42章
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そこは、祭壇と呼ぶに相応しい場所だった。
何かの儀式に使用されていたのだろうか、その名残のようなものが多く残っている。
その祭壇の、高い天井からは、太い血管のようなものが垂れ下がり──それはドルマゲスを包む養液の膜の中へ注がれていた。
「やっと追い詰めたでがす! ここで会ったが百年目。覚悟するでがすよ、ドルマゲス!」
「もう逃がさねぇぞ。てめぇは袋の鼠同然だぜ」
「……兄さんの仇。絶対にここでケリをつけてみせる!」
私たちの声が空間に響く。
養液の膜の中にいたドルマゲスは、目を開けて私たちを見下ろした。
「おやおや。こんな所まで追ってくる者がいようとは……。たしかあなた方は以前、マイエラ修道院で出会った、トロデ王の従者たちでしたね。なるほど、この私を倒し、主の呪いを解こうというわけですか」
ドルマゲスが肩を震わせる。
嘲笑を浮かべた奴は、私たちを見下ろしたまま侮蔑の表情を浮かべていた。
まるで私たちが羽虫程度にしか見えていない……そんな余裕すら感じる。
「見上げた忠誠心だ。しかし今の私には迷惑極まりない! 身に余る魔力に身体が耐えきれなくなったので、ここでこうして癒していたというのに……。これも絶大なる力を手に入れた代償なんでしょうかねぇ。まぁいいでしょう」
ドルマゲスが養液の中から姿を現す。
手には封印の杖を持ったまま。
……あの杖、マイエラ修道院で見た時よりも力が増している?
「けれど……悲しい。悲しいなぁ。だってせっかくこんな所まで来たというのに、その願いも叶わぬまま──みんなこの私に殺されてしまうのですから!」
ドルマゲスが杖を構えて降りてくる。
殺される?
冗談じゃない、こんなところで殺されてたまるか!
「ここがお前の墓場だよ。安心して、楽には死なせてやらないから」
「これ以上、お前の好きにはさせない! みんな! 行くぞ!!」
「おう!」
「ええ!」
私たちは一斉に武器を構えた。
終わらせる──ここで、私たちの因縁を全部!
私の手で、こいつに引導を渡すんだ!
不気味に微笑んだドルマゲスが、三体に分裂する。
焦るな、焦る必要なんかない。
「真ん中が本物だ! まずは両側の偽物を片付けよう!」
「分かったわ! ピオリム!」
「スクルト! いけ、お前ら!!」
ククールの合図で、私たち三人は一斉に走った。
まずは右側の偽物から。
ヤンガスの兜割りが命中した直後、私とエイトのはやぶさ斬りを連続で叩き込む。
間合いを取った直後、私とエイトに瓦礫が投げつけられた。
いくらか盾で防いだけど、相当数が体にぶつかって服に傷を付ける。
エイトが舌打ちをした直後、今度は左端の分身が杖から茨を無数に伸ばしてきた。
「っ、危ない!」
城を襲った茨とは種類が違う。
呪うためではなくて、私たちを殺すための茨だ。
ギリギリでかわしたけれど、絶え間ない攻撃に傷が増えていく。
私が回復役に回るのは、おそらく悪手だ。
「ベホマラー!! 回復は俺に任せておけ!」
「バイキルト! 行って、レイラ!」
「ありがとう!!」
もう一度、はやぶさ斬りを食らわせる。
その時、隣でエイトがトーポに凍えるチーズを食べさせた。
トーポがドルマゲスに向かって凍える吹雪を吐き出す。
すごい、とてもよく効いている!
「うぉぉっ!! 兜割りぃー!!」
もはやこれ以上は守備力が下がらないんじゃないかというくらい、ヤンガスは兜割りを繰り返している。
なのにドルマゲスは分身も本体も倒れてくれない。
こいつ、しぶとい……!
「焦るな! 落ち着いてやりゃあいい!」
「効いてないわけじゃないわ! 一筋縄でいかないのは、承知の上でしょう!!」
「……そうだね。そうだ、一歩ずつ確実に……!」
かまいたちをギリギリでかわして、はやぶさ斬りをエイトが繰り出す。
その時、凍てつく波動がドルマゲスから発せられた。
守備力がガクンと下がったのを感じる。
さっきまでの力も出ない。
呪文の効果が全部消えてる……!
「ゼシカ、もう一回だ! スクルト!」
「分かってるわ! ピオリム!」
「バイキルト! エイト、お願い!!」
私の掛けたバイキルトで攻撃力が倍増したエイトが、右側の偽物へはやぶさ斬りを叩き込んだ。
偽物が胸を押さえて、蹲り、その姿が淡い光とともに消えていく。
まずは一体!
その時、ドルマゲスとククールの目が合った。
ドルマゲスの目が怪しく光った瞬間、ククールが一瞬で深い眠りに落ちてしまった。
おのれ、回復役が寝てどうするんじゃい!!
「ベホマラー!! エイト、ヤンガスはそのまま左側のドルマゲスを攻撃して! ゼシカ、攻撃呪文に切り替えて! 私がククールを起こす!!」
「分かった!」
「がってん承知でがす! いきやすぜ、兄貴!」
「イオラ!! 二人とも、今よ!!」
大爆発で隙ができたドルマゲスに、エイトとヤンガスの攻撃が決まる。
その隙に私はキアリクを唱えた。
瓦礫がゼシカへ向かって投げつけられ、ゼシカが膝をつきかける。
すぐさまベホマを唱えて、私は違和感を覚えた。
ここまでククールの代わりとして、ベホマラーやらなんやらをバカスカ唱えてきた。
なのに、魔力が減っていない。
減っている気配がまるでない……底がないかのように、私の魔力は満ち満ちている。
「ワリ、寝ちまった。代わるぜレイラ!」
「よろしく!」
疑問は残ったけど、それを気にしている場合じゃない。
自分にバイキルトをかけて、ドルマゲスへと走る。
そうしてはやぶさ斬りを打ち込んだ。
何かの儀式に使用されていたのだろうか、その名残のようなものが多く残っている。
その祭壇の、高い天井からは、太い血管のようなものが垂れ下がり──それはドルマゲスを包む養液の膜の中へ注がれていた。
「やっと追い詰めたでがす! ここで会ったが百年目。覚悟するでがすよ、ドルマゲス!」
「もう逃がさねぇぞ。てめぇは袋の鼠同然だぜ」
「……兄さんの仇。絶対にここでケリをつけてみせる!」
私たちの声が空間に響く。
養液の膜の中にいたドルマゲスは、目を開けて私たちを見下ろした。
「おやおや。こんな所まで追ってくる者がいようとは……。たしかあなた方は以前、マイエラ修道院で出会った、トロデ王の従者たちでしたね。なるほど、この私を倒し、主の呪いを解こうというわけですか」
ドルマゲスが肩を震わせる。
嘲笑を浮かべた奴は、私たちを見下ろしたまま侮蔑の表情を浮かべていた。
まるで私たちが羽虫程度にしか見えていない……そんな余裕すら感じる。
「見上げた忠誠心だ。しかし今の私には迷惑極まりない! 身に余る魔力に身体が耐えきれなくなったので、ここでこうして癒していたというのに……。これも絶大なる力を手に入れた代償なんでしょうかねぇ。まぁいいでしょう」
ドルマゲスが養液の中から姿を現す。
手には封印の杖を持ったまま。
……あの杖、マイエラ修道院で見た時よりも力が増している?
「けれど……悲しい。悲しいなぁ。だってせっかくこんな所まで来たというのに、その願いも叶わぬまま──みんなこの私に殺されてしまうのですから!」
ドルマゲスが杖を構えて降りてくる。
殺される?
冗談じゃない、こんなところで殺されてたまるか!
「ここがお前の墓場だよ。安心して、楽には死なせてやらないから」
「これ以上、お前の好きにはさせない! みんな! 行くぞ!!」
「おう!」
「ええ!」
私たちは一斉に武器を構えた。
終わらせる──ここで、私たちの因縁を全部!
私の手で、こいつに引導を渡すんだ!
不気味に微笑んだドルマゲスが、三体に分裂する。
焦るな、焦る必要なんかない。
「真ん中が本物だ! まずは両側の偽物を片付けよう!」
「分かったわ! ピオリム!」
「スクルト! いけ、お前ら!!」
ククールの合図で、私たち三人は一斉に走った。
まずは右側の偽物から。
ヤンガスの兜割りが命中した直後、私とエイトのはやぶさ斬りを連続で叩き込む。
間合いを取った直後、私とエイトに瓦礫が投げつけられた。
いくらか盾で防いだけど、相当数が体にぶつかって服に傷を付ける。
エイトが舌打ちをした直後、今度は左端の分身が杖から茨を無数に伸ばしてきた。
「っ、危ない!」
城を襲った茨とは種類が違う。
呪うためではなくて、私たちを殺すための茨だ。
ギリギリでかわしたけれど、絶え間ない攻撃に傷が増えていく。
私が回復役に回るのは、おそらく悪手だ。
「ベホマラー!! 回復は俺に任せておけ!」
「バイキルト! 行って、レイラ!」
「ありがとう!!」
もう一度、はやぶさ斬りを食らわせる。
その時、隣でエイトがトーポに凍えるチーズを食べさせた。
トーポがドルマゲスに向かって凍える吹雪を吐き出す。
すごい、とてもよく効いている!
「うぉぉっ!! 兜割りぃー!!」
もはやこれ以上は守備力が下がらないんじゃないかというくらい、ヤンガスは兜割りを繰り返している。
なのにドルマゲスは分身も本体も倒れてくれない。
こいつ、しぶとい……!
「焦るな! 落ち着いてやりゃあいい!」
「効いてないわけじゃないわ! 一筋縄でいかないのは、承知の上でしょう!!」
「……そうだね。そうだ、一歩ずつ確実に……!」
かまいたちをギリギリでかわして、はやぶさ斬りをエイトが繰り出す。
その時、凍てつく波動がドルマゲスから発せられた。
守備力がガクンと下がったのを感じる。
さっきまでの力も出ない。
呪文の効果が全部消えてる……!
「ゼシカ、もう一回だ! スクルト!」
「分かってるわ! ピオリム!」
「バイキルト! エイト、お願い!!」
私の掛けたバイキルトで攻撃力が倍増したエイトが、右側の偽物へはやぶさ斬りを叩き込んだ。
偽物が胸を押さえて、蹲り、その姿が淡い光とともに消えていく。
まずは一体!
その時、ドルマゲスとククールの目が合った。
ドルマゲスの目が怪しく光った瞬間、ククールが一瞬で深い眠りに落ちてしまった。
おのれ、回復役が寝てどうするんじゃい!!
「ベホマラー!! エイト、ヤンガスはそのまま左側のドルマゲスを攻撃して! ゼシカ、攻撃呪文に切り替えて! 私がククールを起こす!!」
「分かった!」
「がってん承知でがす! いきやすぜ、兄貴!」
「イオラ!! 二人とも、今よ!!」
大爆発で隙ができたドルマゲスに、エイトとヤンガスの攻撃が決まる。
その隙に私はキアリクを唱えた。
瓦礫がゼシカへ向かって投げつけられ、ゼシカが膝をつきかける。
すぐさまベホマを唱えて、私は違和感を覚えた。
ここまでククールの代わりとして、ベホマラーやらなんやらをバカスカ唱えてきた。
なのに、魔力が減っていない。
減っている気配がまるでない……底がないかのように、私の魔力は満ち満ちている。
「ワリ、寝ちまった。代わるぜレイラ!」
「よろしく!」
疑問は残ったけど、それを気にしている場合じゃない。
自分にバイキルトをかけて、ドルマゲスへと走る。
そうしてはやぶさ斬りを打ち込んだ。
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