八章
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ニールはどこかへと姿を消し、この場には守護者と玉依姫、そして典薬寮の二人──そして、アリア・ローゼンブルグが残った
「……去った、ようだな
あのニールとかいう男」
息を吐き出すように呟いて、アリアが体の力を抜く
アリアの言葉で、ようやくそれが実感できた
「……助かったのね」
そう思うと、踏ん張っていた足から力が抜けてしまって
かくんと膝が折れて、その場に膝をつきそうになってしまった
「大丈夫か!?」
「あはは、うん……」
倒れそうになる私を、慌てて真弘が支えてくれる
真弘に笑い返したけど、気の抜けたような声音になってしまった
「ありがとう、アリア、みんなも
良かった……」
「鏡は取り返せなかった
良かったとは言えねえだろ」
「とりあえず、みんな無事だったんだから、いいじゃないですか」
憤る遼を慎司が窘めて微笑む
確かに、あれを食らっていたら、私達は無事では済まなかっただろう
「うん
そうだよ、みんな無事だったんだもの
鏡のことはこれからまた対策を練ろう」
珠紀ちゃんの言葉に、私たちは静かに頷いた
……ニールが何者なのか、鏡を使って何をしようとしているのか
明確なことは、まだ分からないままだけれど
今はなんて言うか……
「生きてる……良かった……」
確かめるように呟いて、ゆっくりと息を吐く
久々に死の瀬戸際での応酬をしたものだから、命があることが素直に嬉しい
「ところでアリア、あなたは典薬寮に保護されていたんじゃ
それにどうやって村の中に?
ニールのこと、何か知ってるの?」
「話題は一度に一つにしろ」
「あ……ご、ごめん
つい興奮しちゃって
でも……一体どうして……」
「質問に答えよう──」
「いや……そりゃ後だな
偉そうにしてる割にはフラフラじゃねえか」
真弘の言葉で初めてアリアの状態に気が付いた
確かに、アリアの身体はふらついている
が、アリアは真弘の、どこか上から目線な態度が気に食わなかったようだ
「珠紀……この失礼な子供は何者だ?」
「忘れてんじゃねえよ!
あと俺は子供じゃねえ!
お前よりずっと年上だ!
年上は敬うもんだろうが」
「精神年齢は私より下に見えるが?」
「んだとこのやろう!
おいお前ら、このお子様に、どっちが大人か教えてやれ」
お前ら、と括って言われた私達は、目の前の二人を見据えて口を開いた
「「どっちもどっち」」
「な──」と二人が固まる
真弘に関しては、大いに反省してほしい
どうして普段の真弘はそうなのか……
「おい、第二のシビル!
お前はこの子供の世話役だろう!
どういう教育を施したら、ここまで生意気に育つのだ!」
「ほーお?
その言葉、そっくりそのまま返してやるよ!
お前こそどういう教育を受けたらそこまで偉そうな態度を取れるんだ!?
あと優佳は世話役じゃなくて、俺の恋人だ!」
「……第二のシビル、悪いことは言わん
こいつと付き合うのは考え直したほうがいいぞ」
「なんっでテメーにンなこと言われなきゃなんねーんだよ!?」
「はいはい!
十歳の子供相手にムキになって、大人げないわよ真弘!
アリアも、真弘を煽るのはやめてあげて
気が短いから、すぐ喧嘩を買うのよ
仲裁に入るこっちが面倒なんだから!」
パンパンと手を叩いて、二人の言い合いを止める
なぜか真弘の顔色が悪くなっていた
「……相変わらず、真弘先輩相手だと容赦ないな、優佳先輩は」
「そんな優佳先輩だからこそ、真弘先輩と付き合えてるんだよ……」
「……ふん
そいつがいないと、そこのガキと口論になってばかりで、まともに会話が出来ないだけじゃねぇのか」
「遼……!
言い過ぎだよ、そうかもしれないけど……」
「な、なんだお前ら
俺が優佳の言いなりになってるみてぇな言い方してよ」
「あはは、まぁ、うまくバランスが取れてるってことですよ!」
後輩達の真弘に対する株が暴落して、私の株が上がっていく気配がする
皆の前だと真弘と私はこんな感じだけど、二人のときはそうでもないって知ったら、みんな驚くんだろうな
さて、と大蛇さんが場を仕切り直す
とにかくここでゆっくりしている場合ではない
ニールがいつ戻ってくるか分からないし、あの黒い生き物──うつろが現れないとも限らないから
なおもバチバチと火花を散らす真弘とアリアにそっとため息をついて、それから私はふと、ニールの言葉を思い出した
人間に迫害される妖魔だと、彼は私達に言った
それはある意味では真実なのかもしれない
私達は完全な人間ではなく、どうしても異形の血が混ざっている
カミを祖先に持つ者とそうでない者がいるけれど、そんなものは、関わりのない人達からすれば、違いのないことなんだろう
人ならざる力を持つこと、それ自体が異形であるというのなら
……だけど、みんなが迫害を受けているわけじゃない
少しずつだけど、村の人達とも関わりが持てるようになった
この現象を解決できれば、きっとみんな今まで通り、平和に暮らしていける
──みんなは大丈夫、私も心配していない
ただ、私のことだけは、村の人達も許してくれないだろう
命を持って償えと……
背負った罪を清算しろと、私はいつか必ず、血による代価を求められる──
「……去った、ようだな
あのニールとかいう男」
息を吐き出すように呟いて、アリアが体の力を抜く
アリアの言葉で、ようやくそれが実感できた
「……助かったのね」
そう思うと、踏ん張っていた足から力が抜けてしまって
かくんと膝が折れて、その場に膝をつきそうになってしまった
「大丈夫か!?」
「あはは、うん……」
倒れそうになる私を、慌てて真弘が支えてくれる
真弘に笑い返したけど、気の抜けたような声音になってしまった
「ありがとう、アリア、みんなも
良かった……」
「鏡は取り返せなかった
良かったとは言えねえだろ」
「とりあえず、みんな無事だったんだから、いいじゃないですか」
憤る遼を慎司が窘めて微笑む
確かに、あれを食らっていたら、私達は無事では済まなかっただろう
「うん
そうだよ、みんな無事だったんだもの
鏡のことはこれからまた対策を練ろう」
珠紀ちゃんの言葉に、私たちは静かに頷いた
……ニールが何者なのか、鏡を使って何をしようとしているのか
明確なことは、まだ分からないままだけれど
今はなんて言うか……
「生きてる……良かった……」
確かめるように呟いて、ゆっくりと息を吐く
久々に死の瀬戸際での応酬をしたものだから、命があることが素直に嬉しい
「ところでアリア、あなたは典薬寮に保護されていたんじゃ
それにどうやって村の中に?
ニールのこと、何か知ってるの?」
「話題は一度に一つにしろ」
「あ……ご、ごめん
つい興奮しちゃって
でも……一体どうして……」
「質問に答えよう──」
「いや……そりゃ後だな
偉そうにしてる割にはフラフラじゃねえか」
真弘の言葉で初めてアリアの状態に気が付いた
確かに、アリアの身体はふらついている
が、アリアは真弘の、どこか上から目線な態度が気に食わなかったようだ
「珠紀……この失礼な子供は何者だ?」
「忘れてんじゃねえよ!
あと俺は子供じゃねえ!
お前よりずっと年上だ!
年上は敬うもんだろうが」
「精神年齢は私より下に見えるが?」
「んだとこのやろう!
おいお前ら、このお子様に、どっちが大人か教えてやれ」
お前ら、と括って言われた私達は、目の前の二人を見据えて口を開いた
「「どっちもどっち」」
「な──」と二人が固まる
真弘に関しては、大いに反省してほしい
どうして普段の真弘はそうなのか……
「おい、第二のシビル!
お前はこの子供の世話役だろう!
どういう教育を施したら、ここまで生意気に育つのだ!」
「ほーお?
その言葉、そっくりそのまま返してやるよ!
お前こそどういう教育を受けたらそこまで偉そうな態度を取れるんだ!?
あと優佳は世話役じゃなくて、俺の恋人だ!」
「……第二のシビル、悪いことは言わん
こいつと付き合うのは考え直したほうがいいぞ」
「なんっでテメーにンなこと言われなきゃなんねーんだよ!?」
「はいはい!
十歳の子供相手にムキになって、大人げないわよ真弘!
アリアも、真弘を煽るのはやめてあげて
気が短いから、すぐ喧嘩を買うのよ
仲裁に入るこっちが面倒なんだから!」
パンパンと手を叩いて、二人の言い合いを止める
なぜか真弘の顔色が悪くなっていた
「……相変わらず、真弘先輩相手だと容赦ないな、優佳先輩は」
「そんな優佳先輩だからこそ、真弘先輩と付き合えてるんだよ……」
「……ふん
そいつがいないと、そこのガキと口論になってばかりで、まともに会話が出来ないだけじゃねぇのか」
「遼……!
言い過ぎだよ、そうかもしれないけど……」
「な、なんだお前ら
俺が優佳の言いなりになってるみてぇな言い方してよ」
「あはは、まぁ、うまくバランスが取れてるってことですよ!」
後輩達の真弘に対する株が暴落して、私の株が上がっていく気配がする
皆の前だと真弘と私はこんな感じだけど、二人のときはそうでもないって知ったら、みんな驚くんだろうな
さて、と大蛇さんが場を仕切り直す
とにかくここでゆっくりしている場合ではない
ニールがいつ戻ってくるか分からないし、あの黒い生き物──うつろが現れないとも限らないから
なおもバチバチと火花を散らす真弘とアリアにそっとため息をついて、それから私はふと、ニールの言葉を思い出した
人間に迫害される妖魔だと、彼は私達に言った
それはある意味では真実なのかもしれない
私達は完全な人間ではなく、どうしても異形の血が混ざっている
カミを祖先に持つ者とそうでない者がいるけれど、そんなものは、関わりのない人達からすれば、違いのないことなんだろう
人ならざる力を持つこと、それ自体が異形であるというのなら
……だけど、みんなが迫害を受けているわけじゃない
少しずつだけど、村の人達とも関わりが持てるようになった
この現象を解決できれば、きっとみんな今まで通り、平和に暮らしていける
──みんなは大丈夫、私も心配していない
ただ、私のことだけは、村の人達も許してくれないだろう
命を持って償えと……
背負った罪を清算しろと、私はいつか必ず、血による代価を求められる──
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