カジノでちょっとだけ遊んでベルガラックを出発した我々は、地図を広げてから、顔を見合わせた。
さぁ〜て、どこに向かったもんかなぁ?
法皇の館で張り込むのは、警備の人間に見つかる可能性が高いから、一番はやっぱりレオパルドを見つけることなんだけど。
「法皇の館みたいに、空を飛ぶことでしか行けない場所があるかもしれないわよね」
「それでいくと、トラペッタの近くにさ、どうやって登ったらいいかも分かんない高台があったよね」
「そういやぁそんな場所もあったでげすよ。どうせ犬っころの場所も分からねぇんでげすし、ちょいと行ってみましょうや」
ヤンガスの意見が採用されて、神鳥の魂に意識を同調させる。
一瞬のうちに空へ舞い上がった私たちは、眼下の景色を眺めながら東の大陸へと飛んだ。
まだ三回目だけど、空を飛ぶのって気持ちいい。
次は海を泳げるようになったりしないかな?
「あったあった」
例の高台に降り立つと、そこには明らかに誰かが住んでいた形跡が残っていた。
壁が一部しか残っていないけれど、たぶんここに家があったんだろう。
吊り橋を渡った先には、洞窟のようなものが見える。
「こんなところに人が住んでいたなんてね」
「でも、壁もほんの少ししか残っていない……。住人がいなくなって、相当の年月が経っているみたいだ」
しっかりタルとツボを漁りながら、エイトはそう言った。
吊り橋を渡った先には、小さな湖のような水溜まりと、砂浜が。
その真ん中に桟橋がかかり、洞窟の方へ続いていた。
「洞窟の壁、何かあるぞ」
ククールが何かに気付いて、桟橋を歩いていく。
私達も慌てて追いかけてみると、そこには石碑が残っていた。
かなりボロボロだけど……読めないことはない。
えーっと、なになに……?
『我が名はエジェウス。かつて人々が私のことを神の子と呼ぶ時代があった。だが私は思い知った。私もまた、か弱き人の子であると。暗黒神を封印した後、私はひとつの未来を知るために、生涯の全てを捧げることとなった。ここに、我が人生の全てをかけた最後の予言を書き記す。願わくば善なる者の目に触れんことを』
神の子エジェウス──。
名前は聞いたことがなくても、暗黒神を封じたというそれだけで、彼が伝説の八賢者の一人だと察せられる。
そんな大事な予言を、こんな誰も見ないところに書き残してどうするんだよ……。
『私が見渡す未来の中に、ただ一点、霞がかかったように、私の予知を拒む時代があった。おそらくはその時代こそが、暗黒神ラプソーンが復活する可能性を持つ唯一の時だろう。だが幸いにして、その時代には我ら八賢者の血脈は、ひとつも絶えることなくあり続けている。その時代……我ら八賢者の末裔は、かく生きている。無敵の男ギャリングの末裔は、血の繋がらぬ二人の子供と共に、人々の歓喜の声に包まれている』
これはベルガラックのギャリングさんのこと。
そして血の繋がらぬ二人の子供とは、フォーグとユッケのことで間違いない。
人々の歓喜の声……もちろんベルガラックやカジノを愛する人達だろう。
『魔法使いマスター・コゾの末裔は、杖の封印を委ねた城よりほど近い町にて、その時代も魔法を教える師であろう』
マスター・コゾの末裔……きっとマスター・ライラスのことだ。
杖の封印を委ねた城とは、我らが母国トロデーン城のことだから、マスター・コゾはトラペッタに住んでいたと考えていい。
そしてマスター・ライラスは……ドルマゲスに魔法を教える師だった。
『大呪術師クーパスの末裔は、その呪術の力を自ら捨て去り、森深くにて魔物たちと暮らしている』
これはチェルスさんのこと。
呪術の力をハワード一族に譲り渡したクーパスは、どこかに去っていったと、ハワード一族の歴史に書いてあった。
ただし、暗黒神が蘇りそうになったら、二つの血族は再び出会うだろう、と。
それにしても、森深くって、どこだったんだ……?
『魔法剣士シャマルの末裔は、血脈こそ他の家系に渡ったが、土地の名士として慕われる存在にある』
……これはゼシカのお兄さんである、サーベルトさんのこと。
シャマル・クランバートルから数えて何代目かは分からないけど、リーザス・クランバートルがアルバート家に嫁いだため、以降クランバートル家に流れていた賢者の血は、アルバート家に受け継がれた。
『大学者カッティードの末裔は、雪深き地にて、神鳥の伝承を未来に伝えるべく、愚直に生きている』
雪深き地といえば、間違いなくメディさんのことだ。
おうちの裏手にある遺跡には、レティスの事を伝える石碑が立っていた。
今はその石碑を、グラッドさんが守っている。
さぁ〜て、どこに向かったもんかなぁ?
法皇の館で張り込むのは、警備の人間に見つかる可能性が高いから、一番はやっぱりレオパルドを見つけることなんだけど。
「法皇の館みたいに、空を飛ぶことでしか行けない場所があるかもしれないわよね」
「それでいくと、トラペッタの近くにさ、どうやって登ったらいいかも分かんない高台があったよね」
「そういやぁそんな場所もあったでげすよ。どうせ犬っころの場所も分からねぇんでげすし、ちょいと行ってみましょうや」
ヤンガスの意見が採用されて、神鳥の魂に意識を同調させる。
一瞬のうちに空へ舞い上がった私たちは、眼下の景色を眺めながら東の大陸へと飛んだ。
まだ三回目だけど、空を飛ぶのって気持ちいい。
次は海を泳げるようになったりしないかな?
「あったあった」
例の高台に降り立つと、そこには明らかに誰かが住んでいた形跡が残っていた。
壁が一部しか残っていないけれど、たぶんここに家があったんだろう。
吊り橋を渡った先には、洞窟のようなものが見える。
「こんなところに人が住んでいたなんてね」
「でも、壁もほんの少ししか残っていない……。住人がいなくなって、相当の年月が経っているみたいだ」
しっかりタルとツボを漁りながら、エイトはそう言った。
吊り橋を渡った先には、小さな湖のような水溜まりと、砂浜が。
その真ん中に桟橋がかかり、洞窟の方へ続いていた。
「洞窟の壁、何かあるぞ」
ククールが何かに気付いて、桟橋を歩いていく。
私達も慌てて追いかけてみると、そこには石碑が残っていた。
かなりボロボロだけど……読めないことはない。
えーっと、なになに……?
『我が名はエジェウス。かつて人々が私のことを神の子と呼ぶ時代があった。だが私は思い知った。私もまた、か弱き人の子であると。暗黒神を封印した後、私はひとつの未来を知るために、生涯の全てを捧げることとなった。ここに、我が人生の全てをかけた最後の予言を書き記す。願わくば善なる者の目に触れんことを』
神の子エジェウス──。
名前は聞いたことがなくても、暗黒神を封じたというそれだけで、彼が伝説の八賢者の一人だと察せられる。
そんな大事な予言を、こんな誰も見ないところに書き残してどうするんだよ……。
『私が見渡す未来の中に、ただ一点、霞がかかったように、私の予知を拒む時代があった。おそらくはその時代こそが、暗黒神ラプソーンが復活する可能性を持つ唯一の時だろう。だが幸いにして、その時代には我ら八賢者の血脈は、ひとつも絶えることなくあり続けている。その時代……我ら八賢者の末裔は、かく生きている。無敵の男ギャリングの末裔は、血の繋がらぬ二人の子供と共に、人々の歓喜の声に包まれている』
これはベルガラックのギャリングさんのこと。
そして血の繋がらぬ二人の子供とは、フォーグとユッケのことで間違いない。
人々の歓喜の声……もちろんベルガラックやカジノを愛する人達だろう。
『魔法使いマスター・コゾの末裔は、杖の封印を委ねた城よりほど近い町にて、その時代も魔法を教える師であろう』
マスター・コゾの末裔……きっとマスター・ライラスのことだ。
杖の封印を委ねた城とは、我らが母国トロデーン城のことだから、マスター・コゾはトラペッタに住んでいたと考えていい。
そしてマスター・ライラスは……ドルマゲスに魔法を教える師だった。
『大呪術師クーパスの末裔は、その呪術の力を自ら捨て去り、森深くにて魔物たちと暮らしている』
これはチェルスさんのこと。
呪術の力をハワード一族に譲り渡したクーパスは、どこかに去っていったと、ハワード一族の歴史に書いてあった。
ただし、暗黒神が蘇りそうになったら、二つの血族は再び出会うだろう、と。
それにしても、森深くって、どこだったんだ……?
『魔法剣士シャマルの末裔は、血脈こそ他の家系に渡ったが、土地の名士として慕われる存在にある』
……これはゼシカのお兄さんである、サーベルトさんのこと。
シャマル・クランバートルから数えて何代目かは分からないけど、リーザス・クランバートルがアルバート家に嫁いだため、以降クランバートル家に流れていた賢者の血は、アルバート家に受け継がれた。
『大学者カッティードの末裔は、雪深き地にて、神鳥の伝承を未来に伝えるべく、愚直に生きている』
雪深き地といえば、間違いなくメディさんのことだ。
おうちの裏手にある遺跡には、レティスの事を伝える石碑が立っていた。
今はその石碑を、グラッドさんが守っている。
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