26章
夢小説設定
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よく分かるあらすじ。
月影のハープを取り返すためにモグラのアジトに殴り込んだら、スコップで頭を殴られて気絶したよ!
ぶっつりと途切れた意識が浮上して、私はゆっくりと目を覚ました。
未だに鈍い痛みを残す後頭部をさすりながら、よろよろと起き上がる。
「……う……ん?」
見たことのない場所だ。
立ち上がって周囲の状況を確認したところ、どうやらアジトの最深部に転がされていたようだった。
始末するのが目的ではない、とすると……。
「モグラって人を攫う趣味があるとか……? 聞いたことないけど、そんな趣味……」
でも現にこうして、私は連れ去られてしまったわけだしな。
くっそぉ、ククールにまた鼻で笑われる……。
最近、本当に近衛兵らしいところを見せられていない。
このままではトロデーンが復活した時、私だけ近衛隊をクビになってしまう……!!
「……んっと、武器と防具は無事。袋の中身も全部ある……。いよいよ謎だな……」
いったいぜんたい、何のために私を攫ってきたんだ。
キレ散らかしたエイトがカチコミに来ても知らないぞ、私は。
エイトが怒ると本当に怖いんだからな!?
「……ん?」
洞窟の中を反響して、遠くから声が聞こえてくる。
エイトたちではなさそうだ。
とすると、もしかしてモグラの仲間か!?
「おのれモグラどもめ、どこに……」
モグラを探すべく歩き出そうとしたとき
「待って!」
足元から私を呼び止める声がした。
すすす、と視線が下に向かっていくと、そこにはイタズラモグラが必死な顔をしていた。
「モグラ!?」
モグラが私を足止めしようとしている……。
そりゃあ、仲間のモグラを倒されたら大変だろうから、気持ちは分からんでもないけど。
だがしかし、モグラ如きが私の歩みを止められると思ったら大間違いだ!
私を止められるのはこの世にただ一人!
死ぬほど怒っているエイトだけだ!
逆らうと怖いからね!
「あいにくモグラの言うことに貸す耳はない!」
「本当に待って! 今、ボスのところに行かないほうがいいよ!」
「ボス? この先にあんたたちのボスがいるの? ……あ!」
ってことは、ハープってボスが持ってるんじゃないの!?
そんな馬鹿なと思いつつ薄々感じてたけど、やっぱり月影のハープってモグラたちが盗んだのか……。
「月影のハープはどこ? 早く渡しなさい!」
「ハープならボスが持ってるんだ! けど、ボスってかなり音痴で……。歌声を聴くと頭がおかしくなっちゃうんだ! 絶対に行かないほうがいいよ! 本当なら、君の霊導の能力は僕たち魔物にとっては危険だから、殺したいところけど」
「おいおい急に物騒になったぞこいつ」
堂々と殺す宣言をされた。
ひどいや、まだ霊導者として何もしてないのに。
霊導者になるつもりは無いけど。
「まあ、それはいいとして、いやよくないけど。こっちとしても、ハープを取り返さなきゃ話は進まないんだよね。忠告ありがと! だけど行ってくる」
「え? あ、ちょっと!」
慌てるモグラの横をすり抜け、最奥のステージっぽい場所にいるボスの前に立つ。
なんというか……デカいな、縦も横も。
何を小粋にサングラスなんか掛けとるんだ、このボスモグラは。
「あんたがボス!?」
のんきに(かなり音痴ではあるが)歌っているボスに向かって声を張り上げる。
なるほど、こりゃ確かに聞いてる奴らは頭がおかしくなるわ!
思わず耳を塞いだもんね、今!
「おーい! ボス! 聞けよドン! ……チッ、無視か」
というか、さすがの私も頭がおかしくなりそうだな、これ。
真面目に命の危機を感じてるぞ、モグラの歌声で。
「あーもう! 聞けってこのオンチ!」
悪態ついでにボスの腹を蹴り飛ばす。
思いのほかいいところに決まったようで、ボスモグラの歌声がようやく途切れてくれた。
死ぬかと思ったよ……鼓膜が……。
「ぐあっ! き、貴様! 今、私の腹を蹴ったな!? このボディーに傷がついたらどうする!」
「え、ちょっと待って。もしかして自慢のボディーなんですか」
「当然だろう!」
「嘘だろ」
そんな……お前、それで自慢のボディーとか……。
いやまぁ人によってはわがままボディか、いや絶対違う。
なんだ、モグラはメタボを極めなきゃダメな世界なのか、モグラ界も大変だな。
かなり冷めた目で私はボスを見つめていた。
そうして思った。
食っちゃ寝してたら、いずれ私もこうなるんだろうな、と。
月影のハープを取り返すためにモグラのアジトに殴り込んだら、スコップで頭を殴られて気絶したよ!
ぶっつりと途切れた意識が浮上して、私はゆっくりと目を覚ました。
未だに鈍い痛みを残す後頭部をさすりながら、よろよろと起き上がる。
「……う……ん?」
見たことのない場所だ。
立ち上がって周囲の状況を確認したところ、どうやらアジトの最深部に転がされていたようだった。
始末するのが目的ではない、とすると……。
「モグラって人を攫う趣味があるとか……? 聞いたことないけど、そんな趣味……」
でも現にこうして、私は連れ去られてしまったわけだしな。
くっそぉ、ククールにまた鼻で笑われる……。
最近、本当に近衛兵らしいところを見せられていない。
このままではトロデーンが復活した時、私だけ近衛隊をクビになってしまう……!!
「……んっと、武器と防具は無事。袋の中身も全部ある……。いよいよ謎だな……」
いったいぜんたい、何のために私を攫ってきたんだ。
キレ散らかしたエイトがカチコミに来ても知らないぞ、私は。
エイトが怒ると本当に怖いんだからな!?
「……ん?」
洞窟の中を反響して、遠くから声が聞こえてくる。
エイトたちではなさそうだ。
とすると、もしかしてモグラの仲間か!?
「おのれモグラどもめ、どこに……」
モグラを探すべく歩き出そうとしたとき
「待って!」
足元から私を呼び止める声がした。
すすす、と視線が下に向かっていくと、そこにはイタズラモグラが必死な顔をしていた。
「モグラ!?」
モグラが私を足止めしようとしている……。
そりゃあ、仲間のモグラを倒されたら大変だろうから、気持ちは分からんでもないけど。
だがしかし、モグラ如きが私の歩みを止められると思ったら大間違いだ!
私を止められるのはこの世にただ一人!
死ぬほど怒っているエイトだけだ!
逆らうと怖いからね!
「あいにくモグラの言うことに貸す耳はない!」
「本当に待って! 今、ボスのところに行かないほうがいいよ!」
「ボス? この先にあんたたちのボスがいるの? ……あ!」
ってことは、ハープってボスが持ってるんじゃないの!?
そんな馬鹿なと思いつつ薄々感じてたけど、やっぱり月影のハープってモグラたちが盗んだのか……。
「月影のハープはどこ? 早く渡しなさい!」
「ハープならボスが持ってるんだ! けど、ボスってかなり音痴で……。歌声を聴くと頭がおかしくなっちゃうんだ! 絶対に行かないほうがいいよ! 本当なら、君の霊導の能力は僕たち魔物にとっては危険だから、殺したいところけど」
「おいおい急に物騒になったぞこいつ」
堂々と殺す宣言をされた。
ひどいや、まだ霊導者として何もしてないのに。
霊導者になるつもりは無いけど。
「まあ、それはいいとして、いやよくないけど。こっちとしても、ハープを取り返さなきゃ話は進まないんだよね。忠告ありがと! だけど行ってくる」
「え? あ、ちょっと!」
慌てるモグラの横をすり抜け、最奥のステージっぽい場所にいるボスの前に立つ。
なんというか……デカいな、縦も横も。
何を小粋にサングラスなんか掛けとるんだ、このボスモグラは。
「あんたがボス!?」
のんきに(かなり音痴ではあるが)歌っているボスに向かって声を張り上げる。
なるほど、こりゃ確かに聞いてる奴らは頭がおかしくなるわ!
思わず耳を塞いだもんね、今!
「おーい! ボス! 聞けよドン! ……チッ、無視か」
というか、さすがの私も頭がおかしくなりそうだな、これ。
真面目に命の危機を感じてるぞ、モグラの歌声で。
「あーもう! 聞けってこのオンチ!」
悪態ついでにボスの腹を蹴り飛ばす。
思いのほかいいところに決まったようで、ボスモグラの歌声がようやく途切れてくれた。
死ぬかと思ったよ……鼓膜が……。
「ぐあっ! き、貴様! 今、私の腹を蹴ったな!? このボディーに傷がついたらどうする!」
「え、ちょっと待って。もしかして自慢のボディーなんですか」
「当然だろう!」
「嘘だろ」
そんな……お前、それで自慢のボディーとか……。
いやまぁ人によってはわがままボディか、いや絶対違う。
なんだ、モグラはメタボを極めなきゃダメな世界なのか、モグラ界も大変だな。
かなり冷めた目で私はボスを見つめていた。
そうして思った。
食っちゃ寝してたら、いずれ私もこうなるんだろうな、と。
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