30章
夢小説設定
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みんなでしっかり朝食を頂いてから、エイトがこれからの予定を立て始めた。
何せ我々、「この近くにベルガラックという町がある」というふんわりとした情報しか持っていない。
まず地形すら把握していないのだ。
トロデーン城を旅立ってかなり経つのに、この様である。冒険初心者か。
「地図を見ていて気が付いたんだけど、この大陸には、サザンビークっていう国があるみたいなんだ」
エイトの指が地図に書かれた地名を指差す。
そこにはたしかに「サザンビーク」の文字があった。
「……ん?」
……ちょっと待った、サザンビーク?
思わず私が固まるなか、なぜかゼシカも固まった。
「……どうしたんでがすか、二人とも」
「「サザンビークって……」」
私とゼシカの声が重なる。
そうして私たちは同時に息を吸った。
「姫様の婚約者がいる国じゃん!」
「私の婚約者がいる国じゃない!」
……なんて?
ゼシカから上流階級御用達のフレーズが飛び出た気がしたな。
いやまぁ、アルバート家はリーザス地方の領主だし、上流階級で間違いないんだけど。
「……え?」
「……そうなの?」
ゼシカと顔を見合わせる。
そうして先に叫んだのは私だった。
「えー!! ゼシカって婚約者がいたの!?」
「叫ばないでよ、うるさいわね! ……いるわよ、とんでもなくナヨナヨしたやつだけどね。リーザス村にエイト達が来た時、変な格好をした男が屋敷の中にいたでしょ?」
変な格好をした男……。
私の脳内にあるリーザス村の記憶を呼び起こす。
アルバート家のお屋敷の中に入って、二階に上がって……。
「ああー! いたいた! 『フィ〜アンセ』とか言ってた、あの奇抜な格好の!!」
「そう、それよ……。一応あれでも、サザンビークの大臣の息子らしいんだけれど」
「「嘘だ……」」
今度はヤンガスとエイトが重なった。
気持ちはとてもよく分かる、私も最初は信じられなかったもん。
あれが大臣の息子だなんてね……普通は思わないよね……。
完全に放蕩息子の様相だったもん。
何しにリーザス村に来たのかは知らないけど。
ていうか名前なんだっけ、あらよっとみたいな名前だった気がするけど。
素直にそう言うと、ゼシカが「ラグサットよ」と教えてくれた。
どうでもいい奴の名前は、教えてもらったところで覚えられないんだけどね。
「ところで、お姫様の婚約者って?」
「ああ、うん。サザンビークの王子の、えーっと名前なんだっけ、タコス?」
「チャゴスだね。タコスってなに?」
「それそれ! 今のは惜しかったなー」
「どの辺が?」
エイトのツッコミが冷たい。
もう何も喋るまい、エイトがマジギレしたら怖いもん。
ともかく、とエイトが続ける。
何の話してたんだっけ。
「サザンビークに行く前に、まずはベルガラックに行こう。ドルマゲスが向かったのは間違いなさそうだし……ちょっと気になる話も聞いたから」
「気になる話でがすか?」
「あ、もしかしてカジノの話?」
「カジノ!?」
隣にいたイカサマ野郎が過剰反応した。
そうだねバカリスマ、お前なら絶対に食いついてくると思ったんだ。
「残念ククール君、カジノはオーナーが引きこもっちゃってて、閉鎖中らしいよ」
「……はぁぁぁああ!?」
ククールの頭の上にショックと書かれた岩が落ちてきた。
色んな意味で、神様ってちゃんと見てるんだなぁ。
ククールを見ていると尚更それを感じる。
「でも、引きこもってるっていうのは、たしかに変よね。気になるし、行ってみましょう」
「カジノが開いてねえんじゃ、行く意味なんか……」
「そこのバカリスマは野晒し決定でいいかな」
「冗談だよな?」
「「いいともー」」
「おい!!!」
全会一致でバカリスマは置いて行くことになった。
「嘘だろ!?」とククールが叫ぶ。
いや、嘘だけど。
こんなところで置いていくわけないじゃん。
置いていくなら、もっと人が居ないところに置いていくよ。
そういう話じゃないか、そっか。
何せ我々、「この近くにベルガラックという町がある」というふんわりとした情報しか持っていない。
まず地形すら把握していないのだ。
トロデーン城を旅立ってかなり経つのに、この様である。冒険初心者か。
「地図を見ていて気が付いたんだけど、この大陸には、サザンビークっていう国があるみたいなんだ」
エイトの指が地図に書かれた地名を指差す。
そこにはたしかに「サザンビーク」の文字があった。
「……ん?」
……ちょっと待った、サザンビーク?
思わず私が固まるなか、なぜかゼシカも固まった。
「……どうしたんでがすか、二人とも」
「「サザンビークって……」」
私とゼシカの声が重なる。
そうして私たちは同時に息を吸った。
「姫様の婚約者がいる国じゃん!」
「私の婚約者がいる国じゃない!」
……なんて?
ゼシカから上流階級御用達のフレーズが飛び出た気がしたな。
いやまぁ、アルバート家はリーザス地方の領主だし、上流階級で間違いないんだけど。
「……え?」
「……そうなの?」
ゼシカと顔を見合わせる。
そうして先に叫んだのは私だった。
「えー!! ゼシカって婚約者がいたの!?」
「叫ばないでよ、うるさいわね! ……いるわよ、とんでもなくナヨナヨしたやつだけどね。リーザス村にエイト達が来た時、変な格好をした男が屋敷の中にいたでしょ?」
変な格好をした男……。
私の脳内にあるリーザス村の記憶を呼び起こす。
アルバート家のお屋敷の中に入って、二階に上がって……。
「ああー! いたいた! 『フィ〜アンセ』とか言ってた、あの奇抜な格好の!!」
「そう、それよ……。一応あれでも、サザンビークの大臣の息子らしいんだけれど」
「「嘘だ……」」
今度はヤンガスとエイトが重なった。
気持ちはとてもよく分かる、私も最初は信じられなかったもん。
あれが大臣の息子だなんてね……普通は思わないよね……。
完全に放蕩息子の様相だったもん。
何しにリーザス村に来たのかは知らないけど。
ていうか名前なんだっけ、あらよっとみたいな名前だった気がするけど。
素直にそう言うと、ゼシカが「ラグサットよ」と教えてくれた。
どうでもいい奴の名前は、教えてもらったところで覚えられないんだけどね。
「ところで、お姫様の婚約者って?」
「ああ、うん。サザンビークの王子の、えーっと名前なんだっけ、タコス?」
「チャゴスだね。タコスってなに?」
「それそれ! 今のは惜しかったなー」
「どの辺が?」
エイトのツッコミが冷たい。
もう何も喋るまい、エイトがマジギレしたら怖いもん。
ともかく、とエイトが続ける。
何の話してたんだっけ。
「サザンビークに行く前に、まずはベルガラックに行こう。ドルマゲスが向かったのは間違いなさそうだし……ちょっと気になる話も聞いたから」
「気になる話でがすか?」
「あ、もしかしてカジノの話?」
「カジノ!?」
隣にいたイカサマ野郎が過剰反応した。
そうだねバカリスマ、お前なら絶対に食いついてくると思ったんだ。
「残念ククール君、カジノはオーナーが引きこもっちゃってて、閉鎖中らしいよ」
「……はぁぁぁああ!?」
ククールの頭の上にショックと書かれた岩が落ちてきた。
色んな意味で、神様ってちゃんと見てるんだなぁ。
ククールを見ていると尚更それを感じる。
「でも、引きこもってるっていうのは、たしかに変よね。気になるし、行ってみましょう」
「カジノが開いてねえんじゃ、行く意味なんか……」
「そこのバカリスマは野晒し決定でいいかな」
「冗談だよな?」
「「いいともー」」
「おい!!!」
全会一致でバカリスマは置いて行くことになった。
「嘘だろ!?」とククールが叫ぶ。
いや、嘘だけど。
こんなところで置いていくわけないじゃん。
置いていくなら、もっと人が居ないところに置いていくよ。
そういう話じゃないか、そっか。
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