13章
夢小説設定
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ククールさんにこっそりと連れ出され、私達が向かった先は、なんと地下牢の拷問室だった。
人生初の投獄を味わった陛下は、目に見えてご立腹だ。
ついでに、ククールさんが私に色目を使おうとしたら、なぜかエイトまで機嫌が悪くなった。
「そう怒るなって。それより……ほら。珍しいもの見せてやるよ」
ククールさんがそう言って、陛下の首根っこを掴んで持ち上げる。
「なんじゃ?」と陛下が正面の拷問器具を見つめると、閉まっていた扉がガシャンと音を立てて開いた。
どう見てもヤバそうな拷問器具だ。
いや、拷問器具にヤバくないものなんか存在しないけども。
「ほら、中のトゲトゲに血の染みがこびりついてるだろ?」
陛下は全身をガタガタ言わせている。
それはそうだ、こんなものトロデーン城には置いてないもん。
「たとえばあんたを中に入れて蓋を閉めれば、全身をこのトゲが突き刺すのさ。つめりオレは手を汚さずにあんたを全身穴だらけにできるってわけだ。便利だろ?」
「いや便利とかいう話ではないと思うんですが!?」
「これどう見たってアイアンメイデンですよね!? 陛下を殺す気ですか!? 人の主君を殺す気なんかお前ぇぇぇ!?」
もしかしなくてもこの人、アイアンメイデンに陛下を入れようとしてないか!?
そうじゃなかったら、こんなもの見せる理由がない!
私とエイトが止める間もなく、ククールさんがアイアンメイデンに陛下をぶち込み、そして扉を閉めた。
「ギャァァーッ!!!」
「陛下ァァァー!?」
陛下の声がか細くなっていく。
ああ、なんてことだ。
ドルマゲスを倒す前に、修道院を相手に戦わなくてはならないとは。
「不敬罪……国家反逆罪……? 普通に殺人罪……?」
「トロデ王! トロデ王、ご無事ですか!?」
どの罪で裁けばいいのか迷う私と、アイアンメイデンに向かって叫ぶエイト。
中々な地獄絵図だ。
ちなみに陛下をぶち込んだ張本人は、涼しい顔をしている。
あと少しで剣の柄に手が掛かる――その時。
「……ん? おおっ!! エイト、レイラ、聞こえるか!? この奥は抜け穴になっておる!」
「へ? 抜け穴……?」
カンカンと内側を叩く音と共に、陛下の声が聞こえた。
よ、良かった……生きておられた……。
思わずよろよろとしゃがみ込みそうになったのを、エイトが慌てて支えてくれた。
「……と、まあ、ご覧の通りだ」
「拷問器具の意味が無いのでは……?」
「いいや? 普段は立派に罪人の身体を穴だらけにしてるぜ? ただまあ、こいつの操作方法をちょっとばかり弄れば、あの魔物のおっさんみたく無傷で抜け穴に落ちるってわけさ」
「……要するに、死体を回収するための穴ってわけよね」
「それは思ってても言わないでほしかったでげすよ……」
い、いやぁ本当に、それはそう。
……だってこれ、今からこれに私達も入って脱出するって話でしょ?
「てなわけで、次はそこのお嬢さんが入ることにしよう」
「……殺しません?」
「自分から死にに行く馬鹿じゃないさ」
「答えになってない気がしますけど!?」
ククールさんの視線は、意味ありげにエイトを見つめていた。
エイトがどうしたっていうんだろう。
とりあえず、これに入らないことには、脱出も出来ないので……。
恐る恐るとアイアンメイデンの中に入る。
扉が閉まる直前、床がパカッと開いた。
「うわぁぁぁあ!? 何この浮遊感ンンンッ!!」
死なないと分かっていても、これは怖い。
しかし、そこは王族付きの近衛兵。
しっかりと足から着地できた。
「陛下!」
「おお、レイラが先であったか!」
「はい! エイトももうすぐ……」
「レイラどいてぇぇぇ!!」
叫び声が聞こえて、慌ててその場から飛び退く。
私がさっきまでいた場所に、エイトが軽やかに着地してきた。
「怖くなかったの……?」
「そうでもなかったかな」
頭上を見上げて、エイトが落ちてくる場所を空ける。
程なくしてヤンガスが落ちてきた。
「どわぁぁぁ!!」
ものの見事に不時着だ、さすがヤンガス。
期待を裏切らない男だよ……。
「まあ、ヤンガスはこうなるって分かってたけど……」
起き上がりかけたヤンガスの上に、ゼシカが降ってくる。
その場にすっ転んだままだったヤンガスは、可哀想なことにゼシカを身体で受け止める羽目になってしまった。
「ぐえっ」
「あら、いいクッションね」
「ゼシカも結構ひどい子だな……」
ヤンガスが起き上がるのを手伝って、最後にククールさんが落ちてきた。
どうやって自分で操作したのかは怖くて聞けなかったので、謎のままにしておこうと思う。
人生初の投獄を味わった陛下は、目に見えてご立腹だ。
ついでに、ククールさんが私に色目を使おうとしたら、なぜかエイトまで機嫌が悪くなった。
「そう怒るなって。それより……ほら。珍しいもの見せてやるよ」
ククールさんがそう言って、陛下の首根っこを掴んで持ち上げる。
「なんじゃ?」と陛下が正面の拷問器具を見つめると、閉まっていた扉がガシャンと音を立てて開いた。
どう見てもヤバそうな拷問器具だ。
いや、拷問器具にヤバくないものなんか存在しないけども。
「ほら、中のトゲトゲに血の染みがこびりついてるだろ?」
陛下は全身をガタガタ言わせている。
それはそうだ、こんなものトロデーン城には置いてないもん。
「たとえばあんたを中に入れて蓋を閉めれば、全身をこのトゲが突き刺すのさ。つめりオレは手を汚さずにあんたを全身穴だらけにできるってわけだ。便利だろ?」
「いや便利とかいう話ではないと思うんですが!?」
「これどう見たってアイアンメイデンですよね!? 陛下を殺す気ですか!? 人の主君を殺す気なんかお前ぇぇぇ!?」
もしかしなくてもこの人、アイアンメイデンに陛下を入れようとしてないか!?
そうじゃなかったら、こんなもの見せる理由がない!
私とエイトが止める間もなく、ククールさんがアイアンメイデンに陛下をぶち込み、そして扉を閉めた。
「ギャァァーッ!!!」
「陛下ァァァー!?」
陛下の声がか細くなっていく。
ああ、なんてことだ。
ドルマゲスを倒す前に、修道院を相手に戦わなくてはならないとは。
「不敬罪……国家反逆罪……? 普通に殺人罪……?」
「トロデ王! トロデ王、ご無事ですか!?」
どの罪で裁けばいいのか迷う私と、アイアンメイデンに向かって叫ぶエイト。
中々な地獄絵図だ。
ちなみに陛下をぶち込んだ張本人は、涼しい顔をしている。
あと少しで剣の柄に手が掛かる――その時。
「……ん? おおっ!! エイト、レイラ、聞こえるか!? この奥は抜け穴になっておる!」
「へ? 抜け穴……?」
カンカンと内側を叩く音と共に、陛下の声が聞こえた。
よ、良かった……生きておられた……。
思わずよろよろとしゃがみ込みそうになったのを、エイトが慌てて支えてくれた。
「……と、まあ、ご覧の通りだ」
「拷問器具の意味が無いのでは……?」
「いいや? 普段は立派に罪人の身体を穴だらけにしてるぜ? ただまあ、こいつの操作方法をちょっとばかり弄れば、あの魔物のおっさんみたく無傷で抜け穴に落ちるってわけさ」
「……要するに、死体を回収するための穴ってわけよね」
「それは思ってても言わないでほしかったでげすよ……」
い、いやぁ本当に、それはそう。
……だってこれ、今からこれに私達も入って脱出するって話でしょ?
「てなわけで、次はそこのお嬢さんが入ることにしよう」
「……殺しません?」
「自分から死にに行く馬鹿じゃないさ」
「答えになってない気がしますけど!?」
ククールさんの視線は、意味ありげにエイトを見つめていた。
エイトがどうしたっていうんだろう。
とりあえず、これに入らないことには、脱出も出来ないので……。
恐る恐るとアイアンメイデンの中に入る。
扉が閉まる直前、床がパカッと開いた。
「うわぁぁぁあ!? 何この浮遊感ンンンッ!!」
死なないと分かっていても、これは怖い。
しかし、そこは王族付きの近衛兵。
しっかりと足から着地できた。
「陛下!」
「おお、レイラが先であったか!」
「はい! エイトももうすぐ……」
「レイラどいてぇぇぇ!!」
叫び声が聞こえて、慌ててその場から飛び退く。
私がさっきまでいた場所に、エイトが軽やかに着地してきた。
「怖くなかったの……?」
「そうでもなかったかな」
頭上を見上げて、エイトが落ちてくる場所を空ける。
程なくしてヤンガスが落ちてきた。
「どわぁぁぁ!!」
ものの見事に不時着だ、さすがヤンガス。
期待を裏切らない男だよ……。
「まあ、ヤンガスはこうなるって分かってたけど……」
起き上がりかけたヤンガスの上に、ゼシカが降ってくる。
その場にすっ転んだままだったヤンガスは、可哀想なことにゼシカを身体で受け止める羽目になってしまった。
「ぐえっ」
「あら、いいクッションね」
「ゼシカも結構ひどい子だな……」
ヤンガスが起き上がるのを手伝って、最後にククールさんが落ちてきた。
どうやって自分で操作したのかは怖くて聞けなかったので、謎のままにしておこうと思う。
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