閑話2
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無事に姫様を取り戻し、ゲルダ邸を後にした私たち。
とりあえずパルミドに戻るか、という空気になったところで、エイトが「あのさ……」と切り出した。
「パルミドに行く途中に変な建物があったんだ。それが今になって気になって……」
「変な建物って何?」
「あの赤と緑の建物でがしょう? アッシもずっと昔から気になっちゃいたんですが、中に入ったことはないんで、あれがどういう建物かは分からねぇんでげすよ」
「じゃあ行ってみる?」
正気か? という目が二人分やってきた。
言わずもがなゼシカと陛下だ。
でも負けない、気になることは突き詰めないと気が済まない性分が故に!!
エイトと手を繋いでパルミドにルーラで戻り、そこから件の建物へと急いだ。
背後から「兄貴〜! 置いてかねえでくだせえ〜!」とヤンガスの声が聞こえている。
建物とパルミドはそこまで離れていなくて、私たちはすぐにその建物へと到着した。
「こんなところがあったんだねぇ」
「アスカンタからパルミドに行く時は、先を急いでいたから、そのまま通り過ぎたんだけど。やっぱり気になるよ、こんな建物があったら」
そう言いながらエイトが扉を開けようとする。
が、押せども引けども、下から持ち上げても扉は開かない。
あれぇ? と首を傾げた時、ふと上に人がいるのに気がついた。
エイトと一緒に建物の屋上へと上がる。
「すみません、この建物の方ですか?」
「……」
返事がない。
ただ首に巻いた白いマフラーが風にたなびいている。
なんだったら服装も、赤と緑の二色使いで全身タイツと来た。
大胆に胸元が開いてるから、胸毛もバッチリだ。
「あの、すみませーん!」
「……」
それでも返事がない。
え、なに、こんなにフルシカトされることある?
なんか腹立ってきたな、帰ろう!
そもそもこんな寄り道とかしてる場合じゃないし!
エイトと二人で顔を見合わせ、そこから立ち去ろうとした時だった。
「おお、せっかく話し掛けてくれたのに無視してすまなかったな。おぬしの話にも耳を傾けようではないか」
「ウワ気付いてた!!」
「レイラ、シッ!」
エイトが私の口と鼻を手で塞いできた。
呼吸出来んからやめろと言うに。
「わしの名はモリー。今はここで、風の話を聞いていた」
「一気に胡散臭さが出たな」
「思ってても言わない」
はい、私はもう何も言いません。
エイトと一緒にモリーさんの所へと戻る。
しかしそんなに風は強くないのに、なぜモリーさんのマフラーはそんなに靡いているんだ。
「風がわしにこう言うのだ。まもなくここに素晴らしい才能の持ち主がやってくるだろうと。ボーイ、ガール。おぬしらは旅人だな?」
キレのある動作でこちらを振り向き、モリーさんは私達にそう尋ねた。
背後でいちいち効果音みたいに声が聞こえてくるのは何なんだ、決めポーズみたいだな。
「はい、まあ……」
「ならばボーイたちに頼みたいことがある。まずはこれを受け取ってくれ」
そう言ってモリーさんは三枚のメモを私達に差し出した。
何が書いてあるんだろう……。
魔物の絵みたいなのが描いてあるのは見えたけど。
「わしとの話が終わったら、そのメモをつぶさに見るといい。そのメモには、それぞれにある魔物の情報が書かれている。そしてそのメモに書かれている魔物を見つけたなら、そやつを倒し、わしの所へと導いてほしいのだ。案ずる必要はない。ボーイとガールならば、いとも容易く実現するはずだ。目を見れば分かる。では頼んだぞ、ボーイ、ガール」
やっぱりキレッキレのポーズを取って、モリーさんは私たちに背を向けた。
……風に吹かれて、マフラーが靡いている。
というか、モリーさんの周囲だけ、やたらと風が強い……。
建物の屋上から降りて、皆と合流したところで、さっき貰ったメモを見た。
どうやら倒してほしい魔物のリストであるらしい。
「えーとなになに? エース・スライム『スラリン』、滅びたお城の近くで目撃情報あり。悪いスライムじゃないこともない……。いや悪いのか悪くないのかどっちなんだ……」
「気になるところはそこなの? こっちは何……『ロンリージョー』? マイエラ修道院周辺の土手で目撃、孤独を愛するフラフラ剣士……。いたかしら、そんなの」
「いたような、いなかったような……。あん時ゃ、院長の館まで急いでやしたんで、見覚えがねぇでげすよ」
「こっちはなんだ? とれとれチビチビ『プチノン』、女盗賊のお宅付近の波打ち際で目撃。波打ち際のやんちゃボーイ……。ボーイ……?」
プチアーノンにオスメスあるんだ、知らなかったな……。
要するに、スラリンはトロデーン城の近く、ジョーはマイエラ修道院の土手、プチノンはゲルダ邸の近くの浜辺ということだ。
距離的に近いのはプチノンになるから、まずはプチノンから片付けようということで意見は一致した。
順番としては、プチノン、ジョー、スラリンになるだろうか。
トロデーン城に向かう予定は今のところないけど、いつか必ず帰る場所だから。
きっと──ドルマゲスを倒した後に、必ず。
とりあえずパルミドに戻るか、という空気になったところで、エイトが「あのさ……」と切り出した。
「パルミドに行く途中に変な建物があったんだ。それが今になって気になって……」
「変な建物って何?」
「あの赤と緑の建物でがしょう? アッシもずっと昔から気になっちゃいたんですが、中に入ったことはないんで、あれがどういう建物かは分からねぇんでげすよ」
「じゃあ行ってみる?」
正気か? という目が二人分やってきた。
言わずもがなゼシカと陛下だ。
でも負けない、気になることは突き詰めないと気が済まない性分が故に!!
エイトと手を繋いでパルミドにルーラで戻り、そこから件の建物へと急いだ。
背後から「兄貴〜! 置いてかねえでくだせえ〜!」とヤンガスの声が聞こえている。
建物とパルミドはそこまで離れていなくて、私たちはすぐにその建物へと到着した。
「こんなところがあったんだねぇ」
「アスカンタからパルミドに行く時は、先を急いでいたから、そのまま通り過ぎたんだけど。やっぱり気になるよ、こんな建物があったら」
そう言いながらエイトが扉を開けようとする。
が、押せども引けども、下から持ち上げても扉は開かない。
あれぇ? と首を傾げた時、ふと上に人がいるのに気がついた。
エイトと一緒に建物の屋上へと上がる。
「すみません、この建物の方ですか?」
「……」
返事がない。
ただ首に巻いた白いマフラーが風にたなびいている。
なんだったら服装も、赤と緑の二色使いで全身タイツと来た。
大胆に胸元が開いてるから、胸毛もバッチリだ。
「あの、すみませーん!」
「……」
それでも返事がない。
え、なに、こんなにフルシカトされることある?
なんか腹立ってきたな、帰ろう!
そもそもこんな寄り道とかしてる場合じゃないし!
エイトと二人で顔を見合わせ、そこから立ち去ろうとした時だった。
「おお、せっかく話し掛けてくれたのに無視してすまなかったな。おぬしの話にも耳を傾けようではないか」
「ウワ気付いてた!!」
「レイラ、シッ!」
エイトが私の口と鼻を手で塞いできた。
呼吸出来んからやめろと言うに。
「わしの名はモリー。今はここで、風の話を聞いていた」
「一気に胡散臭さが出たな」
「思ってても言わない」
はい、私はもう何も言いません。
エイトと一緒にモリーさんの所へと戻る。
しかしそんなに風は強くないのに、なぜモリーさんのマフラーはそんなに靡いているんだ。
「風がわしにこう言うのだ。まもなくここに素晴らしい才能の持ち主がやってくるだろうと。ボーイ、ガール。おぬしらは旅人だな?」
キレのある動作でこちらを振り向き、モリーさんは私達にそう尋ねた。
背後でいちいち効果音みたいに声が聞こえてくるのは何なんだ、決めポーズみたいだな。
「はい、まあ……」
「ならばボーイたちに頼みたいことがある。まずはこれを受け取ってくれ」
そう言ってモリーさんは三枚のメモを私達に差し出した。
何が書いてあるんだろう……。
魔物の絵みたいなのが描いてあるのは見えたけど。
「わしとの話が終わったら、そのメモをつぶさに見るといい。そのメモには、それぞれにある魔物の情報が書かれている。そしてそのメモに書かれている魔物を見つけたなら、そやつを倒し、わしの所へと導いてほしいのだ。案ずる必要はない。ボーイとガールならば、いとも容易く実現するはずだ。目を見れば分かる。では頼んだぞ、ボーイ、ガール」
やっぱりキレッキレのポーズを取って、モリーさんは私たちに背を向けた。
……風に吹かれて、マフラーが靡いている。
というか、モリーさんの周囲だけ、やたらと風が強い……。
建物の屋上から降りて、皆と合流したところで、さっき貰ったメモを見た。
どうやら倒してほしい魔物のリストであるらしい。
「えーとなになに? エース・スライム『スラリン』、滅びたお城の近くで目撃情報あり。悪いスライムじゃないこともない……。いや悪いのか悪くないのかどっちなんだ……」
「気になるところはそこなの? こっちは何……『ロンリージョー』? マイエラ修道院周辺の土手で目撃、孤独を愛するフラフラ剣士……。いたかしら、そんなの」
「いたような、いなかったような……。あん時ゃ、院長の館まで急いでやしたんで、見覚えがねぇでげすよ」
「こっちはなんだ? とれとれチビチビ『プチノン』、女盗賊のお宅付近の波打ち際で目撃。波打ち際のやんちゃボーイ……。ボーイ……?」
プチアーノンにオスメスあるんだ、知らなかったな……。
要するに、スラリンはトロデーン城の近く、ジョーはマイエラ修道院の土手、プチノンはゲルダ邸の近くの浜辺ということだ。
距離的に近いのはプチノンになるから、まずはプチノンから片付けようということで意見は一致した。
順番としては、プチノン、ジョー、スラリンになるだろうか。
トロデーン城に向かう予定は今のところないけど、いつか必ず帰る場所だから。
きっと──ドルマゲスを倒した後に、必ず。
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