3章
夢小説設定
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翌日、ぱっと目が覚めると、二階の窓から差し込む日差しはすっかり明るかった。
今、何時だろう。少なくとも朝ではない気がする。もう午後に近いような時間帯なんじゃないだろうか。
「って、エイトとヤンガスはまだ寝てるし……!」
だから寝坊助って言われるんだぞ!
私が寝坊助なんじゃないんだからな!
「エイト、起きて。もう朝越えて昼だよ!」
「んん……ひる……」
「ヤンガスも起きて!」
「んぐぅ……もう一杯……げへへ……」
「この、ダメンズ共め……!」
こういう時は、鬼教官のモノマネをすればエイトは起きる。
これは長年の相棒としての経験則だ。ちなみに私も真似されたら飛び起きる。
すうっと息を吐いて、腹に力を込める。そしてとびっきり低い声で、怒鳴る!!
「おいっ、小僧! いつまで寝とるんだ!」
「うわぁぁああ!? すみませんっ、腕立て伏せ百回、始めます!」
飛び起きたエイトが勢いよく床に落ちる。
痛みで目が覚めたらしく、目を丸くしてぽかんとしていた。
「あっははは! おは、おはようエイト!」
「あ、あれ? 教官……今の、え? レイラ?」
「そんなに似てたとはね、驚きだよ……。はー笑った笑った」
「起こすにしても、起こし方ってものがあると思うんだけど……」
「えー? だってエイト、鬼教官の真似したら絶対に起きるでしょ。私もだけど」
どうやっても起きないヤンガスは諦めて、エイトと一緒に一階へ降りる。
エイトの何か言いたげな視線は全部無視した。
一階のテーブルには、昨日の水晶玉と……椅子に座るルイネロさん。
「おはようございます」
「やっと起きてきたか。もう昼だぞ。この時間まで寝込むとは、相当に疲れていたのであろう」
どうりで日が高いはずだ……。
今回は私も早起きできなかったから、エイトの事を寝坊助とは言えない……。
「とにかく、お主らには礼を言わねばならん。お主らの持ち帰った水晶も、ほれ、このように収まる所に収まったぞ」
ルイネロさんが力を込めると、水晶が淡く輝き出す。
すごい、占い師が占いをするところって、何気に初めて見る……!
こう見ると、本物の占い師は神秘的なちからを持っているんだなぁ。
「こうやって真剣に占うのは何年ぶりかのう……。これもお主らのおかげだ」
水晶が一段と輝きを増した瞬間、ルイネロさんは表情を一気に険しくした。
良くないものが見えたのだろうか。
「こ、これはどうしたことか!?」
「何がですか!?」
「見えるぞ、見えるぞ! 道化師のような男が、南の関所を破っていったらしい!」
――道化師!
思わずエイトの手を掴む。
間違いない、それはドルマゲスだ。
やっぱりこの町を去った後だったのか……!
「ヤツこそがマスター・ライラスを手にかけた犯人じゃ! こ、こいつは、確か……。いや……だいぶ感じが違っているが、その昔、ライラスの弟子であった……。ド、ドルマゲス!」
「なんだって!!?」
二階からどデカい大声が聞こえて、ドタドタと階段を駆け下りる音。
おはようヤンガス、なんて言っている余裕は、残念ながら私たちにはなかった。
「あ、兄貴、姉貴! ドルマゲスっていや、兄貴達とトロデのおっさんが追っていた性悪魔法使いの名前じゃっ!? んで、その先は……もっと詳しく分からねえのか!?」
「詳しくか……。ちょっと待っておれ。……ん? これは……」
何かに気付いたルイネロさんが目を瞬かせる。
「この水晶は確かに昔わしが持っていたものに違いないが、ここに小さな傷のようなものがあるぞ。ふむ、相当固いものにぶつけてしまったようだな」
あ、それはきっとザバンの頭の古傷の原因だ……。
どんだけ石頭だったの、あいつ……。
「ん? その傷の横に小さな文字で落書きがあるぞ……。なになに……阿呆、じゃと!? だ、誰が阿呆じゃ!? 一体どこの馬鹿がこんなことを!」
滝壺にお住まいのザバンさーん!!
持ち主がお怒りだー!!
阿呆に馬鹿って言われるともう立つ瀬はない気がするけど!!
「ち、違うでがすよ! アッシがもっと詳しくって言うのは、そんな事じゃなくて……。あ、兄貴に姉貴〜!」
そんなヤンガスの頼りない声を残して、占いは終わってしまった。
ドルマゲス……。
師であるマスター・ライラスを殺した理由は?
トロデーン城にかけた呪いと関係があるの?
……なんにせよ、足取りを掴んだ今、奴を追うしかない。
追いついて、杖を取り戻して、呪いを解かなければ。
今、何時だろう。少なくとも朝ではない気がする。もう午後に近いような時間帯なんじゃないだろうか。
「って、エイトとヤンガスはまだ寝てるし……!」
だから寝坊助って言われるんだぞ!
私が寝坊助なんじゃないんだからな!
「エイト、起きて。もう朝越えて昼だよ!」
「んん……ひる……」
「ヤンガスも起きて!」
「んぐぅ……もう一杯……げへへ……」
「この、ダメンズ共め……!」
こういう時は、鬼教官のモノマネをすればエイトは起きる。
これは長年の相棒としての経験則だ。ちなみに私も真似されたら飛び起きる。
すうっと息を吐いて、腹に力を込める。そしてとびっきり低い声で、怒鳴る!!
「おいっ、小僧! いつまで寝とるんだ!」
「うわぁぁああ!? すみませんっ、腕立て伏せ百回、始めます!」
飛び起きたエイトが勢いよく床に落ちる。
痛みで目が覚めたらしく、目を丸くしてぽかんとしていた。
「あっははは! おは、おはようエイト!」
「あ、あれ? 教官……今の、え? レイラ?」
「そんなに似てたとはね、驚きだよ……。はー笑った笑った」
「起こすにしても、起こし方ってものがあると思うんだけど……」
「えー? だってエイト、鬼教官の真似したら絶対に起きるでしょ。私もだけど」
どうやっても起きないヤンガスは諦めて、エイトと一緒に一階へ降りる。
エイトの何か言いたげな視線は全部無視した。
一階のテーブルには、昨日の水晶玉と……椅子に座るルイネロさん。
「おはようございます」
「やっと起きてきたか。もう昼だぞ。この時間まで寝込むとは、相当に疲れていたのであろう」
どうりで日が高いはずだ……。
今回は私も早起きできなかったから、エイトの事を寝坊助とは言えない……。
「とにかく、お主らには礼を言わねばならん。お主らの持ち帰った水晶も、ほれ、このように収まる所に収まったぞ」
ルイネロさんが力を込めると、水晶が淡く輝き出す。
すごい、占い師が占いをするところって、何気に初めて見る……!
こう見ると、本物の占い師は神秘的なちからを持っているんだなぁ。
「こうやって真剣に占うのは何年ぶりかのう……。これもお主らのおかげだ」
水晶が一段と輝きを増した瞬間、ルイネロさんは表情を一気に険しくした。
良くないものが見えたのだろうか。
「こ、これはどうしたことか!?」
「何がですか!?」
「見えるぞ、見えるぞ! 道化師のような男が、南の関所を破っていったらしい!」
――道化師!
思わずエイトの手を掴む。
間違いない、それはドルマゲスだ。
やっぱりこの町を去った後だったのか……!
「ヤツこそがマスター・ライラスを手にかけた犯人じゃ! こ、こいつは、確か……。いや……だいぶ感じが違っているが、その昔、ライラスの弟子であった……。ド、ドルマゲス!」
「なんだって!!?」
二階からどデカい大声が聞こえて、ドタドタと階段を駆け下りる音。
おはようヤンガス、なんて言っている余裕は、残念ながら私たちにはなかった。
「あ、兄貴、姉貴! ドルマゲスっていや、兄貴達とトロデのおっさんが追っていた性悪魔法使いの名前じゃっ!? んで、その先は……もっと詳しく分からねえのか!?」
「詳しくか……。ちょっと待っておれ。……ん? これは……」
何かに気付いたルイネロさんが目を瞬かせる。
「この水晶は確かに昔わしが持っていたものに違いないが、ここに小さな傷のようなものがあるぞ。ふむ、相当固いものにぶつけてしまったようだな」
あ、それはきっとザバンの頭の古傷の原因だ……。
どんだけ石頭だったの、あいつ……。
「ん? その傷の横に小さな文字で落書きがあるぞ……。なになに……阿呆、じゃと!? だ、誰が阿呆じゃ!? 一体どこの馬鹿がこんなことを!」
滝壺にお住まいのザバンさーん!!
持ち主がお怒りだー!!
阿呆に馬鹿って言われるともう立つ瀬はない気がするけど!!
「ち、違うでがすよ! アッシがもっと詳しくって言うのは、そんな事じゃなくて……。あ、兄貴に姉貴〜!」
そんなヤンガスの頼りない声を残して、占いは終わってしまった。
ドルマゲス……。
師であるマスター・ライラスを殺した理由は?
トロデーン城にかけた呪いと関係があるの?
……なんにせよ、足取りを掴んだ今、奴を追うしかない。
追いついて、杖を取り戻して、呪いを解かなければ。
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