50章
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グラッドさんを無事に救出した私たちは、薬草園の洞窟から外へ出て、オークニスへ戻ることにした。
エイトのリレミトで外に出てみると──洞窟の外には、ダースウルフェンの群れが待ち構えていた。
低い唸り声と共に、ダースウルフェンたちはジリジリとこちらに距離を詰めてくる。
私たちは咄嗟にグラッドさんを背に回して、臨戦態勢を取った。
「こいつら、私が出てくるのを待ち伏せしてたのか!? それにしても、こんなにいるなんて……」
見たところ、十匹ほどはいるだろうか。
だけどおかしい、オオカミの性質と言うには何かが違う気がする。
まるで、何かに干渉されているみたいな──。
「君たち! オオカミだと思って油断するなよ。こいつら、ただの獣じゃない!」
「グラッドさんは馬車の傍から動かないでください! ヤンガス、レイラは僕と一緒に前でオオカミを追い払って。ゼシカとククールは馬車の近くで援護を頼む!」
「仲間を呼ばれると面倒だ。速攻で片すぞ!」
「グラッドさんには指一本触れさせないわよ!」
「腕が鳴りやすぜ! 兄貴、姉貴!」
「片っ端から返り討ちにしてやんよ!!」
剣を引き抜いて盾を構え、ダースウルフェンへと振り下ろす。
スクルトとピオリムがかかって、ぐっと動きが軽くなった。
私とエイトの攻撃で、ダースウルフェンをまずは一頭。
「ヤンガス! そいつらから離れて!」
ゼシカの声が飛んできて、ヤンガスが群れと距離を取る。
その瞬間、ゼシカは高らかに唱えた。
「イオナズン!!」
ダースウルフェン達の鼻先で──空間が破裂する。
轟音が辺りに響き渡って、その衝撃波は風となって私たちのところまで飛んできた。
ゴォッと耳元で風が唸る。
とんでもない威力だ……これがイオナズン……。
「これで倒しやすくなったはずよ!」
「ありがとうゼシカ!!」
「レイラ、そのままそこでじっとしてろ!」
踏み出そうとした足を止め、ククールを振り返る。
ククールの弓につがえられた矢は、先端に光が集まっていた。
空を裂く音と共に、その光が空へと放たれる。
「シャイニングボウ!!」
光が空中で枝分かれして、ダースウルフェンたちに降り注ぐ。
ダースウルフェンたちは一斉に倒れ、青白い光となって消えた。
がしかし、ダースウルフェンは後から際限なくやってくる。
「っの……しつこい!!」
「戦線が前に出すぎだ! 戻れ! 俺達もそこまでカバーできねぇぞ!!」
「待って、グラッドさんはどこ!?」
ククールの指示に紛れて、ゼシカの声が届く。
グラッドさんめ、動くなって言ったのに!!
「うわわわ! た、助けてくれ、君たち!」
「あ、いたー!! って、めっちゃ囲まれてるー!!」
「兄貴! 助けに行かねぇと!」
「うん!!」
離れたところに追い詰められているグラッドさんは、手に持っていた歩行用の長い棒を振り回して、ダースウルフェンを追い払おうとしている。
が、まるで効いていないし、なんならかえって刺激している気が……。
「くそっ! こいつら、なんで私ばかり狙うんだ!?」
「群れの餌にされようとしてんだろ!! 匂いを覚えられたらおしまいだろうからな!!」
「んなこと言ってる場合じゃないわよ! 早く助けないと!」
私たちを足止めしようと迫るダースウルフェンを躱して、グラッドさんの元へ急ぐ。
グラッドさんを囲んでいたうちの一匹が、グラッドさんへ襲いかかろうと近寄った。
だめだ、間に合わない──!!
『──待て』
不意に、どこからともなく声がした。
その一言でダースウルフェンたちの動きが止まる。
いまの声……どこかで……。
『その者ではない。確かに賢者の血を感じるが、違う。本物は別にいるはず……。真の賢者を探すのだ』
ダースウルフェンたちはその声に従って、どこかへと走り去ってしまった。
賢者……賢者って言ってた。
じゃあ今の声は、やっぱりレオパルドの……!
「今の声はいったい……? それに真の賢者だって……? いや、まさかな。そんなことあるはずが……」
独り言のように何かを呟き、グラッドさんはゆるゆると首を振った。
心当たりがあるらしいけど……。
ひとまずここは、グラッドさんをオークニスまで送り届けるのが先だ。
「エイト」
「うん。グラッドさん、気になることだとは思いますが、一度オークニスに戻りましょう」
「あ、ああ。そうだな……」
エイトがルーラを唱えて、オークニスの前へと降り立つ。
ダースウルフェンの姿がないことを確認して、私たちは足早に町の中へと入ったのだった。
エイトのリレミトで外に出てみると──洞窟の外には、ダースウルフェンの群れが待ち構えていた。
低い唸り声と共に、ダースウルフェンたちはジリジリとこちらに距離を詰めてくる。
私たちは咄嗟にグラッドさんを背に回して、臨戦態勢を取った。
「こいつら、私が出てくるのを待ち伏せしてたのか!? それにしても、こんなにいるなんて……」
見たところ、十匹ほどはいるだろうか。
だけどおかしい、オオカミの性質と言うには何かが違う気がする。
まるで、何かに干渉されているみたいな──。
「君たち! オオカミだと思って油断するなよ。こいつら、ただの獣じゃない!」
「グラッドさんは馬車の傍から動かないでください! ヤンガス、レイラは僕と一緒に前でオオカミを追い払って。ゼシカとククールは馬車の近くで援護を頼む!」
「仲間を呼ばれると面倒だ。速攻で片すぞ!」
「グラッドさんには指一本触れさせないわよ!」
「腕が鳴りやすぜ! 兄貴、姉貴!」
「片っ端から返り討ちにしてやんよ!!」
剣を引き抜いて盾を構え、ダースウルフェンへと振り下ろす。
スクルトとピオリムがかかって、ぐっと動きが軽くなった。
私とエイトの攻撃で、ダースウルフェンをまずは一頭。
「ヤンガス! そいつらから離れて!」
ゼシカの声が飛んできて、ヤンガスが群れと距離を取る。
その瞬間、ゼシカは高らかに唱えた。
「イオナズン!!」
ダースウルフェン達の鼻先で──空間が破裂する。
轟音が辺りに響き渡って、その衝撃波は風となって私たちのところまで飛んできた。
ゴォッと耳元で風が唸る。
とんでもない威力だ……これがイオナズン……。
「これで倒しやすくなったはずよ!」
「ありがとうゼシカ!!」
「レイラ、そのままそこでじっとしてろ!」
踏み出そうとした足を止め、ククールを振り返る。
ククールの弓につがえられた矢は、先端に光が集まっていた。
空を裂く音と共に、その光が空へと放たれる。
「シャイニングボウ!!」
光が空中で枝分かれして、ダースウルフェンたちに降り注ぐ。
ダースウルフェンたちは一斉に倒れ、青白い光となって消えた。
がしかし、ダースウルフェンは後から際限なくやってくる。
「っの……しつこい!!」
「戦線が前に出すぎだ! 戻れ! 俺達もそこまでカバーできねぇぞ!!」
「待って、グラッドさんはどこ!?」
ククールの指示に紛れて、ゼシカの声が届く。
グラッドさんめ、動くなって言ったのに!!
「うわわわ! た、助けてくれ、君たち!」
「あ、いたー!! って、めっちゃ囲まれてるー!!」
「兄貴! 助けに行かねぇと!」
「うん!!」
離れたところに追い詰められているグラッドさんは、手に持っていた歩行用の長い棒を振り回して、ダースウルフェンを追い払おうとしている。
が、まるで効いていないし、なんならかえって刺激している気が……。
「くそっ! こいつら、なんで私ばかり狙うんだ!?」
「群れの餌にされようとしてんだろ!! 匂いを覚えられたらおしまいだろうからな!!」
「んなこと言ってる場合じゃないわよ! 早く助けないと!」
私たちを足止めしようと迫るダースウルフェンを躱して、グラッドさんの元へ急ぐ。
グラッドさんを囲んでいたうちの一匹が、グラッドさんへ襲いかかろうと近寄った。
だめだ、間に合わない──!!
『──待て』
不意に、どこからともなく声がした。
その一言でダースウルフェンたちの動きが止まる。
いまの声……どこかで……。
『その者ではない。確かに賢者の血を感じるが、違う。本物は別にいるはず……。真の賢者を探すのだ』
ダースウルフェンたちはその声に従って、どこかへと走り去ってしまった。
賢者……賢者って言ってた。
じゃあ今の声は、やっぱりレオパルドの……!
「今の声はいったい……? それに真の賢者だって……? いや、まさかな。そんなことあるはずが……」
独り言のように何かを呟き、グラッドさんはゆるゆると首を振った。
心当たりがあるらしいけど……。
ひとまずここは、グラッドさんをオークニスまで送り届けるのが先だ。
「エイト」
「うん。グラッドさん、気になることだとは思いますが、一度オークニスに戻りましょう」
「あ、ああ。そうだな……」
エイトがルーラを唱えて、オークニスの前へと降り立つ。
ダースウルフェンの姿がないことを確認して、私たちは足早に町の中へと入ったのだった。
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