44章
夢小説設定
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秋の気配漂う大地は、見たことの無い気色だ。
そんな中、我々はライドンさんが建築中という塔へキラーパンサーに乗って向かっていた。
「……で、なんでこうなった?」
「えっ?」
え? じゃないんだよエイトくん。
本当になんというか、外を歩くのも嫌なんだけど、この格好。
ていうか、ちょっと寒いし。
「仕方ないよ。僕だって不本意だけど、魔法のビキニは守備力も上がるし、魔法を防いでくれる効果があるって言うし」
「頭のインテリハットと絶妙に合ってないんだもん。インテリハットやめていい?」
「駄目だよ、他に何を被るのさ?」
……そう言われるとないんだけどさ。
なんて言うかこう、悲しくなってくるんだよ。
あとやっぱりちょっと寒いんだよ、普通に。
なんでこんな露出狂みたいな格好して、塔登りとかしなきゃいけないんだっての。
「私、攻撃呪文使わないけど」
「霊導者って呪文が使えねえのか? んな事ないよな?」
「使えないんじゃなくて、使わないの。だってそれはゼシカの専売特許でしょ。それに私は剣技一筋!」
「分かったから、行くよ」
「エイト、本気? 本気で私この格好で行くの?」
「もちろん」
公開処刑とはこのことでしょうか、神様。
何が悲しくて魔法のビキニで行動しなければいけないのでしょうか。
日頃の行いのせいだとしたら身に覚えがありすぎるな。
「……ゼシカの胸を見慣れてたからか? レイラの胸が慎ましく見えるぜ」
「聖なる力よ! 我が剣に宿れ!!」
「待って! それククール死ぬから!」
「貴様など私がこの手で葬り去ってやるわァ!!」
「姉貴は平均以上はあるでがすよ?」
「そ、そうだよ! 元々レイラは着やせするタイプで、普段は晒しで押さえてるだけだし、脱いだら意外とあるんだから!」
「……なんでお前、そんなこと知ってんだ? まさか……」
「それ以上下劣なセリフを吐けないようにこの口砕いてやろうか?」
「あ、ちょ、顎外れ……すいませんでした!!」
ギリギリとククールの頬を潰しにかかるエイトの笑顔ときたら。
でも元はといえば魔法のビキニを買ってきたエイトのせいだからね、反省してくれよな。
これで私が風邪引いたら全責任をなすり付けるからな、マジで。
私は着たくなかったんだからな!!
キラーパンサーでパタッパタッと軽やかに道を駆けてゆく。
なかなかに手強い敵を相手にしながら、地図を確認しつつ、ようやくライドンの塔に到着した。
「高い塔だなー……」
「これ何階まであるんだ?」
「考えたら負けな気がしてきやしたぜ。兄貴、こうなりゃ勢いで登っちまうでがすよ!」
「い、勢いで? 別に一番上まで登る必要はないんだけど……」
まあ、途中でライドンさんを見つければいいわけだしね。
でもライドンさんが最上階にいる可能性、普通にあるんだよなぁ。
とりあえず入ってみるか、そうじゃないと進まないもんね。
入口である扉の横には、看板が立っていた。
どれどれ、何が書いてあるんだ?
『わしに用がある者は石の剣をもって扉の穴を貫くがよい。ライドン』
マジでこの剣が鍵だったってわけか。
こりゃあ誰も会えないんじゃないの?
だってこの剣を持ってるの、息子さん夫婦だったし……。
まぁいいか、ここに石の剣があるんだしね!
扉の穴に石の剣を突き刺すと、ガチャンと鍵が外れる音。
剣を引き抜いて扉を押すと、なんと扉が開いた!
扉にこういう仕掛けができるんだ、すごい人だなライドンさん。
「……なぁエイト。俺は少し……嫌な予感がしてるんだ」
「奇遇だね、僕もだよ」
「え、なに? どういうこと?」
「さあ……。しかしさすが兄貴だ、今のでこの塔に潜む危険に気付いたんでがすな!」
エイトは何も言わずに扉を開けた先に向かった。
前面部分が鉄の金網になっていて、真ん中にまたもや扉が一つ。
そして左手には、これみよがしに宝箱。
「地図ゲット!」
「今回は親切な地図でありますように」
「闇の遺跡の地図に恨みがあるんだね……」
「恨みしかないでがしょうよ、あんだけ仕掛けだらけじゃ……」
「なんていうか、ほとんどククールとゼシカをあてにしちゃってごめん……」
「エイトが気にすることでもないだろ。まあ脳筋の近衛兵さんが壁をぶっ壊そうとした時は、割と本気で止めてほしかったけどな?」
「ごめんって。もういい加減イライラしちゃって」
それは闇の遺跡の、例のエリアの話。
スイッチで壁を上げては下げ、上げては下げ──と繰り返していた私は、イライラが限界に達して、壁の破壊を試みたのだ。
もちろんゼシカとククールに止められたけど、エイトは「その手があったか……!」という顔をしていた。
その手はないんだ、止めてほしかったよ私も。
続く扉は鍵なしでも開いたので、その先にある階段を上っていくと、またも扉が。
その扉を開けると──。
そんな中、我々はライドンさんが建築中という塔へキラーパンサーに乗って向かっていた。
「……で、なんでこうなった?」
「えっ?」
え? じゃないんだよエイトくん。
本当になんというか、外を歩くのも嫌なんだけど、この格好。
ていうか、ちょっと寒いし。
「仕方ないよ。僕だって不本意だけど、魔法のビキニは守備力も上がるし、魔法を防いでくれる効果があるって言うし」
「頭のインテリハットと絶妙に合ってないんだもん。インテリハットやめていい?」
「駄目だよ、他に何を被るのさ?」
……そう言われるとないんだけどさ。
なんて言うかこう、悲しくなってくるんだよ。
あとやっぱりちょっと寒いんだよ、普通に。
なんでこんな露出狂みたいな格好して、塔登りとかしなきゃいけないんだっての。
「私、攻撃呪文使わないけど」
「霊導者って呪文が使えねえのか? んな事ないよな?」
「使えないんじゃなくて、使わないの。だってそれはゼシカの専売特許でしょ。それに私は剣技一筋!」
「分かったから、行くよ」
「エイト、本気? 本気で私この格好で行くの?」
「もちろん」
公開処刑とはこのことでしょうか、神様。
何が悲しくて魔法のビキニで行動しなければいけないのでしょうか。
日頃の行いのせいだとしたら身に覚えがありすぎるな。
「……ゼシカの胸を見慣れてたからか? レイラの胸が慎ましく見えるぜ」
「聖なる力よ! 我が剣に宿れ!!」
「待って! それククール死ぬから!」
「貴様など私がこの手で葬り去ってやるわァ!!」
「姉貴は平均以上はあるでがすよ?」
「そ、そうだよ! 元々レイラは着やせするタイプで、普段は晒しで押さえてるだけだし、脱いだら意外とあるんだから!」
「……なんでお前、そんなこと知ってんだ? まさか……」
「それ以上下劣なセリフを吐けないようにこの口砕いてやろうか?」
「あ、ちょ、顎外れ……すいませんでした!!」
ギリギリとククールの頬を潰しにかかるエイトの笑顔ときたら。
でも元はといえば魔法のビキニを買ってきたエイトのせいだからね、反省してくれよな。
これで私が風邪引いたら全責任をなすり付けるからな、マジで。
私は着たくなかったんだからな!!
キラーパンサーでパタッパタッと軽やかに道を駆けてゆく。
なかなかに手強い敵を相手にしながら、地図を確認しつつ、ようやくライドンの塔に到着した。
「高い塔だなー……」
「これ何階まであるんだ?」
「考えたら負けな気がしてきやしたぜ。兄貴、こうなりゃ勢いで登っちまうでがすよ!」
「い、勢いで? 別に一番上まで登る必要はないんだけど……」
まあ、途中でライドンさんを見つければいいわけだしね。
でもライドンさんが最上階にいる可能性、普通にあるんだよなぁ。
とりあえず入ってみるか、そうじゃないと進まないもんね。
入口である扉の横には、看板が立っていた。
どれどれ、何が書いてあるんだ?
『わしに用がある者は石の剣をもって扉の穴を貫くがよい。ライドン』
マジでこの剣が鍵だったってわけか。
こりゃあ誰も会えないんじゃないの?
だってこの剣を持ってるの、息子さん夫婦だったし……。
まぁいいか、ここに石の剣があるんだしね!
扉の穴に石の剣を突き刺すと、ガチャンと鍵が外れる音。
剣を引き抜いて扉を押すと、なんと扉が開いた!
扉にこういう仕掛けができるんだ、すごい人だなライドンさん。
「……なぁエイト。俺は少し……嫌な予感がしてるんだ」
「奇遇だね、僕もだよ」
「え、なに? どういうこと?」
「さあ……。しかしさすが兄貴だ、今のでこの塔に潜む危険に気付いたんでがすな!」
エイトは何も言わずに扉を開けた先に向かった。
前面部分が鉄の金網になっていて、真ん中にまたもや扉が一つ。
そして左手には、これみよがしに宝箱。
「地図ゲット!」
「今回は親切な地図でありますように」
「闇の遺跡の地図に恨みがあるんだね……」
「恨みしかないでがしょうよ、あんだけ仕掛けだらけじゃ……」
「なんていうか、ほとんどククールとゼシカをあてにしちゃってごめん……」
「エイトが気にすることでもないだろ。まあ脳筋の近衛兵さんが壁をぶっ壊そうとした時は、割と本気で止めてほしかったけどな?」
「ごめんって。もういい加減イライラしちゃって」
それは闇の遺跡の、例のエリアの話。
スイッチで壁を上げては下げ、上げては下げ──と繰り返していた私は、イライラが限界に達して、壁の破壊を試みたのだ。
もちろんゼシカとククールに止められたけど、エイトは「その手があったか……!」という顔をしていた。
その手はないんだ、止めてほしかったよ私も。
続く扉は鍵なしでも開いたので、その先にある階段を上っていくと、またも扉が。
その扉を開けると──。
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